2001年度 採集記(北関東〜福島県 カミキリ編)
2001.07.19 (Thu) 〜
2001.07.22 (Sun)

   群馬県 利根郡
   栃木県 塩谷郡
   福島県 南会津郡

   天気:晴れ一時雨
   気温:19.3 〜 32.2 度
   湿度:51 〜 98 %
   風力:0〜3
● ソダ場

まずは、有名な土場へ向かい車を走らせる。

今や「過去のポイント」と化したしょぼい土場なのだが、心情的には見たくなってしまう。

その土場のちょっと手前に、大量のソダを積み上げてあるポイントを前回確認しているため、寄り道することに。

相変わらずいい感じ。

地味系のサビカミキリ属を求め、枝の1本1本を舐めるように観察する。

おおっ!、相棒が見つけてくれた。

ヒメヒゲナガカミキリである。

奈良県で採集したのとは、少々紋様が異なっている。

[ Monochamus subfasciatus subfasciatus (BATES, 1873) ]

あとは、ゴマフカミキリシラオビゴマフケシカミキリなど既採集種ばかりであるため、早々に立ち去る。

そして数分後「過去のポイント」へ到着した。

新たな材が運ばれている感じは全くなく、風化して朽ち果てそうな材が放置されっぱなし。

かなり広い場所なため、相棒とばらばらに別れて各材をルッキングする。

おおっ!

殺風景な土場のなかで、一層目を引くスカイブルー。

おなじみのルリボシカミキリだ。

[ Rosalia batesi HAROLD, 1877 ]

どうやら、シーズンまっただ中のようであり、大発生している模様。

ここぞとばかりに、生態写真を撮りまくる。

しっかし、本当に美しいカミキリである。

切手にもデザインされるほど、日本の代表種とされる理由がわかる。
ふと、相棒の方へ行ってみると、乙なカミキリがいると言う。

うわ〜〜っ!!

オオアオカミキリじゃないか。

超かっこいいっす。

掴んだ瞬間、ジャコウの香りが周囲に漂う。
[ Chloridolum thaliodes BATES, 1884 ]

言葉では同じ「ジャコウ(麝香)」と表現されるが、先日茨城県で採集したオオチャイロハナムグリとは随分と異なる香気だ。

私は、このオオアオカミキリの香気の方が好みである。

いずれにしても、素人には狙って採れるカミキリでもないため、本当にラッキーだった。

見つけてくれてありがとう。 >相棒

さて、だいたい採ってしまった感があるため、そろそろ先へ行くとしよう。

今度は高標高地のピドニア(ヒメハナカミキリ属)を狙って、県境近くの林道を攻めてみたい。

ぐ〜〜んと標高を上げ、下見済みの林道へ到着した。

入り口付近に車を停め、徒歩にて探索を開始する。

林道沿いには、無数のシシウドが咲き誇っている。

ピドニアを狙うには、直射日光の当たらない花が狙い目となる。


まずは、ピドニアではないが一種発見。

チャボハナカミキリという可愛いカミキリである。

[ Pseudallosterna misella (BATES, 1884) ]


見慣れないカミキリも発見。

ミヤマホソハナカミキリハコネホソハナカミキリという種類。

遠目にはネキダリス様にも見え、心臓に悪い...。

[ Idiostrangalia hakonensis (MATSUSHITA, 1933) ]
※ 2002.02.10 誤同定(ミヤマホソハナ)をハコネホソハナへ訂正

そして、ピドニアもちゃんと訪花していた。

オオヒメハナカミキリという、名前の通りやや大型のヒメハナカミキリ。

多数が群がっている。

[ Pidonia grallatrix (BATES, 1884) ]


これは、ムネアカヨコモンヒメハナカミキリ オヤマヒメハナカミキリの♂(※)。

個人的にはけっこう好きなタイプだ。

どこが?、と聞かれても返答に困るが...。

[ Pidonia oyamae (OYAMA,1908) ]
※ 2002.06.06 誤同定(ムネアカヨコモン)をオヤマへ訂正


あとは、こんなやつとか。

基本的に同定がままならないため、とにかく今まで採ってないと思ったものは、とりあえず採集しておいた。

実際、採集した中に5〜6種の名無しのゴンベイがいる...。

[ Gonbei nanasii RUDOLF, 2001 ]


● サワグルミの伐採木

ピドニアを適当に摘みながら、林道を進んでいく。

先を歩く相棒。

すると、谷側にサワグルミの伐採木が散在していたため、少し観察してみることにした。

ふ〜〜む、ここにもちゃんとカミキリがいる。

細い枝にしがみついていたナカジロサビカミキリ。
[ Pterolophia jugosa jugosa (BATES, 1873) ]


次はクワサビカミキリ。
[ Monochamus grandis (WATERHOUSE, 1881) ]


上翅の紋様が面白い、キッコウモンケシカミキリ。

本当に「亀甲模様」である。

なかには、亀甲紋を呈さず黒化した個体もいるとのこと。
[ Exocentrus testudineus MATSUSHITA, 1931 ]


交尾中のトゲバカミキリ。
[ Rondibilis saperdina (BATES, 1884) ]


フタモンアラゲカミキリ。

フタオビアラゲカミキリ。
[ Arhopaloscelis bifasciatus (KRAATZ, 1879) ]
※ 2002.02.10 誤同定(フタモンアラゲ)をフタオビアラゲへ訂正

それにちょっと似た、ジュウジクロカミキリ。
[ Clytosemia pulchra BATES, 1884 ]


産卵中のクロニセリンゴカミキリ。
[ Eumecocera unicolor (KANO, 1933) ]


ビロウドカミキリまで。
[ Acalolepta fraudatrix fraudatrix (BATES, 1873) ]

けっこう、いろんなカミキリが集まっているものである。

唯一残念だったのは、キモンカミキリという綺麗なカミキリを2度も採り逃したことだ...。

ちなみに、サワグルミで採れることが知られるオオアオカミキリは、ここでは採集できなかった。ムシとの出会いは教科書通りばかりではないようだ。


● 再びノリウツギ

やはりこの時期の旬は「ノリウツギ」。

もちろん、この林道にも多数のノリウツギが生えており、高標高ゆえ満開とまではいかないが、陽当たりの良い斜面に生えるものは5分〜8分咲きである。

もう1丁頑張ってみよう。

花をルッキングしてみると、案の定、カミキリが飛来している。

ずんぐりとした体形のマルガタハナカミキリ。

そこそこ個体数は多い。
[ Judolia cometes (BATES, 1884) ]


ん!、ミヤマクロハナカミキリ?

う〜〜ん、上翅が藍色がかっており、ルリハナカミキリと思われる。
[ Anoplodermorpha cynea (GEBLER, 1832) ]

とりあえず、未採集種はこんな感じである。

他は、今までのノリウツギポイントで採集したのと重なる種が多い。

というわけで、この林道での採集は満喫できた。時間も遅くなってきたため、そろそろ栃木県へ入ることにした。

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