2002年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -31-)

トラップは?

先週に引き続き、今回も茨城産コブヤハズカミキリの探索行である。

前回仕掛けたトラップの確認が楽しみだ。



2002.10.02 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:22.5 度
   湿度:41.3 %
   風力:2〜3
茨城産カミキリ、難攻不落(2) 編

● 直行

強烈な台風があっという間に過ぎ去った本日、台風一過によりものすごく天気が良くなるそうだ。

地域によっては気温が30度を越えるというのだから尋常ではない。一気に1ヶ月ほど季節が逆戻りしたような日となるだろう。

一刻も早くトラップを確認したいため、どこへも寄り道せずポイントへ直行する。

う〜〜ん、路面は台風で飛ばされた無数の葉で敷き詰められている...。

間も無くポイントへ到着。

ひっひっひ。

早速、トラップを見に行く。

ところが、いくら探してもトラップが見つからない...。

どうやら、台風で見事に吹き飛ばされたようだ...。

まあ、倒木や立枯の陰にも仕掛けてあるので、それをチェックしてみよう。

ワサワサと笹藪の斜面を降りていく。

今日は森の中も比較的明るい。

さて、その倒木が見えてきた。

おおおお、ちゃんと残っているぞ。

ラッキー!

間髪入れずにトラップを暴いていく。

おおおおお!、なんかいるぞ!!

コブか?

あああああ、あなたでしたか...。


ここにも...。


えええい、サービスショット。

[ Misolampidius rugipennis LEWIS ]

これはヒサゴゴミムシダマシという甲虫で、ツヤハダクワガタの材採でよく出くわすムシだ。

結局、十数頭のヒサゴ君が隠れており、トラップは彼らの巣窟と化していた...。

ということで、もう一つのトラップを見に行く。

で、再びチェックしてみると...。

やはり...。

まあ、こんなものなのかもしれない。

でも、この時期にヒサゴ君がこんな形で採れるとは思わなかった。

ある意味、新発見。

新たなトラップをこしらえ、異なる場所へ仕掛けておいた。

さて、本日は前回見ていない場所を攻めてみることにしよう。

まずは、適当に沢の入り口付近でビーティングしていると...。

おや?


おおおお、クモノスモンサビカミキリだ。

う〜〜ん、久々にカミキリムシを見ることができた。

けっこう渋い種類である。

[ Graphidessa venata venata BATES, 1884 ]

さらには...。

大型のハムシ。

写真では分かり難いが、パープルメタリックの乙なやつだ。

現在、まったりと同定中。


ルッキングで見つけた同種。

♀の腹はパンパンで、どすこい系。

卵だろうから、こいつらには手を付けず。

必死にしがみつく♂が健気...。


そして、こんなムシも落ちてきた。

アカクビナガオトシブミというらしい。

[ Paracentrocorynus nigricollis ROELOFS ]

で、おまけの1頭。

ヒメケブカチョッキリかな。

[ Involvulus pilosus ROELOFS ]

いずれの甲虫も、このポイントでは普通に採れる種類のようだ。

ということで、薄暗い沢を奥の方まで登っていく。

いつもは涸れている沢だが、台風の影響で今日は水が流れている。

ひたすら不気味な雰囲気...。

どんどん登っていき、適宜沢沿いをビーティングしていくが、あまりに湿っていてゴミムシが数頭落ちた程度であった。

滑落の危険性もあるため、場所を変える。

しばらく車道を歩き、適当なところで笹藪へ突っ込んでみた。

おおお、なかなか良さそうだぞ。

一番美味しそうなところを叩いてみよう。

しかし、何も落ちてこなかった...。

その後、小一時間、林内を彷徨うもたいした成果はなし。

視点を変えて、一気に標高を下げてみるとしよう。

一端、車へ戻り、下山する方向へ走ってみる。

すると、何やら小道があるようだ。


● シャワー

ということで、突入。

雰囲気はいいかも。


ササの葉上にはナナフシ...。

しばらく散策していると、比較的太いブナの立枯れを見つけたので樹幹をチェック。

おおおおお、逆光で見難いが、上の方に何か大型の甲虫がいるぞ。

う〜〜ん、今度こそコブかもしれないな。

網を取りに帰り、その影を落としてみた。

.......................。

[ Sipalinus gigas FABRICIUS ]

オオゾウムシのペアだった....。

紛らわし過ぎ...。

むむむ、陽の当たる反対側をよく観察すると、この立枯れには無数のオオゾウムシがベタベタと張り付いているではないか。

う〜〜ん、愛の巣窟状態だ...。

私の気配を感じたのか、上から次々と落ちてくる。

ああああ、オオゾウムシのシャワーを浴びてしまった...。

で、この小道でもロクな成果を上げられず、日暮れも近いことから本日の採集を終了とした。


● おまけ

下山の途中で、シイタケ関係の材置き場を見つけたので、ちょっとだけ寄り道。

まあ、何もいないでしょう。

と、タカをくくってルッキング。


わ〜〜お、いた...。

ホソカミキリ@初@このエリア@私。

[ Distenia gracillis gracillis (BLESSIG, 1872) ]

う〜〜ん、カタジロゴマフ。

[ Mesosa hirsuta hirsuta BATES, 1884 ]

う〜〜ん、ナガゴマフ。

[ Mesosa longipennis BATES, 1873 ]

ゴマフの競演...。


おまけ@おまけ。

キノコヒゲナガゾウムシ。

[ Euparius oculatus SHARP ]

いつものように、温泉へ。

風呂上がりに天丼を平らげ、また来週...。


● エピローグ

コブは採れなかったものの、出会えた甲虫は多かった。

今後も積極的に様々な甲虫へスポットライトを当てていこうと思う。

でも、来週もヒサゴ君の巣窟かなぁ...。


★★ 採集成績 ★★

カタシロゴマフカミキリ  1 ex. (現地リリース)
[ Mesosa hirsuta hirsuta BATES, 1884 ]

クモノスモンサビカミキリ  1 ex.
[ Graphidessa venata venata BATES, 1884 ]

ナガゴマフカミキリ  1 ex. (現地リリース)
[ Mesosa longipennis BATES, 1873 ]

ホソカミキリ  1 ex. (現地リリース)
[ Distenia gracillis gracillis (BLESSIG, 1872) ]

総計:1種 1 頭

アカクビナガオトシブミ 2 exs.
[ Paracentrocorynus nigricollis ROELOFS ]

ヒサゴゴミムシダマシ 2 exs.
[ Misolampidius rugipennis LEWIS ]

オオゾウムシ 1 ex.
[ Sipalinus gigas FABRICIUS ]

キノコヒゲナガゾウムシ 1 ex.
[ Euparius oculatus SHARP ]

ヒメケブカチョッキリ 1 ex.
[ Involvulus pilosus ROELOFS ]

ハムシ 1 ex. (同定中)


記載日:2002.10.03
採集記(総目次)2002年度 採集記(目次)茨城県 カミキリ編 -32- へ続く....