2001年度 採集記(東北縦断 カミキリ編)
2001.07.24 (Tue) 〜
2001.07.28 (Sat)

青森県
秋田県
岩手県
宮城県
福島県
茨城県

   天気:晴れ〜雨
   気温:16 〜 32 度
   湿度:47 〜 98 %
   風力:1〜4
● 7/25・午後の部

ホテルから戻る途中で、別の林道を数本攻めてみたが、予想に反してたいした成果はなし。

奥へ入れば入るほど、うっそうとしたブナ林となり甲虫採集には向いていない環境であった。同じようなブナ林でも、微妙に雰囲気が異なるようだ。

というわけで、素直にさっきの林道へ戻る。

これは午前中に見つけたハッとするような「ネキ好み(と思う)」のブナ立ち枯れ。

気温も上がってきたので、是非ともネキに飛来して欲しいところだが。

半信半疑で表面を眺めていると...。
ああああああ!

「お〜〜い、網持ってきてくれ〜!」 ← 網ぐらい最初から持ってムシを探せって

じゃ〜〜ん!

やった〜〜!

オオホソコバネカミキリ(♀)

地表から3メートルほどのところで産卵中であった。

[ Necydalis solida BATES, 1884 ]

「ハチですよ、ハチ」

またかい...。 >相棒

そういう相棒も別の立ち枯れでネキダリスを発見し、網をかけるも落としてしまったそうだ。それは残念、心中お察し申し上げる。

ネキゲットを果たした立ち枯れの近傍には、さらに数本の美人木があり、それらを巡回するように見て回る。

おおっ!

これはネキに似ているが、ネキではなくコバネカミキリというカミキリだ。

「ヘラ状」の後肢も特徴的だ。

分類的にはゴキ似のノコギリカミキリに近い種である。

[ Psephactus remiger remiger HAROLD, 1879 ]

この手の上翅の短いカミキリには、やはり魅かれてしまう。

ちなみに、ブナの立ち枯れや倒木にみられる普通種だ。

そして、腐朽の進んだブナの立ち枯れには、大型のハナカミキリが2頭とまっていた。

セアカハナカミキリだ。

図鑑によれば、真っ黒なのは♀と書いてある。


赤身の強い個体は、♂♀両方の場合があるそうだが、これはおそらく♂か?

要するにペアでいた可能性が高いと思うのだが、実際はどうだろう。

他の特徴などは、後日ゆっくり調べることにする。

[ Leptura thoracica (CREUTZER, 1799) ]

ノリウツギなどに訪花もするらしいが、ブナや針葉樹の立ち枯れで発見されることが多いとのこと。

さらに次のブナへ行ってみたところ、樹皮の割れ目から茶色いムシが顔を出している。

どうやらカミキリのようで、指で突っつくと表へ出てきた。

ウスバカミキリの♀であった。

むむむ、こいつもどことなくゴキっぽい...。

灯火の常連でもある普通種。

一応、今季初。

[ Megopis sinica sinica (WHITE, 1853) ]

手で掴むと産卵管から乳白色の液体を出すため、ちょっと気色悪い...。

ブナ材による採集では他に、コブヤハズカミキリヒゲナガゴマフカミキリウスイロトラカミキリを得ることができた。

その後、ノリウツギなどもマメにチェックしてみたが、ヨツスジハナカミキリチャボハナカミキリヒゲジロハナカミキリニンフハナカミキリホソトラカミキリ、そしてトゲヒゲトラカミキリなど「いつものやつら」が相変わらず花上を占拠している状態であった。

もうちょっとバラエティに富んだ「白い花」採集ができるかと期待していたのだが、訪花する種類の比率は北関東と大きく差がない印象である。


● 灯火@青森 -part2-

日中の採集も一段落し、そろそろ灯火の準備をしなければならない時間だ。

昨晩とは場所を変えてみようかとも話し合ったが、今晩は幸い風がほとんど吹いていないため、もう一回同じポイントにてリベンジを行なうことに決まった。

相棒の本命は言わずと知れたオオクワガタである。なんとしても相棒にはゲットしてもらいたい。私もヨコヤマヒゲナガの追加を得たいため、望むところであった。

今晩も滞りなく、ライトオン。

気温は22度、ほぼ無風状態。

絶好の条件だ。

時間の経過とともに、水銀灯周囲を飛び回る小虫の数が「指数関数的」に増加。

風がないため、その大量の小虫達はまるで荒れ狂う「竜巻き」あるいは「台風」のごとく何重ものスパイラルの軌跡を描きながら光に吸い込まれていく。早くも収拾のつかない状況だ。

蛾の鱗粉が「煙り」のごとく噴出し、遠目にはどこかの神社で行われる「火祭り」のようにも見える。

相棒はこの凄まじい状況を私に味わってもらいたかったようだが、まさに今日はそれを体験できそうな勢いと言ってもいいだろう。

そんななか、昨日とほぼ同じ時刻の午後7時39分、最初のアカアシがやってきた。

ここから、とんでもないクワガタ・オンパレードが始まることとなる。

アカ、アカ、ミヤマ、アカ、ミヤマ、アカ、アカ、アカ、ノコ、コ、アカ...。

数秒 〜10秒に1頭という猛スピードで、切れることなくクワガタが飛来する。

いや〜〜、これは凄い。バルカン砲のようだ。

まあ、このようにクワガタの飛来は「もの凄い」のだが、肝心のカミキリムシは一向に見当たらない。

昨晩はあれほど飛んできたというのに、どういうことなのだろうか?

遅い時間になった段階で、周囲に霧が立ちこめ条件が悪化。徐々にムシの飛来もスピードダウンするようになる。

結局、けっこうな時間まで粘ってみるも、カミキリは採れず終い...。ムシの機嫌はよう分からん...。

また、大量に飛来したクワガタであったが、オオクワガタは×であった。ここには元々生息していないのか?、それとも、たまたま飛来しなかったのか?

うむむむ、相棒と共に首をかしげながらシュラフ(寝袋)に潜り込むのであった。

第1部へ第3部へ