嗚呼ルリカミキリ...、1000日の小旅 編

 

 
2005.06.09 (Thu) 東京都
 
ルリカミキリ...。

カミキリの採集を始めて間もない頃、図らずもこの小さなカミキリムシに一目惚れしてしまった...。

ちょうどその時期はクワガタの小型種に熱中していた頃でもあり、このコルリクワガタの越後型を彷彿とさせる上翅のファインブルーに魅せられたのかもしれない...。

一体どうすればこのカミキリムシに出遇えるのだろう...。

少しずつではあるが、ひそかにルリカミキリへの想いが積み重なっていくのであった...。
 



各方面で本種についての情報を集めていくと、どうやらヒメリンゴ、カナメモチ、カマツカなどバラ科の植物の害虫であること、都会のど真ん中にも生息していることが分かった。

関東地方での活動時期は例年5月下旬から6月上旬のようだ。

しかしながら、最初に東京のポイントを訪れたのは6月の中旬...。

このシーズンは完全に出遅れで、当然、出遇えるはずもなかった...。

・・・ 一年待つ.com ・・・

その翌年の2003年は茨城県への単身赴任中であり、度々探しに行くことは物理的に無理であった...。

5月下旬に一度だけ行ってみたものの、結局、発生木を探し当てることはできず...。

唯一の感想は、このポイントは広大すぎるということであった...。

へなちょこカミキリロードのまっただ中、2シーズン連続の惨敗である...。

う〜〜ん、本当に採れるのかなぁ...。

・・・ 一年待つ.com ・・・

さらに翌年の2004年はすでに単身赴任が終了していたこともあり、5月下旬から6月上旬にかけて合計2回の探索を行った。

しかし、採れない...。

猛暑の影響なのか、私の目が節穴なのか、それとも単に運が悪いだけなのか、いつもながらの答えの無い自問自答である...。

・・・ 一年待つ.com ・・・

で、明けて2005年、つまり今年なのだが、今年こそ「4年目の正直」はあるのだろうか?

無論あってほしいが、ここまで負け続けていると、採れないグセがついてしまっているため、採れたときの光景が全くイメージできなくなっている。

悪循環の一歩手前、あるいはすでに陥っているのかもしれない...。

まあ、ともかく行って考えよう...。

今年のムシの発生は各地で遅れぎみと聞いており、それを勘案すると例年より早めの始動かもしれないが、もうスカを喰らうのはゴメンである。

積極的に出かけて、回数を稼いで遭遇確率を上げるしかない...。

ということで、5月19日に今年初のポイント訪問。

5月では珍しい炎天下、夥しい数のアブラムシが浮遊する中を必死に探し回った。

が、やはり今までと同じでヒメリンゴはどこにも見つからない...。

そもそも、アブラムシの「霧」で向うが見えません...。吸い込んじゃうし...。

約1時間彷徨った時点でギブアップ...、池修さんにご助言をいただくことにした。

ケータイに電話をしてみると、さほど時間がかからない場所にいるとのことで、ポイントまで来ていただけることになった。

なんという幸運、めったに無いチャンスである。

間もなく池修さんと久しぶりにお会いできた。

早速、池修さんの記憶を頼りに発生木を探しにかかるが、これがなかなか辿り着けない...。

そう、採集経験があっても場所が思い出せないほど広く樹木が多いのである...。

で、何度か右往左往しているうちに、なんとなく見覚えのある場所に出たらしい。

ふ〜〜む、これかな?

池:「そうそう、これがヒメリンゴだよ、ただ、幹に幼虫の食痕がないねぇ...」


触ると微毛が生えていて、少々ざらついている...

で、この木には何もいなかったのだが、少し離れた場所でもう一本のヒメリンゴを発見した。

池:「おおお、喰われてるよ、これは居るよ...」


あああ、やっと見つけた...

幹という幹が見事に美しく食害されている。

以前、知人のS氏から見せていただいた食痕とまさに同じものであった。

喰われてくれてありがとう...。

害虫にやられている光景を見て心底喜ぶのはムシ屋ぐらいだろう...。

そこに、「ふわ〜〜〜ん」と両前脚を伸ばし、独特の姿勢で飛んでくるオレンジ色の小ムシ...。

その小ムシに焦点を合わせると、マクドナルドの「M」のような触角が印象的で、一瞥でカミキリムシであることが判った。

ふわ〜〜ん、ふわ〜〜んと2つの大きなサインカーブを描き、目の前のヒメリンゴの葉裏にしがみついた...。

ああああ、やばい、やばいよ...。

今日に限って自宅からいつものデジカメを忘れてきたため、緊急避難的に持ってきたしょぼい職場のデジカメ@非カメラメーカーで慌てて撮影を試みるが、ピントが合っているのかどうかも分からない始末...。

とにかく、シャッターを押しまくる。


ひえ〜〜、シルエットでよく分からないじゃん...

そうこうしているうちに、落っこちてしまった...。

あああ、やばい...。

あれ〜〜、どこいった?

・・・・ 必死に探す.com ・・・・

おおお、居た...。


一応、撮れたけど、やはりダメちゃん画質だよね...

でも、この5月19日は「0→1」となった記念すべき日であり、何より出遇えたことがとても嬉しかった。

実際手に取ってみると、これがまた良いカミキリムシなのである。

上翅のどこまでも深い瑠璃色はムシ屋の私を癒し、そして体色のオレンジ色との一見不釣り合いだが強烈なコントラストがネット採集記屋の私を体の芯から興奮させる。

この丸3年、つまり約1,000日もの間、霧がかかったように悶々として腐乱していた気持ちが一気に晴れた瞬間である。

う〜〜〜ん、これはマメに通うしかないな...。

ここで池修さんと別れたのだが、向うへ歩いていく背中がとても頼もしく見えたのは言うまでもない...。

とにもかくにも、ありがとうございました。 >池修さん

さて、これを皮切りに、昼休みのルリカミキリ詣でが始まった...。

翌日は×であったが、その後の3回は連続して1頭ずつ採集することができた。

ただ、見つかる個体はいつも葉の裏にいるため、いざ撮影するとなるとどうしても光量が足りずに暗〜〜い写真やド・ピンボケな写真となってしまう...。

そもそも発生初期のためか、1回の訪問で1頭というペースでしか見つからない状況では思うように撮れない...。

もちろん、ストロボを焚くという手段もあるのだが、不自然な仕上がりになってしまう危険があるので、極力使いたくないのである。


5月23日、試行錯誤の末、なんとか見られる写真が撮れた..


5月26日、同じく葉裏の1頭だが、これはイマイチ...


ちなみに、このような実をつけていた...

で、忘れもしない6月9日、ようやく落ち着いて写真撮影に専念できる日がやってきた。

現地に着くやいなや、多数の個体が視界に入ってきた。


幹を齧る♀に襲いかかろうとする♂...


・・・・ 襲いかかる.com ・・・・

視野の辺縁部では梢を歩き回る1頭がチラチラと...。


なんか、動きのパターンがコルリそっくり...


もう葉裏にいても許す...


またいた...


ここにも...


嗚呼、ルリカミキリ...


1000日の小旅、ここに完結...


成虫の食痕でございます...@参考写真

また来シーズンも出逢えたらいいな...。

 

★★★ 採集成績 ★★★

ルリカミキリ [ Bacchisa fortunei japonica (GAHAN,1901) ]

2002.06.13 0ex.
2003.05.25 0ex.
2003.06.08 0ex.
2004.05.29 0ex.
2004.06.06 0ex.
2005.05.19 1ex.
2005.05.20 0ex.
2005.05.23 1ex.
2005.05.26 1ex.
2005.06.01 1ex.
2005.06.09 7exs.

その他、ビミョーなムシなど。

記載日:2005.06.14

 
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