2002年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -33-)

ファイナル・アプローチ

2週間ぶり、かつ今季最後の茨城産コブヤハズカミキリ探索行。

さすがに時季が時季なので厳しいかもしれないが、置きっぱなしにしてあるトラップの確認をしてこようと思う。

さあ、行くぞ〜〜。



2002.10.16 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:14.6 度
   湿度:38.2 %
   風力:3
茨城産カミキリ、難攻不落(3)編

● トラップは?

目の覚めるような好天の中、いつものルートをたどってポイントへ到着した。

車を降りた途端、ひや〜〜っと寒い風が吹き抜け「鳥肌」を誘う...。

さっぶ〜〜〜。

温度計を見てみると...、うむむ、14℃しかないじゃないか...。

う〜〜ん、紅葉はいまひとつ。


うっすらと色づき始めたという感じだ。

スズメバチの格好の餌食となる黒いウインドブレーカを着込み、ササ藪へ身を投じた。

さあ、先々週仕掛けたトラップはどうなっているのだろうか?

ゴゴゴォ〜〜〜と、林内を駆け抜ける風音を聞きながら斜面を降りる。

おおおお、トラップは何事もなかったかのように健在で、何気にいい状態を保っているようだ。

早速、確認する。

しかし、一つ一つ丁寧に開いていくも、出てくるのはクモばかり...。

前回あれだけ出てきたヒサゴゴミムシダマシもいないようである。

う〜〜ん、どうも駄目みたいだ...。

新築マンション即日完売の勢いで、クモ達に席巻されてしまっている。

甲虫としては、このゴミムシのみ。

ナガゴミムシの仲間と思われる。

このエリアでは初めて見掛けるので、一応ゲット。

[ Pterostichus sp. ]

そして、周辺に仕掛けた別のトラップもチェックしてみたが、どれもスカであった...。

ああああ、こりゃ全滅だ...。

ということで、いつも通り、目ぼしい場所をビーティングしていくことにした。


● ビート!

ビーティングとは言っても、週を重ねるごとに「枯葉」が増え、叩く場所が多くなるので大変だ...。

まあ、シロートの私にはいつヒットやホームランが出るか分からないから、とにかくひたすら手を出すしかない。

幸い、本日未明に降った雨の影響にて、大半の枯葉はそれなりの「湿度」を保っており、外道のハサミムシも普段の5割増しぐらいで落ちてくる。

あるポイントでアジサイのような葉の半枯れを叩いたとき、見慣れない甲虫らしきムシが落ちてきた。

一瞥でハネカクシと分かったのだが、何分、動きが速いため写真が撮れない...。

念のため、ゲット。

さらにその数分後、もう1種類なかなか恰好良いハネカクシを採ることができた。

これまた俊敏なため、現場での生体写真は断念...。

帰宅後に撮影した写真(採った順に左→右)。


アバタツヤムネハネカクシ
[ Rientis parviceps SHARP ]

ハスオビオオキバハネカクシ
[ Oxyporus triangulum SHARP ]

う〜〜む、こうして並べてみると、ハネカクシもなかなか良いムシかもしれない。

要するに、今までは単なる「採らず嫌い」であっただけと言える。

まあ、今はこれらのムシについての知識は限りなくゼロだが、将来的には貴重なマイ資料となるかもしれないので、これからもマメに採集しておこう。

で、肝心のコブヤハズカミキリは、「コ」の字さえ落ちてくることはなく、敢え無くビーティングを諦める...。

その後、およそ2時間かけて「坊主めくり」と「盲牌」を地面に這いつくばって頑張ってみたが、な〜〜〜んも成果を上げることはできなかった...。

ということで、今季における茨城産コブヤハズカミキリの探索をここで打ち切ることにした。

う〜〜ん、力及ばず...。


● 材採開始!

最近は随分と日が短くなったため、さほど時間も残っていないが、せっかくなので材採集を少々やってから帰るとしよう。

ほぼ1年ぶりにオノを携え、適当に斜面を降りていく。

しばらく林内を彷徨っていると、小振りな赤枯れ材(褐色腐朽材)を発見。

マダラクワガタかツヤハダクワガタでも出ないかと叩いてみた。

数刀の後、食痕が出現したため、さらに追っていくと...。

あっさり...。

[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

そうなると、♂が欲しくなるのが人情というもので、作業を続行する。

時たま小さな甲虫も出現し、その都度手を休めて写真を撮る。

これは以前にも採集したことのあるムシだ。

図鑑によると、トビイロセスジムシという種類らしい。

[ Rhysodes comes LEWIS ]

加えてもう1種、今度はゴミムシが出てきた。

むむむ、前胸背板がハート型をしていてけっこう格好良い。

私の場合、こいつらの臭いが苦手なのだが、一応、恐る恐る嗅いでみた。

おおお!、なんと臭わないではないか。

[ Pterostichus sp. ]

思いっきり鼻を近づけて吸い込んでもほぼ無臭、まったく大丈夫だ。

羽化したばかりで未成熟だからだろうか?

う〜〜ん、またまた採らず嫌いだったかもしれない。

こいつを眺めているうち、ツヤハダクワガタとあまり変わらないように思えてきた。もうツヤハダの♂は深追いしなくてもいいかな。

それはそうと、図鑑には酷似した種類がいくつかあったため、私には同定不能であった...。おそらく、これもナガゴミムシの仲間だと思われる。

追々、資料や文献を揃えて解決していこう。

そして、下の写真はいつの間にか軍手にくっついていたケシ粒ほどの極小なムシ。

デジカメのみではこれが限界で、これ以上のクオリティを求めるとなると、実体顕微鏡で観察するしかない...。


ツヤグロシリホソハネカクシ
[ Tachyporus suavis SHARP ]

というわけで、再び材を物色する。

お馴染のマークも...。

時間がもったいないので、これには手を付けず。

その近傍にて菌類の回ったシデの倒木を観察していると、この寒い中、何やら米粒のようなムシが歩き回っていた。

何だろう?

ハムシ?

現在、のんびりと同定中...。


同じ材の裏側には、ヒゲナガゾウムシが1頭。

キマダラヒゲナガゾウムシ。

[ Tropideres germanus SHARP ]

う〜〜む、かなり冷え込んできたので、今日はこの辺でお終いにしよう。

今後、材採集はいつでもできる。

一服した後、木枯らしのような風に追われながらポイントを後にした。


● ホ〜〜ット!

気がついてみると、なんだか真冬の材採時のように体の芯まで冷えきってしまった。

ということで、いつものように温泉へ。

ほど良く熱いお湯に体を沈める。

いや〜〜、激しく極楽!!

寒くなってくると、露天風呂が実に気持ちいい。

今日はちょっと奮発して、奥久慈軍鶏の鍋を注文。

これにて、さらに体を温める。

味もなかなかグッドであった。

う〜〜ん、また来週...。


● エピローグ

シロートなりにかなり頑張ってみたが、茨城産コブヤハズカミキリの雄姿はとうとう拝めなかった。

前評判通り「難攻不落」であった。

しかしながら、これまでのトライのお陰で、カミキリムシ以外の甲虫にも積極的に目が向くようになってきたことはうれしい。

もちろん、今後も当分はカミキリムシを不動のメインとしていくことに変わりはないが、どのような場所にどんな種類の甲虫がいるのかを知っておいて損はないだろう。

時間の許すかぎり、その手の採集や観察を織り交ぜていこうと思う。

なお、来週からは材採集が中心となります(予定)。


★★ 採集成績 ★★

ボーズ@カミキリムシ

アバタツヤムネハネカクシ 1 ex.
[ Rientis parviceps SHARP ]

キマダラヒゲナガゾウムシ 1 ex.
[ Tropideres germanus SHARP ]

ツヤグロシリホソハネカクシ 1 ex.
[ Tachyporus suavis SHARP ]

ツヤハダクワガタ 1 ex.
[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

トビイロセスジムシ 1 ex.
[ Rhysodes comes LEWIS ]

ハスオビオオキバハネカクシ 1 ex.
[ Oxyporus triangulum SHARP ]

ナガゴミムシの仲間(1) 1 ex.
[ Pterostichus sp. ]

ナガゴミムシの仲間(2) 1 ex.
[ Pterostichus sp. ]

他、数種、数頭


記載日:2002.10.17
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