2002年度 採集記(山梨県 カミキリ編 -1-)

異常気象との「勝負」

今年は昨年以上に「異常気象」らしい。

これまでの情報を自分なりに統合すると、昨年と比較して1〜2週間ほど季節の進みが早いようである。

しかしながら、山によっては平年並という情報もあり、さらには同じポイントであっても斜面によって新芽の開き具合に違いがあったりするという。

すなわち、厳密には行ってみないと分からないということなのだが、この辺の予測は本当に難しい...。

幸い、採集仲間がそれぞれGW前半に各地へ出かけており、彼らから最新情報を得ていたため、とりあえず栃木や群馬などの北関東では新芽採集にはやや時期尚早という結論に達することはできた。

とは言っても、なかなか採集地が決まらない。

その後、相棒といろいろと悩んだ挙げ句、結局、山梨県で「勝負」をかけてみようということに決定した。どちらかと言えば「消去法」に近い。

唯一、天気があまり良くないのが気にかかるが、とにかく行ってみるとしよう。



2002.05.04 (Sat)

山梨県 某所

   天気:曇りのち雨
   気温:13.0 度
   風力:2(軟風)
山梨産カミキリ、峠の攻防 編

● あ〜さん

さて、今回は久々にあ〜さんと同行することとなった。

一体「何年ぶりだろう?」というほど同行採集はご無沙汰していたので、一緒に行けるというだけでも本当に楽しみである。

早朝の5時、相棒宅にて合流。あ〜車に乗っていざ出発する。

GWの真っ只中であったが、中央自動車道はさほどの渋滞もなく順調に最寄りのICへ到着することができた。

あまりの呆気ない到着に時間を持て余してしまい、しばしファミレスにて朝食&雑談で時間を潰す。懐かしい話にもいろいろ花が咲いた。のっけから「まったり」ムードである。

いずれにせよ、昨日の夏日とは一変して本日はどんよりと曇っており、日中どれほど気温が上がるかが「勝負の分かれ目」となりそうだ。


● 林道へ

そろそろという時間になったので、まずは予定していた林道へ行ってみることにした。

序盤の低標高地ではどの木も見事に芽吹いており、とてもコルリの新芽採集などできる雰囲気は微塵もない。加えて、カエデも終焉を迎えているようで、深紅の花をつけている木は1本たりとも見当たらない。

半信半疑になりつつ、3人でブナの新芽を探しながら標高を上げていく。

徐々に山の斜面のグリーンが淡くなり、タイムマシンで時を逆行しているような感覚に襲われる。

すると、あ〜さんが「あの辺はどうよ?、新芽じゃない?」と車を停め、本格的なルッキングを開始した。

うううう、寒い...。

木々の芽吹きはすでに始まっているようだが、いかんせん息が白くなるほど寒い。

気温はなんと11度、完全に「冬」だ...。

ムシいるかなぁ。


おおおおっと、なかなかいい新芽!

と思ったが、これはブナではなかった...。


そうそう、これこれ。

でもちょっとギリギリか...。


これもギリギリ。


これは芽吹いたばかりカエデだが、ツボミはない。

どうもカエデは同じ種類でも花の咲く木と、咲かない木があるようだ。


こちらはハウチワカエデ(と思う)。

葉が開く前から花が咲きだしている。


おおおお、これは良さそう。

とりあえず、各新芽をつぶさに観察してみるが、どこにもムシは入っていないようだ...。


白い息を吐きながら新芽を物色する「あ〜さん」。

結局、ここではコメツキムシ程度しか発見できなかった...。

おそらくこの標高が新芽の限界点だとは思うが、さらに上へ行ってみる。

山の景色はいよいよ「褐色系」となり、本格的に冬の様相を呈してきた。

この付近は数年前の状況と同じであり、ちっとも季節の進みが早くない...。

寒いため、窓を開けて走るのも辛くなってきた。

こりゃ参ったなぁ。

なんの成果も得られぬまま、とうとう峠のピークに達してしまった。

とりあえず車を降りて周辺を見て回るが、木々の芽はどれもまだ堅く、芽吹くまであと2週間はかかりそうである。

ぶらぶら歩いていると、偶然ヤマブドウを発見した。

もうさすがに見間違わない。

試しに枯れヅルを割ってみたが何も出ず...。

さて、それにしても形勢不利な状況である。

この後どうするかを3人で相談する。

このポイントは他の山より明らかに季節の進みが(相対的に)遅いと判断し、来た道を引き返すことなく、別の林道へ行ってみるということで話がまとまった。


● 隣の山へ

一端反対側へ峠を下り、隣山の林道を目指す。

標高の低い林道の入り口付近では、「白い花」がそれなりに咲いている。

スイーピングするまでもなく、ムシのいる雰囲気はまったくない...。

ここまで走ってみて気がついたが、なぜか「北斜面」のほうが木々の芽吹きが旺盛である。理屈で考えれば、陽の当たる「南斜面」のほうが優勢なはずなのに。

真の理由は分からないが、これは面白い現象だ。

さて、ようやくブナ帯へ到着したので、徒歩にてルッキングを始める。

以前の茨城採集行にて、ヤマブドウ探索に難渋した苦い経験があるため、私はどうしても「ブナの新芽」よりヤマブドウへ目が行ってしまう。

山梨県の高標高地には比較的普通に自生しているようであり、それが妙に嬉しい。


割ってみると怪しげなサナギが出てきたが、これは何だろう?

触角の形態から判断すると、コメツキムシかなぁ...。

気味が悪いが、一応ゲット。

で、結局、ここも駄目であった...。

ロクな新芽がない上に、この低気温では成果もクソもない。

あああ、本当に昨日の「夏日」がうらめしい。

ということで、このポイントを後にし、さらに別の林道へ向かうことにした。

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