2002年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -7-)

カエデは?

2週間もご無沙汰してしまった茨城採集。

前回(4/9)のルッキングにて低標高地のカエデは満開の一歩手前であったから、おそらくそのポイントでは終焉に向かっている可能性が高い。

ということで、今回はやや緯度を上げた場所でカエデを探ってみることにした。



2002.04.23 (Tue)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:19.3 度
   風力:1(微風)
茨城産カミキリ、浦島太郎 編

● 恐る恐る

うおおおお、今日は天気が良いぞ〜〜。

「浜崎あゆみ」を聴きながら、とりあえず出発する。

余談ながら、彼女の曲はムシ採りとなかなか良く合う。

さて、今年は本当に季節の進みが早いことは巷でも有名である。場所によっては、半月以上も「花」の開花時期が前倒しになっているらしく、この時期の「カエデ」の状況がとても気になる。

何分、前回の採集から2週間も空けてしまっており、それはもう「浦島太郎」になった気分だ。

いつもの交差点で、ぐい〜〜っと、ポイントへ向けてハンドルを切る。

可能なら今年もヒゲナガコバネカミキリの仲間(Glaphyra)を採っておきたい。昨年の初採集の日付が「 2001.05.15 」であったから、気の早い今季に当てはめると、ひょっとしたら「ドンピシャ」ということも十分にあり得るだろう。

そんなほのかな期待感とともに、恐る恐るカエデのチェックを開始する。

おおおおお、咲いている。

ここは比較的低標高地であり、まずはこんなものかもしれない。

花の周囲に多数のムシの飛影が見られるが、とりあえず先を急ぐ。


数十メートルほど標高を上げた場所のカエデ。

やばい、満開だ...。


さらにもっと高地のカエデ。

うへぇ〜、ここも咲いている...。


さらにさらに標高を上げて...。

樹冠部の状況はよく分からないが、一面「真っ赤」であり、ムシがぶんぶん飛んでいるようだ。

ここもやばいか?


とりあえず、手の届く範囲を見てみると。

ふ〜む、この辺りは概ね3分咲きといったところか。

ただ、随分と標高の高いポイントまで開花が進んでいるなぁ...。

念のため、もう少し上まで行っておこう。

っしゃ、ここはほとんどが「つぼみ」のようだ。

一応、限界点を確認したということで、引き返す方向で採集を開始しよう。

それにしても、かなり広範囲にわたって「一気」にカエデの開花が始まっているようだ。はっきり言って、標高もへったくれもない。

最盛期を迎えているポイントでは、それはもう「ぶわ〜〜」っとカエデが咲き誇り、あちこちでムシ達の「カエデの宴」が催されている状況である。

これは、同じポイントにおける昨年のデータと比較しても、やはり「半月」ほど季節の進みが早いということになる。

う〜〜ん、今季も「異常気象」との戦いになりそうな予感がしてきた...。

一気に暖かくなり、一斉に花が咲き、一斉にムシが出て、あっという間にムシがいなくなる。そんなパターンもあながち冗談ではなくなってきた感がある。せめても、「空梅雨」だけにはならないで欲しい。


● 1年ぶり

ということで、最寄りのポイントまで戻る。

花は、はち切れんばかりだ。

もう我慢できない。


さあ、行くぞぉ〜!

眩しい逆光の中、深紅の花房をたわわにぶら下げたカエデへネットを伸ばす。

その瞬間、近くの花から多数のムシが一斉に飛び立つ様子が見える。

数ヶ所を掬って、ネットをたぐり寄せると...。

君は...。

トゲヒゲトラカミキリ。

1年ぶりの再会だ。

昨年より、ちょっと出番が早いかな?

[ Demonax transillis BATES, 1884 ]

またまた、懐かしい顔が...。

キバネニセハムシハナカミキリ。

久しぶり!

[ Lemula decipiens BATES, 1884 ]

ベストショットを求め、カメラで追いかけていたら、いきなり翅を広げる仕草。

すかさずシャッターを切ってみると、かろうじで間に合った。

多少のピンボケはご愛嬌...。


ん!、元祖「いつものやつ」。

ヒナルリハナカミキリじゃないか。

みんな勢ぞろいだ。

[ Byctiscus fausti SHARP ]

外道も含め、ざくざくとネットに入ってくる。

キリがないので深追いはせず、どんどん標高を下げていくとしよう。

おや?、これは黄色い花をつけたカエデだ。

イロハカエデに比べて、少々花が大きい。


これまた「可憐」な花である。

何カエデかは、宿題としよう。

※ 後日、イタヤカエデと判明。

なお、これらを掬ってみたが、とくに目新しい種類は入らず...。

次へ行こう。

一応、材置き場にも寄ってみたが、本日はほとんどムシがいない...。

さらに、前回発見したアカマツ樹皮下の幼虫たちは、まだ幼虫のままだった。


わ〜〜お。

あまりの「絶景」に途中で車を停める。

素晴らしい眺めだ。

停車したついで、周囲を散策してみることにした。

白い花が満開である。

しかしながら、観察したかぎりではムシの姿がない...。

案外、見掛け倒し。


これはヤマザクラか?

大振りな花弁が力強く開いている。

とても綺麗な花だ。


葉の陰では、小さなゾウムシが忙しそうに動き回っている。


う〜〜ん、春爛漫だ。

さて、脱線はこの辺にして、採集へ戻ろう。

さらに少しだけ標高を下げてみる。

おおおっ、ここにもカエデがあった。


早速、横の斜面へ登ってスイープしてみると...。


おお、君も懐かしいねぇ。

アカイロニセハムシハナカミキリ。

[ Lemula nishimurai SEKI, 1944 ]

君もそうかな?

それにしても、カエデの開花量が半端ではなく、どこから手を付けていいか迷ってしまうほどだ。

マメにスイープしていくとなると、それこそ「2〜3ポイントを1日がかりで」ということになってしまうだろう...。

と、感嘆しつつ、網をのぞき込む。

むむむ、パっと見はカミキリムシのようだが...。

よ〜〜く見ると、どうも違うようだ。


おっ!、ヒメクロトラカミキリを発見。

かなり小さなトラカミキリである。

本種は「東京23区内」でも採れる「都会」なやつでもあるらしい。

[ Rhaphuma diminuta diminuta (BATES, 1873) ]

あれっ、ピドニアまで採れちゃった。

セスジヒメハナカミキリだが、昨年の初採集は5/8であり、明らかに出現が早まっていると言える。

[ Pidonia amentata amentata (BATES, 1884) ]

おや?、なんか見慣れないやつがいるなぁ。

ネットの底の方に、ややカラーリングの異なるムシがいる。

何だろ?、外道?

あああああ、ホタルカミキリだ。

昨シーズン、ホストの「ネムノキ」などを散々探しても見つからなかった種類だ。

ラッキー!

恥ずかしながら、生涯初採集。

[ Dere thoracica WHITE, 1855 ]

この時期の日中はカエデで採れるのかぁ。

一つ勉強になった。

まあ、どうでもいい普通種なのかもしれないが、私にとっては予期せぬ「うれしい」出会いであった。

ということで、満足してしまい、これにて「戦意喪失」。


● エピローグ

いや〜〜、完全にシーズンインだ。

浦島太郎状態から脱出できたのはいいが、この調子だと1週間のうちに大半のカエデが終わってしまう勢いである。

う〜〜ん、急ぎ足で過ぎていく季節よ、もう少しペースを落とさんか?


★★ 採集成績 ★★

ホタルカミキリ  1 ex.
[ Dere thoracica WHITE, 1855 ]


記載日:2002.04.23
追記日:2002.05.06(カエデの種類判明)
採集記(総目次)2002年度 採集記(目次)茨城県 カミキリ編 -8- へ続く....