2005年 ジャーニーでボイジャーな旅

へなちょこカミキリロード特別編

- EPISODE III -
 

 
2005.07.19 (Tue)
 
さて、本日はいよいよ大物への再挑戦だ...。

一昨日はちょっとタイミングが悪かったのか、まったく雰囲気なしだったが、本日は早朝から満を持してアタックしようと思う...。

はたして、2年連続のゲットとなるであろうか?

フォースのともにあらんことを...。



昨晩は金縛りのような得も言われぬ感覚に襲われ、なかなか寝つけなかった...。

黄金の毛に縁取りされた黒いハチのような大きいムシが目の前をブンブン飛んでいて、いくら手を伸ばしても、いくらネットを振っても触ることさえできない...。

そんな夢を見ていたような気がする...。

携帯電話のアラームが激しく鳴り、なんとか5時に起きて、5時15分にポイントへ入った...。

が、私よりも早く入られている方がいらした...。

なるべく見る場所がかち合わないように別の方向へ行ってみる。


う〜〜ん、何とも言えない雰囲気...

残念なことに、本日は朝から雲が厚く、気温も低くて肌寒い...。

これから晴れると良いのだが...。

で、頚が痛くなるほど上を見ながら歩いたものの、葉裏にぶらさがる本命の姿は発見できなかった...。

ちょっと休憩するか...。

一旦車まで戻り、一服...。

っふ〜〜〜〜、今年こそ葉裏にぶら下がってる個体を見てみたいものだなぁ...。

まあ、ここに来ている以上、確実にチャンスはあるわけだから頑張ろう。

気分を新たに再度ポイントへ入った。

ふら〜〜っと適当に上を見ながら歩いていると、道沿いのしょぼいクワの葉裏に黒く細長い影があった...。

あああ!

あれは...。

絶対にそうだ、あれはそうに違いない。

2.5メートルほど上方であり、90mmのマクロレンズならそこそこ良い写真を撮れる可能性があるが、心拍数は著しく上昇し、そんな悠長なことをしている余裕がなくなってきている...。

う〜〜ん、どうしようか、こんなチャンスは滅多にないぞ。

ああああ、撮るべきか、採るべきか...。


オニホソコバネカミキリ [ Necydalis (Necydalis) gigantea gigantea KANO, 1933 ]

暗いうえに手が震えているためピンボケ(鬱)...

あああ、採っちゃった...。

「採る前に撮る」を信条としている者としては完全に失格であるが、気がついたら条件反射的にカメラではなくネットを掴んでおり、もうどうしようもなかった...。

モノがモノなので、ご理解いただきたい...。

あああ、でもほっとした...。

昨年採集した個体(♀)よりもやや小振りながら、30mmのそこそこ立派な♀であった。

まあ、採れたのだからぜいたくを言ってはバチがあたる。

本当にいてくれてありがとう。

このムシの存在感の大きさを改めて実感。

何度採っても良いものは良い。

その後も追加をゲットすべく頑張ってみたが、やはり気象条件がイマイチであり、採集することはできなかった。

それはともかく、メールをやり取りさせていただいたことのあるベテランのMさんとお会いし、いろいろお話を聞けたことが楽しかった。

ありがとうございました。

ということで、午前10時、今年も良い思いをさせていただいたポイントに感謝しつつ現場を後にした。

さあ、次なるお題は例のクモマハナであるが、この天気ではほとんど期待できないだろう。

不安に駆られながら標高を上げていると、予想に反し部分的ながらも雲のすき間から青空が見え始めてきた。

まさにクモマ(雲間)!

これはワンチャンスあるかもしれないぞ。

ポイントに到着するやいなや、昨日Sさんに教えていただいたゴトウヅルまで猛ダッシュをかける。


うお〜〜、うお〜〜〜、ムシが大乱舞している...

早速、無心に掬いまくる。

すると、毎回、各種ピドニア、ホンドアオバホソハナ、ツヤケシハナ、カラカネハナがどっさり...。

同定は後回しにして、黒っぽいピドニアの♀はすべてゲット、その他、見慣れない斑紋をもつピドニアもすべてキープしておくことにした。

これは楽しい、楽しすぎる。

で、少々日陰になった部分を数ヶ所掬ってたぐり寄せたところ、ネットの底に怪しげな斑紋をもつ小さなカミキリムシがもぞもぞしていた。

まさか...。


クモマハナカミキリ [ Evodinus borealis (GYLLENHAL,1827) ]

っしゃ〜〜〜〜!!!

っしゃ〜〜〜〜!!!

これだ、これが採りたかったんだ。

なんて素晴らしいハナカミキリなんだろう、なんて美しい模様なんだろう。

振り返れば、ほぼ毎年この場所を通ってはいたが、大半が雨や霧で「本当にオレには縁がない」としょんぼりしながら通過したことばかりであった...。

そして、心の底からあこがれ続けたクモマハナが今この手の中に...。

ああああ、諦めず、しつこく通って良かった。

ふらっと来て、さくっと採ってしまった場合にはこんな思いを抱くことはなかっただろうが、散々通って採れなかった悔しさ、1年待つ辛さ、劣等感、運のなさなど積年の恨みにも似た感覚が、この瞬間に一気に天空へ向けて解き放たれた。

この嬉しさ、清々しさは何モノにも替え難い。

私はゴルフをしたことは無いが、タイガーウッズに勝つこと以上に嬉しいことだと想像する。

たかがクモマハナと思う方も大勢いらっしゃるとは思うが、私にとってはそのぐらい縁遠かったムシなのである。

で、ラッキーなことにこの後、2頭の追加が得られ大満足。

発生後期でボロな個体が多いかと心配していたが、まったくそんなことはなく、どれも綺麗な個体であった。

ということで、1時間半にわたって興奮させていただいたゴトウヅルとお別れした。

さあ、ちょっとだけ寄り道して、残る2種を探しに行こう。


トドマツカミキリ [ Tetropium castaneum LINNAEUS,1758 ]

↑ 本日は茶色っぽい個体をゲット...。

・・・ 移動.com ・・・

さて、またまたやってきてしまった。

では、探しますか...。

その残る2種とは、キジマトラカミキリとチャイロヒメコブハナカミキリなのだが、これがまた私にとっては手ごわい対象だ...。

現在まで全戦全敗...。

それだけやって、なんで採れないの?、とこれまた首をかしげる方も多いと思うが、本当に採れないのである...。

まあ、へなちょこカミキリ屋なので仕方ないが、これだけ真剣にやって採れないのだから、悔しいものは悔しい。

で、教えていただいたポイント、自分で探したホストなどなど時間の許す限り巡回してみたが、やはりこの2種は私の前に姿を見せてくれない...。

さらにしつこく、もう2巡してみるも結果は変わらなかった...。

ああああ、やっぱダメか...。

本当はあともう一日チャンスがあるのだが、さすがに気力と体力の限界を感じ、とりあえずここで今回の旅を終了することにした。

本当、これだけやって採れなかったんだからしょうがない...。

この3日間、非常に疲れたが、例年になく思いっきり自分のやりたいことができ、とても充実した採集行であった。


日本の素晴らしい自然に今回も深く感謝...

また来年、リベンジに来よう...。


クリイロシラホシカミキリ [ Nanohammus rufescens BATES,1884 ]

ヨモギの葉上で発見(もちろんヤラセなし)@オマケ...


オニホソコバネカミキリ 30mm ♀ 自宅にて撮影

ここまでご覧いただきありがとうございました。

来年もマイペースで頑張ります...。

と、今年の夏休みを締めくくるはずであったのだが...。

>>> EPISODE IV <<<

★★★ 採集成績 ★★★

ナカネアメイロ11、クモマハナ(*)3、ツマキトラ3、ヤツメ3、トドマツ(*)2、カタキハナ2、フトオビカンボウトラ2、トゲバ2、シロオビチビヒラタ1、ミドリヒメスギ1、カラカネハナ1、ルリハナ1、ニョウホウホソハナ1、ヤツボシハナ1、オニホソコバネ1、ミドリ1、クリイロシラホシ1、タテスジゴマフ1、クワサビ1、ヒメナガサビ1、ハンノアオ1、オニグルミノキモン1、ヤツボシ1、シラネヒメハナ24、ヨコモンヒメハナ6、オヤマヒメハナ5、カクムネヒメハナ4、ブービエヒメハナ4、ホソガタヒメハナ3、ニッコウヒメハナ3、チャイロヒメハナ3、ムネアカヨコモンヒメハナ2、ニセフタオビノミハナ2、他未同定ピドニアあり(順不同)。

その他、ビミョーなムシなど。

*:生涯初採集...。

記載日:2005.07.24

 
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