2004年 コブの旅 編

やっぱコブでしょう!

人間、「無くて七フェチ」と言われる。

私の場合、そのうちの1つが「ネキダリス・フェチ」であることは既に述べた。

で、あと6フェチということになるが、果たして自分にはそんなにたくさんあるだろうか。

「無くて」と言うぐらいなのだから、気がついていないだけかもしれない。

1つ、2つ、3つ、4つ...、うむむむ...。

とりあえず自覚しているものはいくつかあるようだが、なかなか恥ずかしいので今はナイショにさせていただこう...。

まあ、6つどころか、もっとたくさんあったりしてね...。

それでは、今回もマイフェチ探訪・開拓の旅へ出かけてみます。



2004.08.28 (Sat)

ブナ林かも

   天気:曇りのち雨
   気温:18〜23 度

2004年 コブの旅 編

● んがが...

なんと、約1ヶ月ぶりの採集...。

覚悟したとはいえ、なかなかしんどい人生半ばかもしれない...。

採集と採集とのインターバルは、本当にムシの話題に乏しい&寂しい毎日を送っている。

それは日記に相棒が採ったムシを載せていることからもヒシヒシと伝わっているはずで、少なくとも昨年までは自分で採ったムシのネタがそこら中に溢れ返っていたのだから、そのギャップは相当なものである。

そんな中でのささやかな楽しみといえば、標本箱をたまに見て微笑を浮かべつつ当時を懐かしむぐらいだろうか。まるで「隠居老人」を超えた消極的ムシライフ、そして絵に描いたような「ムシヲタク♪」である...。

ともかく、一日も早くこんな生活からは足を洗いたいものだ...。

さて、気がついてみればそろそろ秋の採集シーズンに突入する。

もちろん、これからの時季は何を採りに行こうか悩むほどターゲットのバリエーションには恵まれないが、地理的問題からポイントのハシゴも難しく、さらに微妙にタイミングが重なったりして一度に何種類も狙えないことが多い...。

場所にもよるが、最悪、1出撃あたり1種しか狙えないことも有り得るわけである。

行けば何かしら採れるという夏の「イージー」なお気楽採集とは異なり、自ずと「勝負色」が濃くなるのは仕方がない。

う〜〜ん、とりあえず今回はどうしようかな...。

↑などと悩んだふりをしてみても、結局オオトラが筆頭に上がるわけだが、今回は不運にも台風の接近により天候がよろしくない...。 >どうでもいいけど、また台風かい...

じゃあ、アカガネちゃんかな?

これも山へ登った挙げ句、天気が悪いんじゃ泣けてくるよね...。 >車横付け&歩いて1分で採りたいぞ!

んじゃ、ちょっとフライング気味かもしれないが、コブ様かい、やっぱり...。 >秋の王道じゃけんね

う〜〜む、点呼開始だなも!

コブ、コブ、コブ、コブ、コブ、コブ...。

タダコブ様、ゲット済みかも!

フジコブ様、ゲット済みかも!

タニグチ様、ゲット済みかも!

セダカ様、???....。

ああんだぁ、採ってねぇんじゃねぇのげ。

う〜〜む、出撃すっべよ!

でも、スッポンは足手まといだから留守番ね!

スッポン隊長「ええええ、マジですか〜〜〜? 悲しいなぁ...。 次回は絶対に連れていってくださいよ〜〜〜、 スッポンもセダカ採りたいです〜」


● んががが....

いつもよりやや遅く、5時半ごろ家を出る。

昨日の天気予報では最悪なことしか言っていなかったが、最新の予報では午前中一杯ギリギリ天気が持つようである。

雨の中の「叩き」を覚悟していただけに、「幸せの度合い」が少し上がった。

高速を降りてから、カーナビの地図でなんとなく確認しながらポイントを目指していたのだが、案の定、迷ってしまった...。

ポイントへの入り口となる道路の入り口が分からない...。

まいったな....、ということで仕方なくコンビニで地図をゲットすることに...。

思いの外、採集でカーナビは役に立たない...。

で、紙の地図+自分の脳ナビは極めて正確で、瞬時に最短かつ的確なルートをはじき出した。

これは仕事でもそうなのだが、最近はデジタル機器に依存し過ぎて本来の「カン」が鈍りつつある。というか、完全に頭脳が鈍重になって思考停止が当たり前の人間になっていることは否めない...。

野性的なアナログの感覚をもっと信用すべきであろう。

その後は順調に走りつつ標高を上げ、本日のポイントに到着した。

さて、いざ突入!

と言いたいところだが、ここで本日狙うセダカコブヤハズカミキリについて、「虎・虎・虎の巻」を見ながらおさらいすることにしよう。

まず、私もよく把握していなかったのだが、このセダカ様は日本に現在、なんと10亜種もいるのである。

もともと飛べない歩行虫な御ムシ様なので、亜種化は避けられないのだろうが、まさかそんなにいるとは思わなかった。

まあ、いつものことながらざっと列挙してみようか...。

1)セダカコブヤハズカミキリ(本州:近畿地方北部)
  [ Parechthistatus gibber gibber (BATES, 1873) ]

2)ダイセンセダカコブヤハズカミキリ(本州:中国山地、隠岐)
  [ Parechthistatus gibber daisen MIYAKE et TSUJI, 1980 ]

3)トキサカミセダカコブヤハズカミキリ(本州:山口県)
  [ Parechthistatus gibber tanakai MIYAKE, 1980 ]

4)イワワキセダカコブヤハズカミキリ(本州:関東中部太平洋側、近畿地方中南部)
  [ Parechthistatus gibber shibatai MIYAKE, 1980 ]

5)ナンキセダカコブヤハズカミキリ(本州:紀伊半島)
  [ Parechthistatus gibber nankiensis YOKOYAMA, 1980 ]

6)サヌキセダカコブヤハズカミキリ(四国:讃岐山地)
  [ Parechthistatus gibber nakanei MIYAKE, 1980 ]

7)ツルギセダカコブヤハズカミキリ(四国:四国山地)
  [ Parechthistatus gibber pseudogrossus MIYAKE, 1980 ]

8)ツシマセダカコブヤハズカミキリ(対馬)
  [ Parechthistatus gibber tsushimanus OHBAYASHI, 1961 ]

9)フクチセダカコブヤハズカミキリ(九州:北部、壱岐、平戸島)
  [ Parechthistatus gibber longicornis HAYASHI, 1951 ]

10)ソボセダカコブヤハズカミキリ(九州:祖母山以南)
  [ Parechthistatus gibber grossus (BATES, 1884) ]

ふえ〜〜、リストアップするだけでも息切れがしてくる...。

で、このうち今回のポイントで採れるのは、イワワキさんのようで、図説によれば「上翅は中央部で顕著にもりあがる」らしい。

実に素晴らしい「背高ぶり」が期待できそうである。

まあ、そもそも未採集なのだから、採れたときはそんなこと関係なく嬉しいんだけどね...。

さてさて、前置きが長くなったので、そろそろ突入しましょうね。


●んがががが....

ほぼ予定通り9時に突入。

午後から雨が降るという予報なので、早いうちに勝負を決してしまいたい。

気温は20度ぐらいだろうか、ちょっと肌寒い...。


環境としてはピカイチかも...。

しっとり湿っているのもコブ叩きにはプラス要素だろう。

適当に林縁へ視線を配りながら歩いていくが、まだ時季が早いのか枯れ葉は少ない...。

セダカ様は立枯れなどの腐朽材にもいることがあるようなので、その辺もしっかりとルッキングしてみる...。

が、カミキリムシの姿はどこにもない...。

やっぱりちょっと早すぎたかな、来るのが...。

一抹の不安がよぎるが、めげずに粛々とルッキングを続ける。

すると向こうの倒木に花のような白いものを見つけた。

なんじゃろか?


これは...

おおおおおお、美味そうじゃのぉ〜〜!

マイタケさんかな?

でも、天然マイタケなんて、こんな目立つ場所にあるわけが無いよね。

絶対に誰かが採ってるはずだよ。

毒キノコさんなのかなぁ...。

本当に天然マイタケだったらもったいないなぁ...。

う〜〜〜ん、キノコの専門家になりたい...。

食べて万が一死ぬのもイヤなので、結局、置き去りにした。

※ 帰宅後、図鑑を見た限りでは、マイタケかチョレイマイタケのようで、いずれも食べられるらしい...。

ほよ、今度はブナの立枯れに大量のキノコさん達が...。


ツキヨタケ(毒)
[ Lampteromyces japonicus (Kawam.) Sing. ]

ふ〜〜む、夜になると緑色に光るやつね...。

ああああ、肉厚で美味そうなんだけどな...。

キノコ好きな甲虫でも居ないかと探してみるが、まったくいない...。

ムシも食べると死んじゃうのかな?

さて、コブ叩きに戻ろう。


● んががががが....

これまで見た印象では林縁の枯れ葉が少ないので、こういう場合はササや樹木に引っ掛かった枯れ葉に勝負を賭けるしかない。

ササの密生しているところを入念に観察する。

さ〜〜て、どうだろうか。

一ヶ所、良さそうな部位を見つけたので、慎重にネットを下にあてがい、渾身の一撃を食らわす。


イワワキセダカコブヤハズカミキリ
[ Parechthistatus gibber shibatai MIYAKE, 1980 ]

っしゃ〜〜〜〜〜〜!!

なかなか型のいい♂だ。

はぁ〜〜〜、セダカ、いいね〜〜〜、良すぎ〜〜。

イワワキセダカコブヤハズカミキリ。


イワワキセダカコブヤハズカミキリ。


イワワキセダカコブヤハズカミキリ。


はっ!!


これだ!


これだったんだ〜〜!

じゃじゃじゃ〜〜〜ん、じゃ、じゃ、じゃ、じゃ〜〜〜ん。

新たな「フェチ」発見の瞬間でございます〜。

あああ、鳥肌が立ってきた...。

どうやら私は「セダカ・フェチ」でもあったようだ。

この、こんもり盛り上がった「背高」がたまらない...。

へっへっへ...。

うひょ〜〜、ここはいいかもよ〜〜。

ということで、ショータイムでございます。

ビシ、バシ、ブシ、ベシ、ボシ!!

ここぞという場所をピンポントで攻めてみる。

おおおおおおお!

今度は♀かも〜!

う〜〜ん、♀もなかなか背高ですなぁ。

っしゃ〜、もう一丁いくで〜〜。

あちょ〜〜!

ひっくり返ってないで、面をあげぇ〜〜〜い!


フジコブヤハズカミキリ
[ Mesechithistatus fujisanus HAYASHI, 1957 ]


フジコブヤハズカミキリ。


フジコブヤハズカミキリ


フジコブヤハズカミキリ

う〜〜む、なかなかの るど的好成績。

一応、フジコブの♀は本サイト上「フジコちゃん」と命名しておく。

さ〜〜て、目的のものが採れてしまったので、あとは「てれてれ〜〜〜〜っと」流して帰るとしよう。

しばらく歩いていると、向こうの方に叩き網を持っている方を発見。

なんと、以前からお会いしたかったNさんであった。

短い時間ながらいろいろお話をさせていただき嬉しかった。

Nさんと別れた後、見落としが無いかもう一度さっきのルートを進んでみる。

花はまだ咲いているようだが、有象無象様に占拠されていた...。


アカジマさんでもいれば嬉しいんだけどな...。

いないよね...。

ということで、おしま〜〜い。

最後、車に戻ったところで、もうひとりのカミキリ屋さんと遭遇。

お話をさせていただいているうちに、なんと知人の知人ということが判明した。

今回もムシ屋の世界の狭さを実感することとなった。

今後ともよろしくお願いいたします。 >Hさん


● エピローグ

2フェチ目ゲット。

今後もマイフェチ探訪・開拓の旅は続きます。


★★ 採集成績 ★★

イワワキセダカコブヤハズカミキリ(*)
[ Parechthistatus gibber shibatai MIYAKE, 1980 ]

フジコブヤハズカミキリ
[ Mesechithistatus fujisanus HAYASHI, 1957 ]

その他、ビミョーなムシなど。

(*):生涯初採集...。


記載日:2004.08.30
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