2002年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -8-)

一転して...

前回は眩しい陽射しの下でカエデ採集を久しぶりに楽しんだが、毎回同じことばかりやっていても芸が無いか...。

今回は一気に「春のブナ林」へ突入しようと企んでいたのだが、先週とは一転して、空は厚い雲に覆われてしまっている。気温も低いためカミキリムシの採集には明らかに向いていない...。

う〜〜ん、どうするか?、そのまま東京へ帰る?

まあ、実際に行ってもいないうちから現地の状況を決めつけてしまうのは良くないだろう。

というわけで、天候にかかわらず、花が咲いていれば「スイーピング」、咲いていなければ「ビーティング」と、採集法を適宜使い分けてムシを探してみることにする。



2002.04.30 (Tue)

茨城県 某所

   天気:曇りのち雨
   気温:16.4 度
   風力:2(軟風)
茨城産カミキリ、曇天下の悪あがき 編

● 林道へ

うおおおお、今日は天気が悪いぞ〜〜。

本日は「倉木麻衣」を聴きながら、とりあえず出発する。

余談ながら、彼女の曲もムシ採りとなかなか良く合う。

それはそうと、上を見上げると今にも泣きだしそうな空模様だ...。

私の少ない経験からも、本日は貧果となるに違いない。

ともかく、できる限りのことはやってこよう。

なんとなく、行き先を県北の林道に決めた。

細い県道を走っていると、道沿いに白い花を発見。

せっかくなのでビーティングしてみることにした。

しかしながら、カミキリムシはヌル...。

ちなみに「シロバナヤマフジ」という植物らしい。

さて、小一時間で林道へ到着した。

何も考えず、ど〜〜っと奥まで一気に入っていく。

すると、林道沿いには何やら「白い花」がいくつも見られる。

なんの花だろう?

近寄ってチェックしてみると、なんと「ウツギ」であった。

いくらなんでも、咲くのが早くないか?

試しに掬ってみたが、コメツキムシばかりでカミキリムシは入らず...。

昨年は、大量のフタオビノミハナカミキリ(フタオビヒメハナカミキリ:新和名)が入ったものだが...。

推測するに、花の開花時期とムシの出現時期との「ミスマッチ」が起こっているのかもしれない。

ライオンバス形式で林道沿いの植物をゆっくりと観察していくが、この天気ではやはりムシの飛ぶ姿がほとんど見られない。

進むにつれ目ぼしい花も少なくなってきたため、今後、ネットの出番はなさそうだ。

ということで、今日はとにかく「ビーティング」しまくることに決めた。

「叩き棒」がないため捨て傘で代用する。

カン、カン、カンと枝を叩くと、いろんなものが落ちてくる。

各種のケムシ、コメツキムシ、ゾウムシ、ハサミムシ、アカハネムシ、テントウムシ、クモ、ガ、ガガンボ、ハチ、ムカデ、ヤスデ、ナナフシ、ハムシ、ハネカクシ、ジョウカイボン、チョッキリ、オトシブミ、ゴミムシ、カメムシ、アリ、ウンカ、バッタ、などなど挙げればキリがない。

当然、いればカミキリムシも落ちてくるわけだが、今日はまったく姿がない...。

叩くたびに「外道のオンパレード」が続き、さすがにげんなりしてきた。

小粒ながら綺麗なオトシブミを見つけたので、写真を撮っておいた。

頭部から前胸背にかけて「砂金」のような色合いを有するオトシブミである。

一応、ゲットしておくか...。

その前にもう一枚。

ああああ、逃げられてしまった...。

帰宅後の写真鑑定では「カシルリオトシブミ」と思われる。

[ Euops splendida UOSS ]

小雨も降り出し、だんだんテンションが低下してきた...。

ムシがいないのぉ〜〜。

車を置いて、少しだけさらに奥の枝道へ入ってみる。

1種でもいいからカミキリムシが見たい。

樹種の同定はできないが、道沿いの樹木を片っ端からビーティングしていくと...。

おおおっ!、ヒナルリハナカミキリ。

ん?、でも何か動きが違うなぁ。


ああああ、ヒナルリハナそっくりのハムシだ...。

超フェイント。

まったくの「ぬか喜び」であった。

ふぅ〜、少し休憩しよう。

地面を眺めていると、なんとも懐かしいものを発見した。

いわゆるアリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)の巣である。

子供の頃、神社でよく見掛けたものと同じだ。

ちょっとほじくってみるか。


いたいた。


けっこう大きな個体である。

※ ウスバカゲロウ科には数種あり、それぞれ似たような幼虫(アリジゴク)なのだが、門外漢のため詳細な同定は不能。

砂地の地面に置いてやると、シャカシャカと後ずさりしながら潜っていった。

その後もひたすらビーティングを繰り返すが、どうにもカミキリムシは落ちてこない...。

あああ、何だかアホらしくなってきた。

ため息をつきながら、ふとクヌギの新葉に目をやると面白い場面に遭遇した。

アリに小突かれるチビタマムシ。

容赦なくガリガリ齧(かじ)られているが、チビタマ君は一向に動こうとしない。

まったくの「地蔵状態」で災難をやり過ごす作戦のようだ。

それが功を奏したのか、アリは諦めてどこかへ行ってしまった。

多分、ダンダラチビタマムシだと思う。

[ Trachys variclaris E.SOUNDERS ]

ふ〜〜む、それにしてもカミキリムシはどこへ行っちゃったんだ?

度重なる空振りに「もう帰ろう」と決意し、最後に「フジ(藤)」のツルを駄目元で叩いてみると...。

うおおおおっ!

ペタッと触角の長い甲虫が落ちてきた。

やった〜!!

シナノクロフカミキリ。

[ Asaperda agapanthina agapanthina BATES, 1873 ]

ビーティングネットに乗せ、再度いい写真を撮ろうとすると...。

ああああ、飛んでいっちゃった....。

ひぇ〜〜、ついてない。

今日は逃げられてばかりだ。

雨が強くなってきたので、ここで採集の続行を断念した...。

雨は嫌いです...。


● エピローグ

今日はことごとく惨敗...。

当然、反省点もあるだろうが、これ以上の言葉が見つからない。

ああ、太陽が恋しい。


★★ 採集成績 ★★

ボーズ


記載日:2002.04.30
採集記(総目次)2002年度 採集記(目次)山梨県 カミキリ編 -1- へ続く....