2001年度 採集記(北関東〜福島県 カミキリ編)
2001.06.09 (Sat) 〜
2001.06.10 (Sun)

   群馬県 利根郡
   栃木県 塩谷郡
   福島県 南会津郡

   天気:晴れのち雨
   気温:12.3 〜 26.8 度
   湿度:42 〜 68 %
   風力:2〜4
● 林道へ

国道沿いにミズキが咲き誇っていたので、ちょっとだけスイーピング。

ヒナルリハナカミキリキバネニセハムシハナカミキリに混じり、ミドリカミキリが採れた。
[ Chloridolum viride (THOMSON, 1864) ]

グリーンメタリックでスレンダー、華麗な種類だ。

ということで、寄り道は終了。

ようやく林道の入り口へ到着した。

のっけからゲートが閉じられているため、脇に車を停めて徒歩にて林道へ。

ここは標高が高いだけあって霧がすぐそこまで迫っており、気温も12度と朝方の低標高地と変わらない。

こんな条件でカミキリが採れるのだろうか?

孤独さと気象条件の悪さが重なり、少々心細くなる。

しかし、ここまで来たからには手ぶらで帰るわけにはいかない。林縁の植物を観察しながら先へ進む。

ん?

っしゃ!、カミキリだ。

これはチチブニセリンゴカミキリ。

トチノキ ホウノキの大きな葉の上にとまっていた。
[ Niponostenostola niponensis niponensis PIC, 1901 ]

これがトチノキの葉である。

かなり特徴ある大きい葉なので、一度覚えておくと忘れないだろう。

また、しばらく歩いたところでもう1頭採集することができた。

おや?、葉に付いたゴミかと思ったが、どうもカミキリのようである。

鑑定の結果、ヘリグロチビコブカミキリ。

2〜3ミリの大きさしかない。

よく見落とさなかったものだ。
[ Miccolamia Isomiccolamia takakuwai HASEGAWA et N.OBAYASHI, 2001 ]
※ 2002.02.09 新分類に準拠

これがその葉であるが、現在同定中である。


それはそうと、ピドニアを探さないといかん...。


● ピドニア

ピドニアを採るべく、白い花を中心に探すことにする。

しかしながら、ゴトウヅルやウツギはみられない。

辛うじて林床にか弱い草本の花が散在するのみである。

まあ、ぜいたくも言っていられないので、これらを念入りにチェックする。

う〜〜ん、なにもいない。

と、諦めかけた矢先...。

おおっ、いたいた。

図鑑を見た結果、カクムネヒメハナカミキリ ブービエヒメハナカミキリ。

この辺ではよく採れる種類のようだ。
[ Pidonia bouvieri PIC, 1901 ]

※ 2002.02.09 カクムネ → ブービエ:新分類へ準拠

そして、ホソガタヒメハナカミキリ。

総じて頭数はいないが、ポツリポツリと採れてきた。
[ Pidonia semiobscura PIC, 1901 ]

あとは生体写真を撮れなかったが、ヨコモンヒメハナカミキリ オヤマヒメハナカミキリの♀を1頭採集することができた。

※ 2002.06.06 ヨコモン → オヤマ:誤同定を訂正

ピドニアの成果は以上であるが、この低気温と霧のなかでは上出来かもしれない。

ここで踵(きびす)を返し、いざ栃木県へ突入することにした。


● 栃木県へ

霧のワインディングロードを登り、県境を越える。

しかし、栃木県へ入っても霧が晴れることはない。

高標高地でのピドニア採集はあっさりと諦め、もうひとつの目的地である標高800メートルほどのエリアを目指す。

標高が下がるに従い、だんだんと霧がなくなってきた。ただ、空はどんよりと曇っており、気温は18度前後である。

体感的にもやや肌寒く、カミキリが飛ぶぎりぎりの気温かもしれない。


● ド珍品

しばらく目ぼしいポイントが無く、虚しいドライブが続いたが、やっとしょぼいながらも針葉樹材を放置してある場所を見つけた。

材の量は少なく、あまり期待感もないのだが、駄目元で見てみよう。

ざ〜〜っと、材上を観察していくと、なにやら黒いムシが何頭か材上を這っているようだ。

ふ〜〜む、カミキリのようである。

後で知ったのだが、これはカラマツカミキリという「超珍品」らしい。

この時はその「珍品度」がわからず、2頭採集した時点で満足してしまったのである。
そもそも、この形のカミキリはあまり好きじゃないのだ。

でも、そんなに珍しいのであれば、いるだけ採ったのになぁ...。

写真のごとく、樹皮の割れ目に潜んでいるものもいる。

この個体は採集しなかった。

もったいない...。
[ Tetropium morishimaorum KUSAMA et TAKAKUWA,1980 ]

ちなみに、本種はトドマツカミキリと極めて類似するが、トドマツとは小循板の点刻がはっきりしている点、触角が細い点、前胸背の形態などで区別される。

1980年に記載された新しいカミキリなのである。


● 集材所

さて、随分走ってきたが、さっきのカラマツカミキリと、おまけのホンドハイイロハナカミキリ(ニセハイイロハナカミキリ)以外まったくカミキリが採れない。

時間はもうすぐ午後4時になろうという頃合いである。

これから林道へ入るのも厳しいだろう。

とりあえず、既知の集材所まで行ってみてそこで考えるとしよう。

というわけで、その集材所へ到着したのだが、番狂わせなことに材がほとんど無くなってしまっている...。

ああああ、まいった。

途方に暮れながら、残り少ない材をルッキング。

結局、シロトラカミキリを息も絶え絶え1頭つまんで終了。

さすがの私もここで朽ち果ててしまった。長々と運転してきたこともあり、もう気力が残っていない。

さあ、これからどうするか...?

いろいろ考えた挙げ句、まずは温泉へ入ることにした。

そして、温泉でゆっくりと疲れを癒した後、ここで大きな決断をする。

当初の予定を大幅に変更し、一気に福島へ行こうと決意。

そう、「焼肉フロンティア」の焼肉が食べたくなったのだ(実はそれだけの理由...)。

というわけで、一路、舘岩村へ向けアクセルを踏み込んだのであった。

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