2002年度 採集記(茨城県 甲虫編 -7-)

水際の甲虫

これまでは山地の甲虫を中心に観察と採集を行ってきたが、今回からしばらくは主に低地の甲虫に目を向けてみようと思う。

とりあえず、手始めとして河川敷や河口域〜海岸地帯を採集地に選んでみた。

まあ、初心者がいきなり訪れて様々な甲虫を採れるものでもないだろうが、家で図鑑を眺めていても仕方がない。

ということで、最低限の予備知識を頭に叩き込んで出発した。



2002.12.04 (Wed)

茨城県 某所

   天気:雨
   気温:9.7 度
   湿度:72.3%
   風力:2〜3
茨城県、甲虫珍道虫(7) 編

● とある河口へ

本日はどこの天気予報を見ても「傘マーク」ばかり...。

それも週間予報では「水曜日のみ」が雨というのだから、してやられたという感じである。

まあ、こればかりは私が何をしても変えようがないので、小雨が降りしきる中、いそいそと出発した。

今回の採集地は、とある河口付近だ。

既存の記録では比較的多彩な甲虫が採集されているポイントであり、まずは勉強をしてみたいと思って選んだ場所である。

さて、着いた...。

土手を乗り越えて河辺に下りてみると、狭いうえにけっこう汚い...。


こんなところで本当にムシが採れるのだろうか?

半信半疑なまま、適当に石や流木を起こしてみる。

すると、たくさんのトビムシの仲間が砂の上で一斉に跳ね回り、比較的大きなフナムシがシャカシャカと岩の間に逃げ込んでいく。

甲虫らしき姿はどこにも見えない...。

フナムシ...。


ハサミムシ...。


そして、カニ...。

ふ〜〜む、いまいちだねぇ...。

石や流木の直下だけではなく、砂に潜っているかもしれないと考え、スコップで少々深く掘ったり、その砂を篩いにかけたり、熊手で枯れたヨシをかき分けてみたり、いろいろやってみたものの、私に判別可能な甲虫は発見できなかった...。

いずれにしても、触るものすべてが「びしょ濡れ」であり、とても効率の悪い冷たい作業だ...。

というわけで、この場所を見切り、海岸の方へ行ってみることにした。

うおおおおおおお。

海だ〜〜〜。

本日はかなり波が高く、さすがのサーファー達も車へ引き上げてしまっている。

言わば「俺の浜」状態。

海岸線を見渡してみると、幸い、浜辺には流木や海藻がたくさん打ち上げられているようだ。

それらの下に何かムシがいないか調べてみよう。

ということで、漂着物へ向かって砂浜を歩いていると、帰り支度をするサーファー達の視線が「圧力」のように感じられる...。

長靴履きに傘を差し、腰にいろんなアイテムをぶら下げ、スコップや熊手を抱えている「インチキ弁慶」のような格好なのだから怪しまないほうがおかしいか...。

そんな視線の圧力を振りきりながら、次々と漂着物の下をチェックしていく。

10分ぐらい探索しただろうか、ある流木を退けたところで私のシナプスが弾けた。

っしゃ〜〜〜。


いた〜〜〜〜。

おそらく死ぬほどの普通種なのだろうが、とっても嬉しい。

いてくれてありがとう。

が、浜辺で採れたのはこいつだけであった..。

一通り見てしまったので、今度はテトラポッド脇にある石を起こしてみることにした。

植物もたくさん生えていて、なんとなくムシがいそうな雰囲気だ。

一番手前の石を起こしてみると...。

おおおおお!

なんだこりゃ?


アップ!

う〜〜ん、どうやらテントウムシの仲間 ※ のようだ。

集団越冬中なのかもしれない。

手持ちの図鑑では同定し得ず。

[ Leiochrodes masudai NAKANE]

※ 後日、キイロテントウゴミムシダマシと判明(2002.12.07)。


クロモリヒラタゴミムシ
[ Colpodes atricomes BATES ]

キイロテントウゴミムシダマシ
[ Leiochrodes masudai NAKANE]

そして、隣にあった石の下から、ヨツボシテントウダマシと、もう2種の甲虫を追加できた。


マダラチビコメツキ
[ Aeoloderma agnatum (CANDEZE) ]

ウスモンコミズギワゴミムシ
[ Tachyura fuscicauda (BATES) ]

ふ〜〜む、植物があるとムシがけっこういるものなのね。

まあ、それは良いのだが、ここまでで風呂上がりのようにびしょ濡れになってしまった。眼鏡の内側には雨水が溜まり、前もちゃんと見えない...。

これが真夏だったらまだ許せるのだが...。

よ〜〜し、もう1ポイントだけ確認しに行って、速攻で温泉へエスケープするとしよう。

で、小一時間車で移動し、そのポイントへ到着したものの...。

う〜〜ん、満潮...。

石川さゆり、あるいは八代亜紀な世界がひたすら広がっていた。

ということで、戦意喪失です...。


● エピローグ

ふぇ〜〜〜〜、雨は困ったものだ。

かなり消化不良な内容であったため、来週も続行予定です。


★★ 採集成績 ★★

キイロテントウゴミムシダマシ 2 exs.
[ Leiochrodes masudai NAKANE]

ウスモンコミズギワゴミムシ 1 ex.
[ Tachyura fuscicauda (BATES) ]

クロモリヒラタゴミムシ 1 ex.
[ Colpodes atricomes BATES ]

マダラチビコメツキ 1 ex.
[ Aeoloderma agnatum (CANDEZE) ]

ヨツボシテントウダマシ 1 ex.
[ Ancylopus pictus WIEDEMANN ]

他、数種、数頭


記載日:2002.12.05
追記日:2002.12.07 (キイロテントウゴミムシダマシが判明)
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