2005年 全力虫年(仮)の旅
 

 
2005.12.04 (Sun)
 
あああ、前回の採集からあっという間に1ヶ月が経過してしまった...。

今年もあと1ヶ月を残すのみとなり、山はいつ雪が降ってもおかしくない状況だ...。

う〜〜ん、これは早いうちに行っておかなければ...。

ということで、行ってきます...。



本日のお題はトゲフタオタマムシ。

このタマムシは幼虫期にはモミをホストとしているが、秋季に羽化した後、そのままモミの材中にとどまるのではなく、スギやヒノキの樹皮下で越冬することが知られている。

体色はガンメタリックで、エリトラには彫刻刀で彫ったような溝を幾重にも装っている。

まさに私の右脳をダイレクトにくすぐるムシである。

北海道に分布するフタオタマムシほどエリトラ尾端が割れていないものの、♂の中肢脛節には内側を向いたトゲがあるなど、私としてはまったく申し分のない形態をしていると言える。

それと、ポヨポヨっと所々に生えた毛に何とも言えないフェティシズムを....(後略)。

いつものことながら、いつかは採りに行きたいと願っていたムシのひとつであり、今回やっとその機会が訪れたという感じだ。

ともかく、このところ寝るヒマも惜しんで黙々と案件を処理していたので、この辺でストレスという名のガスも少々抜いておかねばならないだろう。

加えて、来年の目標を「全力虫年」とした都合もあり、それに向けた準備運動もしておきたいところだ。

というわけで、早朝、相棒に迎えに来てもらい、一路、ポイントを目指した....。

で、ずひゅ〜〜〜〜〜〜〜ん、と到着。

車を降りると、肌をかすめる風がキ〜〜ンと冷たい...。

季節が完全に冬となってしまったことを実感する。

さて、今回は超久々に あ〜さんとご一緒することになっている。

すでに待ち合わせ場所に来ているはずなのだが...。

おおおお、向うにあ〜さんがいた。

うい〜〜っす...。 >あ〜さん

あまりに久しぶりで一体どのぐらいぶりなのか思い出せないが、数々の採集を共にした虫友との再会はとても嬉しいものである。本日は ∞倶楽部の同窓会的な採集行になりそうだ。

早速、3人で今シーズンの各々の思い出話やバカ話をしながら、ポイントがあると思われる方向へ歩いていく...。


ヤッホ〜〜〜〜!(実際は言ってない...)

何となく標高を上げて、こんな感じなのかぁと思える場所にて採集を開始した。

環境的にはモミとスギの混成林での採集となる。

まずは3人それぞれが適当に斜面へ入って、スギの樹皮をチェックしていく...。

トゲフタオタマムシはスギの根元付近の剥がれかかって浮いた樹皮の下にじっとしているそうなので、そのような箇所を丁寧に観察する。

まあ、実際にはそのようなスギは少なく、探し当てるのはけっこう大変だ。

さらに、ここの斜面はかなり急なうえに足場が悪いため、ちょっとしたことで滑り落ちてしまいそうになる。

一歩一歩、注意しながら歩くことを余儀なくされた...。

当然のことながら、身の安全に気を使いながらの探索は集中力が続かず、とても困難を伴う作業であったが、四苦八苦しながらしばらく続けているうち、ムシの姿をそれなりに拝めるようになってきた。


オオクチキムシ [ Allecula fuliginosa MAKLIN,1875 ]


イシノミ様

その他、ヒサゴゴミムシダマシ、ツヤヒサゴゴミムシダマシ、キノカワゴミムシ、サシガメの仲間などなど、嬉し恥ずかし泣きゲット...。

しかし相変わらず、本命は姿を現さない...。

う〜〜ん、これはポイントを変えないとダメかな...。

とりあえず、あ〜さんと相棒と合流しよう。

一旦登山道へ戻ろうと斜面を降りている最中、突然足元の一角が崩れ始めた...。

反射的に体重を反対の足にかけてバランスを保とうとしたが、時すでに遅し...。

尻もちをついた瞬間、腰から大腿部にかけて重く鈍い痛みが走った...。

想像以上にゆるい地盤は表層雪崩のように流れ、私はその上に浮かぶ一枚の枯れ葉のごとく無力な存在と化す...。

あああああああああ....。(実際の声...)

一体、どこまで流されるのだろうか...。

大腿の裏側が石や岩にこすりつけられてとても痛い...。

時間的にはかなり長く感じたが、結局、一番下の登山道のところまで落ちてやっと止まった。

とりあえず、後ろを振り返る。


落ちてきたルート...

あああ、それにしてもこれだけ派手な滑落は初めてだ...。

幸い骨は折れていないようだが、右膝をひねったようでしばらく立ち上がれなかった...。

う〜〜ん、痛いっす...。

ただ、落ちている間はいろんな事を考える余裕があり、妙に冷静だったのは自分でも不思議であった。

まあ、想定内のアクシデントではあるのだが、一層の注意をしないといけないだろう...。

ちょっと反省...。

その後、なんとか歩ける程度にまで回復し、2人と合流することもできた。

私と同じく、あ〜さんも相棒もタマムシは見つけられなかったとのことだ。

ということで、ポイントを変えることとなった。

目星を付けた場所へ行くには標高をさらに上げることになるのだが、足を捻挫しているうえに、最近いわゆる「下山家」となっている私にとってはとてもツライ試練...。

しかしながら、直に右脳をくすぐってもらいたい欲望には勝てるはずもなく、一歩一歩足を前に出し続けたのであった...。

急な登山道をふうふう言いながら全力で登っていくと、それらしい環境が広がっていたので、再びスギの樹皮を確認していく。

ふと、目線を向けたスギ大木の樹皮の一枚。

ささくれ立ったように剥がれかけており、何となく「青いオーラ」が見える。

ペリ...。


うむむむむ...


トゲフタオタマムシ [ Dicerca tibialis LEWIS,1892 ]

いた〜〜〜〜〜〜〜!

やはり、オーラだったのだ。

う〜〜ん、噂にたがわぬ乙なムシではないか。

それに、想像していたよりも質感が素晴らしい。

ポヨポヨの毛も....(後略)。

いや〜〜、出会えて良かった。

本当にいてくれてありがとう。

さあ、この調子で追加を探そうか。


こんな感じの場所かも...

相棒の背中を追いかける形で緩やかな斜面を登っていくと、樹皮が剥がれまくってツルッツルになったスギがあった。

さすがにこれはダメかなぁと思ったのだが、一枚だけ名刺サイズの樹皮が浮き上がっていたので、それをペリ...。


っしゃ〜〜!


右脳に響くエリトラの彫刻美、そしてポヨポヨとした...(後略)

一応、これで1ペア採集できたので一安心。

ふぅ〜っと、のどを潤しながら、ふと周囲を見渡すと雪がちらほら...。

参ったなぁ、こんなに早く天気が崩れるとは、それも雪とはねぇ...。


これはクワガタにない新鮮な採集だね(あ〜さん談)

で、しばらくは様子を見ながら採集を続けていたのだが、雪は強くなる一方で、さすがにシンドくなってきた...。

この段階で3人で2頭ずつ、合計6頭のトゲフタオタマムシを得ており、こんな天気ならもういいよね...、ということに決まった。

実はもう一種類狙っていたムシがいたのだが、そもそも初採集のムシではないので今回はあっさりあきらめることにした。

というわけで、周辺を軽くチェックしながら下山...。


らっき〜〜!


ルイスオサムシ [ Ohomopterus lewisianus BREUNING,1932 ]


大雪かも...

う〜〜〜ん、雪のため多少物足りない内容となってしまったが、久しぶりにフィールドに出られたこと、そしてあ〜さんと会えたことはとても刺激になった。

いまだ足は痛いが、これも良い思い出として残ることだろう。

何にせよ、ムシ屋の私にとって、野外でのリフレッシュが一番の特効薬であったことは間違いないようだ。

★★★ 採集成績 ★★★

トゲフタオタマムシ2。

その他、ビミョーなムシなど。

記載日:2005.12.06

 
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