2002年度 採集記(茨城県 甲虫編 -10-)

たかがムシ採り、されどムシ採り

今回は本年の通算60回目となる「記念すべき」採集行、なのかもしれない...。

まあ、それはともかく、本日を最後にしばらくは自由に出撃できなくなるだろうから、一番「思い入れの強い」ポイントへ行き、その景色とそこに生息するムシの姿をこの目に焼き付けておきたい。

さあ、「たかがムシ採り、されどムシ採り」、思う存分楽しもう。



2002.12.25 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:6.1 度
   湿度:非計測
   風力:1〜2
茨城県、甲虫珍道虫(10) 編

● 出発

ということで、私の「茨城ムシ採り人生」の中で最も思い入れの強いポイントへ向かった。

走り慣れた道中、いつもと同じ景色が車窓を流れるが、今日は心なしかいつもとは違った感じがする。

先日降った雪はすべて溶けてしまっており、大雪の名残は微塵もない。

普段は渋滞する温泉街の目抜き通りもスムースに流れ、ポイントに続く道へ折れる。

出発時に聴き始めた「竹内まりや」のCDのちょうど最後の曲が終わろうとする頃にポイントへ到着した。

う〜〜む、積雪は大したことないかな。

まあ、先日の雪中採集に比べたら、こんなのは「熱帯雨林」と同じだ。

何はさておき、ツヤハダクワガタを探そう。

このところ、ツヤハダをまともに採集できていないということもあるし、今日を逃したら次がいつになるのか分からないからだ。

というわけで、とっておきの「ツヤハダ材」へ直行し、ここぞと思う一角を削っていく。

さすがに材の表面には雪がうっすらと積もり凍ってカチカチであったが、幸いなことに内部はほとんど凍っていない。

比較的容易にオノが食い込むので助かった。

削り始めてしばらく、トビイロセスジムシ以外のムシは何も出てこなかったが、徐々にツヤハダクワガタの食痕が現れてきた。

あるとき、ポロっとツヤハダの幼虫が転がり落ち、拾い上げてまじまじと眺めていると、その落ちてきた辺りに「キラっ」と黒光りする物体がモゾモゾと動いているのが見えた。

っしゃ〜〜!


まずは、1♀ゲット。

[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

躊躇せず、さらに奥へと削り進む。

すると...。

ひゃっほ〜〜!

ちょっと「テネラルの余韻」が残っているが、立派な♂である。


あらら、また出た。


っく〜〜〜!


ラッキ〜〜!

何度出しても♂は良い。

「禁断のアングル」に極めて近い角度で写真も撮れてうれしい。

あああああ、何という順調なすべり出し。



ツヤハダクワガタ(原名亜種)
[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

さあ、ツヤハダは満足したので、次はオサムシやゴミムシを探してみよう。

凍りついた材を削るのはとても難儀なので、車で移動しつつ良さそうな「崖」を物色する。

やや標高を下げた南斜面に、なかなか興味を引く「小崖」を発見することができた。

とは言っても、オサムシやゴミムシに興味がなかったら、絶対に足を止めないようなどうでもいい場所なのだが...。

それでは、早速崩しにかかろう。

例の「小ツルハシ」を用いて、表面にある石を「優しく」まろやかに落としながら奥を窺う。

ん!

ひえ〜〜〜。

集団越冬の図@ハサミムシ...。

おおおおお!

いた〜〜〜。

これはニセケゴモクムシであった。

[ Harpalus pseudophonoides SCHAUBERGER ]

その後、どんどん崖が崩れてしまい、たくさんの石と一緒にムシがポロポロと小さな聞えない音を立てて落ちてきた。

うお〜〜〜〜〜、という沸き上がる熱い「血潮」を感じつつそれらを拾いまくるが、手が間に合わずに逃げられてしまうムシも多し...。

う〜〜ん、「千手観音」になりたい...。

残念ながら生態写真は撮れなかったため、下の標本写真でご勘弁を...。


エサキオサムシ
[ Carabus albrechti esakianus (NAKANE) ]


ニセケゴモクムシ
[ Harpalus pseudophonoides
SCHAUBERGER ]

ホソツヤヒラタゴミムシ
[ Synuchus atricolor (BATES) ]


ホソモリヒラタゴミムシ
[ Colpodes speculator HAROLD ]

ツヤモリヒラタゴミムシ
[ Colpodes xestus (BATES) ]

その後、4〜5ケ所の崖にて「おおおお、これは絶対に初物だよ〜〜」と、狂気の声を上げながらゴミムシを採集したが、帰宅後の同定では1種たりとも増えていなかったことを付け加えておこう。

でも、楽しかった〜。


● エピローグ

ということで、今年最後の採集行は「ささやかな成果」ながらも、清々しい気持ちをもって静かに幕を閉じることができた。

次回の出撃はいつになるのか?

それは私にも皆目見当がつかないが、いつか復活できることを信じ、ひとまず筆を置きたいと思う。

ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。


★★ 採集成績 ★★

ホソツヤヒラタゴミムシ 9 exs.
[ Synuchus atricolor (BATES) ]

ツヤハダクワガタ(原名亜種) 2♂♂2♀♀
[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

ツヤモリヒラタゴミムシ 3 exs.
[ Colpodes xestus (BATES) ]

ニセケゴモクムシ 2 exs.
[ Harpalus pseudophonoides SCHAUBERGER ]

エサキオサムシ 1 ex.
[ Carabus albrechti esakianus (NAKANE) ]

ホソモリヒラタゴミムシ 1 ex.
[ Colpodes speculator HAROLD ]


記載日:2002.12.31
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