2003年度 採集記(茨城県 甲虫編 -15-)

食べ納め

♪ 春のうららの 隅田川 ♪

茨城県にそんな名前の川はないが、まあ、そんな感じ...。

そう、季節はもう完ぺきに春。

昨秋から見様見まねの手探り状態で始めたオサムシ・ゴミムシの掘り採集は、今回をもってひとまずお終いにしたいと思う。

果たして、有終の美を飾ることができるだろうか?



2003.04.16 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れ
   気温:15.2 度
   湿度:非計測
   風力:1
茨城県、甲虫食べ歩き 編(最終回)

● 総決算

先日衝動買いしたCD「ちょんまげ天国」は、20曲ほど時代劇の主題歌やテーマ曲などが収録されているのだが、何気に期待外れで気に入ったのは3〜4曲だけであった。

結局、暴れん坊将軍のところだけを繰り返し聴いて、早くも飽きるという始末...。

衝動買いなどするもんじゃない...。

これじゃあ駄目だということで「勝負CD」に入れ替えて、一路、ポイントを目指した。

ちなみに、私の勝負CDは「B'z」ね。

それはそうと、今年はまだサクラの写真を一枚も撮っていなかったので、ちょうど満開を迎えたエリアにて何枚か撮っておいた。

う〜〜ん、


これぞ日本の春!


車道脇の植え込みで見つけたゾウムシ。

口吻が短く「杓文字(しゃもじ)」のような形態をしており、図鑑によればクチブトチョッキリという種類。

同定が正しければ、茨城県では未記録種。

[ Lasiorhynchites brevirostris (ROELOFS) ]

その他、ハムシなども飛来してきていた。

初夏を思わせる陽気に後押しされ、山間部を縫うように走る。

が、少し標高を上げるとサクラの花はまだツボミであり、ようやくウメの花が満開を迎えたような状態。

う〜〜ん、季節が逆行している...。

地面にはツクシも見られる。

カエデなどはまったく芽吹いておらず、本格的な春の到来にはしばし時間がかかりそうだ。

さあ、目指すは、あの山の向こうだ!

順調に峠道を走りきり、ほどなくポイントに到着。

早速、林内へ入った。

細い林道を歩いていると、向こうの方に三脚を構えて写真を撮っている人がいる。

何を撮っているのか尋ねてみたら、カタクリの花とのことだ。

なるほど、足下を見てみると、薄紫色のカタクリの花が至る所で咲いている。

一見、いまだ冬の様相を呈する林内だが、着実に春は訪れているようだ。

で、私は写真でしか見たことがないのだが、地域によってはこの花にギフチョウが飛来し、花とチョウとの色彩のコントラストは言葉では語り尽くせないほど美しく、この時期の旬を感じることができる。

どの花も恥ずかしげにうつむき加減で咲いている。

う〜〜ん、とっても可憐だ。

10分ほどその方と立ち話をした後、あまり足を踏み入れたことのない方向へ行ってみる。

すると驚いたことに、まったく手付かずの「オサムシの充満を予感させる材」がゴロゴロと転がっている場所へ出た。

いや〜〜〜〜、これは壮観!

もうどこから手を付けていいか悩むほどだ...。

こういうのを「パラダイス」と言うのかもしれない。

なんで今まで見つけることができなかったのだろう。

とりあえずは、肉で言うところの「ヒレ(フィレ)」のように、一番美味しそうな材の一番美味しそうな部分からチェックすることにした。

っしゃ〜〜!

期待通り。


う〜〜ん


際限なく


入って


いる


ようです。

[ Carabus vanvolxemi vanvolxemi PUTZEYS ]

おおおっ、マイマイ!

[ Damaster blaptoides oxuroides SCHAUM ]

おおおおおおっ!

マイマイ&ホソアカガネ!

適宜材を変えてみるが、どの材からも同じペースでオサムシ、ゴミムシがわき出てくる。

写真撮影も面倒になり、ひたすらオサ・ゴミ拾いに没頭...。

あっという間にビンがいっぱいになってしまった。

ちなみに、この一角で採集し得たオサムシはホソアカガネオサムシ、トウホククロナガオサムシ、クロナガオサムシ、ツクバクロオサムシ、ヒメマイマイカブリであった。

なお、これらオサムシの標本写真は今までに何度も掲載しているため、今回は省略させていただき、副産物のゴミムシのみ紹介する。


ニセクロナガゴミムシ
[ Pterostichus fuligineus
MORAWITZ ]

ヨリトモナガゴミムシ
[ Pterostichus yoritomus
BATES ]


サドモリヒラタゴミムシ
[ Colpodes limodromoides
BATES ]

ウスグロモリヒラタゴミムシ
[ Colpodes aequatus
(JEDLICKA) ]


ホソツヤヒラタゴミムシ
[ Synuchus atricolor
(BATES) ]

ホシボシゴミムシ
[ Anisodactylus
punctatipennis
MORAWITZ ]

以上のような感じで、どっぷり2時間半、オサムシ、ゴミムシを浴び続け心も体も大満足。

あああああ、本当にうれしい。

今までのオサ・ゴミ採集行の中では1、2を争うほどの好成績だ。

最後の最後で良い思いをすることができてよかった。

材はまだたくさん残っているが、来シーズンのためにとっておこう。

ということで、オサ掘りはこれにて終了とした。


● 次回へ向けて

さて、ここで一気に視点を変えて、次週からの採集に関する手がかりを探すことにする。

これまでに得た様々な情報を整理すると、茨城県におけるそのムシのシーズンは5月上旬〜中旬で、ブナあるいはカエデなどの幹に開いたウロがポイントになるという。

で、ウロを求めて林内をウロウロと彷徨う。

ウロ!


ウロ!!


ウロ!!!

これらの他にもいくつかのウロを発見できた。

思いの外、ウロを有するブナやカエデは多いようだ。

まあ、そうは言っても、どのような状態のウロがベストなのかは分からないため、次週以降もいろんな条件のウロを探してみたいと思う。

ふ〜〜む、日も翳ってきたので、そろそろ終わりにするかな...。

いつになく重いビンをまじまじと見ながら、薄暗い林道を車まで戻る。

そして、一番お気に入りの温泉へ向かった。

サウナと弱アルカリ性の温泉でさっぱりと汗を流した後、今日は夕飯も少々奮発して、一人で冬季採集の打ち上げを行った。

う〜〜ん、まあ、一人というのもちょっと寂しいが、何とも言えない至福の時間を味わうことができた。

ということで、また来週...。


● エピローグ

以上をもって「甲虫食べ歩きシリーズ」は終了。

これまでの数ヶ月間を振り返ってみると、単独採集行であった割にはそこそこの成果を上げられたのではないかと思う。

オサムシ、ゴミムシ、その他の甲虫に積極的に目を向けるようになってから、本当にムシが面白くなったし、確実に視野も広がった。

何より、様々な採集方法を実際に試し、自力でムシを採集し得た経験のすべてが貴重な財産となった。

例年になく充実した冬季採集であったと言える。

最後に、様々なアドバイスをいただいた諸先輩方にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

さて、来週からはいよいよ本格シーズン到来に備えた採集行を始める予定です。

こちらもお楽しみに。


★★ 採集成績 ★★

オサムシ科:Carabidae

● オサムシ亜科:Carabinae

ホソアカガネオサムシ 27 exs.
[ Carabus vanvolxemi vanvolxemi PUTZEYS ]

クロナガオサムシ 4 exs.
[ Leptocarabus procerulus (CHAUDOIR) ]

ツクバクロオサムシ 2 exs.
[ Carabus albrechti tsukubanus TAKAMI et ISHIKAWA ]

ヒメマイマイカブリ 2 exs.
[ Damaster blaptoides oxuroides SCHAUM ]

トウホククロナガオサムシ 1 ex.
[ Leptocarabus arboreus parexilis (NAKANE) ]

● ナガゴミムシ亜科:Pterostichinae

ヨリトモナガゴミムシ 9 exs.
[ Pterostichus yoritomus BATES ]

ニセクロナガゴミムシ 4 exs.
[ Pterostichus fuligineus MORAWITZ ]

ホソツヤヒラタゴミムシ 4 exs.
[ Synuchus atricolor (BATES) ]

サドモリヒラタゴミムシ 2 exs.
[ Colpodes limodromoides BATES ]

ウスグロモリヒラタゴミムシ 2 exs.
[ Colpodes aequatus (JEDLICKA) ]

ナガマルガタゴミムシ 1 ex.
[ Amara macronota (JEDLICKA) ]

● ゴモクムシ亜科:Harpalinae

ホシボシゴミムシ 1 ex.
[ Anisodactylus punctatipennis MORAWITZ ]

クチキムシ科:Alleculidae

クチキムシ 1 ex.
[ Allecula melanaria MÄKLIN ]

ハムシ科:Chrysomelidae

ズグロキハムシ 1 ex.
[ Gastrolinoides japonicus (HAROLD) ]

オトシブミ科:Attelabidae

クチブトチョッキリ 1 ex.
[ Lasiorhynchites brevirostris (ROELOFS) ]


記載日:2003.04.17
採集記(総目次)2003年度 採集記(目次)茨城県 カミキリ編 -1- へ続く....