2005年 ジャーニーでボイジャーな旅

へなちょこカミキリロード特別編

- EPISODE I -
 

 
2005.07.17 (Sun)
 
さて、いよいよやってきた「夏休み」...。

振り返れば、今年は諸般の事情により離島への遠征がキャンセルとなったり、仕事で土日が潰れたりした関係で、すき間を縫った忙しない日帰り採集ばかりであった...。

この夏休みこそは丸々1週間を使って、普段行けない遠い場所へのんびりと行きたいところであったが、これまた諸般の事情により2泊3日が精いっぱいという悲しい状況だ...。

まあ、それでも私にとっては大変ぜいたくな日程であり、有意義に使わなければならない。

で、何を採りに行こうかということになるが、今季は遠方への採集を思い切って一切あきらめ、最終的に下記のようなテーマを決めた。

「車で行ける範囲の場所で、今までに採りこぼしているムシを力のすべてを出しきって愚直かつ徹底的に採る採集行」

つまり、ここ数年でたまった大方の宿題を一掃し、未練なく来季を迎えようという採集計画だ。

ということで、今回はいつも以上に「本気」で行ってきます(=ぶら〜〜り禁止採集)...。

May the Force be with you...



5月から続いていた仕事の波もようやく落ち着き、予定されているものはすべて終了した...。

思えば、いつも心のどこかにトゲが刺さったような感覚が離れない2ヶ月強であった...。

まあ、せっかくの夏休み、過ぎ去ったことは置いておいて、今回はどこをどのように回って何を採集するのかを決めておこう。

う〜〜ん、あれでしょ、これでしょ、これもそうだな、おおお、あれもだ...。

これまでポイントは知っていても時機を逸していたり、天候が悪かったり、体調を崩したり、単なるケアレスミスだったり、理由は様々だが、要はへなちょこなゆえに採りこぼしたムシがけっこう多い...。

今は具体的な種類を挙げないが、とりあえず、未採集でこの時期に採れそうなカミキリムシが7種、さらに既採集だがこの時期恒例のイベントとしてぜひ採っておきたいカミキリムシを3種ピックアップし、それら10種を求めてポイントを彷徨うことにした。

もっとも、野生の生物を相手にするため、パーフェクトな結果を出すのは難しいと思うが、今回は本当にダメだと判断するまで、つまり「あれだけやって採れなかったんだからしょうがない...」と後々後悔しないような採集行にしようと思う。

当然、その他のカミキリムシも積極的に採集するつもりであり、どんなムシと出逢えるのかこちらも楽しみだ。

というわけで、早朝愛車に乗り込み、一路最初のポイントを目指した。

・・・・ 高速道路.com ・・・・

で、ポイントへ到着...。


う〜〜む、今年も来たぞ...

そう、昨年の今ごろ、まさに身震いするほどの感動を得た「異様な空間」で、今年もギガンテアを狙おうと思う。

このムシは本当に特別な存在で、何度も採りたい衝動に駆られるカミキリムシである。

まあ、2年連続で採れるほど甘くないだろうけどね...。

ただ、今回は時間的に出遅れた感があり、葉裏にぶらさがる個体は期待できそうにもない。

なので、ホストの周囲を飛翔する個体をゲットすることに集中したほうがいいかもしれない。

で、昨年会ったムシ屋さん達がいたので話を聞いてみると、本日はまだだれも採集していないとのことである。

時間は午前9時、天候は晴れているので、午前中はまだチャンスがあるだろう。

ということで、丹念にエリア内を散策...。

・・・ クワの周囲をウロウロ(2時間).com ・・・

う〜〜ん、翔んでいる雰囲気が全くない...。

とりあえず見かけるのはルリボシ、キボシ、フタコブルリハナ、ホソトラぐらいだ...。


ルリボシカミキリ [ Rosalia batesi HAROLD,1877 ]


食痕のあるオニグルミ...


オニグルミノキモンカミキリ [ Menesia flavotecta MEYDEN,1886 ]

まあ、ギガンはそう簡単に採れるムシではないから、ちょっと気分転換に別のポイントへ行ってみようかな...。

ここで一旦移動する。

・・・ 野を越え、山を越え.com ・・・

このポイントでのお題は、いままで散々通ったにもかかわらず擦りもしなかったポエキラを採集することと、ソリダの写真を撮ることである。

早速、ブナの立ち枯れをチェックしていく。


ブナの森...


おおお、いるいる...


産卵体勢...


裏側にも...


こんなところにも...


オオホソコバネカミキリ [ Necydalis solida BATES,1884 ]

あっちこっちでペタペタはい回っていた...。

さて、肝腎のポエキラだが、やはりまったく姿が見られない...。

そもそも、現物を触ったことも見たこともないわけだから、立ち枯れにいる姿をイメージすること自体が困難なのだが...。

一応、今まで得た知識と情報をもとに探索を続けてみる。

基本的にはやや細目の新しい立ち枯れの上の方にいるそうなのだが、そのような立ち枯れは少ない...。

さきほどチェックした立ち枯れがその条件をやや満たしているため、もう一度確認しにいく...。

私は近眼なので、上の方を見落としている可能性があるからだ。

で、目を細めつつ枝先の方から順に下へ向かってゆっくり視線を流す。

枝先 → 枝元 → 幹上部 → 幹中間部 → 幹下部 → 目線の幹 → 根元...。

ああああああ!


マダラゴマフカミキリ [ Mesosa poecila BATES,1884 ]

っしゃ〜〜〜!

念願のポエキラ、それもペア...。

あああ、逢いたかった...。

ほんと、ポエポエ、キラキラって感じ。

一通り写真を撮った後、実物を手に取ってまじまじと眺めてみると、「燻し銀」のような渋いメタリック感がある。

そして、細身で極めて格調の高いゴマフカミキリであることに感動した...。

これで宿題のひとつが解決。

さあ、山を下りよう...。

と、網を畳もうとした時...。


ツマキトラカミキリ [ Xylotrechus clarinus BATES,1884 ]

ありゃ、いつの間に...。

まあいいか、ということでゲット...。

要所要所を確認しながら下山する。


ゴマダラモモブトカミキリ [ Leiopus stillatus (BATES,1883) ]


トゲムネツツナガクチキ [ Hypulus acutangulus LEWIS,1895 ]

今回はナガクチキの仲間も各種採集することができてうれしい。


コルリクワガタ [ Platycerus acuticollis acuticollis Y.KUROSAWA,1969 ]

この時期、ルリクワガタやツヤハダクワガタがブナ立ち枯れにいることは知っていたが、コルリまでいるとは思わなかった。

貴重な7月ラベル(生涯初...)として、ありがたくゲットさせていただいた。

ということで、課題の待つ次のポイントへ移動する。

・・・ 移動.com ・・・

ここでのお題は、数年来スカを喰らっているクモマハナを採ることである。

例年に比べると来る時期が遅いかもしれないが、チャンスはゼロではないと思う。

ボロだっていいんだ、1頭だけでもいいんだ!

そう息巻いて周囲を散策してみるものの、オオカメノキやナナカマドの花はとっくのとうに終わり、ノリウツギはすべてツボミという寒い状況...。

はっきり「You lost...」と告げられているようなものであった...。

かろうじてショウマが咲いているので念入りに観察してみるも、訪花しているのは各種ピドニア、ホンドアオバホソハナ、ツヤケシハナ、カラカネハナ、その他ビミョーなムシなどで、クモマハナは影も形もない...。

と、面食らっているところ、10メートルほど向うにあるシラビソの立ち枯れに何やらコブのようなものがくっついているのが見えた。

わ〜〜お!


ご無沙汰しております...


産卵ご苦労様です...


アラメハナカミキリ [ Sachalinobia rugipennis koltzei HEYDEN,1887 ]

いや〜〜、時期的にまさか出逢えるとは思っていなかったので、大変うれしい。

それにじっくりと写真を撮らせていただいた(アラメだけで30枚ほど...)。

ヒデキ感激!

で、その後も散々花を見回ったが、結局、クモマハナは全滅であった...。

これはダメと判断するしかないだろう...。

クモマハナとはいつまで経っても出逢える気がしない...。

時間的にも限界なので、次のポイントへ移動する...。

・・・ 移動.com ・・・

さて、次なるお題は、クリイロシラホシを始めとする数種を採集することである。

この一帯だけでも見るべきポイントがいくつかあるので、時間いっぱいまで巡回しようと思う。

まずはお約束の...。


ナカネアメイロカミキリ [ Obrium nakanei OHBAYASHI,1959 ]

例年より発生は遅めのようで、まだ多数の個体がホストの樹皮上をはい回っていた...。

そうなると、狙いのクリイロシラホシもいける可能性が高いため、気になるミズナラをチェックしに行く。

すると、樹皮上には多数のマツシタトラ(ちょっと嬉しい)が右往左往...。

それらを数頭つまみながら、ぐるっと木を周回するような形で観察する。

何度も振られ続けていると、本当に採れる気がしないのだが、いつかは採れると信じるしかない...。

うむむ、マツシタトラ(ちょっと嬉しい)とは異なる少々ずんぐりしたカミキリムシが樹皮のすき間に...。

もしや...。


クリイロシラホシカミキリ [ Nanohammus rufescens BATES,1884 ]

っしゃ〜〜〜!!

や〜〜っと、逢えた...。

それにしても、想像していた以上に小さなカミキリムシだ。

その後、別のミズナラを含め2頭の追加を得ることができた。

写真ではうまく表現できていないのが残念だが、体色もクリイロというよりは、いわゆる「江戸紫」や「似せ紫」に近いような気がする...。

さあ、時間がないので、もう2ポイント行っておこう。

で、片方のポイントでは狙いの3種は時間的、時期的に×...。

もう片方のポイントでは、ヤツボシの写真を撮りたかったのだが、これも時間的な要因で×のようだ...。

なんか、早くも「フォース」が底をついた感じ...。

やはりへなちょこは底が浅い...。


セミスジニセリンゴカミキリ [ Eumecocera trivittata (BREUNING,1947) ]


フトオビカンボウトラカミキリ [ Hayashiclytus acutivittis inscriptus (BATES,1844) ]

さあ、どうする? >るどるふ

>>> EPISODE II <<<

★★★ 採集成績 ★★★

オオホソコバネ11、フタコブルリハナ4、ナカネアメイロ3、マツシタトラ3、クリイロシラホシ(*)3、キッコウモンケシ3、カラカネハナ2、マダラゴマフ(*)2、フトオビカンボウトラ2、キスジトラ2、オオヒメハナ2、オニグルミノキモン2、セミスジニセリンゴ2、アラメハナ1、シナノクロフ1、ツマキトラ1、ホソトラ1、ホンドアオバホソハナ1、タテジマハナ1、ルリボシ1、ヤツボシハナ1、クワサビ1、エゾサビ1、ゴマダラモモブト1、ルリハナ1、チャイロヒメハナ1、オオハナ1、キボシ1、キヌツヤハナ1、クロニセリンゴ1(順不同)。

その他、ビミョーなムシなど。

*:生涯初採集...。

記載日:2005.07.21

 
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