2001年度 採集記(福島県 カミキリ編 -1-)

カミキリ採集のメッカ

福島県南会津郡と言えば、オオクワガタ、ヒメオオクワガタ、そして原名亜種コルリクワガタの多産地として有名であるが、カミキリ採集においても日本屈指のメッカとして知られている。

まあ、あれだけの壮大な大自然が広がっているのだから、どんな昆虫を採る場合でも「メッカ」になってしまうかも知れない。

クワガタ採集に関しては、私もこの2年ほどの間に何度か訪れ、素人なりに十分楽しませていただいた。

しかしながら、カミキリ採集においては、あくまで「クワガタのついで」程度の採集しかしておらず、南会津にてカミキリをメインターゲットに据える採集行は今回が初めてとなる。

どんなカミキリたちとの出会いがあるのだろうか?、とにかく期待感ばかりが大きく膨らんでしまう。

それでは、8カ月ぶりの「檜枝岐」を思う存分満喫してこよう。



2001.05.20 (Sun)

福島県 南会津郡

   天気:晴れ
   気温:25.5 度
   湿度:38 %
   風力:2(軽風)
福島産カミキリ、久々の檜枝岐編

● 前夜に出発

当初は、この土日の両日を「檜枝岐カミキリ採集」へ当てていたのだが、仕事のめぐり合わせにより、日曜日のみの予定となってしまった。

しかし、日曜日の早朝に東京を発ったのでは、強行軍となることが予想されたため、土曜日の勤務終了後から檜枝岐へ向かうことに決定した。

現地での車中泊はあるものの、こうすれば、無理なく朝一番でポイントへ入ることができる。

というわけで、土曜日の仕事が終わると同時に相棒を拉致し、まずは東北自動車道を目指した。


● 土砂降り...

今晩は北関東から東北地方にかけて、「気圧の谷」が通過するらしい。

これにより、同地域に「大雨、雷警報」が出されている。

この予報は大当たりで、栃木県へ入ったあたりから急に強い雨が降り出してきた。

西那須野塩原ICを降り先へ進むにつれ、雨がどんどん強くなっていくではないか...。

まじで土砂降りだ。

う〜〜ん、本当に明日は晴れるのだろうか?、そう疑いたくなるほどの強い雨脚なのである。

途中、「焼肉フロンティア」へ寄り、久々の絶品の味を堪能した後、午後10時前には檜枝岐村へ到着することができた。

首尾よく寝床をセッティングし、明日に備え早めに就寝することに。


● 晴れた!!

うううっと、目を覚ますと周囲の雨音は消えている。

眠い目をこすりながら車の外へ出てみると、眩しいぐらいの朝日が山間から昇っていた。

昨晩の大雨が嘘のようだ。

再び電話の天気予報を聞いてみると、本日は「夏日」となるようで、気温もぐんぐん上がるらしい。

絶好の採集日和になるだろう。

せっかく檜枝岐に来たのだから、この時期の風物詩である「コルリの新芽採集」をするため、まずは某有名林道へ行くことにした。

ここの林道のコルリは「ファインブルー」の個体が多く見られ、昨年あまり数を採集できなかったので、今回少し採っておきたいのだ。

幸運なことに、御池から林道までの峠道が開通したとのことで、グッドタイミングである。

というわけで、開通したての道を順調に走り抜け、とりあえず林道の入り口へ到着した。

まずは、入り口付近でブナの新芽の状態をジャブ程度に確認する。

おおおっ、あるある、いい感じの新芽があちこちに「稲穂」のごとく頭を垂れているではないか。

ただ、時間的にはまだ早いと思われ、コルリの雰囲気は全くない...。

鼻歌交じりでルッキングを続けていると、背中の方から相棒の声がした。

「あっ、いました!」

飛来したばかりと思われ、枝にしがみ付いている。

予想のとおり、吸い込まれるような「ブルー」の♂である。

本当に綺麗だ。

この時間から飛んでいるのだから、日中、気温が上がればけっこう採れるだろう。

一ヶ所で粘っていても仕方ないので、林道を上っていくことにした。

林道の日陰には、このようにまだ残雪がみられる。

初夏の風景と、冬の面影が混在している状態なのだ。


林道を上り始めてしばらくした場所で、私も1♂採ることができた。

こいつも美しい「ブルー」を放つ個体である。

難なく採集できてうれしい。

その後もいいペースでぽつぽつ採れ、個人的には満足してしまった。

ここで、カミキリにも手を出そうと、カエデの状態を確認することにした。

紅葉の名所だけあって、カエデは至る所に見られる。

真っ赤になっているものが多く、めちゃくちゃワクワクしてきた。

すかさずスイーピングを始める。

しかし、まだどれも蕾のようであり、何度掬ってみても甲虫はあまり網に入らない...。

ハムシやコメツキムシのみである。

ここは標高が高いため、発生していない可能性もあるだろう。

というわけで、今回のカエデ採集は敢え無く終了となった。

さて、今回のメインはあくまで「カミキリ」である。今日のような絶好のコンディションを逃しては元も子もないため、カミキリ採集へ切り換えることにした。


● ちょっとだけ寄り道

カミキリポイントへ向かう途中で、昨年コルリが採れた場所へ寄り道することにした。

適宜新芽のある場所で車を停めて、ざ〜〜っとルッキングをしていく。

すると、いるではないか。

日なたの新芽上を、ピョコピョコ歩き回っている。

しかし、飛来するのは♂ばかり。

時期的に、まだ♀は材から出ていないのかもしれない。


と思ったら、相棒がさくっと♀を見つけてくれた。

新芽の奥に頭を深く突っ込み、「尻隠さず」の状態だ。

やっと、新芽採集らしい写真が撮れた。

というわけで、これにて寄り道は終了。

さあ、カミキリポイントへ急ごう。


● ショック...

まずは、昨年来通っている伐採木の集材所へ行ってみることにした。

ところが、ポイントへ着いてみると、材が一本もないではないか...。

雪解けから間も無いため、まだ切り出していないのかもしれない。これでは採集にならない。

う〜〜ん、一番期待していた場所なだけにショックが大きい。

ちなみに、相棒が昨年のこの時期に「オニヒゲナガコバネカミキリ」という珍品をゲットしたポイントなのだ。

まあ、嘆いても仕方ないので、気を取り直し近辺に材置き場がないか探すことに。

すると、ちょっと離れたところに少ないながらもヒメコマツの材が残っている場所を発見した。

早速2人でカミキリの探索を開始する。

いきなり発見!

これはハイイロハナカミキリという種類だ。

この辺りでは、針葉樹の材によく飛来する。

「いつものやつ」に近いかもしれない。

[ Rhagium japonicum BATES, 1884 ]

一応、背中からももう一枚撮影した。

ウルトラマンに出てくる宇宙人みたいだ。

ぱっと見は、あまりカミキリらしくない。

じ〜〜っと材を観察していくと、かなりの数のハイイロハナカミキリが飛んできている。

珍品を採るべく、しばらく粘ってみたが、どうにも飛んでこないようである。

単に待っている採集も辛いため相棒ご用達のポイントへ、ちょっとだけコルリの状態を確かめに行くことに決めた。

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