2003年度 採集記(長野県 カミキリ編 -4-)

オーラス@秋の遠征

さて、時の経つのは早いもので、今回がこの秋最後の遠征採集行...。

思い返せば、今季はあまり良い採集ができなかったので、最後ぐらいは何も考えずにたくさん採れる「楽しい採集」がしたいかも...。

ということで、誰でも簡単かつ確実に採れると評判の「多産地」を選んでみた...。

ヌルヌ〜ルのぬるま湯に浸って、私に憑依したイヤ〜〜な悪霊さんをヌルヌ〜ルに溶かしてしまおうと思う...。

まあ、それでも総じてタイミングの悪い私ゆえ、しょぼ〜〜〜い結果に終わるかもしれないんだけど...。

そしたら来年もまた一緒だね。 >悪霊さん



2003.10.05 (Sun)

長野県 某所

   天気:晴れ
   気温:4.0〜16.0 度 
   湿度:非計測
   風力:1〜2
長野県でも へなちょこカミキリロード... 編 (3)

● こんなせち辛い世の中、多産地へ行きたくもなるよね...

なんやかんやと秋のムシ採りを計画していたのだが、フタを開けてみると結局ダメダメな私...。

細かいことは書かないが、もう悪霊が取り憑いているとしか思えない...。

とりわけ後半は散々で特筆すべき成果もなく、ちょっとしたネット引きこもり状態にまで発展した...。

昔はムシが採れなくてもただ自然と触れ合うだけで楽しい!、なんて悠長なことを言っていたが、さすがに毎回それでは恥ずかしくて人様に「私はムシを採っています」とは言えない。

で、そんなしょぼ〜〜いムシ屋を救済するためか、世の中には「パラダイス」というものがちゃんとある、らしい...。

というのも、今回行くのは長野県にあるマヤサンコブヤハズカミキリの多産地なのだが、その生息密度は極めて高く、まさにパラダイス、極楽浄土なのだそうだ。

「行けば楽勝で2桁は確実〜!」

「採れすぎて、1〜2時間で飽きるよ〜!」

「1回で一生分のマヤサンが採れるぞ〜!」

そのポイントに関して聞こえてくるのは、そんな景気のいい話ばかりである...。

う〜〜ん、そうか...。

それはムシが大嫌いでも行ってみたくなる場所だな...。

どうせしばらく遠征できない可能性が高いのだから、やっぱりパラダイスと呼ばれる多産地へ行って、ど〜〜〜んと楽しんでおかなきゃ損というものだろう。

ということで、確実に、1〜2時間で、一生分のマヤサンを採りに行くことに決めた。

さぁ〜〜〜〜、どかどかどっか〜〜〜んと浴びるぞ〜〜〜〜!

相棒車にどっかんどっかん荷物を積み込んで出発...。

しかし、天気はなぜか雨...。

それも、真面目な勢いで降っている...。

ちょっとイヤ〜〜な予感かも...。


まずは首都高へ..。

る:「そういえば、今年は阪神が優勝したんだって?」

相:「そうですよ」

そんな話をしながら高速道を突っ走り、経度を減らしつつ緯度を稼ぐ。

順調に車は流れ、ほぼ予定通りの時間に長野県内のICを降りることができた。

出口で通行料を払っている時、JHのおじさんに「○○○○○○○へ行きたいんだけど、どっちかしら?」と聞いたら、「こんな時間から○○○○○○○へ行くの??、なんでそんな遠いとこへ行くんだよ!」だって...。

こんな時間にそんな遠いとこへ行ってすいません...。

で、さらに気の遠くなるような距離を走破して、深夜1時過ぎに現地へ到着した...。

2人でワラワ〜ラと寝床のセッティングを始めるが、と〜〜〜〜っても寒い...。

来る途中の電光掲示板には「4℃」と表示されていたが、東京で4℃といったら「真冬」の気温だ...。

うううううううう、うううううううう...。

〜 中略 〜

おはようございます!!

寒くてあまり良く寝られなかったが、なんとか夜を乗り切った...。

外はすっかり明るくなっており、昨晩よりも車が増えている。

すわわっ!!、みんなムシ屋なのか??、ここはそんなにカミキリで有名なのか???

と思ったらぜんぜん違った...。

紅葉狙いの観光客やら写真家がワラワラワ〜ラと日本各地から集まっているようだ。

ふ〜〜む、そう言われれば紅葉が始まっていて、そのスケールもケタ外れ。

私は観光する気など1ミリも無いが、なかなかの景勝地かもしれない。

そんな紅葉を背景にモグモグモ〜グと朝食をとり、コブ叩きの準備を整える。

今回も男の玩具登場...。

アルチチュードはこんな感じでございます...。

事前の情報では「どこでも叩けば落ちてくる」そうなので、素直にそれに従う。

ということで、フェイスオフ!

一応、律義な私は基本通りヤマブドウのブッシュを「リズミカルなテンポ」で叩いてみる。

ひゃっほ〜!

初めまして〜〜!

るどるふです...。

なんかタダコブとは違って、小さくて、黒い顆粒が少ない分明るい色をしていて、とってもカワユイ...。

言わば「余分な油の抜けた」コブヤハズだ。

う〜〜ん、これがマヤサンかぁ。

ちなみにどうでもいいことですが、正式には「チュウブマヤサンコブヤハズカミキリ」という長〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いお名前が長々とついております...。

ぶっちゃけ中部地方の亜種ということですね。

基亜種は伊吹・鈴鹿山系+紀伊半島北部に産するそうでございます。

では、バシ、ビシ、ブシ、ベシ、ボシと叩いていきますか...。

へへへ...。

たまにはこんなお方も...。

一端、太い舗装道路へ出て、その林縁を差し障り無い範囲で観察していく。

先を行く相棒...。

叩き網というクワガタではほとんどやらない採集法にちょっと戸惑っている様子...。


若干、枯れ葉が少ないかな...。


オオカメノキ...。


ヤマブドウ...。

さあ、ショータイムでございます...。


カッコイイ♂


でも宇宙人みたいな顔ですね...。


ビヨンボルグの髪型のようなモコモコのヤマブドウのブッシュから...。



チュウブマヤサンコブヤハズカミキリ
[ Mesechthistatus furciferus meridionalis (HAYASHI, 1951) ]


ヤグルマソウから...。


イタドリから...。


ここにも...。


ここにも?


ここにも...@マルバダケブキ

まあ、とにかく叩くところ叩くところポロポロとマヤサンが転がり落ちてくる。

相棒もようやくコツをつかみ、ガシガシ採っているようだ。

相棒:「いい感じでカッチリ落ちますね...」

うんうん、本当に濃厚@濃密だよね。

パラダイスとはよく言ったもんだ。

来てよかったね。

もちろん、コブばかりが落ちるわけじゃなくて、外道なんかもおりますな。

どういうわけか、この時期はバッタが多い...。


ザトウムシもビミョーに大爆発です...。

ムシが採れた美しい自然環境と、採れたカッコイイ本命ムシばっかり紹介していると、ビーティングってクリーンなプチセレブ採集と勘違いしちゃいますね。

実際に落ちてくるのはこんなムシが大半なんです...。

けっこう忍耐力や外道への耐性も必要です...。

で、適当なところで踵を返し車まで戻る。

その途中で気がついたのだが、ここにはけっこうヤナギなんかが生えている。

まだ葉も青々としており、枝には齧られた跡も散見されたりする。

ふ〜〜む、当然、ヒメオオなんかもいるんだろうけど...。

ただ、そもそも網を持ってきてないので、仮にいたとしても見なかったことにするしかないのよね...。

そういえば、ここって今流行の「レア産地」??

まあ、ヒメオオなんだからレアもヘッタクレもないか...。

どうでもいいや...。

おおおお!

サルナシじゃん...。

うっほ〜〜、酸っぱい...。

駄目だこりゃ、まだ早いかも。

おばあさんのような口のまま駐車場まで戻り、ちょっとだけ移動。

う〜〜ん、気持ちの良い秋晴れ。

気温もいい感じに上がって、コブな日和が加速する...。

そして、すぐに良さそうな斜面を相棒が発見。

早速、二手に分かれてルッキングを開始。

ここは紅葉も綺麗です...。

ということで、ビシビシバ〜〜シを再開。

いい感じですね...。


う〜〜ん、いい感じです...。


カッチリ、いい感じです...。


わ〜〜お、いい感じです...。


やっぱり、いい感じです...。


ホクホク顔で登ってくる相棒。

「1叩き3頭ですね、これだけ楽勝でたくさん落ちれば本当に面白いです...」

とのこと。

基本クワガタ屋の相棒もニンマリだ。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」

こんな格言はここでは必要ない。


ポイント付近@もちろんヤラセなし写真


日当たりがよく乾燥した斜面を果敢に攻める相棒...。


そんな条件でも爽やかに落ちるマヤサン...。

さて、こんな感じで落ちまくり、あっという間に2人のビンが真っ黒になってしまった...。

もう完全に満腹状態であり、無理してまでの追加はいらない。

というわけで、ここで終了モード。

この後、タダコブとの雑種が採れると言われるエリアを流して帰るとしよう...。

う〜〜ん、ハイブリッドは果たして採れたのか?

知らないうちにエリアを通過??


仕方ないので、景色でも眺めておきます...。

なんとなく、高速へ乗ってしまいました...。

了解です...。


また来季!


● エピローグ

う〜〜ん、普段数を採らない(採れない)私でもこんなに(一生分)採れてしまった...。

確かにパラダイスは存在した...。

これで悪霊さんもヌルヌルヌ〜〜ルに溶けて亡くなってしまったと思う(思いたい)。

ということで、今季の甲虫採遊記はこれにてお終いとなります...。

来季もまたよろしくお願いいたします(存続していれば...)。


★★ 採集成績 ★★

カミキリムシ科:Cerambycidae

● フトカミキリ亜科:Lamiinae

チュウブマヤサンコブヤハズカミキリ 71 exs.
[ Mesechthistatus furciferus meridionalis (HAYASHI, 1951) ]

総計:1 種(含初採集 1 種) 71 頭

その他、ビミョーにゴミムシ、ゴミムシダマシなど


記載日:2003.10.07
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