2001年度 採集記(奈良県 カミキリ編 -1-)
2001.06.20 (Wed)

奈良県 某所

   天気:曇りのち晴れ
   気温:23.2 〜 25.5 度
   湿度:62 %
   風力:2(軽風)
● 民家脇のソダ

クリの花ポイントから少し歩いたところの民家脇に「ソダ」を発見する。

今度はここを見てみよう。

樹種は分からないが、広葉樹の枝が多数みられる。

けっこう雰囲気の良いポイントだ。

ん、早速、細い枝の上を何かが歩いている。

お〜〜っと、タマムシだ。

もしかして、オオムツボシタマムシ?

残念、ただの「ムツボシタマムシ」であった。

しかし、タマムシが飛来しているということは、条件的に悪くないのかも知れない。

さらに探索を続ける。
[ Chrysobothris succedanea SAUNDERS ]

すると、多数の枝が交錯する奥の奥の方に、明らかに木の色とは異なる「黒い2本の線」が見えた。

カミキリの触角に違いない。

とても手が届きそうにないが、そ〜〜っと枝をかき分けながら前進する。

そして、なんとかギリギリのところでキャッチに成功した。

ヒメヒゲナガカミキリ。

こいつも未採集種である。

小さいながら、なかなか「凛々しい」カミキリだ。

ヒゲナガの仲間は総じて恰好良い。

おおお、目の前にもいた。

全然気がつかなかった...。

実は、そこら中にベタベタ張り付いていたようだ。

私の観察眼の乏しさが露呈した...。
[ Monochamus subfasciatus subfasciatus (BATES, 1873) ]

立つ位置を微妙に変えながら、枝の1本1本に視線を配る。

すると、なんか細長い甲虫が歩いているようだ。

カミキリ?

ラッキー、こいつもカミキリだった。

これはキクスイモドキカミキリという種類。

この形のスマートなカミキリは好きである。
[ Asaperda rufipes rufipes BATES, 1873 ]

しばらくカミキリの姿が見えなくなり、ここでちょっと遅い昼食タイム。

「美味い!!」ソダを眺めながらもぐもぐ食べていると、脇の茂みから1頭のカミキリが飛び立つのが見えた。

おいおい、ちょっと待ってくれ〜〜。

飛んで行く先を目で追っていると、10mほど離れたシダの上に着地したようだ。

よっしゃ、よっしゃ。

すかさずそこまで走っていき、着地ポイントを目視確認、う〜〜ん、やはりカミキリだ。

す〜っと手を伸ばし、なんとか逃げられず採集することに成功。

ニセビロウドカミキリであった。

ただのビロウドカミキリとは上翅の「毛並みの向き」が異なるとのこと。

「毛並み」による光の反射具合で、紋様が浮き出てくるのである。
[ Acalolepta sejuncta sejuncta (BATES,1873) ]

ふと空を見上げてみると、うれしいことに晴れてきた。

暑いぐらいの陽射しが差し込み、気温も急に上昇する。

降水確率90%、どうやら10%のほうになったようだ。

気象条件の好転に、一層の気合いが入る。
ソダのところまで戻ってみると、またまたカミキリが枝の上を歩いている。

アトジロサビカミキリ。

関東でもたくさん採れる種類だが、ありがたく採集した。

灯火に飛んでくる種類でもある。
[ Pterolophia zonata (BATES, 1873) ]

そのすぐ隣の枝には、別のカミキリが。

モノクロで「粋」なカミキリ。

ヒトオビアラゲカミキリだ。

アラゲとは「荒毛」なのだろうか?

まあ、少々毛深いカミキリではある。

[ Pterolophia zonata (BATES, 1873) ]


同じ枝に、交尾中のアトモンマルケシカミキリもいた。

ふ〜〜む、なんだかんだで、この1ポイントにてかなりの種数を採集し得た。
[ Exocentrus lineatus BATES, 1873 ]

さてさて、そろそろ新幹線の時間が近づいてきた。

相変わらず晴れており、このまま曇ってしまう気配もない。ちょっともったいない気もするが、あと15分粘ってこの場を後にしようと思う。

というわけで、さらに集中して材を凝視する。

おや?

これは何?

一見カミキリにも見えるが、カッコウムシのような形もしている。

図鑑を見ても該当するムシが見当たらない。

君はだれ?

後日、メールをいただき「ヒシカミキリ」と判定。ありがとうございました。

[ Microlera ptinoides BATES, 1873 ]

こいつを2頭採集したところでタイムアップ。

なにはともあれ予想以上の成果が得られ、ほっと安心して帰京する血まみれの るどるふであった。


● エピローグ

悪天候の予報に、一時は採集自体をキャンセルするつもりでいたが、運良く天候が味方してくれた。

予想外の「ヒルの強襲」に直面したものの、結果的にはあきらめないで良かった。

もっとも、今回の採集行は関西の方々の協力なくしては当然実現しなかったことは言うまでもない。

お陰さまで、限られた時間内で効率の良い採集をすることができました。

いろいろと情報提供していただいた方々には、心より熱烈御礼申し上げます。

本当にいつもありがとうございます。

そして、今後ともよろしくお願いいたします。


★★ 採集成績 ★★

ヒメヒゲナガカミキリ  7 exs.
[ Monochamus subfasciatus subfasciatus (BATES, 1873) ]

ヒトオビアラゲカミキリ  4 exs.
[ Rhopaloscelis unifasciatus BLESSIG, 1873 ]

アトモンマルケシカミキリ  3 exs.
[ Exocentrus lineatus BATES, 1873 ]

アトジロサビカミキリ  3 exs.
[ Pterolophia zonata (BATES, 1873) ]

エグリトラカミキリ  2 exs.
[ Chlorophorus japonicus (CHEVROLAT, 1863) ]

ミドリカミキリ  2 exs.
[ Chloridolum viride (THOMSON, 1864) ]

ヒシカミキリ  2 exs.
[ Microlera ptinoides BATES, 1873 ]

キクスイモドキカミキリ  1 ex.
[ Asaperda rufipes rufipes BATES, 1873 ]

ナガゴマフカミキリ  1 ex.
[ Mesosa longipennis BATES, 1873 ]

ニセビロウドカミキリ  1 ex.
[ Acalolepta sejuncta sejuncta (BATES,1873) ]

ホソトラカミキリ  1 ex.
[ Rhaphuma xenisca (BATES, 1884) ]


ムツボシタマムシ  4 exs.
[ Chrysobothris succedanea SAUNDERS ]

他、コメツキムシ、ハネカクシなど雑甲虫数種


記載日:2001.06.21、追記日:2001.06.22
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