2001年度 採集記(福島県 カミキリ編 -4-)

衝動

日記にも書いたが、この週末は東京で大人しくしていようと思っていた。

まあ、どうせ天気が悪いだろうと思っていたフシもあるが、一方でここのところ採集へ行きすぎてしまったという一種の「罪悪感」が存在していたのも事実だ。

ところが、土曜日の天気予報では「梅雨の晴れ間」になるというではないか。

「行くべきか、行かざるべきか」しばらく葛藤するも、やはり「採集意欲」という圧力には勝てず...。

というわけで、単身、深夜の東北道を北上することになった。



2001.06.24 (Sun)

福島県 南会津郡

   天気:雨のち晴れ
   気温:18.4 〜 23.5 度
   湿度:78 %
   風力:2(軽風)
福島産カミキリ、雨上がりはムシの楽園編

● スクランブル発進

西那須野塩原ICを降り、真夜中の国道をクルージング、塩原温泉郷を越えた辺りで雨がぱらついてきた。

余裕余裕、明日は「梅雨の晴れ間」なのだ。今のうちに降るだけ降っておけと先を急ぐ。

途中で有望街灯を見ていこうかとも思ったが、南会津へ入るとさらに雨脚が強まってきた。採集意欲は一気に低下し、ほぼゼロ状態となってしまった。

ということで、一足先に採集地入りしている相棒の元へ直行する。

降りしきる雨の中、相棒が灯火を張っている場所へ辿り着いた。蛍光灯が1灯ついているものの、すでに相棒の姿はない。どうやら車内で寝に入ってしまっているようだ。

しばらくして、私の到着に気がついたのか、思いっきり「寝起きの顔」の相棒が車からのそのそと起きだしてきた。

結局この後、2人で2時間ほど灯火採集を続行し、各種のクワガタを採集する。私自身は久々の野外灯火であり、大変楽しい時間を過ごすことができた。

一応、ここでオオクワガタが2頭飛来したことを記載しておく。いつもながら、相棒のポイント選定におけるセンス、それを裏付ける持論には畏怖の念を抱かざるを得ない。

とにもかくにも、そのような現場に立ちあえたことは非常に幸せなことだと思う。

おめでとう。 >相棒


● 梅雨の晴れ間????

午前6時半、自然と目が覚めたので外の景色を見てみると....。

げげげげ...、雨が降っている。それも、かなり強い雨である。

う〜〜ん、予報と違う...。

まだ時間が早いため、2度寝して雨が上がるのを待ってみよう。

8時半に再び目が覚める。

ぐげげげ...、まだ降っているじゃないか。どこが「梅雨の晴れ間」なんだ?

時間も時間なので、とりあえず相棒を起こし本日の作戦会議。

いずれにしても、ターゲットはカミキリムシなのだが、この天気ではボ〜ズを喰らうのは目に見えている。

さあ、どうしよう?

いろいろ考えた結果、せっかくここまできたのだから、駄目元でポイントを見に行こうということになった。

というわけで、雨の中、最初のポイントへ車を走らせた。


● 集材所へ

しばらくして、ポイントへ到着する。

前々回の南会津採集行にて、クロニセリンゴカミキリを採集した集材所だ。

多少、雨が弱くなってきたので、このまま止んでくれればありがたい。

いずれにしても、材の表面はびっしょりと濡れており、正直言ってカミキリ採集を望める状態ではない。

仕方なく、秘密兵器の力を借り、奥に隠れたカミキリを追い出すことに。

すると...。

早速、カミキリが出てきた。

トガリシロオビサビカミキリである。

ちょっと地味なやつだ。
[ Pterolophia caudata (BATES, 1873) ]

そして、チャイロホソヒラタカミキリがぞろぞろと...。

この色のものは既に採集済みである。

今回は文字通り「チャイロ」の個体を数頭ゲットすることに成功。

上の個体と比較すると、まるで別種のように思える。
[ Phymatodes testaceus (LINNAEUS, 1758) ]

エゾサビカミキリも数頭ゲットすることができた。

とりあえずは一安心である。
[ Pterolophia tsurugiana (MATSUSHITA, 1934) ]

あとは雨が一瞬止んだ間に、シラホシカミキリハネビロハナカミキリなどが飛来したのでラッキーであった。

ここで、近くにある植物をルッキングしてみる。

多忙にかまけて種類の同定は未だしていないが、強く甘い香りを放つ「白い花」である。

初めて見る花だが、何かいるだろうか?

ノイバラ(バラ科)と判明。
向こうで同じ花をルッキングしている相棒から一声が。

「ああっ!、オオトラ....」、語尾がよく聞こえない。

「何ぃ〜〜!!、オオトラ?、カミキリ??」

「いいえ、オオトラフコガネです」

「あははは、そもそもこんなところにオオトラカミキリがいる訳がないよな...」

結局、カミキリは、クビアカハナカミキリを1頭と、セスジヒメハナカミキリを数頭摘んだだけで終わってしまった。

そろそろ次のポイントへ行こうかと思った矢先、ヤマグワ(幼木)の半枯れした葉に何かが付いているのを発見した。

おおおおっ!、コブヤハズカミキリ。

思い掛けない出会いであった。

ラッキー!
[ Mesechthistatus binodosus (WATERHOUSE, 1881) ]

その後しばらく粘ってみたが、新たな種類の追加はなく、この辺で集材所を後にした。


● カラフトヒゲナガカミキリ

さて今度は、先日カラフトヒゲナガカミキリの採集を教えていただいたので、今回は私が相棒へ教えることになる。

「マツの枯れ枝」にしがみついているカミキリなので、さすがにこの雨でも採れるだろう。

今日はビーティングネットを持っていないため、ルッキングにて探す。

ん!、いたいた。

まずは前回撮りそこなった「生態写真」を1枚。

相棒も何頭か見つけられたようだ。

しばらく観察していると、マツとは全然関係のない葉上にもいた。

なんか威張った恰好をしている。

[ Monochamus saltuarius (GEBLER, 1830) ]

個体数は比較的多く、15分ほどでそこそこ採集できた。

しかしながら、今回もヒメシラオビカミキリの姿を拝むことはなかった...。

霧雨の中、ざ〜〜っと集材所内を回り、カラカネハナカミキリゴマフカミキリオオマルクビヒラタカミキリなどを採集し、車へ乗り込む。

次のポイント選定に少々悩んだが、午後から晴れることを期待し、ある林道へ入ってみることに決定した。

それでは、林道へ突入しよう。

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