2001年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -2-)

ヒゲナガコバネカミキリ属

ヒゲナガコバネカミキリの仲間(Molorchus、Glaphyra)は、体が小さく短いことを除けば以前に触れたホソコバネカミキリ属(通称ネキ:Necydalis)と形態が類似しているカミキリである。概して、ネキのミニチュアといった印象を受ける。

私自身は、かつて相棒が南会津にて採集したオニシラホシヒゲナガコバネカミキリという種類しか実物は見たことがない。そのときの感想としては「ふ〜〜ん、不思議なカミキリ」程度のものであったが、今となってはかなり優先度の高い種類になっている。

一体どこがいいのか?

おそらく、ミクロな体に押し込められた緻密な構造と、鞘翅が短いというアンバランスな形態に魅かれるのだろう。

おわび:
サンプル写真がなくて申し訳ありません...。ネキと同様、自力で採集した個体を最初に載せたいので、それまでお待ちください。

成書によれば、彼らは主としてカエデに訪花することが知られており、カエデが開花するこの時期に採集記録が多い。茨城県にもそれなりに記録があり、今日はそのエリアを訪問する予定だ。

さあ、まったくの初挑戦となるが、まずは第一段階としてポイントを見てくるとしよう。



2001.04.17 (Tue)

茨城県 某所

   天気:快晴
   気温:25.6 度
   湿度:39 %
   風力:2(軽風)
茨城産カミキリ、ヒゲナガコバネ@下見編

● コルリの材採...

先週の火曜日、見事にコルリの材採で惨敗を喰らい、悔しい思いをした。よって、今日も再リベンジを行なう予定であった。

しかしながら、同じく先週の金曜日、栃木県にてカエデの開花を見てしまった。それ以来、ヒゲナガコバネカミキリのことが頭を離れなくなってしまったのである。

しばらく悩んだ末、結局、ヒゲナガコバネカミキリの仲間をターゲットに、下見を兼ねた軽い登山採集を行なうことにした。

私の知るかぎり、茨城県においては下記の4種が採集されている。

1)ホソツヤヒゲナガコバネカミキリ [ Glaphyra nitidus OBIKA,1973 ]
2)オダヒゲナガコバネカミキリ   [ Glaphyra gracilis HAYASHI,1949 ]
3)コジマヒゲナガコバネカミキリ  [ Glaphyra kojimai MATSUSHITA,1939 ]
4)コボトケヒゲナガコバネカミキリ [ Glaphyra kobotokensis OBAYASHI,1963 ]

いずれの種も、本日行くポイントにて採集記録がある。県内では多産地と言えるだろう。もっとも、時期的には4月下旬から5月いっぱいまでが発生シーズンのようであり、本来なら来週以降が狙い目かも知れない。

というわけで、今日は下見が中心になると思われるが、とりあえずポイントへ向けて出発した。初めて足を踏み入れるエリアであり、ポイントまでの下見も楽しみである。


● 到着

そろそろ茨城の桜も終わりに近づき、緑の葉が目立つようになってきた。桜の旬は本当に短い。

さて、道中はまったく渋滞なくスムーズに流れ、あっという間にポイントの入り口へ到着した。

ここからは登山を交えての行程となるため、リュックを背負い、網を携えて登山口へと向かった。

登山口から前方の林道を望む。

まあ、登山と言っても、小型種(クワガタ)を採りに行くほどのハードさはない。

それでは、登るとしよう。

しばらく比較的急な登りが続き、さすがに息が切れる。

ふと林道脇の黄色い花(ヤマブキ?)へ視線を配ると、なにやら小さな甲虫がぶんぶん飛び回っているではないか。

おおおおっ!、カミキリ?

う〜〜ん、どうも違うようだ...。

一応、4個体採集しておく。

帰宅後の鑑定では「モモブトカミキリモドキ」であった...。
[ Oedemeronia lucidicollis MOTSCHULSKY ]


● カエデ

登りの前半はずっと針葉樹の植林であったが、標高を上げるにつれ徐々に広葉樹が混じってきた。

カエデもちらほらと生えている。

しかし、どのカエデも背が高く、開花しているのかどうかまったく判らない。

遠目にはムシが飛んでいるようだが、とても網が届く距離ではないのだ。

これはまいった...。

尾根沿いへ出てさらに先へと進むが、林道脇には思いの外カエデが少ない...。

う〜〜ん、と思いながらキョロキョロ上を向いて歩く。

あれ?

今までカエデじゃないと思っていた木が、実はカエデっぽいことに気がついた...。

先ほどのとは種類が違うカエデ(トウカエデ?)と思うが、どうやら開花しているようだ。


違うのかな〜?、本当はよく判らない。

植物図鑑を持ってくるべきであった...。

こんな感じで淡い黄色の花をつけている。

上の方には、かなりの数の花が見られたため、早速スイーピングしてみた。

まるで応援団の旗手のような格好をしながら写真を撮る。

うううう、手がしびれる...。

が、網に入るのはアリとクモのみ。
この作業を随所にて度々試みてみたが、なんの成果も得られなかった...。

強いて言えば、これが唯一の獲物、エグリクチブトゾウムシだ。

あああああ...。

[ Macrocorynus naso SHARP ]
その後も、しつこく攻めてみたが、とうとうカミキリが網に入ることはなかった...。

まあ、景色がいいのでよしとするか。

白い花と新緑の対比が美しい。


● エピローグ

カエデは開花し始めたばかりであり、予想通りフライング。

今月末頃にもう一度来る必要がある。

カエデの場所は覚えたので、今日よりは効率がいいだろう。

しっかし、なんともじれったい時期である。


★★ 採集成績 ★★

モモブトカミキリモドキ  4exs.
[ Oedemeronia lucidicollis MOTSCHULSKY ]

エグリクチブトゾウムシ  1ex.
[ Macrocorynus naso SHARP ]


記載日:2001.04.17
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