2003年度 採集記(茨城県 カミキリ編 -9-)

うむむ...

残された時間が日に日に減っていく...。

今はとにかくムシを採らねば...。



2003.06.18 (Wed)

茨城県 某所

   天気:晴れのち曇り
   気温:25.3 度
   湿度:非計測
   風力:1〜3
茨城県、へなちょこカミキリロード... 編(6)

● ゴールデンルート...

今回は気分を変えて、昔よく通った「茨城県天牛黄金道」をたどってみたい。

そして、最近ちょっとだけ気になっている「ネクイハムシ」というハムシをその途中で探してみようかな。

ということで、出発...。

雨という昨日の予報は見事に外れ、天気はそこそこ良い。

気温も24度ぐらいまで上昇し、どちらかと言うと「ムシ蒸し」していて条件的には申し分のない採集日和だ。

道中、今晩合流予定の isseiさんに連絡を入れ、ひとまずケータイの「圏外」へ突入する。

まあ、いつも思うことだが、海外で自分のケータイをそのまま使える世の中なのだから、まずは日本全土の隅々までそうなってほしいものだ...。

つーーーーっと走っていると、ソダ...。

ちょっと古めで乾燥している...。

駄目ソダの典型...。

予想通り、ここではアトモンサビカミキリのみという風邪を引きそうなほど寒い結果であった...。

で、その10分後、終りかけのコゴメウツギの群落へ到着した。

元気の良い花は1/3ほどだろうか...。

とりあえず、コゴメってみる...。

ニンフ...。

ニンファー...。

ニンフェスト...。

[ Strangaliella nymphula (BATES, 1884) ]

う〜〜ん、天気は悪くないのにあまりカミキリが来ていないなぁ...。

少々不安になりつつもコゴメ続ける。

あるとき、キスジトラカミキリに似たムシが花の中に頭を突っ込んでいるのを発見。

う〜〜ん、やっぱキスジかな。

半信半疑で鷲づかむ。

ああああああ...。

アカネトラじゃん...。


ああああああ...。

茨城初@私だったので、生態写真を撮っておけばよかった...。

後悔、後にも先にも立たず...。

[ Brachyclytus singularis KRAATZ, 1879 ]

ここでの成果@カミキリムシは上記のほか、コジマヒゲナガコバネ、シラケトラ、マツシタトラ(ちょっと嬉しい)であり、総じて「勢い」は感じられなかった...。

さて、ここでネクイハムシのポイントへ行ってみることにした。


● ネクイハムシ

ネクイハムシはかつて甲虫屋の間でひとつのブームとなったムシだそうで、私も何かの本で読んだことがある。

詳しくはボロが出るので無理に書かないが、主に湿地や池などに生息する水好きなグループのようだ。形態的にも鎧をまとったように厳つく、格好良いハムシと言えるだろう。

ということで、今季一度ぐらいは見に行ってみたかったというわけだ。

ちなみに茨城県では十数種の記録があり、生息ポイントも少なくないようである。

で、湿地...。


おおおお、コイツかな?

う〜〜ん、ちょっと違うようだ。

これはルリクビホソハムシ。

けっこう綺麗。

[ Lema cirsicola CHUJO ]

ネクイちゃんはスゲ類によく着いているらしいので、注意して探してみる。

しかし、パッと見はそれらしきムシはいないようだ...。

う〜〜ん、実は採るの難しかったりして...。

まあ、そもそもスゲという草が良く分からないのだから終ってるとも言える...。

それでも目を皿のようにして一本一本草をチェックしていく。

しばらく探していると、ある葉の上にハムシがちょこんととまっていた。

もしかして、これ?

多分、そうだと思うんだけど...。

つまんだ感触も他の「ぶよぶよ」した柔らかいハムシとは異なり、けっこう固くていい感じ。

で、一回見つかると、おかしなもので次々と見つかる...。


なんだかコルリの新芽状態...。

色も微妙に異なっている。

何種類かいるのかな?


だんだん嬉しくなってきたぞ。

ひゃっほ〜〜!!


「オレの夢」ここに成就!

その後も調子に乗ってどんどんつまんでしまい、あっという間に30頭ほど採集できた。

な〜〜んだ、けっこう簡単に採れるのね。

まあ、私にかかればこんなものかも。

[以下、後日談]

↑のように、現場では有頂天だったものの...。

帰宅して何種類いるのかとワクワクしながら同定してみたのだが、なんと驚いたことに「全部」スゲハムシ(1種のみ)という全然違う種類であった...。

※ 後日、シナノオオミズクサハムシと判明(2003.07.09)

ああああああああああああああああああああ...。

やっぱり素人はどこまでいっても素人だ...。

今日も「オレの夢」は砕け散った...。

今はただ「涙」...。


● 再びゴールデンルート

ハムシ採集が一段落したので、再びカミキリムシを探しに行く。

この冬に見ておいた広大な伐採地が昨日からとても気になっており、そこへ直行する。

その一部..。

手前から順にソダや伐採木を観察していくが、何故かカミキリムシの数は少なく、かろうじてカラカネハナ、シロトラがいる程度...。

代わりに小さなナガタマムシ類が大発生...。

う〜〜ん、なんでカミキリムシがいないんだろうか...。

一応、キクスイはいるようだけど...。

一応、1頭ゲット...。

途方に暮れながら伐採地を彷徨う。

むむむ...。

樹液の滴る真新しい切り株には黒い甲虫が...。

おおおおお、もしかしてチビクワガタ??

絶対そうだよ!

これは報告モノだ!

っく〜〜〜〜〜〜、ドキドキする。

滑って落っことさないよう下にビーティングネットを構え、ピンセットでつまみ上げた。

やった〜〜〜〜!

茨城県でチビクワを採ったぞ〜〜〜〜〜〜〜〜!

さあ、ご対面!

ん!

あれ?

違うじゃん...。

ああああああああ、エンマムシモドキだった...。

また涙...。

まあ、これもけっこう特徴のある良いムシなのでいいかな。

そう思うことにしよう...。

さあ、そろそろ isseiさんとの待ち合わせの時間だ。

今晩は isseiさんと一緒に県内の森で灯火採集をすることになっている。

クワガタ的にも大半の普通種は採れるだろうし、何しろ、今までまったく灯火をやったことがない場所なので、どんな甲虫が飛来するのかとにかく楽しみだ。

気温の下がりも鈍く、否応なしに今日もタコ採れの予感がする。

で、ほぼ予定時刻に isseiさんと無事に合流、そのまま森へ行くこととなった。

こんな感じ...。

一人で来るにはちょっと怖い...。

完全に日が暮れる前に、早速、2人でセットを組み上げる。

そして、ライトオン!

今回からリニューアルしたしょぼい「るどセット」...。

300Wの水銀灯が1灯に洗濯物を干す小さなラックという構成だが、真っ暗な場所でカミキリムシや雑甲虫を狙うには十分。

基本的に一人でも手軽に持ち運べ、短時間で設営・撤収ができることを重視してみた。

私の場合、少なくともオオクワガタを狙う際の壮大なイカ釣り漁船あるいは香港の夜景みたいなセットは必要ないだろう。

まあ、間違っても私の灯火にオオクワは飛んでこないだろうけどね...。

で、点灯してすぐにマグソコガネがたくさん飛来。

いきなりの甲虫にとても気分が高揚する。

斜面の下の方からはボルネオを凌駕するほどの凄まじい「蛾」の大軍が押し寄せてくる。

っしゃ〜〜、こりゃマジで採れるでしょ、今日は。

そんなことを isseiさんと話していると、背後から「バキバキ、ザザっ!」という大きな音が聞えた。

なんだ、なんだ??

人様?、オランウータン様?、チンパンジー様?、それともトラ様?

めちゃくちゃビビりつつ後ろを振り返ってみると、やはり木の上に動物がいた。

リス様?

う〜〜ん、それにしちゃけっこう大きいぞ。

いいや、ムササビ様だ!

我々に驚きもせず、こちらをじ〜〜〜〜っと窺っている。

その距離、なんと5メートル。

おおおお、こんなチャンスは滅多にないぞ。

野生のムササビ様を写真に収めようと慌ててデジカメを取り出し「パチリ」。

フラッシュによって彼の2つの目がキラッと光り、さすがに驚いたのか木の上の方まで逃げてしまった。

どこ? >ムササビ様

ああああ、下手くそ。 >私

ということで、その後の成果は「夜の森... 編」で...。


● エピローグ

ネクイハムシ...。

また採りに行かなきゃ...。

それ以前に、現場である程度同定できるよう勉強しておけ!、という感じ。 >オレ

ともかく、お疲れさまでした。 >isseiさん

またご一緒しましょう。


★★ 採集成績 ★★

カミキリムシ科:Cerambycidae

● ハナカミキリ亜科:Lepturinae

ニンフハナカミキリ 3 exs.
[ Strangaliella nymphula (BATES, 1884) ]

カラカネハナカミキリ 1 ex.
[ Gaurotes doris BATES, 1884 ]

● カミキリ亜科:Cerambycinae

アカネトラカミキリ 1 ex.
[ Brachyclytus singularis KRAATZ, 1879 ]

コジマヒゲナガコバネカミキリ 1 ex.
[ Glaphyra kojimai (MATSUSHITA, 1939) ]

シラケトラカミキリ 1 ex.
[ Clytus raddensis PIC, 1904 ]

シロトラカミキリ 1 ex.
[ Paraclytus excultus BATES, 1884 ]

マツシタトラカミキリ 1 ex.
[ Anaglyptus matsushitai HAYASHI, 1955 ]

● フトカミキリ亜科:Lamiinae

アトモンサビカミキリ 2 exs.
[ Pterolophia granulata (MOTSCHULSKY, 1866) ]

キクスイカミキリ 1 ex.
[ Phytoecia rufiventris GAUTIER, 1870 ]

シナノクロフカミキリ 1 ex.
[ Asaperda agapanthina agapanthina BATES, 1873 ]

総計:10 種 13 頭

エンマムシモドキ科:Synteliidae

エンマムシモドキ 1 ex.
[ Syntelia histeroides LEWIS ]

タマムシ科:Buprestidae

ナガタマムシの一種(X2) 5 ex. @ each
[ Agrilus sp. ]

シロオビナカボソタマムシ 1 ex.
[ Coraebus quadriundulatus MOTSCHULSKY ]

ソーンダーズチビタマムシ 1 ex.
[ Trachys saundersi LEWIS ]

コメツキムシ科:Elateridae

アカハラクロコメツキ 1 ex.
[ Ampedus hypogastricus (CANDEZE) ]

ヒラタムシ科:Cucujidae

ベニヒラタムシ 1 ex.
[ Cucujus coccinatus LEWIS ]

ハムシダマシ科:Lagriidae

アオハムシダマシ 1 ex.
[ Arthromacra viridissima LEWIS ]

クチキムシダマシ科:Elacatidae

オオクチキムシダマシ 1 ex.
[ Elacatis kraatzi REITTER ]

ハムシ科:Chrysomelidae

シナノオオミズクサハムシ 32 exs.
[ Plateumaris constricticollis babai CHUJO ]

オオルリハムシ 1 ex.
[ Chrysolina virgata (MOTSCHULSKY) ]

カメノコハムシ 1 ex.
[ Cassida nebulosa LINNE ]

セモンジンガサハムシ 1 ex.
[ Cassida versicolor (BOHEMAN) ]

ルリクビホソハムシ 1 ex.
[ Lema cirsicola CHUJO ]

オトシブミ科:Attelabidae

オトシブミの一種 1 ex.
[ Apoderus sp. ]

→ 標本写真へ


記載日:2003.06.19
追記日:2003.07.09 スゲハムシ → シナノオオミズクサハムシ
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