2001年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -11-)
2001.07.10 (Tue)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:27.6 度
   湿度:67 %
   風力:3(軟風)
● ブナ林

しばらく県道を走った後、ブナ林へ辿り着いた。

まずは、先週ヒゲナガゴマフカミキリをゲットしたブナ(倒木)の場所まで行ってみる。

林内は相変わらず蒸し暑い。

笹藪をかき分けること数分、ポイントへ到着した。

材は新しいし、適度に陽も当たっている。

何かしらのカミキリはいて欲しい。
ルッキングを開始してものの数十秒、材上をハイスピードで歩き回るカミキリを2頭発見!

明らかに今季未採集のトラカミキリ系だ。

アクロバティックな姿勢になりながら、その2頭を立て続けにゲット。

やった〜!

ウスイロトラカミキリだ。

なんとか1種追加することができた。


うれしいのでもう一枚。
[ Xylotrechus cuneipennis (KRAATZ, 1879) ]

まあ、昨年にも採集した単なる普通種であり、大喜びするほどのカミキリでもないのだが、これまでの成果を省みると喜ばないではいられない。

これで少々元気が出てきた。

勢いをつけてネキをもゲットしよう、と自らを鼓舞しつつルッキングを続行する。

おや?

どこかで見たことのあるカミキリ。

っしゃ!、ヒゲナガゴマフカミキリ。

今日はペアでの登場だ。
[ Palimna liturata liturata (BATES, 1884) ]

ふと疑問に思うのだが、カミキリは好みの植物に来ていないときはどこにいるんだろうか?

ホストの植物を求め、林内を転々と飛び回っているのだろうか?

その後、散々見て回ったが追加のカミキリはなし。

ここで、先週見られなかった林内の別エリアへ行ってみることにした。


● 思い掛けない出会い

さて、一端車のところまで戻り水分補給。

しばし休憩した後、先ほどとは反対側に位置するエリアを目指す。

途中、目ぼしい樹木をついでに軽くチェックする。

なんとなく気になったミズナラの大木。

ネキでも飛来してないかな?

そんなもんいるわけないか、と離れようとした瞬間...。

ああああっ!!!


マツシタトラカミキリが樹幹の表面を歩いていた。

ラッキー!

う〜〜ん、ルッキングは大切である。

[ Anaglyptus matsushitai HAYASHI, 1955 ]

思い掛けない出会いに昂揚しつつこのミズナラを後にする。


● 麗しき外道

さて、そのエリアに近づいてきた。

枝道へ入ってすぐのところに、ミズナラ(巨木)の一部が倒壊しているのを発見した。

かなり魅かれるシチュエーションである。

ただ、そこへ到達するのには背丈ほどある濃厚な笹藪を漕がねばならない...。

しかし、新たなるカミキリとの出会いがあるかもしれないという衝動には勝てず、意を決して笹藪へ身を投じた。

凄まじい笹の量に圧倒されつつ道なき道を進む。

徐々にミズナラへ近づいてきた段階で、何やら材上に黒い物体がこびりついているのが見えた。

なんだろう?、とても木の一部とは思えない、カブちん??

きっとカミキリではないのだろうが、早く確かめたい。が、深い笹藪に進路を阻まれなかなか思うように前進できない。気ばかりが焦る。

ほこりまみれになりながら、なんとか倒木の元へ辿り着いた。

むむ...

むむむ...

むむむむ...

むむむむむ...

こいつは前に図鑑で見たことがあるぞ。

もしや...。

やった!!

オオチャイロハナムグリじゃないか!!

超ラッキーだ。

思わず写真を撮る手が震える。

[ Osmoderma opicum LEWIS ]

いや〜〜、まさかこんなところで出会えるとは思わなかった。

危険を察知したのかウロへ入りそうになったため、すかさず手で掴む。

すると、「ふひゅぅっ〜〜」と気門から息を吹きだし、その瞬間から周囲に独特の香気が漂い始めた。

ふ〜〜む、これがよく図鑑に書いてある「ジャコウ(麝香)」の臭いというやつか。

一度嗅ぐと二度と忘れない臭いだ。柑橘系の混ざった感じで決して悪臭ではないのだが、長い間嗅いでいるとちょっと油っこくてくどい。

いずれにしても、言葉ではうまく表現できない。

そして追加個体を得るべく、ウロの中も覗いてみたが何もいなかった...。

帰宅後、茨城県の記録を確認してみると、報告は少ないようである。茨城県では超珍品の部類に入るのかもしれない。

ともかく、まじでうれしい。感動ものである。

その後も、ミズナラの倒木上に登り隈無くカミキリを探してみたが、結局1頭も得ることはできなかった...。

なんだかんだで午後5時を回ってしまったため、敢え無くここで終了。

時間が経つのは本当に速い...。


● エピローグ

カミキリ的にはネキの手掛かりが何一つ得られず、惨敗系の採集内容であった。

しかし、何と言ってもオオチャイロハナムグリのゲットが本日一番の「光ある成果」であり、惨敗感のすべてを覆してくれた。

こういう思い掛けない素晴らしい出会いがあるからこそ、採集はやめられないのである。


★★ 採集成績 ★★

エグリトラカミキリ  4 exs.
[ Chlorophorus japonicus (CHEVROLAT, 1863) ]

ウスイロトラカミキリ  2 exs.
[ Xylotrechus cuneipennis (KRAATZ, 1879) ]

ヒゲナガゴマフカミキリ  2 exs.
[ Palimna liturata liturata (BATES, 1884) ]

マツシタトラカミキリ  1 ex.
[ Anaglyptus matsushitai HAYASHI, 1955 ]

ミヤマクロハナカミキリ  1 ex.
[ Anoploderomorpha excavata (BATES,1884) ]

オオチャイロハナムグリ  1 ex.
[ Osmoderma opicum LEWIS ]

他、ハナノミ類、テントウムシ類など


記載日:2001.07.11
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