2005年 こっそり秋を迎えに行く旅
 

 
2005.08.14 (Sun)
 
前回までで予定していた夏の採集が一応すべて終了したので、少々気が早いが秋へ向けて始動しようと思う。

今回のポイントは2度目の訪問となるのだが、果たしてどんなムシと出逢えるのだろうか...。

ちなみにフォースは使い果たしてます...。
 



今回は久々の採集らしい採集となる びおすけさんとの採集行だ。

前日の夜に高速のSAで待ち合わせし、そのままポイントの近辺まで直行した。

道中、何度か局所的な豪雨に見舞われたが、最寄りのIC周辺ではちょうど雨が上がった直後のようであった。

とりあえず街灯廻りでもしようかと車を走らせるが、どの街灯下にもムシの姿はなく、どこもし〜〜〜んと静まり返っていた...。

基本的に蛾すらロクに飛んでいない状況で、かろうじてカブちんの♀と小さなゴミダマを見つけたものの、それで打ち止めという感じであった...。

まあ、あれだけ大雨の降った後なのだから仕方ないが、それにしても寂しい夜である..。

で、いやなことにまた雨が降り出した...。

自称「雨男」のびおすけさんががっくり肩を落とす...。

マジで雨男のようですね...。 >びおさん

ということで、適当な場所に車を停めてふて寝することにした...。

・・・ 睡眠.com... ・・・

バタン、ボン、てくてく、カシャカシャ、ど〜〜ん、ザブ〜〜ン...。

びおすけさんが軽快に採集準備を整える音で目が覚めた。

車内から外を仰ぎ見ると真っ青な空が広がっており、痛いほどに眩い朝陽がガラス越しに差し込んでくる。

う〜〜ん、さすがは晴れ男(るど)、朝陽が痛いっす...。

ふと びおすけさんを見ると、背後から朝陽ならぬ「採集したいオーラ(びオーラ)」がぬお〜〜〜っと立ち上り、明らかにもう待ちきれないテンパイ状態となっていたため、早速ポイントへ入ることにした。

本日のポイントはムナミゾハナ(ちょっと時期遅め?)やオオトラ(ちょっと時期早め?)が採れるかもということで、そういう私も実は冷静を装いつつ密かにテンパっていたのであった...。


う〜〜ん、気分が高まる...

周囲の様子を窺いながらびおさんと林道を歩いていると、びおさんが忽ちアカハナをゲット。

いいな〜(ふふ...)。

続けざまに丸刈りさんをゲット。

おおお、やる〜〜(まだ余裕...)。

さらには路上を這うオオクロの♂をゲット(ええ!、マジ...?)...。

うむむむ、羨ましいぞ...。 >♀しか採ったことない@るど...

夏の連戦ですっかり気合いが抜けていた私も、びおさんの採集ぶりに猛烈に火をつけられた...。

とりあえず、時間がまだ早く気温が上がりきっていないため、ビーティングでもやってみよう。

昨晩の雨で濡れた笹をシャワシャワとかき分けながらシラビソの倒木へ近寄る。

冷てぇ〜〜〜〜、ズボンがびしょ濡れ...。

葉は青々としており、倒れて間もないようだ。

針葉樹特有の良い香りが漂い、自分の脳から四方八方にα波が放射されているのが黄色い線として見える。


ふ〜〜む、こりゃ叩き甲斐がありそうだ...

で、縫い目が綻びまくった崩壊寸前の叩き網を組み立て、早速叩いてみるが...。

ドサっ、ドサっと水しぶきとともに濡れた葉が塊となって落ち、数回叩いただけでどっさり葉が堆積してバランスを崩すぐらいに重くなってしまった...。

ひえ〜〜〜、これじゃ中にカミキリムシがいてもわからんよ...。

予想外の状況にのっけから苦戦を強いられるが、続けているうちにポロポロとカミキリムシが落ちるようになってきた。


ホンドヒゲナガモモブトカミキリ [ Acanthocinus griseus orientalis OHBAYASHI, 1939 ]


ヘリグロアオカミキリ [ Saperda interrupta GEBLER, 1825 ]

この後、「ヘリグロクロ」と言えるほど擦れて真っ黒なヤツも落ちてきた...。

秘かにミメクタやモンタナスを狙っていたのだが、そう簡単には落ちてこないようだ。

その他、シラフヒゲナガやヒゲナガを採集し、一旦、車まで戻ることにした。


シラフヒゲナガカミキリ [ Monochamus nitens (BATES, 1884) ]


ヒゲナガカミキリ [ Monochamus grandis WATERHOUSE,1881 ]

さて、天気は時折霧がかかるものの、基本的には益々晴れる方向のようだ。

びおさんの姿が見えないが、ちょっとだけ上の方へ探索に出かけるとしよう。

びお号のフロントガラスに暗号文を残して移動する。

しばらく走っていると、大口のネットを持って歩くベテラン風のムシ屋さんを発見した。

う〜〜ん、見覚えがある...。

ああああ、Kさんだ。

即座に車を停め、ご挨拶。

しばしこのポイントについてのイロハを教えていただいた。

本当にありがとうございました。

Kさんと別れた後、花を掬いに行くことにした。


リョウブ...

リョウブ、ノリウツギ、イケマの花がそこそこ見られ、数少ない花を貪るように溢れんばかりのムシがたかっていた。

もちろんヨン様ファミリーが多いのは言わずもがなだが、このエリア周辺では唯一半ヨン様に関して多様なバリエーションがあってとても興味深い。


フタスジハナカミキリ(はすすじ型) [ Leptura vicaria vicaria (BATES, 1884) ]


フタスジハナカミキリ(ほぼ完全に黒化) [ Leptura vicaria vicaria (BATES, 1884) ]

以前はフタスジハナカミキリの亜種(ssp. adumbrata)として分けられていたそうだが、同所的に混棲しているため、現在では同種として扱われているようだ。

参考までにこのポイントで見られる本種のバリエーションを掲載しておく。


標準型     ←     はすすじ型     →     黒化型

>>> 拡大写真 <<<

その他、イガブチを始め各種のハナカミキリを採集することができた。

今回、時期的に花はダメだろうと諦めていたこともあり、嬉しい誤算であった。

さて、引き続き林縁のルッキングとビーティングをしてみよう。

ハンノキ類がよく目に付くので、できればゴマフキマダラなんか採りたいんだけどね...。

おや、そのヤマハンノキが途中から折れている...。


あああ、何かいるぞ!

立ち位置の関係上、手は届かない...。

ネットを下にあてがい、思いっきりひっぱたいてみた。

獲物が重力に従い落下する。


ゴイシモモブトカミキリ [ Callapoecus guttatus BATES, 1884 ]

うお〜〜〜、生涯初採集種だ...。

これはラッキ〜〜!

その後、この木ではタテスジゴマフが追加できた。

で、お次はバッコヤナギ(多分)のソダを観察してみる。

おおお、いるいる。


フタオビアラゲカミキリ [ Rhopaloscelis bifasciatus KRAATZ, 1879 ]

所狭しとベタベタ張り付いていた。

さして珍しい種類でもないのだろうが、久しぶりの遭遇だったので、とても嬉しかった。

この後、サビ系をそこそこ追加し、Uターンをかます。

来た道を引き返している途中、ぶ〜〜〜んと直線的に飛ぶ黒っぽいハナカミキリがいたので急停車...。

すわ、ムナミゾかっ!

しかしながら、車の後ろからネットを取り出しているうちに上向きに方向を変え、茂みの中に隠れてしまった...。

全身に力を漲らせて急いで斜面を駆け登るが、時すでに遅し...。

ヤツはどこにも見当たらない...。

ああああああ...。

ん!

かなりデカイのが飛んでるけど、ありゃ何だ??

10メートル先から針穴に糸を通す正確さでゲット!


ひえ〜〜〜、即リリ...

そうこうしているうち、私の暗号文を解読したびおさんが向うからやってきた。

で、びおさんはなんとフジコブを落としたとのこと...。

おおおおお、秋よの〜〜。

でもいいな〜〜、私もここのフジコブは欲しかったのでとても羨ましい。

お互いに情報交換をした後、再び二手に分かれ採集を続けることとなった。

さらに道を戻ると、Kさんが連れの方と肉を焼きながら昼食をとっていた。

一緒に食べないかということで私も混ぜていただき、たらふくご馳走になってしまった。

ごちそうさまでした。 >生チョリソ最高でした。

で、そこにKさんのお知り合いらしき方が車でやってきて、Kさんと話し込んでいる。

何やら、オオトラが遙か上空を飛んでいるのを見かけたのだそうだ。

やはり出ていたか...、オオトラよ。

ということで、びおさんを拉致して目撃ポイントまで行ってみることにした。

早速、林内に入ってみると、とても蒸し暑くオオトラを狙うにはうってつけの条件と思われる。

かなりの時間上空を凝視していたが、何も飛んでいないため、近くにあったシラビソを叩いてみる...。

ビシ、バシ、ブシ、ベシ、ボシ...。

朝方から比べると幾分乾いてきたためやりやすい。

ミメクタが落ちないかなぁ...。


ぬぬぬ!

ビシ、バシ、ブシ、ベシ、ボシ...。

もう一丁...。


シロオビドイカミキリ [ Mimectatina fuscoplagiata (BREUNING, 1939) ]

ぬおっしゃ〜〜!

やっと出逢えました。

めちゃくちゃ良いカミキリムシだ。

ピキピキの新鮮個体、出始めに違いない。

う〜〜ん、欲が出てきた。

場所を移動しながら叩きまくる。

ボテっ...。

なんだ?


カラフトヒゲナガカミキリ [ Monochamus saltuarius (GEBLER, 1830) ]

これまた久しぶりの登場...。

で、結局、シロオビドイの追加は得られず...。

落ちぬドイ、どっと疲れる.com...。


ホンドヒゲナガモモブトカミキリ [ Acanthocinus griseus orientalis OHBAYASHI, 1939 ]

↑こいつは多い...。

ここで、ふと上空を再度見上げると、ぶび〜〜〜〜〜〜んと直線的に樹冠部を行ったり来たり飛翔する「重く堅い」スズメバチのような物体を目撃!

いましたよ、ヤツが...。

でも、悔しいかな、まったく届かない高さだ...。

採れるもんなら採ってみろと言わんばかりに悠々と飛んでいるじゃないか...。

う〜〜ん、こう、何かにぶつかったりして落ちてこないかな...。

指をくわえて見ているだけなのは本当にツライ...。

いかんせんどうしようもないので、見なかったことにしよう...。

その後、びおさんと合流して話を聞くと、なんと私が見たのと同じ物体が目の前を横切ったそうである...。

あまりの奇襲に、残念ながら採り逃がしたとのこと...。

わ〜〜お、なんてこったい...。

まあ、ともかく、オオトラが実際に活動するテリトリーにいるというだけでも緊張でチビリそうだ...。

その後もワンチャンスを期待して粘ってみたものの、ヤツは二度と我々の前に姿を見せることはなかった...。

このポイントでは初めてオオトラを目撃したことになるが、この調子なら運が良ければ採れそうである。

さあ、この秋の予定はどうしようかな...。

惜しくもここでタイムアップとなり、大興奮に包まれた現場を後にした...。

ちょっと気が早いかと思ったが、初秋の雰囲気を申し分なく肌で感じることのできた良い採集行であった。

リベンジする? >るどるふ

★★★ 採集成績 ★★★

フタスジハナ12、ホンドヒゲナガモモブト7、クワサビ7、フタオビアラゲ5、ニョウホウホソハナ4、ハコネホソハナ3、シラフヒゲナガ3、エゾサビ3、マルガタハナ2、ヨツスジハナ2、ヒメヨツスジハナ(*)2、オオヒメハナ2、チャボハナ2、ヒメナガサビ2、シロオビドイ(*)2、ゴイシモモブト(*)2、カラカネハナ1、チャイロヒメハナ1、ニンフハナ1、ヨコモンヒメハナ1、ツマグロハナ1、イガブチヒゲハナ1、アカハナ1、タテスジゴマフ1、ヒゲナガ1、カラフトヒゲナガ1、ヒメヒゲナガ1、キッコウモンケシ1、(順不同)。

その他、ビミョーなムシなど。

*:生涯初採集...。

記載日:2005.08.16

 
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