2001年度 採集記(栃木県 カミキリ編 -6-)

生態写真

先週の金曜日は不覚にもデジカメを忘れてしまい、ケブカヒラタカミキリ(通称ノトリナ)の生態写真を撮影することができなかった。

HPにて採集記を前面に押し出して公開している以上、これほどマヌケなことはない...。

というわけで、今回はそのノトリナの生態写真を撮る目的にて、同じポイントを訪れることにした。



2001.09.07 (Fri)

栃木県 某所

   天気:曇り
   気温:22.3 度
   湿度:65 %
   風力:0(無風)
栃木産カミキリ、ノトリナに光を 編

● もっと光を!

今までにも何回か書いたが、ケブカヒラタカミキリは、はっきり言って「地味」なカミキリムシである。

図鑑にちゃんと載っていても、隅に追いやられたような存在であり、おそらく一般的にはまったく知名度のない種類と思われる。

当の私もほんの2カ月前までは、ターゲットとして決して名前が出てこないカミキリムシであったのだ...。

しかし、1度でも採集しようと思ったからには、弊HPにて「光を当てて」知名度を高めてあげようという気持ちも芽生えてきた。

もっとも、彼らにしてみれば「余計なお世話」かもしれないが...。

ということで、今回は存分にスポットライトを当てて文章を書いていくことにする。


● 「ノトリナ」オンパレード

さて、修理が終わったばかりの快調な愛車を駆って、アカマツのポイントへ向かう。

本日の天候は曇りであり、気温もあまり高くないが、ノトリナのような「生木に巣食う」カミキリを狙うには問題とならないだろう。

小一時間走ったのち、ポイントへ到着した。

う〜〜ん、アカマツが豊富にある。

適度な間隔で生えており、なかなか理想的な雰囲気だ。

さあ、今日もいるかな?

とりあえず、一番手前のアカマツから見ていくことにする。


ずわ〜〜っと、上を見上げるとこんな感じ。

前回と同様、樹皮の隙間という隙間を食い入るように見る。

「いないな〜」と思ったら、樹皮の割れ目からいきなり出てきた。

忙しく動き回るためピンボケだが、とりあえず1枚撮影することに成功!


どんどん動く...。


樹皮の割れ目の底にもう1頭発見。

触角を小刻みに動かしながら、進む方向を決めているようだ。


くるくる回転するように這い回る。

観察しているとけっこう面白い。


これは別の木にいた1頭。

「頭隠してなんとやら」という状態だ。


そして、こいつはちょうど樹皮の隙間から出てきたところ。

とにかく「落ち着きのない」やつらである。


かと思えば、こいつはじ〜〜っとして動かない。

おそらく、日中はこれが「基本姿勢」と思われる。

前回、そして本日は天気があまりよくないため、樹表へ出てきている個体が多いのかも知れない。

まあ、これだけ「主役」を張らさせてあげれば十分だろうか。

まだ他にも多数のノトリナを確認したが、キリがないので、この辺で終了ということにした。

そして、本日ここに来て生息を確認した証拠として4頭のみを採集し、ポイントを後にする。


● ちょっとだけ下見

本日の目標は呆気なく達成できた。

このまま帰るのも少々寂しいので、近場の林道を下見しておくことにした。

時間があるかぎり、いろいろ見ておいた方がいいだろう。

この林道の背景は、針葉樹林と広葉樹林が交互に出現するような複雑な植生である。

一方の林道沿いには、主に広葉樹が生えており、スイーピングやビーティングをするには都合の良いシチュエーションだ。

歩きながらふと気がついたのだが、谷沿いに多数の「ヌルデ」と「クワ」が生えているようである。

「ヌルデ(右)」に覆いかぶさる「クワ(左)」。

う〜〜ん、これは「イッシキキモンカミキリ」を狙える恰好の環境じゃないか。

イッシキキモンカミキリはクワの生葉を後食することが知られており、ホストは同じくクワ、またはヌルデであるということが確認されているのだ。

ここは、写真ようにクワとヌルデがまさに「交互に」生えている状態だ。

距離にすると、数十メートルにわたってこんな感じである。

クワ、ヌルデ、クワ、ヌルデ、クワ、ヌルデ...。


一応、食害されている葉もあるが、本種のものかどうかは判らない...。

今季はすでに「イッシキキモン」のシーズンは終わっているだろうが、これは来季が楽しみになってきた。

う〜〜ん、ここでタコ採れできたらどれほどうれしいだろう。

もっとも、私はいまだかつてイッシキキモンを採ったことがないのだが、公開されている様々な情報を総合すると、かなり期待の持てるポイントと思えてならないのである。

いずれにしても、楽しみは1年後ということにして先へ進む。

ちなみに、ここのクワの葉上にはチビタマムシがいた。

とても小さくて可愛い。


● クヌギ

しばらく歩いていくと、立派なクヌギがいくつか生えているのを発見した。

樹液の健在な「洞」が開いており、クワガタ採集にはまさにもってこいのクヌギが目立つ。

事前情報にて、「アカアシオオアオカミキリ」がこの時期にもいると聞いており、探索してみることにした。

ただ、やつらは夜行性なので無理かな...。

などと思いながらクヌギへ近づくと、招かれざる客が多数で樹液を貪っているようだ...。

禁断のアングルから撮影。


ああああ、怖い...。

ということで、ロクに見ることができなかった...。

刺されたらひとたまりもない。

この後、適当な地点で踵を返し、本日の下見を終了した。


● エピローグ

今回は、おせっかいとも言えるほど「ノトリナ」に光を当てることができ、私的には一安心。

もし、本種を採りたいと思われる方は参考にしていただきたい。

基本的には、手入れのよくゆき届いたアカマツ林に普通に見られ、比較的径の太い木(生木の樹皮)に多くついている傾向がある。

他のムシでも同じだが、似たような状態の木であっても「いる木」と「いない木」がはっきりしているようだ。

また、本日はイッシキキモンカミキリを狙えそうなポイントを発見できたことも大きな収穫であった。

いずれにせよ、今後は来季を見据えた「下見」出撃が多くなるだろう。


★★ 採集成績 ★★

ケブカヒラタカミキリ  4 exs.
[ Nothorhina punctata (FABRICIUS, 1798) ]


記載日:2001.09.07
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