2003年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -3-)

そろそろ...

茨城県産ヒラヤマコブナハカミキリを狙った都合3回目のトライ。

発生期も近づいているので、そろそろ成果を出したいところなのだが...。



2003.05.07 (Wed)

茨城県 某所

   天気:曇り
   気温:17.8 度
   湿度:58.9%
   風力:1〜2
茨城県、ヒラヤマコブハナをロックオン 編(3)

● ヒヤヒヤ...

週始めの天気予報では、この水曜日はまた雨が降ると言っていたので、内心穏やかでなかったのだが、前日の予報では「曇り」に変わった。

水曜日の午後は私にとって貴重な時間だ。

重要な仕事や台風などよっぽどのことが無いかぎりは採集へ充てると心に決めているため、多少の天気の変化などは結果から言えばどうでも良いのだが、雨はやはり気が滅入るものである。

まあ、とりあえず本日は天気が持つそうなので、カミキリムシの採集に関しては大丈夫だろう。そろそろ結果を出したいところだ。

ということで、いつもの道を駆け抜ける。

道中、ウワミズザクラが各所で満開を迎えていたため、ちょっとだけ掬ってみることにした。

う〜〜ん、素晴らしい。

甘酸っぱい香りが漂う。


一見、サクラの仲間とは思えないような花の咲き方をしている。

「集虫力」はピカイチの部類に入り、こんな曇っている日でも、ハチ様、アブ様が大勢ご飛来され、優雅にお食事を楽しんでおられる。

余談だが、この時期に同じく満開を迎えるハナミズキという花は見た感じが綺麗で、さぞや「集虫力」も高いだろうと思いがちだが、今までの経験上、ムシが集っている光景を見た試しがなく、見掛け倒しな植物という印象が強い。何度騙されたことか...。

さて、各花房のスイートスポットに柔らかくネットを掛けてみる。

すると、ハチ様、アブ様、カワゲラ様、カゲロウ様の他に、どっさりとトゲヒゲトラカミキリ、ヒナルリハナカミキリ、ヒラタハナムグリ、アトキリゴミムシ、ジョウカイ類、ハムシ類、コメツキ類、迷宮逝き類が入っていた...。

目ぼしいムシのみ採集していく。

ただ、その場で名前の分かるムシは「おお、○○だ」と採集感覚が具体的で採っていて面白いのだが、現場同定不能の微小なムシは採集するというよりは「回収」するといった感じであり、いまいちピンとこない...。

そのようなことを数回繰り返した後、ポイントへ到着した。


● ウロウロ

今回もウロ。

まずは既知のウロを巡回し、そのすべてで「いぶし出し」を試みてみたが、本日もヒラヤマ様はお留守のようだ...。

う〜〜ん、不発...。

煙を肺まで吸い込んでいないものの、この時点で気管支炎になりそうなほど苦しい...。

そうは長く続けられない採集方法だ...。

蚊取り線香などで代用できないものだろうか?

そんなグチを誰もいない林内で吐きつつ、新たなウロを求めて彷徨う。

葉が茂ってきたので薄暗い...。


獲物に食らいつく大蛇のような極太のヤマブドウ...。


シャクヤクの仲間かな?


これは散々歩き回った挙げ句に唯一発見できたウロだが、ここも住虫不在...。

その後もかなり丹念に探してみたが、これといった成果はなかった...。

う〜〜ん、しょぼすぎ...。

めちゃくちゃ疲れたので、今日のウロパトロールは終了。

まだ時間も多少あるため、途中で見つけた花を掬いに行くことにした。


● 移動

一端、森を出て花のポイントまで戻る。

ナシかな?

ネットを掛けようと思った瞬間、目の前に変なムシがいた...。

これよくいるんだけど、なんていうムシかさっぱり分からん...。

あなたは迷宮逝きです...。

一応、「集虫度」の高い部位を選んで掬ってみたのだが、時間も遅いためか、たいしたムシは入らなかった...。

ということで、近所の伐採地をルッキングしてみる。

おおお、チビタマムシ。

ダンダラチビタマムシかも。

[ Trachys variolaris E.SAUNDERS ]

しばらく歩いていると、ほんの数日前に切られたと思われるミズキの切り株から樹液が湧きだしていた。

こういうところにも甲虫はいるのよね。

ものすごい状況だが、発酵臭はほとんどない。

まじまじと観察してみると、ケシキスイ類や針のように細いハネカクシがいくらか見られる程度。

ほとんど水泳状態...。


滝のように流れ落ちる樹液の中で...。

ご苦労様です。

まあ、ここも来週以降が旬かな...。

日が暮れたので本日はタイムアップ。

また来週...。


● エピローグ

う〜〜ん、ロックオンならず...。

そもそも私が下手なのか、それともまだ発生していないのかは不明だが、他にも採りたいカミキリムシがいるので、あと1〜2回やって駄目なら諦めようと思う。


★★ 採集成績 ★★

■ カミキリムシ科:Cerambycidae

● ハナカミキリ亜科:Lepturinae

セスジヒメハナカミキリ 1 ex.
[ Pidonia amentata amentata (BATES, 1884) ]

ヒナルリハナカミキリ 1 ex.
[ Dinoptera minuta (GEBLER, 1832) ]

フタオビヒメハナカミキリ 1 ex.
[ Pidonia puziloi (SOLSKY, 1873) ]

● カミキリ亜科:Cerambycinae

トゲヒゲトラカミキリ 2 exs.
[ Demonax transillis BATES, 1884 ]

総計:4 種 5 頭

オサムシ科:Carabidae

● アトキリゴミムシ亜科:Lebiinae

フタホシアトキリゴミムシ 1 ex.
[ Lebia bifenestrata lucescens BATES ]

コガネムシ科:Scarabaeidae

ハイイロビロウドコガネ 1 ex.
[ Paraserica gricea MOTSCHULSKY ]

タマムシ科:Buprestidae

ダンダラチビタマムシ 1 ex.
[ Trachys variolaris E.SAUNDERS ]

コメツキムシ科:Elateridae

アカハラクロコメツキ 3 exs.
[ Ampedus hypogastricus (CANDEZE) ]

オオハナコメツキ 1 ex.
[ Dicronychus nothus (CANDEZE) ]

キバネホソコメツキ 1 ex.
[ Dolerosomus gracilis (CANDEZE) ]

クチブトコメツキ 1 ex.
[ Silesis musculus (CANDEZE) ]

ヒラタムシ科:Cucujidae

ベニヒラタムシ 2 exs.
[ Cucujus coccinatus LEWIS ]

コメツキモドキ科:Languriidae

クロアシコメツキモドキ 2 exs.
[ Languriomorpha nigritarsis (WATERHOUSE) ]

ハムシ科:Chrysomelidae

キクビアオハムシ 1 ex.
[ Agelasa nigriceps MOTSSCHULSKY ]

他、ゾウムシ、ケシキスイなどに未同定種あり

→ 標本写真へ


記載日:2003.05.08
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