2005年 逃げる夏を追いかける旅
 

 
2005.08.08 (Mon)
 
長い冬を耐え、や〜〜っと来たと思った夏も足早に過ぎ去っていく...。

毎年実感することだが、ムシが楽しく採れる期間というのは本当に短い...。

だからこそ楽しいとも言えるのだが、夏の終わりを目前に控えた1ムシ屋の身としては、もうちょっとだけ夏の余韻に浸りたい...。

というわけで、逃げる夏を追いかけてきます...。
 



さて、今季2度目の夏休み...。

先月後半の夏休みではかなり慌ただしい採集をしてしまったので、今回は肩の力をぐぐっと抜いたスローハンティングを楽しもうと思う。

とりあえずは、3年越しとなる「あの因縁のカミキリムシ」に再々再挑戦ということになるのだが、完全にケチがついているため、もうダメダメダメ元で...。

というか、そろそろ出逢わせてください! >アオカナブン様

・・・・・・・。

まあ、ともかく3度目の正直を信じるしかないかな...。

ということで、出発...。

通勤路と化したポイントへの道をスローなペースでドライブ...。

もうカーナビも地図も必要ない...。

いつものコンビニで食料を調達し、いつもの駐車場で車中泊...。

いつもの時間に目が覚め、いつものようにポイントへ向かう...。

完全にプログラムされた昆虫のような行動パターンだ...。


あああ、いつもながら心が洗われる...

ちょっと時間が早いので、せっかちなハナカミキリなどが来ていないかどうかノリウツギをチェックしてみようと思う。

株は少ないながら、開花状況は満開に近い。

おやおや、何か来ているぞ...。

おそらく、全国的に永久不滅の普通種「ヨン様」と思われるが...。


コヨツスジハナカミキリ(male) [ Leptura subtilis BATES, 1884 ]

おおお、小ヨン様じゃないか...。

今まで♀しか採ったことがなかったため、とても嬉しい。

ラッキーなことに、その後も数頭が立て続けに飛来した。

あとはやはり、ヨン様、半ヨン様ばかりであった...。

さて、気温が上がってきたので、例の黒いヤツを探しに行こう。

立ち枯れを1本1本確認していく...。

うむむ...。


セアカハナカミキリ [ Leptura thoracica (CREUTZER, 1799) ]

まあ、確かに黒いんだけどね...。

ちょっと大きすぎ...。

あっっ!、何??、痛てててて...。

大きな羽音とともに、首に何かがとまった...。

もしかして、アブ様??


オオホソコバネカミキリ [ Necydalis solida BATES, 1884 ]

おいらは立ち枯れじゃありません...。

う〜〜ん、それにしてもいないなぁ、黒いの...。

先ほどの場所に戻ると、知っているムシ屋さんを含め何名かがおられた。

で、いろいろ情報交換をしていると、黒いのは向うのほうがいいよとアドバイスをいただけたので、ゆっくり行ってみることにした。

その道中、ブナの幹に何かモゾモゾ動くものを見つけた。

なんでしょうか?


ヨコヤマヒゲナガカミキリ(female) [ Dolichoprosopus yokoyamai (GRESSITT, 1937) ]

わ〜〜お、こりゃラッキ〜〜!

先ほどの小ヨン様とは逆に、横山さんは灯火で♂しか採ったことがなかったのである。

いずれ別のポイントでブナのルッキングをしようかと計画していたのだが、まさかこんな形で出遇えるとは思わなかった。

スレていない非常に美しい個体であり、羽脱したてで交尾前なのかもしれない。

思わず頬ずりしたくなるほど表面のきめが細かい。

というか、しました...。 >頬ずり

で、黒いのを採るべくその場所に来たのであるが、とても風が強い...。

上を見ると枝が大きな音を立ててしなっている...。

まあ、風の合間にパワフルなやつが飛んでくるかもしれないので、駄目元でしばらく粘ってみることにした。

が、やはりダメだった...。

首が痛くなってきたため、ここで一旦休憩を入れ、今度は再度反対方向へ行ってみよう。

・・・ 一服・雑談.com... ・・・

で、各立ち枯れを舐めるように見て回るものの、一向に黒いのは姿をみせない。

万が一を期待してペタペタとはい回っているヤツをネットインさせるが、みんなソリダであった...。

実に紛らわしい...。

それにしても、毎年同じ立ち枯れを見ているので、各々の樹皮の剥がれ具合とか、どこにどんな穴が開いているとかを自然に覚えてしまった...。

ああああ、黒いのに逢いたいよう...。

しかしながら、その後散々探したにもかかわらず、見つけることはできなかった...。

っふ〜〜〜、風が強いのも原因だろうけど、これは本当に縁がないと考えるしかないかな...。

「ダメなものはダメ」という言葉が頭の中を駆け巡る。

・・・・・・・。

よし、変にこだわるのはやめて来シーズンまた来よう...。

あとは運とタイミングだけなのだから。

未練がないとか、後ろ髪を引かれないと言えば嘘になるが、「自然」を相手にしている以上は仕方がない。

帰り道にある立ち枯れを「泣きルッキング」ながら山を下りることにした(涙)...。

ない、ない、いない(泣)...。

駄目押しでダメなようだ(号泣)...。

う〜〜ん、1頭ぐらい間違って居てくれてもいいと思うんだげど、そういう間違いは滅多に起こらないんだよね...。

 

 

あれ??

 

 


あああああ...


クロホソコバネカミキリ [ Necydalis harmandi PIC,1902 ]

っしゃ〜〜! っしゃ〜〜! っしゃ〜〜!

採れた(男泣)...。

間違いが滅多に起こった(嬉泣)...。

生涯4種目のネキダリス(感涙)...。

ああああ、天の恵みというか、アオカナブン様のお慈悲というか...。

いてくれて本当に本当にありがとう...。

手にするまで相当な時間と手間がかかったが、その分、嬉しさが何倍にもなった。

こういう悲喜こもごもがあるからこそ、採集は楽しいといえる。

しばしまじまじと眺めた後、山を下りた。


この数年間楽しませてくれてありがとう、また来ます

さて、夏がどんどん逃げていくので、こちらもゆるりと追いかけていこう...。

次のポイントは以前に何度か足を運んだことがある場所で、最近風の噂で「むふふ」なカミキリムシが採られているとかいないとか...。

とりあえずは、ノリウツギやリョウブの花を見ていこう。

ここでの開花状況はノリウツギが8分咲き〜ほぼ満開、リョウブが3分〜5分咲き程度。

各花を見ていくと、やはりヨン様、半ヨン様、丸刈り様のオンパレードであった...。

さすが「永久不滅の三羽ガラス」のことだけはある。


ヨン様...

三羽ガラス以外では、ホンドアオバホソハナ、ツヤケシハナがいる程度...。

「むふふ」なカミキリムシはまったく雰囲気なしだ...。

ヒゲナガゴマフなどをつまみながら、道沿いのノリウツギやリョウブを順次ルッキングしていくと、ちょっと風情の異なるヨン様ファミリーの一員がいた。


小ヨン様(♀)


adios!

ファインダーを覗きながら飛び立った瞬間にキャッチ。

これで今回ペアでゲットできた。

なお、大ヨン様もいるかと思ったが、残念ながら1頭も見かけなかった...。

以上のような感じで、結局「むふふ」な成果は得られず、スゴスゴと退散することに...。

というわけで、次のポイントへぶら〜〜り...。

今度は人の名前の付いたカミキリムシが採りたいのだが、ちょっと時期外れかな...。

一応、確認しておこう。

で、けっこう真面目に探したものの、シラフヒゲナガが1つ採れたのみで、ここでも特筆すべき成果は得られなかった...。


余談ですが、あなたも多いですね...

いっそカラカネムシ科として独立してください...。

さらに夏を追いかけます...。


へけ...、なんとか夏に追いついたようだ...

何をさておき、まずは採っておかないと落ち着かないカミキリムシを探そうと思う。

良い例えかどうか分からないが、私にとっては長靴の中の小石のような存在かもしれない...。

ホストであるヤナギをルッキングしていく。


おおお、ご無沙汰しております...

これはクワガタ好きな方々のためにそっとしておこう。

その後もライオンバス形式で道沿いのヤナギをチェックしていくのだが、見つかるのはヒメオオやアカアシばかりだ...。

首が痛くなってきた頃、ようやくひゅっと伸びた2本の触角を発見した。

ちょっとドキドキ...。

かなり上の方なので写真は諦め、ネットインさせる。


イタヤカミキリ [ Mecynippus pubicornis BATES,1884 ]

恥ずかしながら、生涯初...。

けっこう渋いカミキリムシだ。

それにしても、昔は灯火とかヒメオオとか散々やってたのに、なんで今まで採れなかったんだろうか...。

まあ、これも出逢いということだろう。

さあ、ゴールデンタイムは短いので、ノリウツギを探なきゃ。

しばらく走っていると、なかなか良い感じのノリウツギと遭遇した。

よ〜〜し、ここで粘るしかないな。

ここが最後の砦と考え、どっぷり採集させていただこう。

うひょひょひょ、三羽ガラスはもちろんのこと、フタコブルリハナやオオハナなど様々なムシが大乱舞しているぞ。


ヒゲジロハナカミキリ [ Japanostrangalia dentatipennis (PIC, 1901) ]


あぶれたやつらは足元へ...

おおおおお、すごいスピードでデカイのが飛んできた!

花のてっぺんにぶつかるように着地...。


アオカミキリ [ Schwarzerium quadricolle (BATES, 1884) ]


初めて普通な採り方で採れた...

その昔、茨城県のとある駅の目の前でたまたま拾って以来だ...。

おや、今度は赤いのが飛んできたぞ。

よく見るとたくさん飛来しているのだが、ネットインの仕方が悪く、ギリギリのところで飛び立ってしまう...。

めちゃくちゃ下手です...。 >私

で、ようやくネットインと撮影に成功...。


ブチヒゲハナカミキリ [ Corymbia variicornis (DALMAN, 1817) ]


触角にブチがあって可愛い...
イガブチヒゲハナカミキリ(male)と判明(2005.08.11)


これは黒いタイプ


ツートンカラーのもいるようです...

う〜〜む、でも、採りたいのはもうちょっと違う赤さなんだよね...。

こう、朱塗りというかなんというか...。

とにかく、まったりと赤いんですよ...。

お!、あれはどうだろう?

前胸を含め、かなり明るい赤だぞ!

直立する花房にいるため、けっこう採りづらそうだが...。

ああああ、逃げられた...。

またやっちゃった...。

おお!、別のが来た!

ああああ、また逃げられた...。

おお!、また別のが来た!

今度は飛翔中をネットイン!

入った!!!、かな...。

さあ、どうよ?


イガブチヒゲハナカミキリ(female) [ Corymbia igai (TAMANUKI, 1942) ]

やった〜〜!

ね、まったりと赤いでしょ。

一度でいいから生きている実物を見てみたかったんだよね。

この花魁がさすの口紅のような赤さがたまらない。

大満足でございます。

ということで、その後各種のカミキリムシを追加採集し、ポイントを後にしたのであった...。

まあ、今回も少々採りこぼしがあるが、それは来年のお楽しみということで...。

採集をライフワークとする上で、行くべきポイントが残っているということも幸せなことだと思う。


あああああ、夏も終わりだ...


お疲れさん...


さようなら、そしてありがとう。 >夏@2005

いろいろあったが、本当にいい夏だった...。

★★★ 採集成績 ★★★

フタコブルリハナ11、ブチヒゲハナ8、オオホソコバネ7、コヨツスジハナ5、イガブチヒゲハナ(*)3、オオハナ3、ヒゲジロハナ3、クロルリハナ3、ニンフハナ2、セアカハナ2、ミドリ2、ルリボシ2、クロトラ2、ノコギリ1、クロ1、カラカネハナ1、ツヤケシハナ1、ホンドアオバホソハナ1、タテジマハナ1、ルリハナ1、ミヤマクロハナ1、マルガタハナ1、フタスジハナ1、ヨツスジハナ1、ヤツボシハナ1、ヒメアカハナ1、アカハナ1、フトオビカンボウトラ1、マツシタトラ1、エグリトラ1、ツマキトラ1、ウスイロトラ1、キスジトラ1、クロホソコバネ(*)1、アオ1、ゴマフ1、ナガゴマフ1、シラオビゴマフケシ1、キッコウモンケシ1、イタヤ(*)1、シラフヒゲナガ1、ヨコヤマヒゲナガ1、ビロウド1、ヒゲナガゴマフ1、ハンノアオ1、シラホシ1、その他ピドニア各種、(順不同)。

その他、ビミョーなムシなど。

*:生涯初採集...。

記載日:2005.08.10
追記日:2005.08.11

 
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