2001年度 採集記(栃木県 カミキリ編 -1-)

栃木の里山

栃木は群馬と並んで北関東の双璧をなす県である。そして、私のホームグラウンドである茨城県の隣に位置している「お隣さん」でもあるが、採集可能な甲虫の種類は比べ物にならないほど多彩であり、非常に魅力的な一面を持つ。

大半は県北の山地で採集されると思われるが、広大な原生林を抱える山々がまさに山脈をなしており、昆虫を育む環境には事欠かない。

反面、茨城でよく見られるような里山も多く残され、程よく整備された雑木林が各所に点在している。里山を住み処とする甲虫を狙うには、持って来いの環境が揃っていると言えよう。

さて、今日は所要で栃木方面まで行くこととなり、帰り際にカミキリポイントの下見を行なってきた。

時間的な制約があり採集は行なっていないが、里山に残された素晴らしい自然の一部を紹介しようと思う。



2001.04.13 (Fri)

栃木県 某所

栃木産カミキリ、下見編

● 百花繚乱

今日も暖かい。

いつもながら窓を全開にして車を走らせるが、日を追うごとに若草や花の香りが一層強くなっていることが分かる。

雑木林のクヌギやコナラも一斉に芽吹き始め、ライトグリーンの装いがあちらこちらで目に付くようになった。

桜とのコントラストが、美しさを一層引き立たせている。

なんとも「長閑(のどか)」な光景だ。
しばらくして、雰囲気の良い雑木林を見つけたので、車を降りてみた。

これはカエデの花と開いたばかりの柔らかな新芽。

赤紫の小さな花がとても可愛い。

ヒゲナガコバネカミキリを探してみたが、残念ながら見つからなかった...。

菜の花も満開である。

ビビッドな黄色がとても鮮やかだ。

せわしなく訪花するミツバチやアブの羽音が、四方八方から聞こえてくる。

栃木の里山は、まさに「百花繚乱」という状態だ。


● 材場

カミキリ採集の方法はいくつかあるが、訪花している種を採る方法と、伐採された材に飛来する種を採る方法が最も手っ取り早い。後者の採集ポイントを一般に「土場」とか「材場」などと呼んだりする。

ちなみに、他の方法としては、カミキリが後食する樹木を揺すったり叩いて落とす「ビーティング」というのもある。

さて、またしばらく車を走らせていると、伐採木を積み上げてある材場を見つけた。

さあ、何かいるだろうか?

近寄って見てみると、広葉樹と針葉樹が半々といったところ。

しかし、どれも少々古い材であり、アリ以外は何もいない。

う〜〜ん、空振りだった...。

おとなしく引き上げ、移動する。

そして、その近くでまた材場を見つけた。

やや規模が大きく、新しい材も多くみられる。

これは期待大だ。

ちらっと、赤いものが動いているのが見えた。

ん!、アカハネムシの仲間だ。

まさに飛び立とうとしているところ。

間一髪、撮影することができた。

お次は、細い枝の上を歩き回るナナホシテントウ。

テントウムシはかなりの数が活動していた。


● カミキリは発見できず...

その後も、同様なポイントをいくつか発見したが、超普通種を含め、カミキリは1頭たりとも目撃することはできなかった。

やはり、時期がちょっと早いか...。

まあ、有望なポイントが発見できたからよしとしよう。

というわけで、正味1時間ほどの下見を終了することにした。


● エピローグ

結局何も採らなかったのだが、春の里山の「ほのぼのとした雰囲気」を十分に肌で感じることができた。

あと2〜3週間もすれば、今日見たポイントにカミキリがやって来ていることだろう。

今は静かにその日を待ちたいと思う。

採集記でなくてすいません...。


★★ 採集成績 ★★

ボーズ


記載日:2001.04.13
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