2003年度 採集記(群馬県 カミキリ編 -1-)

ソリダ以外のネキ...

ネキダリスはカミキリムシをやる人なら誰しも一度は憧れる対象だろう。

私もその例に漏れずネキは大好きであり、ビギナーズラックながら、始めたその年に栃木県にてソリダを自力採集することができた...。

しかし、問題なのはその後だ。

初ネキゲットから3年近くが経過し、マイフィールドの茨城県を含めた各地にてソリダはそこそこ採集させていただいているものの、他のネキに関してはまったく採れていないのである。

例えば、今年2度のチャレンジにもかかわらず惨敗を喰らったサハリン、いつまで経っても採れないオダイ、アルマン、近くて遠いトガリバ、夢のギガン、そしてマジョール、ペンナータ、モリヤイなど遠隔地のネキ...。

このど素人の下手っぴめが!、と言われてしまえばそれまでだが、イモ×イモな私はこれらのネキを図鑑で眺めては「ため息」の毎日、それなりに悔しい思いをしている...。

う〜〜ん、2種目のネキを採るまでにいったい何年かかるのだろうか?

私としては、なるべく早くお近づきになりたいのだが...。

まあ、インクによって描かれた2次元情報(図鑑)をいくら見たって実物に敵うわけが無いのだから、ともかく採りに行こう。

ということで、まずは初心者にもそこそこ易しい?アルマンを採るべく、群馬へ車を走らせた...。



2003.08.10 (Sun)

群馬県 某所

   天気:曇りのち晴れ
   気温:28.8 度 
   湿度:非計測
   風力:1〜4
群馬県でも へなちょこカミキリロード... 編

● うむむ...

「ソリダ以外のネキを、採らないわけにはいかんのじゃ〜〜」

一応、Y.S風に叫んでおく。

前夜に台風一過の東京を出発。

当然、帰省ラッシュに巻き込まれると踏んでいたのだが、予想に反して高速は空いている。

結局、予定よりかなり早く群馬県へ入ってしまったため、目的地まで街灯をチェックながらダラダラ行くことにした。

で、最悪の月齢にもかかわらず、各街灯下にはムシがとても多い...。

カミキリムシも、ビロウド、ゴマダラ、キボシ、サビ、カタシロゴマフ、クロ、ノコギリなど、まあそれなりに飛来しているようだ...。

その他、目ぼしい甲虫を適当に摘みつつ目的地に到着。

1、2、3で、爆睡...。


● アルマン

「ソリダ以外のネキを、採らないわけにはいかんのじゃ〜〜」

そう叫んでから起床。

さて、先ほどからアルマン、アルマンと馬鹿の一つ覚えあるいは呪文のように唱えているが、アルマンとは何ぞや?

ネキで言うアルマンとは、クロホソコバネカミキリのことで学名は [ Necydalis harmandi (PIC, 1902) ] となるが、この「harmandi」がフランス人アルマン博士(J. Harmand)の献名であるためそう呼ばれている。

他に「アルマン」と呼ばれる甲虫としては、ホソヒメクロオサムシ(アルマンオサ)が有名なのはご存知の通り。

「ソリダ以外のネキを、採らないわけにはいかんのじゃ〜〜」

と、もう一度叫んでから徒歩にてポイントを目指す。

う〜〜ん、台風一過でピーカンのはずなんだけどな...。

なんでこんなに曇ってるんだろう...。

しばらく登っていくと、先の方にブナ林へ続く林道が見えてきた。

そのまま静かにブナ林へなだれ込む...。

雲が徐々に晴れてきて、ブナの森に日が射し込み始める。

なかなか美しい光景だ。

林道脇にあるブナやダケカンバの立枯れを確認していく。

まだ時間が早いためか、立枯れにはムシの姿はない...。

やはり午前中は訪花種のスイープだろう、そんな素人判断のもと花を探してみる。

しかしながら、思いの外花は少なく、かろうじてノリウツギの数株が申し訳なさそうに咲いているだけの状態であった...。

まあ、無いよりはマシなんだけど...。

急速に気温が上昇してきたためか、ムシの飛びはいいかも...。

すでに大型のハナカミキリが飛来しているようなので、とりあえず掬ってみる...。

オオハナ...。

[ Konoa granulata (BATES, 1884) ]

セアカハナ...。

[ Leptura thoracica (CREUTZER, 1799) ]

目ぼしいカミキリムシはこの程度で、あとはキヌツヤハナ、ヨツスジハナ、フタスジハナぐらいか...。

多少の時間稼ぎができたところで、もう一度立枯れの巡回を開始する。

ど〜〜ん!

うむむむ、何やら立枯れの表面を歩くムシがいろいろ居るぞ。

目に付いたものから順にネットへ落としてみる。

あら...。


あらあら...。

[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

一応、今年の夏も野外活動するこいつらに会えた...。

何気に数は多い。

次の立枯へ...。

おおお、今度はコヨツさん...。

昨年の埼玉以来、1年ぶりかも...。

本当はあなたのだんな様が採りたいんだけどね...。

[ Leptura subtilis BATES, 1884 ]

ちなみにコヨツさんも数多く飛来してきていた...。

で、ようやくあの「ペタペタ」歩く影を上の方に発見した。

恐る恐る下からネットでこそぐようにアプローチしてみると、ポロっと底まで落っこちた。

おおお、ソリちゃん...。

や〜〜っとネキ1種ゲットだ...。

[ Necydalis solida BATES, 1884 ]

この1頭を皮切りに、ソリダが見つかるわ見つかるわ...。

ちょっとしたソリダタイムと言ったところかもしれない。

採り方がど下手くそなため、どんどん落っことしてしまうが、それでも軽く10頭ほど手づかみ&ネットインすることができた。

さすがはネキの多産地、群馬県だ...。

まあ、それは良いとして、肝心のアルマンがまったくいない...。

一応、時期的に外しているとも思えないし、何と言ってもここは多産地なのになぁ...。

その後、私よりも先行し早々に戻ってきたカミキリ屋さんに聞いてみると、上のほうのダケカンバで数頭採れたとのことであった。

そうですか...。

ということで、上の方の様子を見に行ってみる。

確かにダケカンバの立枯れは幾つかみられるものの、採られた後のためか何もいない...。

ただ、相変わらずソリダだけはポツポツ見つかる。

以前は大変憧れていたソリダだが、さすがに飽きてしまった...。

その後も、ソリダと副産物のコヨツさん、セアカさんを摘みながら、ひたすら林道を行ったり来たりし続けた...。

で、とうとうタイムアップを迎え、敢え無く下山するハメに...。

山を下る際、ベテラン風のカミキリ屋さんと話をしたのだが、昔は死ぬほどネキが採れたそうだが、最近はめっきり減っているとのこと。

いずれにしても今年は発生が変だとの見解であった。

ということで、アルマンはまた来年?、なのかな...。


● エピローグ

あああ、はるばる群馬県まで何をしに行ったのやら...。

神様はソリダ以外のネキを私に採らせてくれないようだ...。

ひえ〜〜〜〜。


★★ 採集成績 ★★

カミキリムシ科:Cerambycidae

● クロカミキリ亜科:Spondylinae

サビカミキリ 1 ex.
[ Arhopalus coreanus (SHARP, 1905) ]

● ハナカミキリ亜科:Lepturinae

コヨツスジハナカミキリ 7 exs.
[ Leptura subtilis BATES, 1884 ]

オオハナカミキリ 3 exs.
[ Konoa granulata (BATES, 1884) ]

セアカハナカミキリ 3 exs.
[ Leptura thoracica (CREUTZER, 1799) ]

キヌツヤハナカミキリ 2 ex.
[ Corennys sericata BATES, 1884 ]

ヨツスジハナカミキリ 2 exs.
[ Leptura ochraceofasciata (MOTSCHULSKY, 1861) ]

フタスジハナカミキリ 1 ex.
[ Leptura vicaria vicaria (BATES, 1884) ]

ヒメアカハナカミキリ 1 ex.
[ Brachyleptura pyrrha (BATES, 1884) ]

ヤツボシハナカミキリ 1 ex.
[ Leptura arcuata mimica BATES, 1884 ]

● ホソコバネカミキリ亜科:Necydalinae

オオホソコバネカミキリ 18 exs.
[ Necydalis solida BATES, 1884 ]

● フトカミキリ亜科:Lamiinae

キボシカミキリ 2 exs.
[ Psacothea hilaris (PASCOE, 1857) ]

ビロウドカミキリ 2 exs.
[ Acalolepta fraudatrix fraudatrix (BATES, 1873) ]

カタシロゴマフカミキリ 1 ex.
[ Mesosa hirsuta hirsuta BATES, 1884 ]

ゴマダラカミキリ 1 ex.
[ Anoplophora malasiaca (THOMSON, 1865) ]

総計:14 種 46 頭

オサムシ科:Carabidae

● ナガゴミムシ亜科:Pterostichinae

キンイロオオゴミムシ 1 ex.
[ Trigonognatha aurescens BATES ]

● アオゴミムシ亜科:Callistinae

オオキベリアオゴミムシ 1 ex.
[ Epomis nigricans (WIEDEMANN) ]

クワガタムシ科:Lucanidae

ツヤハダクワガタ 4 exs.
[ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 ]

コクヌスト科:Trogossitidae

ゴマダラコクヌスト 2 exs.
[ Leperina squamulosa GEBLER ]

ゾウムシ科:Curculionidae

アシナガオニゾウムシ 1 ex.
[ Gasterocercus longipes (KONO) ]

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記載日:2003.08.11
追記日:2003.08.14(オオキンナガゴミムシ → キンイロオオゴミムシへ訂正)
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