2003年度 採集記(茨城県 甲虫編 -14-)

終盤戦

関東の平地では桜や菜の花が咲き誇り、まさに春爛漫。

そんな陽気につられ、ムシ達も徐々に野外活動を始めている。

崖や朽木の中で越冬していたオサムシやゴミムシも日増しに抜けていることだろう。

この冬から始めたオサ掘りもいよいよ終盤戦だ。

初夏のカミキリ採集へ気持ち良く移行できるよう頑張りたいと思う。



2003.04.09 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:5.6 度
   湿度:非計測
   風力:5〜6
茨城県、甲虫食べ歩き 編(14)

● 春の嵐

昨日今日と凄まじいほどの風が吹き荒れている。

春は何かと気圧配置が不安定であり、このような状況が生じやすい。

ともかく、強風は行動を制限するため、雪、雨に次いで嫌な気象条件だ...。

台風のように容赦なく吹きつける風を切り裂きながらポイントを目指す。

途中、スギ材中心の土場をライオンバス形式でチェックしてみると、案の定、ヒメスギカミキリが発生していた。

車から降りて採ってしまおうかとも思ったが、今回はとりあえずぐっと我慢...。

で、初夏に有望そうなエリアをざっとルッキングした後、本日のポイントへ到着した。

う〜〜ん、素晴らしい眺め。

このままダイブしてみたくなる。

ただ、平地では汗ばむほどであったが、ここでは5〜6度というシャレにならない気温差。さらにこの強風で体感温度は0度近くかな...。

厚着していないため、持久戦はちょっと無理かもしれない。

さて、まずはオサムシを探してみよう。

適当に斜面を選んで突入。

笹ヤブをかき分けぐいぐい進むと、それらしい雰囲気の材を発見した。

ジャブ程度に一番柔らかそうな部分を叩いてみると...。

まいど!

[ Leptocarabus arboreus parexilis (NAKANE) ]

1発目の材からトウホククロナガオサムシ2♀♀、プテロ系のゴミムシが得られた。

ラッキーかも。


トウホククロナガオサムシ
[ Leptocarabus arboreus
parexilis
(NAKANE) ]

ニセクロナガゴミムシ (*1)
[ Pterostichus fuligineus
MORAWITZ ]

*1 腹端節の突起の形状より同定

さらに斜面を彷徨う。

材は豊富にあるのだが、チェックしてみた感じでは乾燥しすぎているものや、朽ち方が足りないものが多く、陽のあたる斜面での採集はなかなか厳しい...。

だが、こいつらだけは例外のようだ...。

で、あっさりとルリが2♂♂出てしまった...。

また、ボロボロに朽ちた部分からクワガタゴミムシダマシが得られ、♀ではあったもののうれしい収穫となった。

ちなみに、♂はクワガタのような角を2本有しているそうだ。


ルリクワガタ
[ Platycerus delicatulus
delicatulus
(LEWIS) ]

クワガタゴミムシダマシ(♀)
[ Atasthalomorpha dentifrons
(LEWIS) ]

ここで一端、場所を変えてみる。

しばらく車で流していると、あるエリアがなかなか「ムフフ」な状況になっているのを確認できた。

これは今シーズン面白いことになりそうだ(今はナイショ)。

で、下見がてらそのエリアの近辺を少々攻めてみることにした。

ここも材は比較的多く、探すこと自体に苦労はない。

ということで、一番近くにあるものから順に材を叩いていく。

わ〜〜お!

ヨツボシゴミムシダマシ御一行様。

腹が赤いので一瞬コルリかと思った...。

[ Basanus erotyloides LEWIS ]

おおおっ!

久しぶり!

[ Dorcus rubrofemoratus (VOLLENHOVEN) ]

このエリアではオサムシは発見できなかったものの、小さなゴミムシや小型甲虫をいくつかゲットすることができた。


ヨツボシゴミムシダマシ
[ Basanus erotyloides
LEWIS ]

ツヤムネマルゴミムシ
[ Oxyglychus laeviventris
(BATES) ]


ヒメクロコメツキ
[ Ampedus carbunculus
(LEWIS) ]

ベニヒラタムシ
[ Cucujus coccinatus
LEWIS ]


ヒサゴゴミムシダマシ
[ Misolampidius rugipennis LEWIS ]

ううううう、それにしても寒い...。

あとどれだけ持ちこたえられるだろうか。

もう一ケ所だけ見て帰ろう...。

尾根筋をアテもなく歩く...。


残雪もちらほら...。

いくつか材を見てみたが、大した成果はなし...。

さすがに寒さを我慢できなくなったので、退散することにした...。

で、帰りがけに崖をちょっとだけ...。


かろうじて1頭ゲット...。


ツクバクロオサムシ (*2)
[ Carabus albrechti tsukubanus TAKAMI et ISHIKAWA ]

*2 1997年に記載されたクロオサムシ種群の新亜種、和名は仮称

ということで、温泉へ一目散に向かったのであった...。


● エピローグ

オサムシ的にはいまひとつだったが、全体としての成果はまずまず。

有望ポイントも数ケ所発見でき、今後が楽しみである。


★★ 採集成績 ★★

オサムシ科:Carabidae

● オサムシ亜科:Carabinae

トウホククロナガオサムシ 2 exs.
[ Leptocarabus arboreus parexilis (NAKANE) ]

ツクバクロオサムシ(仮称) 1 ex.
[ Carabus albrechti tsukubanus TAKAMI et ISHIKAWA ]

● ナガゴミムシ亜科:Pterostichinae

ツヤムネマルゴミムシ 2 exs.
[ Oxyglychus laeviventris (BATES) ]

ニセクロナガゴミムシ 1 ex.
[ Pterostichus fuligineus MORAWITZ ]

クワガタムシ科:Lucanidae

アカアシクワガタ 2♂♂2♀♀
[ Dorcus rubrofemoratus (VOLLENHOVEN) ]

ルリクワガタ 2♂♂
[ Platycerus delicatulus delicatulus (LEWIS) ]

コメツキムシ科:Elateridae

ヒメクロコメツキ 1 ex.
[ Ampedus carbunculus (LEWIS) ]

ヒラタムシ科:Cucujidae

ベニヒラタムシ 1 ex.
[ Cucujus coccinatus LEWIS ]

ゴミムシダマシ科:Tenebrionidae

ヨツボシゴミムシダマシ 9 exs.
[ Basanus erotyloides LEWIS ]

クワガタゴミムシダマシ 1 ex.
[ Atasthalomorpha dentifrons (LEWIS) ]

ヒサゴゴミムシダマシ 1 ex.
[ Misolampidius rugipennis LEWIS ]


記載日:2003.04.10
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