2004年度 号外 ちょびちょびっと灼熱の石垣島編

「もう2度と採集記なんか書かないぞ!!」

昨年末あたりから仕事や私生活が忙しくなり、趣味に費やす時間がまったくとれなくなってしまった。しばらくは頑張ってみたものの、中途半端な更新もイヤなので、この1月にとうとう「甲虫採遊記」を閉じることにした。

サイトでやりたかったことはほとんどやってしまったという一種の超自己満足的な達成感もあり、ちょうどそういう時期(=潮時)だったのかもしれない。まあ、もういいか、そんな感じだった。

それからというものは一気に情熱が冷め、ムシ採りはともかく採集記を書くことが非常に馬鹿馬鹿しく思えるようになった。

その気持ちは時とともにエスカレートし、最終的には「くだらん、誰が2度と採集記など書くものか、時間の無駄だ!」という心境にまで至ってしまったのだから人間というものは変われば変わるものである...。

要するに、それまで採集とサイトの運営に力と時間を注ぎすぎ、その陰で犠牲になっていたものがあまりに多かったということを今さらながら自覚させられたのである。

しかしその後、何を血迷ったか新しいサイトを立ち上げようと「禁断症状」のようなものが不随意に出て、一瞬行動に移してしまったが、案の定、1ヶ月も経たないうちにとん挫した。それも当然と言えば当然かもしれない。

まあ、とは言っても、あれだけ好きだったムシ自体を嫌いになるはずはなく、採集記を書くかどうかは別にして、シーズンに入ったらどこか「楽しいところ」にムシ採りへ行こうと決めていた。

で、今回、ようやくその願いが叶って採集行が現実のものとなった。

そうなると自分勝手なもので、忘れていた自分の心の中の「ムシ」がニョキニョキ・ムリュムリュと姿を現す。一度はくだらないと思った採集記の執筆をまたしてみたくなった。時間というものは、いろいろなものを薄めるものである。

ということで、お前はアホかと皆さんに言われそうですが、久しぶりに採集記を「甲虫採遊記バージョン」でお届けいたします。

宇多田ヒカルの曲を聴きながらご覧ください。

へへ...。



2004.05.15 (Sat) 〜
2004.05.16 (Sun)

沖縄県 八重山諸島

石垣島

   天気:晴
   気温:27〜32 度
   湿度:70〜100%
沖縄県、ちょびちょびっと灼熱の石垣島編
- 石垣島でも、もちろん へなちょこカミキリロード... でございます -

● 石垣島...

採集とサイトの更新を辞めてからというもの、しばらくの間はムシ関係のサイトやBBSをほとんど見ていなかったが、4月の中旬ごろ久しぶりに見てみると、ヒメスギが出始めたとか、スギカミキリを採ったとか、そんな書き込みがされていた。

ああああ、今年もムシの季節がやってきたのか...。

う〜〜ん、できれば近場だけでも出かけたいが、あいにくそんな時間はない...。

まあ、それは仕方がないので、相棒と以前から話していた「遠征」について話を詰めることにした。

久しぶりに行くのだから、びゅ〜〜〜っと遠くへ行って、びゅ〜〜〜〜っとたくさん採って、びゅ〜〜〜〜〜っと風のように帰ってくるという最低限「ヘヴンリー&リーズナブル&コンフォタブル&ラピッドリー」な採集地へ行きたい。本当に貴重なチャンス、間違っても寒いところや登山なんかの「3K採集」は死んでもゴメンだ。とにかく合言葉・モットー・スローガンは「びゅ〜〜〜〜〜〜〜!」である。

そうなると候補は自ずと絞られる。

やはり夏の陽射しが燦々とレイザービームのように照りつける南の島での「リゾート採集」しかない。

これに関しては、私と相棒で意見が一致した。

しかしながら時間的にどうしても制約があり、長期の滞在や海外は無理である。せいぜい週末の土日を利用した1泊2日が精いっぱいだ。さらに欲を言えば、激混みのGWは避けたいところである。

いろいろ話し合った結果、時期はGWの1週間後、場所は初心者を優しく包み込んでくれる沖縄県は八重山諸島の「石垣島」に決定した。

以前、熱帯雨林気候に属するボルネオは経験しているが、亜熱帯海洋性気候である八重山は初体験のためぜひ行ってみたい地域であった。もっともダイビングでは行ったことがあるのだが、その時はムシのことなど眼中に無かった...。あああ、もったいない...。

そんな憧れの南西諸島、本来ならもう少し長くゆっくりと採集したいところだが、こればっかりは仕方ない。1泊2日という短い時間の範囲内でどれだけのことができるか分からないが、行けないよりかはマシである。

その後、先輩方からタップリと情報をいただき、現地で無駄なく行動できるよう準備した。とにかく今回は採集時間が限られている。

さあ、事前にやれるだけのことはやった。あとは当日が来るのを待つだけだ。


● 行くよん!

「シュパっ!」と懐かしいデジタルな覚醒、と同時に「コカっと爽やか、スカコーラ」という駄洒落も思い出す。

あああ、やっとこの日が来た。

昨年の秋に長野県へコブ叩きに行って以来だから約8ヶ月ぶりということになる。

正直、あまりに久しぶりのため採集グッズの忘れ物がないか心配だが、はやる気分を抑えきれずとりあえず家を出る。

予定時刻よりやや早めに相棒をピックアップし、その約一時間後に羽田空港へ到着した。

車を業者に預けていざロビーへ。

おおお、早朝というのにけっこうな人出かも...。


さあ、行くよん!

バスに乗せられて、しばらく行くとこれから搭乗する飛行機が見えてきた。

ひょえ〜〜、これに乗るの?

なんか小さいよね...。

まあ、それでもいいか〜〜、ということで搭乗。

行ってきます...。


● びゅ〜〜〜!

石垣島は皆さんご存知の通り、八重山諸島の中心的な島であり、4万5千人あまりの人口を抱える大きな島である。そんな都会な島なのだが、自然も比較的残されており、逆に人の手が入っている分ムシも採りやすいと言われている。

実際、カミキリムシやクワガタムシのバリエーションは南西諸島では地味な方かもしれないが、ムシの数自体はけっこう多いそうで、国内の離島採集未経験の私としては十分に興味深い採集地である。

さて、羽田から石垣空港までの飛行時間は正味約2時間半ほどかかる。おそらく国内線直行便では最も遠い場所かもしれない。

で、予想通り、と〜〜〜〜っても狭い機内なのでトイレに行くのも億劫(実際行ってない)...。

ほぼ体育座りに近い形でひたすら着陸を待つ...。

うむむむ、肺血栓塞栓症にならなきゃいいが...。

その予防のためマメに水分を摂るも当然トイレにも行きたくなるわけで、差し詰め「諸刃の剣」といったところかも...。

まあ、そんな私のことを知ってか知らぬか、飛行機はびゅ〜〜〜〜〜っと石垣島を目指して飛行しているようだ。

外...。


内...。

で、ようやく着陸態勢に入ったとの機内アナウンス。

眼下を見ると珊瑚礁の青い海がすぐそこまで迫ってきている。

風が強いのかヘロヘロとダッチロール気味になりながら着陸した...。

着いた〜〜〜〜!

タラップを降りると、ボルネオの時のように「むわ〜〜〜っ」とムシ暑く、南国な香りが潮風とともに漂ってきて鼻をくすぐる。

沖縄地方はすでに梅雨入りしているため、天気だけが心配であったが、信じられないぐらいのドピーカン!

予報によれば、この週末は2日とも「梅雨の中日」で晴れるそうだ。「降水確率0%」とは素晴らしいかぎり。

通常、この時期の沖縄は梅雨の真っ只中で、ずぶ濡れの採集を強いられると聞いていただけに嬉しい誤算である。

気温も32度と出ていて、逆にこっちの体力が心配されるほどの気象状況であった。

は〜〜い、いらっしゃいませ〜〜。

まずは何はなくともトイレへ直行。

ほよ〜〜〜〜、よっ、よっ、よ〜〜、体重が2キロぐらい軽くなったかも...。

荷物を受け取り、出口を出るとすでにレンタカー屋さんが迎えに来てくれていた。

そのまま車を借り、ポイントへ直行することになった。

軽自動車を借りたつもりはなかったのだが、なぜか軽...。

なんでよ??

まあいいか〜〜、この2日間、ヨロ!

ということで、出発!


いってきます〜〜。


目指すはあの山...、なのかな?

びゅ〜〜〜〜〜〜っとポイントへ向けて車を走らせる。

ただ、やっぱり所詮は軽自動車、ぜんぜんスピードが出ない...。

相棒曰く、このコラムシフトも最悪らしい。

確かに具合が悪そうで、ダメちゃんのようである。

売れてるのかなぁ、この車...。


● 戦闘開始!

で、やっとのことでポイントと思わしきエリアへ到着。

適当に車を停め、適当に林道へ入ってみる。

さあ〜〜〜〜〜〜〜、どうよ?

わ〜〜〜お!

こりゃ綺麗だわ。

なんとかカメムシっていうんだよね、これ。

まあ、カメムシはカメムシとして置いといて、まずは手始めにその辺の伐採木を手当たり次第に叩いてみる。

っしゃ〜〜!

一撃で落ちてきた。

ヤエヤマアヤモンチビカミキリだ。


もう一丁!

これも一撃で落ちてきた。

イシガキシロオビサビカミキリ。

とても小さいカミキリムシである...。


ヤエヤマアヤモンチビカミキリ
[ Sybra flavostriata
flavostriata
HAYASHI, 1968 ]

イシガキシロオビサビカミキリ
[ Pterolophia kaleea kaleea
(BATES, 1866) ]


ちなみに林内はこんな感じ。

一応、サキシマハブという毒性の弱い小型のハブが生息しているとのことなので、一応、気をつける...。

とりあえず、林内でよく見掛ける爬虫類はサキシマキノボリトカゲぐらいだろうか。

ガザガサ枯れ葉を蹴散らしながら地面を駆け、俊敏なフットワークで木に登る。

まさにキノボリトカゲ...。

と、キノボリトカゲに視線を奪われていると、目の前の材にぶゆ〜〜〜〜〜んと緑色の甲虫が飛んできた。


アオムネスジタマムシ
[ Chrysodema manillarum THOMSON, 1879 ]

ほっほぉ〜〜〜、なんと綺麗なタマムシ。

う〜〜ん、ここはやっぱ「っしゃ〜〜!」なんだろうな...。

ということで...。

っしゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!!

で、その材の陰に何やらカミキリムシがいるようだ。


イシガキヨナグニゴマフカミキリ
[ Mesosa yonaguni subkonoi BREUNING, 1964 ]

う〜〜ん、なんとも南国なゴマフカミキリだ。

まあ、ここでは「いつものやつ」なんだけど、いいゴマフだよね。

そして、大汗をかきながら叩き網を続けていくと...。

およ?

ヒメカミキリ系だね、これは。

図説によるとホソガタヒメカミキリのようである。

[ Ceresium elongatum MATSUSHITA, 1933 ]
叩いたのはこんな感じのところ...。

う〜〜ん、採るカミキリ採るカミキリ、すべてが初採集である。

これぞ「初離島」の醍醐味!

さあ、どんどん採るぞ〜〜〜〜!!


キマダラヒメヒゲナガカミキリ
[ Monochamus maruokai HAYASHI, 1962 ]


ヨツスジトラカミキリ
[ Chlorophorus quinquefasciatus (CASTELNAE et GORY, 1841) ]


イリオモテトラカミキリ
[ Chlorophorus aritai (OHBAYASHI, 1964) ]

この2種は紋がよく似ていて紛らわしいので、標本写真を載せておく。


ヨツスジトラカミキリ
[ Chlorophorus quinquefasciatus
(CASTELNAE et GORY, 1841) ]

イリオモテトラカミキリ
[ Chlorophorus aritai
(OHBAYASHI, 1964) ]

それにしても、よく似ている...。

以下、叩き網やスイーピングで得られたカミキリムシ、その他の甲虫標本写真を一部列挙する...。


クビアカアメイロカミキリ
[ Pseudiphra elegans
(VILLIERS et CHUJO, 1971) ]

ハヤシサビカミキリ
[ Ropica loochooana
hayashii
BREUNING, 1958 ]


フタホシサビカミキリ
[ Ropica honesta
PASCOE, 1865 ]

サキシマアトモンチビカミキリ
[ Sybra mimogeminata
BREUNING, 1964 ]


モモブトトゲバカミキリ
[ Rondibilis elongata
elongata
HAYASHI, 1963 ]

シモフリナガヒゲカミキリ
[ Xenolea asiatica
(PIC, 1925) ]

アナバネヒゲナガカミキリ
[ Mimorsidis yayeyamensis SAMUELSON, 1965 ]


クロヘリツヤコメツキ
[ Chiagosnius vittiger
(HEYDEN) ]

リュウキュウダンダラカッコウムシ
[ Stigmatium ryukyuense
MIYATAKE ]

で、いざ突入口の方へ帰ろうかと思ったのだが、どうもにも方向感覚が狂ってしまったようで、林内で迷ってしまった...。

こりゃまずい。

さすがに怖くなり大声で相棒を呼んでみると、運良くすぐ近くにいたので一安心。

これで、最悪一人でのたれ死ぬことはなくなった。

その後、結局小一時間林内を徘徊することになったが、相棒との連携プレーで何とか乗り切ることができた。

ふえ〜〜〜〜〜、よかった...。

このまま引き返せなかったら、シャレにならなかった...。

炎天下のプチ遭難によってかなり体力を消耗してしまったが、休むわけにはいかないため、そのまま次のポイントへ向かうことにした。

来た道を引き返す方向へ車を走らせる。

道中、アカメガシワを見つけたので、試しに掬ってみると....。


ミドリナカボソタマムシ
[ Coraebus hastanus CASTELNAE et GORY ]

っしゃ〜〜〜〜!!!!!!!

教科書通り!

これ、採ってみたかったんだよね〜。

良かった良かった。

坂を下り、上る、で、また下る....。

地図と道標とを見合わせ確認すると、どうやら到着したようである。

ただ、細かい場所まではよく分からないので、枝道へ入りつつルッキングを開始する。

おおおお、ひゅ〜〜〜っと伸びたゴムの木?に、ひゅ〜〜〜〜〜っと長い2本の触角。

相棒との合わせ技でなんとかネットインに成功。

イシガキキボシだった。

らっき〜〜〜〜!

まあ、来たからには採っておきたいカミキリムシだ。

さらにその近所で相棒がゴマダラをゲット。

ふ〜〜む、けっこう紋の様子が違うなぁ。

ヨナグニゴマダラに近いけど、違うんだよねぇ?

キボシはもう1ポイントでもゲットしているので、一応標本写真。

イシガキキボシカミキリ
[ Psacothea hilaris ishigakiana OHBAYASHIet N.OHBAYASHI, 1965 ]


ゴマダラカミキリ
[ Anoplophora malasiaca (THOMSON, 1865) ]

ここで、一旦ビーチの方でスジシロカミキリを探そうということになった。

石垣島といえば何と言ってもマリンスポーツの島、一度ぐらいは美しい青い海と白い砂浜を見ておこうか...。

で、ビキニの女性にジロジロ見られても屈することなくオオハマボウを隈無くチェックしていく。

しかし、スジシロはおろか食痕などの痕跡すら見当たらない...。

とほほ...。

とにかく暑い...。

相棒はすでに焼け死ぬ寸前である...。

結局、何も得ることができなかった...。

ということで、スジシロはギブアップ。

次は今回の最大目標のひとつである石垣島の特産種「カタモンビロウドカミキリ」を探しに行くことにした。

教えていただいたポイントの近くと思われる場所に車を停め、徒歩にて林道へ突入する。

カタモンビロウドのホストはカラムシとのことで、いれば食害された跡があるのですぐに分かるそうだ。


亜熱帯やねぇ〜

玉のような汗をかきながら、林縁のカラムシをせっせとビーティングしていく。

するとツルの絡まった場所から、細長いカミキリムシが転がり落ちてきた。

ああああ、なんとかドウボソカミキリかも。

なんだっけ?

そうそう、ヤエヤマタテスジドウボソカミキリだ。

当然、初採集。

[ Pothyne formosana chocolatoides BREUNING et OHBAYASHI, 1966 ]

ある一帯にカラムシの小群落を発見したので、少々観察してみると...。

むむむ...。

これはそうじゃないかい?

さらに奥の方や根元の方を念入りにチェックする。

ん?

ああああああああああああああ!!


これは......。

写真で見たのと全く同じ光景が目の前に...。

っしゃ〜〜〜〜〜!!!!!!

採ったで〜〜〜〜!

カタモンビロウドカミキリ
[ Acalolepta sublusca boehmeriavora MAKIHARA, 1992 ]

結局、このポイントでは相棒と2人で合計8つのカタモンビロウドを採集することができ大満足!

時計を見ると時間も時間なので、ここでホテルへ行くことにした。

間もなくホテルが見つかり、チェックインを済ませ、シャワーにて火照った体をクールダウン。

小一時間休んで、さあ次は夜の部だ。


● ルーレットの玉のように....

午後6時半にホテルを出発。

途中で夕飯を食べて、いよいよ夜の街灯回りの開始だ。

カミキリムシはもちろんのこと、相棒の狙いであるクワガタムシも拾えるので、2人とも気合いは十分。

で、私が書くまでもなく石垣島はマルバネクワガタで有名である。ただ、こいつらは秋のムシであるためこの時期はちょっと時期外れ。

活動期にあるクワガタはヤエヤマノコギリクワガタとサキシマヒラタクワガタということになるが、そのヤエヤマノコも小さいのが多いそうで、中歯が拾えればラッキーといったところだ。また、ヤエヤマネブトに関しては炎天下の材採集をせざるを得ないようである。

午後8時、本土よりも遅い日没を迎えた。

果たして何が飛んでくるのやら。

日中におおよその場所は下見してあるので、それらを順に見ていくことにしよう。

まあ、離島とは言っても見るべき場所は本土と変わりなく、自販機などの巡回がメインだ。

しかし、1ケ所、2ケ所、3ケ所とチェックしていくも、何故か甲虫の姿はない...。

居るものと言えば...。

大量のオオヒキガエル...。

そして、大量のヤモリ...。

そして、

カメ...。

こいつらはエサを求めて灯に集まっているのだろうが、我々と同じくスカをくらっているようだ...。

う〜〜ん、もうちょっとムシがいてもいいと思うんだけど、なんでいないかな?

乾燥がキツいから?

それとも風が強いから?

まあ、気温は27度もあって十分ムシ暑いんだけどね...。

いずれにしても、今日来たばかりなので理由は良く分からないが、とにかくルーレットの玉のように島内をグルグル巡回するしかないだろう。

で、何番目かの自動販売機にナイスなカミキリムシをようやく発見することができた。


イツホシシロカミキリ
[ Olenecamptus bilobus nipponensis DILLION et DILLION, 1948 ]

やっとマトモな獲物にありつけたという感じだが、これを皮切りに各灯下にてポツポツと甲虫が見られるようになってきた。

どうも本土とは甲虫の活動する時間が若干違うのかもしれない。

つまり、本土よりやや遅めということである。

ともかくエンジンがかかってきたぞ。

できるならば、もうひとつの目標種も落としてしまいたいんだけどな。

そんな調子の良いことを考えながら、有望そうな自動販売機の前に車を停めた。

しかしながら、カミキリモドキの仲間は多いものの、予想に反し肝心のカミキリムシはいないようだ。

う〜〜ん、いまいちかな...。

と、ため息をつきながら上を見上げると....。

ほよ!?

何かカミキリムシのような甲虫が天井裏にくっついてるぞ。

キボシかな?

お〜〜〜い、ネット持ってきてくれ〜〜! >相棒

で、難なくネットイン!!

99%キボシだと思っていたので、あまり期待せずにネットをたぐり寄せて中を覗いてみると....。

ああああああああああああああ!!


フタツメイエカミキリ
[ Gnatholea biseburata MITONO, 1939 ]

っしゃ〜〜〜〜〜!!!!!!

ひょえ〜〜〜、採っちまった。

あちょ〜〜〜、採っちまった。

あああ、これで最低限の目標をクリアしてしまった。

めっちゃラッキー!

ここまで来た甲斐があった。

さあ、次行くよん! >相棒


ヤエヤマノコギリクワガタ
[ Prosopocoilus dissimilis dissimilis Y.KUROSAWA ]


サキシマヒラタクワガタ
[ Dorcus titanus sakishimanus (NOMURA) ]

う〜〜〜ん、良かったね。 >相棒

やっぱり時間が遅いほうがいいのかな。

どんどんいきますよ〜〜〜〜!

タイワンカブトムシ。


サキシマヒラタ♀。

[ Dorcus titanus sakishimanus (NOMURA) ]

ムネスジウスバカミキリ。

[ Nortia carinicollis SCHWARZER, 1925 ]

その他、採集品の一部を列挙します...。


ニセフトガタヒメカミキリ
[ Ceresium unicolor
pseudounicolor
KUSAMA et
KOMIYA, 1972 ]

フタツメイエカミキリ
[ Gnatholea biseburata
MITONO, 1939 ]


ワモンサビカミキリ
[ Pterolophia annulata
(CHEVROLAT, 1845) ]

ヨコスジサビカミキリ
[ Pterolophia latefascia
SCHWARZER, 1925 ]


ナガヒョウタンゴミムシ
[ Scarites terricola
pacificus
BATES ]

コハンミョウ
[ Myriochile speculifera
(CHEVROLAT) ]


ヒゲナガチャイロコメツキダマシ
[ Fornax tumidicollis
REDTENBACHER ]

オオフタモンウバタマコメツキ
[ Cryptoalaus larvatus
(CANDEZE) ]


オオツヤホソゴミムシダマシ
[ Menephilus arciscelis
MARSEUL ]

ヒロオビフトカッコウムシ
[ Orthrius binotatus
(FISCHER) ]

ふえ〜〜〜〜〜、結局、島を2周半ぐらいしただろうか...。

そこそこの成果を得ることができたので、本日の長〜〜〜〜〜く熱〜〜〜〜〜〜〜い採集を終えホテルへ帰ることにした。


● もう一頑張り....

さてさて、4時間は寝ただろうか、7時には起床してホテルの朝食を食べる。

そうそう、沖縄の特産物といえば「もずく」で、とても大好物である。今回、朝食にもずくが出されたので、本場の味はどんなものかとワクワクしながら食べてみたが、東京のスーパーで買ったパック入りのものとまったく同じ味であった...。

まあ、ここ沖縄でパック詰めするんだから、そりゃそうか。

朝食を平らげた後、再び車に乗り込み本日予定しているポイントへ直行する。

朝日に煌めく海を見ながら海岸沿いを快調にドライブ。

間もなくポイントに到着した。

のどかな雰囲気だ。

で、本日のお題はイシガキウスアヤカミキリをゲットすることと、可能ならフトカミキリを採ってみたいという2点である。

まずはイシガキウスアヤから取りかかろう。

本種は後翅の退化した飛べないカミキリムシらしく、要するにコブヤハズような種類だ。ホストの植物が違うだけで採り方もほぼ同じとのことで、実際にはススキの枯枝を叩いていくことになる。

さて、ススキはあるかな?

う〜〜む、ちゃんとありますな。

ということで、ウスアヤ叩きの開始でございます。

ビシ、バシ、ブシ、ボシ!!

おおおお、何やら落ちてきましたぞ。


イシガキウスアヤカミキリ
[ Bumetopia sakishimana ishigaki HAYASHI, 1966 ]

う〜〜〜〜む、もう採れてしまった...。

さすが情報を持っていると短時間で勝負がつく。

時間のない我々にとってはありがたい限りだ。

その後も追加のウスアヤが落ち、副産物として多数のタテスジドウボソが採れた。

イシガキウスアヤカミキリ
[ Bumetopia sakishimana ishigaki HAYASHI, 1966 ]

ヤエヤマタテスジドウボソカミキリ
[ Pothyne formosana chocolatoides BREUNING et OHBAYASHI, 1966 ]


これはイワサキクサゼミという日本最小のセミらしい。

ススキの葉にけっこうたくさんとまっている。

岩崎卓爾という方が発見されたそうだ。

[ Mogannia minuta MATSUMURA, 1907 ]

また、オキナワスズメウリ(カラスウリ似)があったので試しに叩いてみたところ....。

わ〜〜〜お、ビンゴ!!

まったく本土と同じパターンだ。

ヤエヤマカノコサビカミキリ。

ヨスジシラホシサビカミキリ。

[ Apomecyna semihistrio KUSAMA et TAKAKUWA, 1984 ]

[ Apomecyna histrio histrio (FABRICIUS, 1792) ]

で、もう一種。

こんなのも落ちてきたけど、結局、同定できなかった...。

アトモンチビなのかなぁ?

さて、あとはイシガキフト、あるいはヤエヤマフトということになるが、これは結局ダメダメでまったくの惨敗であった。詳細は端折ります...。

飛行機の時間まではまだ十分にあるので、相棒の希望であるヤエヤマネブトの材採へ行ってみることにした。

で、ポイントへ到着。

私は叩き網、相棒はオノを携えて突入する。

早速、私が良さそうな材を発見したので、すかさず相棒が根元付近にチェックを入れる。

いるかしら?

相棒が何かを見つけたらしく、私に見せてくれた。

おおおお、ネブトの死骸だ。

やっぱりいるんだな。

うだるような暑さの中、相棒が淡々と掘り進むが、結局、死骸が数個体分出て終わってしまった...。

残念...。

その後は有望な材すら見つけることができず、撤退ということになった。

まあ、かっこいいミツギリゾウが採れたから良しとしよう。

ヤエヤマミツギリゾウムシというそうだ。

[ Baryrhynchus yaeyamensis MORIMOTO, 1979 ]

その他は、昨日採れたカミキリ数種と下記の甲虫ぐらいであった。


ヒメシロコブゾウムシ
[ Dermatoxenus caesicollis
(GYLLENHAL) ]

タイワンツヤコメツキモドキ
[ Caenolanguria insularis
MIWA et CHUJO ]

さ〜〜〜て、もういいよね。

さすがに疲れた...。

ということで、これにて石垣島採集行はお終いにすることにした。

最後に海でも見ておくか...。

どうでもいいけど、南国リゾートとはほど遠い格好ですね...。

そして、空港へ...。

あああ、乗っちゃうのね...。


さようなら...。


● エピローグ

う〜〜ん、非常に濃い2日間であった...。

ボルネオほどのインパクトは無かったものの、十分に「非日常的」な時間を過ごさせていただいた。

採りこぼしたムシもけっこうあるが、まあ1泊2日の成果としては上々で、贅沢も言えないと思う。

一度はネット断筆した私が今さら言うのもなんだが、今回の採集、そして採集記の執筆はとても良い気分転換になった。この充実感は何物にも替えがたい。 どんなに熱くのめり込んでいたものでも一旦離れてしまうとあらぬことを考えてしまうため、やはり密度は薄くても継続することが大切なのかもしれない。少なくとも採集記を書くことが馬鹿馬鹿しいとは思わなくなるだろう。

ということで、今後も機会があればこのようなスポット的な採集記をのんびりと書くかもしれません。ご迷惑でなければ、またご覧ください。

最後に、今回の採集行にあたり情報をくださった諸先輩方に深謝いたします。お陰様で楽しく充実した採集となりました。

ありがとうございました。


★★ 採集成績 ★★

石垣島の素晴らしい甲虫達


記載日:2004.05.24
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