2002年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -29-)

タテジマカミキリ

今回は「タテジマカミキリ」という種類を狙ってみようと思う。

本種はホストの「カクレミノ」という植物の枝上にて、「野外成虫越冬」することが知られているカミキリムシである。

低地の個体におけるライフサイクルとしては、夏季に材から羽脱 → ホストの植物を後食 → そのまま野外にて越冬 → 春季に生殖活動、というのが一般的なようだ。ちなみに、山地では材中越冬するようである。

一応、茨城県においても記録のある種類であり、頑張れば採れるかもしれない。

ということで、チャレンジしてみよう。



2002.09.18 (Wed)

茨城県 某所

   天気:快晴
   気温:25.1 度
   湿度:42.4 %
   風力:1
茨城産カミキリ、ストライク・ザ・ストライプ 編

● カクレミノを求めて

先日、茨城県のあるエリアにカクレミノが植えられているという情報を入手したため、本日はそこを見に行ってみようと思っている。

しかし、そうは言っても、私はカクレミノという植物を今までに一度も見たことがなく、いきなり行って判別できるかどうかの自信はない...。

「まあ、行けばなんとかなるだろう」

いつもながらの行き当たりばったりの方針で、とりあえず車を走らせた。

ひょ〜〜〜!!

ここ数日の雨を一気に吹き飛ばすような「快晴」だ。

これだけでも気分がリフレッシュする。

そうこうしているうちに、当該エリアに到着した。

適当に車を停めて、探索を開始する。

ふ〜〜む、基本的にはアカマツが多い植生だ。

本当にカクレミノがあるのだろうか?

まあ、タテジマが駄目だったらケブカヒラタカミキリ(ノトリナ)でも探してみよう。

しばらく歩いていると、威勢の良い常緑樹を見つけた。

う〜〜ん、カクレミノかなぁ?

なんか図鑑で見たのと葉の形が違うなぁ。

ということで、さらに先へ行く。

道沿いをゆっくり観察していると、図鑑で見覚えのある葉をつけた植物があった。

おおお、これかな?

そうそう、これだ。

これが「カクレミノ」だと思う。

周囲にも何本か生えているようだ。

まずは樹幹から枝先まで、舐めるように何度も丹念に観察していく。

ん!

何らかのムシに食害された痕跡がある。

タテジマカミキリの仕業だろうか?


途中から折れているボロボロの枝もある。


おそらく、これもそうだろう。

う〜〜ん、なんかいい雰囲気だぞ。

これで本命がいてくれれば言うことはないのだが...。

しかし、タテジマカミキリってどのぐらいの大きさなのだろうか?、遠くから肉眼で確認できるのだろうか?

経験がまったくない以上、ありったけの机上知識とカンで勝負するしかない。

私の記憶が正しければ、タテジマカミキリは枝先に着いている写真が多い印象があるので、手を伸ばして枝を引き寄せてみた。

すると、何かがポロっと足下に落ちた。

何だろう?

ああああああああ!!

これは...。


っしゃ〜〜!!

本日の本命、タテジマカミキリ。


う〜〜ん、どんなときも「基本姿勢」は崩さないようだ。

上翅のストライプがとてもお洒落。

顔はこんな感じ。

意地でもアゴを引いている...。
[ Aulaconotus pachypezoides THOMSON, 1864 ]

いや〜〜、それにしても呆気なかった。

よ〜〜し、こうなったら枝にしがみついている「生態写真」に挑戦しよう。

他のカクレミノでタテジマを探してみる。

むむむ、ここにも痕跡が...。

おおおおおお!

ぬか喜び...。

気を取り直して、ルッキングを続けていると...。

うおおおおおお!

いた〜〜!

でも、遠い...。

思いっきり背伸び&手を伸ばして撮ったが、これが限界。

仕方ないので、ビーティングネットを下に添えて落っことす。

もうちょっと低い位置にいてくれるといいのだが...。

さらに別のカクレミノを確認しに行く。

わ〜〜お、またいた。

でも、また遠い...。

これで目ぼしいカクレミノはすべて見てしまった。

まあ、初挑戦にもかかわらず3頭も採れたのだから、贅沢を言うのはやめておこう。

気持ちを切り替えて、ノトリナを探すことにした。

幸い、このエリアにはアカマツが豊富に生えており、ホストの発見に苦労することはない。

目に付いた太めのアカマツを片っ端からチェックしていく。

が、しばらくルッキングしてみた限りでは、脱出孔のないアカマツばかりであった。

いないのかなぁ?

クロカミキリはいるのだが...。

う〜〜ん...、ため息をついていると、向こうの方にカクレミノらしき植物が生えているのが見える。

またまた気分転換だ。

そこへ歩み寄っていくと、やはりカクレミノであった。

さて、タテジマ君はいるかな?

うああああ、目の前にいた...。

ラッキー!


よしよし。

まあまあ良い写真が撮れた。

ふぅ〜〜、なんか満足してしまった。

今日はこれで終わりにしよう。

そう思うと無性に腹が減ってきた...。

このところ山の幸ばかり食べていたので、本日は海の幸を食べに行こう。

ということで、一目散に下山し、海岸沿いの温泉を探すべくアクセルを踏み込むのであった。


● エピローグ

ビギナーズラックながらも、一撃でタテジマカミキリを採ることができた。

それは素直に嬉しいのだが、本日訪れたエリアは今までまったく無視していた場所であり、自分の未熟さを改めて思い知った採集行でもあった。

採集に先入観は禁物であると常々自分に言い聞かせてきたものの、「ここでは採れないだろう」という気持ちがどこかに残っているのだと思う。

う〜〜ん、まだまだ修業が必要だ...。


★★ 採集成績 ★★

タテジマカミキリ  4 exs.
[ Aulaconotus pachypezoides THOMSON, 1864 ]

総計:1 種(含初採集 1 種) 4 頭


記載日:2002.09.18
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