2002年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -11-)

さくさく

本日はあまり時間がないため、いつもの林道へ直行してざっと見てこようと思う。

果たして、未採集種と出会うことができるだろうか?



2002.05.21 (Tue)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:19.2 度
   湿度:57.4 %
   風力:1(微風)
茨城産カミキリ、ミニ採集@ミニ採集 編

● 直行のはずが...

先日の「雨天決行」採集がアホに思えるほど、本日はとても気持ちの良い「五月晴れ」だ。

さて、今回は茨城県内にて唯一「ポエキラ(マダラゴマフカミキリ)」の記録があるという林道の偵察をしに行こうと思う。採集できないにしても、何らかの手がかりが得られれば御の字である。

では、出発しよう。

ポイントへ向けて順調に車を走らせていると、山間の民家脇にとてつもない「ソダ場」を見つけてしまった。

寄り道をするつもりなど1ミリもなかったのだが、これは見捨てるわけにはいかない。

絶対、何らかのカミキリムシはいるはずだ。


うむ。

早速、ゴマフカミキリが目に留まった。

とりあえず、挨拶代わりにゲット。

[ Mesosa myops myops DALMAN, 1817 ]

無数に交錯する枝を眺めながら奥の方へ入ってみる。

古いクヌギの材上には、ヒメヒゲナガカミキリが日向ぼっこをしていた。

一応、茨城県では初ゲット。

[ Monochamus subfasciatus subfasciatus (BATES, 1873) ]

さらに奥へと分け入る。

うわ〜〜!

一番奥の斜面には、ソダのジャングルが形成されていた。

一体、どれだけの木が伐採されたんだろうか?

道に迷ってしまいそうだ。


ん!

ベニカミキリ。

目の前にいた...。

隣の竹林から飛来したものと思われる。

ただ、ちょっと羽化不全...。

[ Purpuricenus temminckii (GUERIN-MENEVILLE, 1844) ]

ちょうど目の高さに、やや「きめの粗い」材が積み上げられていたので、じ〜〜っとそれを観察していると、材の裏から細長いムシがひょこひょこと這い出てきた。

うおっ!

ホタルカミキリだ。

ということは、この材はネムノキなのかもしれない。

[ Dere thoracica WHITE, 1855 ]

この前はカエデの花のスイーピングにて偶然採集し得たが、今回はちゃんと教科書通りにホストの材で採ることができた。

よかった〜、と思ってるのもつかの間....。

っしゃ!

今度はペアで発見。

写真を撮った後、すかさずゲットする。


あああ、またペアでいた。

なんだぁ、たくさんいるんじゃないか。

結局、ほんの一瞬で10頭も採れてしまった。

一体、昨年はどこを探していたのだろうか? >私

待っていればもっと飛んでくるのだろうが、ホタルカミキリに関してはもうお腹いっぱいだ。

いうことで、順次、まだ見ていない領域をルッキングする。

しっかし、途方もない材の量だ。真剣にやろうと思えば、ここだけで半日は必要だろう。本命ポイントにおける滞在時間も考え、あとはざっと見るだけにしておこう。

で、結局、目新しいカミキリムシは発見できず、アトモンサビカミキリ、シナノクロフカミキリ、ナカジロサビカミキリ、ヒシカミキリ程度であった。これだけの材があるにもかかわらず、なかなか「珍」なカミキリムシは採れないものだ。

これらのカミキリムシを適当に摘み、このポイントを後にする。


● Uターン...

もう寄り道はやめよう、そう心に決めてアクセルを踏み込むのだが、あるポイントで再び視線がくぎ付けとなる。

ああああ、なんとも柔らかい決心だ...。

一度は我慢してそのポイントを通り過ぎたものの、やはりどうしても気になり思わずUターンしてしまった。

咲き誇るミズキの下に、切り立てホヤホヤの材がたくさん転がっているようだ。

ミズキを掬って、材で採って。

うっひっひ、一石二鳥かもしれないぞ。

早く見てみたい。

もう気ばかりが焦り、競歩のように尻を振りながら駆け寄る。

小川にかかる橋を渡って、いざ材を見てみると、どういうわけか「シ〜〜ン」としていて何もいない...。

そんなはずはない。

材の裏も丹念に探してみたが、かろうじてゴマフが1頭いる程度だ。

なんでだろう?

じゃあ、今度はミズキを掬ってみるか。

シャキっとネットを伸ばして、ワサワサと数ヶ所掬ってみると...。

う〜〜ん、これがまたしょぼい。

セスジヒメハナカミキリが2頭だけであった。

その後も何回かスイープを繰り返してみたが、カミキリムシがまったく入らないのである。

だめだこりゃ...。

ということで、早々に立ち去るべく草叢を横切る最中、頭に「ピン」とくるものが偶然視界に入った。

ひっひっひ。


つい最近、山梨県にて見たばかりだ。

もしかして、茨城でも採れちゃうのかな?


いた〜〜〜!

難なく茨城産ゲット。


またいた〜〜〜!


あらら...。

実はいくらでもいる。

[ Phytoecia rufiventris GAUTIER, 1870 ]

それにしても、キクスイカミキリの赤い斑紋は本当に綺麗だ。図鑑の写真とは随分と見栄えが異なる。

ともかく、Uターンした甲斐があった。


● 到着

さて、少々寄り道が過ぎたが、無事に林道へ到着した。

まずは何も考えずに登っていく。

とりあえず、一番手前のソダにてシロオビゴマフカミキリを2頭ゲット。

さらにヒトオビアラゲカミキリを1頭追加する。

[ Falsomesosella gracilior (BATES, 1884) ]

林道沿いでは、ちょうどミズキやコゴメウツギが満開を迎えており、さすがに無視することはできないため、その都度車を停める。

花の一つ一つをチェックしていくと、天気の良い日は本当にいろんなムシが飛来している。

とりあえず、セスジヒメハナカミキリ。

[ Pidonia amentata amentata (BATES, 1884) ]

そして、ミヤマルリハナカミキリ。

[ Kanekoa azumensis (MATSUSHITA et TAMANUKI, 1942) ]

その他、チャイロヒメハナカミキリ、トゲヒゲトラカミキリ、ヒメクロトラカミキリ、フタオビヒメハナカミキリ、ホタルカミキリなどがざくざくネットに入ってくる。

何ポイント目のコゴメウツギだったろうか、それを見た瞬間、私の瞳孔が一気に全開となった。

うぉ〜〜!!

コジマヒゲナガコバネカミキリだ。


アップ!


さらにアップ!

[ Glaphyra kojimai (MATSUSHITA, 1939) ]

や〜〜っと生態写真を撮ることに成功した。

これが撮り(採り)たかったんだよ〜。

やはり、指で掴んでる写真よりも抜群に説得力がある(自画自賛)。

ともかく、しばらく「武者震い」が止まらなかった。

その後、感動の波に揺られながら「絶好のコナラ・シデ林」を発見することもできた。

今回はポエキラの姿を見ることはなかったものの、いるとしたら絶対にこのポイントだろう。来季も視野に入れ、定期的に訪れてみたいと思う。


● エピローグ

1時間半の採集であったが、こんなに様々なカミキリムシと出会えるとは思わなかった。

念願の茨城産ゲットもいくつか果たすことができ、さらにはコジマヒゲナガコバネカミキリの写真撮影にも成功し、大満足な結果であった。

茨城県も捨てたものではない。


★★ 採集成績 ★★

ホタルカミキリ  13 exs.
[ Dere thoracica WHITE, 1855 ]

キクスイカミキリ  10 exs.
[ Phytoecia rufiventris GAUTIER, 1870 ]

シナノクロフカミキリ  2 exs.
[ Asaperda agapanthina agapanthina BATES, 1873 ]

シロオビゴマフカミキリ  2 exs.
[ Falsomesosella gracilior (BATES, 1884) ]

セスジヒメハナカミキリ  2 exs.
[ Pidonia amentata amentata (BATES, 1884) ]

トゲヒゲトラカミキリ  2 exs.
[ Demonax transillis BATES, 1884 ]

ベニカミキリ  2 exs.
[ Purpuricenus temminckii (GUERIN-MENEVILLE, 1844) ]

ミヤマルリハナカミキリ  2 exs.
[ Kanekoa azumensis (MATSUSHITA et TAMANUKI, 1942) ]

コジマヒゲナガコバネカミキリ  1 ex.
[ Glaphyra kojimai (MATSUSHITA, 1939) ]

ゴマフカミキリ  1 ex.
[ Mesosa myops myops DALMAN, 1817 ]

ナカジロサビカミキリ  1 ex.
[ Pterolophia jugosa jugosa (BATES, 1873) ]

ヒシカミキリ  1 ex.
[ Microlera ptinoides BATES, 1873 ]

ヒトオビアラゲカミキリ  1 ex.
[ Rhopaloscelis unifasciatus BLESSIG, 1873 ]

ヒメクロトラカミキリ  1 ex.
[ Rhaphuma diminuta diminuta (BATES, 1873) ]

ヒメヒゲナガカミキリ  1 ex.
[ Monochamus subfasciatus subfasciatus (BATES, 1873) ]

総計:15 種 36 頭


記載日:2002.05.22
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