2002年度 採集記(福島県 カミキリ編 -1-)
2002.05.26 (Sun)

福島県 南会津郡

   天気:晴れ時々曇り
   気温:13.2 〜 22.4 度
   風力:4(和風)
● 1000日の想い

どのポイントへ寄っても、あまりいいカミキリムシがいない。

すでに2巡した段階で、クビアカハナカミキリ、シロトラカミキリ、アトモンサビカミキリ、ゴマフカミキリを少数摘んだ程度。

いいかげんに気分が萎え、私は本当に「ど下手」なのではないかと、疑心暗鬼になってくる。

他に写真もないので、一応、載せておこう。

ゴマフカミキリ。

[ Mesosa myops myops DALMAN, 1817 ]

シロトラカミキリ。

[ Paraclytus excultus BATES, 1884 ]

さて、ピニボラ(オニヒゲナガコバネカミキリ)が、先週採集されたというポイントへ本日3度目の訪問。

せっかくここまで来たのだから、ぜひとも今回の採集行にて採ってしまいたい。

今日を逃したら、また来年ということも十分にありえるのだ。

気合いを入れ直し、材のルッキングを始める。

ん!

角材の端っこに、ホンドハイイロハナカミキリ(旧名:ニセハイイロハナカミキリ)。

飛び立つ寸前にゲット。

[ Rhagium femorale N.OBAYASHI, 1994 ]

さらに、もう1種発見。

オオマルクビヒラタカミキリ。


2連発。

[ Asemum striatum (LINNAEUS, 1758) ]

ふ〜〜む、先程と比べてムシの数が増えてきたようである。

さくさく目に留まるようになった。

と、その1分後、大きな衝撃が私を襲った。

あああああ!

あうっ、あうっ、思わず言葉が出ない...。

しかし、明らかに大切な何かが、まさに私の目前にいる。

あまりの急な出来事にピントも合わない。

待ってくれ。

お願いだから逃げないでくれ。

よし、止まったぞ。

やっぱりそうだ!

ひゃっほ〜!!


喜んだのもつかの間、さらなる強大なインパクトが脳天からつま先まで一気に駆け抜けることになる。

あああああ!

もう1頭いる!!!

今度は、やった!、やったぞ!!と、大きな声が自然に出た。

その声を聞きつけ、家族も駆け寄ってくる。

さあ、それはいいが右手でさっきのやつを摘み、左手でカメラのシャッターを押そうとする始末...。ああああ、逃げるからそれ以上近寄らないでくれ。ああああ、撮れない、見えない...。思いっきり手が震える...。

もう、盆と正月とクリスマスが一緒に来た状態だ。今まで想像すらできなかった状況に、どうしていいか分からない。

「ああああ、あれを持ってきてくれ」と女房に別の毒ビンを持ってきてもらい、ようやく両手が空いた。

満を持してシャッターを押す。

っしゃ〜!

今季のベストショットだ。

[ Molorchus pinivorus TAKAKUWA et IKEDA, 1979 ]

これぞ、3年間追い求めていた「オニヒゲナガコバネカミキリ(ピニボラ)」。

すなわち、1000日以上も「恋い焦がれ、想い続けて」いたカミキリムシなのである。

一度に2頭も採れてしまった。

ああああ、何という幸運。

と、何を考えたか、女房がブルーのビニールシートをめくっている。

あああああ!

またいた!!

何ということか、2頭どころか3頭もいるじゃないか。

それも触角の長いカッコイイ♂が都合2頭もゲットできたことになる。

えらい! >女房

ああああ、感無量だ。にわかには信じられない。

2巡目まではここにいなかったから、この30分の間に飛来したということになる。

ちなみに、採れたのは角材を積み上げたところであった。

それにしても、今日は角材でばかりカミキリムシが採れる。

これ自体、今までにない経験だ。

う〜〜ん、この段階で体中の力がみるみる抜け、完全に戦意喪失。

あとは、ゆっくり東京へ帰る方向でポイントをざっと見て、そのまま帰ってしまおう。

ビャクシンカミキリは、最悪来年でもいいや...。

ということで、「腑抜け」になりながら出発した。

最寄りのポイントでは、スギカミキリを角材上でゲット。

[ Semanotus japonicus (LACORDAIRE, 1869) ]

そして、最後となるポイントに到着した。

すでに、日が陰り気温が下がっている...。

駄目元で、上っ面だけみて終わりにしよう。

で、結局見つけられたのは...。

産卵中のチャイロホソヒラタカミキリ。

[ Phymatodes testaceus (LINNAEUS, 1758) ]

交尾中のカラカネハナカミキリ。

[ Gaurotes doris BATES, 1884 ]

以上のような結果であった。

さあ、塩原で温泉にでも入って帰ろうかと、愛車へ乗り込む寸前、2台の車がす〜〜っと停まり、車内から見覚えのある方達が出てきた。

なんと、いままで何度か現地でお会いしたことのあるベテランのカミキリ屋さん達であった。

昨年来、私の採集記をご覧いただいているそうで、いろいろ励ましの言葉をいただけた。

ありがとうございます。

各カミキリ屋さんに挨拶を済ませ、我々は一路、塩原温泉郷に向かった。

う〜〜ん、今日の湯は生涯忘れられないほど、本当に「いい湯」だった。


● エピローグ

ああああ、やっとのことで長年の夢が叶った。

家族を連れていくと、行動にやや制限があるものの、何かと素晴らしいムシとの出会いが多いような気がする。

こうなったら、今後は「るどるふ家」恒例の行事にするしかないだろう。

とにもかくにも、お疲れさま&ありがとう。 >女房

また、いつも我が侭を聞いていただいている「焼肉フロンティア」さんにも、この場を借りて感謝申し上げます。


★★ 採集成績 ★★

アトモンサビカミキリ  4 exs.
[ Pterolophia granulata (MOTSCHULSKY, 1866) ]

オニヒゲナガコバネカミキリ  3 exs.
[ Molorchus pinivorus TAKAKUWA et IKEDA, 1979 ]

カラカネハナカミキリ  3 exs.
[ Gaurotes doris BATES, 1884 ]

シロトラカミキリ  3 exs.
[ Paraclytus excultus BATES, 1884 ]

ホンドハイイロハナカミキリ  3 exs.
[ Rhagium femorale N.OBAYASHI, 1994 ]

オオマルクビヒラタカミキリ  2 exs.
[ Asemum striatum (LINNAEUS, 1758) ]

クビアカハナカミキリ  2 exs.
[ Pterolophia granulata (MOTSCHULSKY, 1866) ]

ゴマダラモモブトカミキリ  1 ex.
[ Leiopus stillatus (BATES, 1884) ]

ゴマフカミキリ  1 ex.
[ Mesosa myops myops DALMAN, 1817 ]

スギカミキリ  1 ex.
[ Semanotus japonicus (LACORDAIRE, 1869) ]

チャイロホソヒラタカミキリ  1 ex.
[ Phymatodes testaceus (LINNAEUS, 1758) ]

総計:10 種(含初採集 1 種) 23 頭

コルリクワガタ(原名亜種) 10♂♂ 5♀♀


記載日:2002.05.27
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