2003年度 採集記(茨城県 甲虫編 -1-)

ダイジェスト@ミニ採集@1月

サイトの更新を休止している間も気分転換のためのミニ採集は行っている。

ということで、各採集行をダイジェストとして手短に記録しておく。



2003.01.08 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:-2.2 度
   湿度:非計測
   風力:1〜2
茨城県、甲虫食べ歩き 編(1)

● 北を目指せ

とりあえず、何も考えずに北を目指す。

バビュ〜〜ンと国道を飛ばしていると、走行距離がハッピーな数字に。

深々とお辞儀をするほどの急ブレーキ...。

っしゃ〜〜!

視界良好!

その後、しばらく車で流していると、人気のまったく無い林道へたどり着いた。

試しに崖を崩してみたが、何も得られず...。

良さそうな場所を探してどんどん奥へ入っていく。

う〜〜ん、茨城県とは思えないほどの良い景色...。

ところが、さらに100mほど林道を進み「カーブ@下り」を曲がろうとするも、突然、車のハンドルが利かなくなり制御不能な状況に陥ってしまった...。

やばい...。

ブレーキを踏んでも車は「慣性の法則」に従い、そのままガードレールのない崖へ向かって一直線に滑っていく...。

前輪がガクンと沈み込み、シャーシの底を擦った衝撃が伝わってくる...。

「あああ、落ちる、終わりだ...」という言葉とともに、頭の中は「走馬灯」状態...。

ああああああああああああああああああ...。


● エピローグ

もう2度と「路面凍結」の林道へは行かないと誓った採集行であった...。


★★ 採集成績 ★★

ボ〜〜ズ −α


記載日:2003.01.09


2003.01.15 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:3.4 度
   湿度:非計測
   風力:1〜2
茨城県、甲虫食べ歩き編(2)

● 水際へ

前回の天罰にも近い「教訓」から山地への出撃は厳に控え、今回はおとなしく河川敷を探索してみることにした。

私の普段回っているエリアにおいて、今のところオサ・ゴミ的に「楽しい」ポイントを見つけられていないので、ぜひとも1ポイントぐらいは持っておきたいところである。

そう、至る所に「オサムシの充満」を予感させる材が転がり、その材を割ればボロボロといろんなオサムシが温泉のようにわき出て、こぼれ落ちてくる。

「釣り掘り」という言葉を借りれば、差し詰め「(オサ)掘り掘り」とでも言うべき夢のポイントだ。

ともかく、ムシの採れない寂しい冬を忘れさせてくれる場が欲しい...。

というわけで、強い北風が吹き抜ける中、そんな「ユートピア」を求めて出発した。

っしゃ〜〜!

本日も視界良好!

でもないか...。

以前から目をつけていた河川敷へ降り立ち、早速、その辺を物色してみる。

無造作に転がるアカマツ材を割ってみると、オオクチキムシが多数登場...。

一応、2頭ほど泣きゲット...。

[ Allecula fuliginosa MÄKLIN ]

次に、川沿いへ出てうろうろしてみたのだが、雰囲気はいまひとつ。

基本的に竹やぶが多く、ヤナギなどの太い広葉樹はほとんど見られない...。

ハイイロヤハズカミキリの産卵マーク(のはず)。

面倒くさいので中身は確認せず...。

そして、100本に1本かという絶好の「オサムシの充満」を予感させる材を発見し、鼻息を荒らめて割ってみたのだが...。

なんとクワガタしか入っていなかった...。

これも泣きゲット...。

[ Dorcus rectus MOTSCHLSKY, 1857 ]


オオクチキムシ
[ Allecula fuliginosa MÄKLIN ]

仕方なく場所を移動。

川沿いを走りながら、目ぼしい広葉樹林@河川敷を探す。

で、かなり川を下ったところでそれなりの環境を発見することができた。

ここはどうよ?


やっぱりイマイチかなぁ...。

ブッシュをかき分け、わさわさと林内へ。

すると、増水したときに流れてきたと思われる材がそこそこ転がっているようだ。

ややテンションが上がり、それらを次々と叩いていく。

おおおお、やっと...。

[ Damaster blaptoides oxuroides SCHAUM ]

その後、散々手を尽くしてみたが、川に面する湿った砂地の流木下から初物のゴミムシを1頭ゲットできただけであった...。


ヒメマイマイカブリ
[ Damaster blaptoides oxuroides SCHAUM ]

カワチマルクビゴミムシ
[ Nebria lewisi BATES ]

※ 暫定的な同定:茨城県内において、この仲間は減ってきているらしい

合掌...。

未練が残るため、もう1箇所、別の河川を探索したものの、結局、有望なポイントは発見できず...。


● エピローグ

う〜〜ん、ユートピアはどこにあるのだろうか...。


★★ 採集成績 ★★

オオクチキムシ 2 exs.
[ Allecula fuliginosa MÄKLIN ]

カワチマルクビゴミムシ 1 ex.
[ Nebria lewisi BATES ]

コクワガタ 1 ♂
[ Dorcus rectus rectus MOTSCHLSKY, 1857 ]

ヒメマイマイカブリ 1 ex.
[ Damaster blaptoides oxuroides SCHAUM ]


記載日:2003.01.15


2003.01.22 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:6.8 度
   湿度:非計測
   風力:1〜2
茨城県、甲虫食べ歩き 編(3)

● 本日も水際へ

前回、前々回と成果に恵まれず、少々凹んでしまっているが、本日もミニ採集として「掘り掘り」を発見すべく水際を目指した。

まずは、とあるダム湖へ行ってみる。

ふ〜〜む、ほとんど水が溜まっていない...。

とりあえず、見てみるかということで斜面を下りていく。


本来は湖底なのかな?

今は枯れた葦で一面が覆われている。

ともかく、一見して何らかの歩行虫が採れそうな雰囲気はある。

早速、石越し、土掘り、崖崩し、材割りなどを試みてみたが、アオバアリガタハネカクシとヨツボシテントウダマシがいた程度で、予想に反してゴミムシ1頭出てこない...。

崖に至ってはガチガチに凍りついていて、コンクリートの壁のように固く手も足も出ない状況である。

だめだこりゃ...。


アオバアリガタハネカクシ
[ Paederus fuscipes CURTIS ]

ちなみに、このハネカクシはかぶれる物質を分泌するので要注意。

というわけで、思い切ってポイントを変えてみることにした。


● 河川敷

時間的にあまり大きな移動は行えないため、最寄りの河川敷に狙いを絞り、川に沿ってヤナギやマツなどが群生しているエリアを探していく。

結局、こんな河川敷へ降り立った。

木など生えていないが、さすがに場所を探すのも疲れた...。

今回走り回った範囲では、どこもかしこも葦のみに覆われた河川敷であり、パッとしない場所ばかりだ...。

仕方ない、できる限りのことはやってみよう。

獣道のような道をとぼとぼと歩いていく。

すると、目の前にゴミの山が見えてきた。

流木でも転がっていないかな。

堆く積み上がった枯れた葦をかき分け、中を物色していると、太ももぐらいの広葉樹材が出てきたので早速崩してみる。

あああ、河川敷的いつものやつらだ...。

ただ、いつもはパ〜〜〜っと離散してしまうのだが、今日は動きが鈍いようである。

いずれにしても、「頭隠して....の図」には変わりがない。


そんな目で見ないでよ...。

[ Chlaenius pallipes GEBLER ]

アオゴミムシはそのまま放置して反対側を削っていると、別のゴミムシがぞろぞろと出てきた。

これはアオヘリホソゴミムシという普通種。

数年前にも灯火で大量に見掛けたことがある。

けっこう綺麗なゴミムシだ。

[ Drypta japonica BATES ]

で、ほど良く朽ちた美味しい部分をほぼ全部削ってみたものの、オサムシは入っていなかった...。

それにしても、この辺りは材が少ない...。

やや離れたところに、立派な広葉樹が少ないながら生えているので、今度はそこへ行く。

う〜〜む、木の根元にそこそこ材が転がっているぞ。

まずは、それらを退かしてみる。

どっこいしょ...。


うおおおおお、ムシどもが大騒ぎ...。


そんなとこに隠れらんないって...。


こいつらも非常に多い...。

[ Ancylopus pictus WIEDEMANN ]

キイロテントウゴミムシダマシ@てんこ盛り...。


う〜〜ん、「腐るほどいる」というのは、まさにこのこと...。

[ Leiochrodes masudai NAKANE]

初物となる黒いゴミムシも数頭ゲット。

タンゴヒラタゴミムシという種類のようだ。

[ Platynus leucopus BATES ]

おや?、地面に見慣れないムシが1頭いるぞ。

何だろう?

帰宅後の同定にて、クロモンヒラナガゴミムシと判明した。

なかなか乙なゴミムシだ。

[ Hexagonia insignis BATES ]

同時に、スジコガシラハムシダマシ、ハムシ、極小のハネカクシも発見した。

また、別の材の裏にて、小さなゴミムシ3種とゾウムシをゲットし得た。

下に標本写真を列挙しておく。


アオヘリホソゴミムシ
[ Drypta japonica BATES ]

クロモンヒラナガゴミムシ
[ Hexagonia insignis BATES ]


タンゴヒラタゴミムシ
[ Platynus leucopus BATES ]


コガシラナガゴミムシ
[ Pterostichus microcephalus
MOTSCHULSKY ]


キベリチビゴモクムシ
[ Dicheirotrichus tenuimanus
BATES ]

ドウガネサルハムシ
[ Scelodonta lewisii BALY ]


スジコガシラハムシダマシ
[ Heterotarsus carinula MARSEUL ]

ツヤグロシリホソハネカクシ
[ Tachyporus suavis SHARP ]


キクイサビゾウムシ
[ Dryophthorus sculpturatus WOLLASTON ]

ここで、タイムアップとなった...。


● エピローグ

まあ、ここ数回のうちでは、一番バリエーションに富んだ採集となったが、肝心のオサムシのタコ採れには至っていないため、まだまだ精進が必要だ...。


★★ 採集成績 ★★

キイロテントウゴミムシダマシ 132 exs.
[ Leiochrodes masudai NAKANE]

タンゴヒラタゴミムシ 4 exs.
[ Platynus leucopus BATES ]

アオバアリガタハネカクシ 2 exs.
[ Paederus fuscipes CURTIS ]

アオヘリホソゴミムシ 2 exs.
[ Drypta japonica BATES ]

キベリチビゴモクムシ 2 exs.
[ Dicheirotrichus tenuimanus BATES ]

ヨツボシテントウダマシ 2 exs.
[ Ancylopus pictus WIEDEMANN ]

キクイサビゾウムシ 1 ex.
[ Dryophthorus sculpturatus WOLLASTON ]

クロモンヒラナガゴミムシ 1 ex.
[ Hexagonia insignis BATES ]

コガシラナガゴミムシ 1 ex.
[ Pterostichus microcephalus MOTSCHULSKY ]

スジコガシラハムシダマシ 1 ex.
[ Heterotarsus carinula MARSEUL ]

ツヤグロシリホソハネカクシ 1 ex.
[ Tachyporus suavis SHARP ]

ドウガネサルハムシ 1 ex.
[ Scelodonta lewisii BALY ]


記載日:2003.01.23


2003.01.29 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:6.5 度
   湿度:非計測
   風力:4〜5
茨城県、甲虫食べ歩き 編(4)

● 記録の少ないエリアへ

さあ、今週もオサ・ゴミを狙ったミニ採集へ行こうと思う。

今回は手元の資料にあまり名前の出てこないエリアをなんとなく選んでみた。

ということで、強風に煽られつつ出発。

小一時間走り続け、ようやく当該エリアへ到着した。

まずは、良さそうな材が転がっていないか林道沿いの斜面を徐行しながら眺めていると....。

「ド〜〜〜〜〜ン!!」

うわ〜〜〜〜!!

あ痛てててて、ハンドルに額を打ち付けてしまった...。

何が起こったのかと、慌てて外へ出てみると...。

あああああ...。


やっちまった...。


あ〜〜〜あ...。

なかなか「非常識な角度」で傾き、左後輪が完全に浮いている...。

いつかはやるだろうと思っていたが...。

あああ、自分の車でないと思いたい...。

とりあえず、自力脱出を試みてみたが、車輪が空回りするだけで車はまったく動かない...。

う〜〜ん、どうしよう。

色んなことが頭をよぎり、けっこう焦ってきた...。

幸い、携帯の電波が2本立っているので、JAFに救援を求めることにした。

すると、私のいる場所には最寄りの営業所からも1時間近くかかってしまうという。

私の車が林道を塞いでしまっている状況なので、その間に車が通らなければ良いが...。

まあ、こうなってしまったものは仕方ない、近所の材などを削って時間を潰すことにした。って、これまた非常識な私...。

15分ぐらい経っただろうか、向こうの方から車が2台やってきてしまった。

ああああ、こりゃまずい。

ん!、でもなんか普通の車じゃないな。

ああああ、「陸上自衛隊」だ!

中からヘルメットに迷彩服姿の自衛隊員たちが降りてきて、私の車の状況を見にやってきた。

自:「あらあら、落っこちゃったんですか?」

る:「すいません、実はそうなんです、JAFを呼んでありますが、しばらく時間がかかります」

自:「もしよければ、引っ張りますが...」

る:「えええ、良いんですか?」

自:「ええ、いずれにしても通れませんから」

る:「お願いしま〜〜〜す!」

ああああ、なんとラッキー、まるで神様だ。

ということで、ごっつい自衛隊車からウインチのワイヤーを引っ張り出して、私の車に引っかけ、ぐっと後方へバック!

「ギギギギィ〜〜〜〜」というシャーシを擦る音とともに愛車の角度は水平位に復帰し、なんとも呆気なく脱出に成功してしまった。

ああああ、良かった〜〜〜〜。

いや〜〜、さすがは「本物」、自衛隊様々だ。

厚くお礼を述べ、彼らと別れた。

で、その20分後にやってきたJAFの方にも事情を説明し、引き返していただいた。

う〜〜ん、最近は何かとハプニングが起こるなぁ...。

まあ、原因は私の不注意なのだから、しっかり反省し気をつけて採集をしていこうと誓ったのであった。

さて、このポイントは縁起が悪いので、少々移動。

近くにあるダム湖へ行ってみることにした。

しばらく走っていると、道路脇にアカマツが多数伐採されていたので、ちょっとだけ寄り道。

このような太いアカマツがごろごろしている。

樹皮が浮いていたので、剥いでみると...。

おおお、ウバタマコメツキだ。


これもそうだ。

[ Cryptoalaus berus (CANDEZE) ]

一定間隔を置いて、点々とウバタマコメツキが羽脱の時を待っている、と言えば分かりやすいだろうか。

ハナムグリの仲間も発見。

へ〜〜、この時季はこんな感じで見つけるのかぁ...。

寄り道して良かった。

ウバタマコメツキを4頭だけ採集して、このポイントを後にする。


ウバタマコメツキ
[ Cryptoalaus berus (CANDEZE) ]

その後、ダム湖への入り口付近で赤土の崖をみつけた。

時間もないので、ここで粘ってみるとしよう。

崖...。

物の本や先輩方のアドバイスによると、オサやゴミは赤土(関東ローム層)の崖の上の方に比較的多くいるらしい。

確かに、少ない経験ながら、背の高い崖の下の方を崩してもムシが出てきた記憶はあまりないかな。

今回発見したこの崖は私の背とほぼ同じぐらいの高さで、丁度よいかもしれない。

ということで、上の方を中心に崩してみることにした。

すると、1発目からムシがいくつか転がり落ちてきた。

うひょ〜〜!

綺麗なゴミムシ。

オオヨツボシゴミムシというそうだ。

[ Dischissus mirandus BATES ]

またいた!

これはスジアオゴミムシというやや大型な種類。

[ Haplochlaenius costiger (CHAUDOIR) ]

念願のオサムシも登場。


ああああ、君を探していたんだよ〜〜。

同定はなかなか難しいが、暫定的にエサキオサムシとしておく。

[ Carabus albrechti esakianus (NAKANE) ]

↓ ここで得られたオサ・ゴミたち。


オオヨツボシゴミムシ
[ Dischissus mirandus BATES ]


スジアオゴミムシ
[ Haplochlaenius costiger
(CHAUDOIR) ]


アトボシアオゴミムシ
[ Chlaenius naeviger MORAWITZ ]

オオアトボシアオゴミムシ
[ Chlaenius micans (FABRICIUS) ]


オオゴミムシ
[ Lesticus magnus (MORAWITZ) ]


エサキオサムシ
[ Carabus albrechti esakianus
(NAKANE) ]

ああああ、個人的にはこれで満足。

また来週、かも...。


● エピローグ

短い時間ながら、いろんな意味で記憶に残る採集行であった。

私、車ともかすり傷程度で済んだのだから運が良かった。

他人に迷惑をかけることにもなるため、本当、採集は気をつけねばならない。

とにもかくにも、自衛隊の方々に深く感謝。


★★ 採集成績 ★★

ウバタマコメツキ 4 exs.
[ Cryptoalaus berus (CANDEZE) ]

エサキオサムシ 4 exs.
[ Carabus albrechti esakianus (NAKANE) ]

アトボシアオゴミムシ 1 ex.
[ Chlaenius naeviger MORAWITZ ]

オオアトボシアオゴミムシ 1 ex.
[ Chlaenius micans (FABRICIUS) ]

オオゴミムシ 1 ex.
[ Lesticus magnus (MORAWITZ) ]

オオヨツボシゴミムシ 1 ex.
[ Dischissus mirandus BATES ]

スジアオゴミムシ 1 ex.
[ Haplochlaenius costiger (CHAUDOIR) ]


記載日:2003.01.30
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