2006年 全力虫年(決)の旅
 

 
2006.01.02 (Mon)
 
新年、明けましておめでとうございます...。

昨年に引き続き、この2006年もぶゆ〜〜〜んと採集記をお届けできれば幸いです...。

本年もよろしくお願い申し上げます...。

ということで、新年早々ですが、ぶゆ〜〜〜んと行ってきます...。



昨年11月上旬の「ブ〜メランな旅」の最後に、とある場所へ立ち寄ったのだが、生憎の雨にたたられて泣く泣く断念したムシがいる...。

次回は遙か彼方まで見渡せる快晴の澄んだ空気の中、のびのびとした気分でまったり優雅に採集させていただこうと誓い合い、涙を飲み込みつつ踵(きびす)を返したのであった。

そんな苦虫を噛み潰していたある日、名古屋のもえびさんから年末年始でどこか採集へ行きませんか? というお誘いがかかった。

というのも、関東のご実家に帰省されるらしいのだ。

う〜〜〜ん、これは行っておかねばならないだろう。

もえびさんと言えばオサ屋さんだ。

当然こちらで採れるオサムシをいろいろ満喫していただこうと最初はヒメマイマイやアカガネオサなどを考えていたのだが、時間的なことや びおさんのリクエストもあり、最終的には「例のヤツ」にリベンジを仕掛けてやろうということになった。

「例のヤツ」もこちらにしかいないことになっているので、もし本当に出会えれば喜んでいただけるはずだ。

というわけで、いざ出陣...。

最寄り駅で初対面となる もえびさんと合流した後、一足先に現地入りしている びおさんのもとへ直行した。

で、本日の天気も予報では「雨」と出ていたため何だか呪われている気分だが、今のところまだ降り出す雰囲気はないようだ。

ともかく、さっさと本命に出会ってしまいたい。

ポイントに到着すると、向うにびお号が見えた。

っしゃ〜〜、行きますか! ということで、準備を整えた後、もえびさんと突入した。

しばらく歩いていると、葦原の陰からぬ〜〜〜〜〜〜〜〜っと びおさんが登場。

まだ何も成果はないとのことだ。

挨拶もそぞろに、早速、本格的な探索に入る。

ただ、「まったく採れる気がしない」とのっけから弱気な びおさん...。

案ずるより産むが易し。 >びおさん

今回は「採集」というよりは、いると分かっているものを「確認」するだけです。

誰がどう頑張っても所詮はゴミムシなんだから、ゴミゴミ・ムシムシな場所を探れば絶対に見つかりますよ。

イージス艦、いいや宇宙戦艦ヤマトに乗った気分でいてくださいな。

ということで、3人が各々、ゴミゴミ・ムシムシな場所を求めてわらわらと彷徨う。

う〜〜〜〜ん、それにしてもここは汚い...。

基本的にどろ〜〜り、ぐちょ〜〜り、べちょ〜〜りなのよね...。

さらに、時折鼻をかすめる「ヘドロが限界を超えて腐敗した」ような香りもたまらない...。

相棒が「あんな場所2度と行きたくない」と切って捨てた気持ちも十二分に理解できる。

確かに狙った獲物は生息地が限られた「保護されるべきムシ」なのかもしれないが、人がここに来て荒らす云々以前に、誰も近寄らないって...。

多数の家族連れがピクニック気分でお弁当を食べているシーンや、恋人たちが甘く愛を囁き合う姿をイメージすることは絶対に不可能である。

巨大なリゾートや空港でも建設されない限りは大丈夫だと思う。


ここはまだ綺麗なほうかも...

さて、「宇宙戦艦ヤマトに乗ってろ」と大見栄を切った手前、いの一番に発見したいのであるが、私の想像しているゴミゴミ・ムシムシな場所はこの広大な葦原の中でそう簡単には見つからない...。

流木、タイヤ、竹、ブイ、何だか分からない物、いろいろひっくり返してみたが、いるのはカニ、フナムシ、トビムシ、ハサミムシ、ゲジ、ザトウムシばかりである...。

軽くやばい...。

まあ、ここだけの話、実はそれほど発見に自信があるわけでもないんだけどね...。

う〜〜〜ん、こりゃダメかな...。

と思った矢先、少し盛り上がった場所にムフフな流木が転がっており、その周囲から「青いオーラ」がぬお〜〜〜〜〜っと立ち上っているのが目に入った!

ひひひひ、あったよ、びおさん、もえびさん。

渾身の力を込めて、おもむろにどかしてみると...。


明けましておめでとうございます...

っしゃ〜、ビンゴ!

他にも数頭いるので、「ぴぃ〜〜〜〜」っと呼子を吹いて2人を呼ぶ。

これらは記念に採集していただき、さらに追加個体を3人で手分けして探すこととなった。

一度見つかれば、大抵近くにもわんさかいるものである。


今年もよろしくお願いいたします...


居ていただき感謝いたします...


越冬ご苦労様です...


重ね重ねも居ていただき御礼申し上げます...


キイロホソゴミムシ [ Drypta fulveola BATES,1883 ]

といった感じで、流木をひっくり返すたびに集団で次から次へと出てきた...。

この寒い中、じっと越冬しているものと勝手に思っていたのだが、エントロピーが増大するかのごとくわらわらと拡散してしまうため、撮影するのが一苦労...。

まあ、それはともかく、想像していた以上にエレガントなゴミムシで、同属のアオヘリホソゴミムシよりも気品にあふれ、格調が高く見える。

これは何が何でも守ってあげねばならないムシである。

出会うまではむしろいい加減な気持ちに近かったのだが、生きているナマの姿を見ると「生息環境を保護してあげたい」という感情がちゃんと湧いてくるのだから不思議だ。

もえびさんも、びおさんも、続々ビンゴのようであり、とりあえずは当初の目標を達成することができて一安心。

宇宙戦艦ヤマトからも下船していただいた。

で、時間がずいぶんと余ってしまったため、これまた前回の採集行で回れなかったエリアへ行こうということに決まった。

ただ、昼前頃から予報通りの雨が降り始め、何だかイヤな予感...。


雨様、渋滞様、ご降臨...

野を越え山を越え、山を越え野を越え、なんとかそのムシがいるかもしれないエリアに到着。

「かもしれない」というのは、当初はまったく予定していなかったため、ポイント情報がほぼゼロなのである...。

まあ、時としてピンポイント情報は採集の楽しみを奪うものであるから、ここはムシ屋としてのカンを試す良い機会とも言えるだろう。

へへへ、採ってやるぜ!

と、カッコつけたことを宣ってみたものの、実際はなかなか良さそうな場所が見つからない...。

仕方なく適当にアタリを付けてアタックしてみたが、南斜面のためかどこも土がカラカラに乾燥していて、ムシの雰囲気が1ミリも感じられなかった...。

そもそも、本降りの雨で探るべき場所がマスクされて分かり難いし、それ以前に雨が効率良く私の戦意を奪っていくのである...。

もう、カメラを出して写真を撮る気力も失われ、採集記を書くことすらやめようと思ったほどだ...。

で、ワラをもすがる思いで反対側の北斜面へ回って数ヶ所を確かめてみるが、やはり崖の土はカラカラであった...。

オサムシがどうこうというより、甲虫が1頭たりとも出てこない...。

ダメだこりゃ、茨城よりヒドイかも...。

さすがに私はギブアップ、ビショビショの負け犬がごとく車に戻ると、私より先にギブアップしている人もいた...。

で、粘っている もえびさんを車の中で待っていると、卵を握っているかのようにビミョーに手を丸めた もえびさんが戻ってきた。

採れました?

別段言葉は発せられなかったが、ビミョーに膨らんだ手がゆっくり開かれると、中にはなんとアオオサなんだけど赤黒いオサムシが2頭も握られていたのである!

ひょ〜〜〜〜! すごい〜〜〜!

さすがはオサ屋さん、この辺の感覚と言うか根性は素晴らしい。

で、どこですか?

「あそこら辺です」

う〜〜〜〜ん、「あそこら」まで聞いた段階で、ピッケルを持って走り出してしまったため、「辺です」はドップラー効果で もえびさんの声が低く聞こえた...。

うお〜〜〜〜〜〜〜〜!、こんなとこかい!

あまりにショボイ環境のため、私は早々に諦めた(というかほぼ無視した)小崖であった。

う〜〜む、でも「出た」というのだから、何も考えずに掘るしかない。

崖堀り、フォ〜〜〜。


ほよ...


すごいよ、もえびさん...


アカオサムシ [ Carabus insulicola nishikawai (ISHIKAWA,1966) ]*

*:現在の分類は異なると思われますが、手元に詳しい資料がないため、ここでは便宜上アカオサムシとしておきます

いや〜〜〜、あっという間に8つも出すことができた...。

なかなか重量感のあるオサムシだし、ビミョーに赤、紫、黒などのカラーバリエーションがあって素晴らしい。

どちらかと言えば、黒っぽい個体が多いかな。見る角度によって色がビミョーに変化するのも楽しい。

う〜〜〜ん、これでこのエリアにはもう来なくてもいいかも...。

とにもかくにも、もえびさんに感謝だ。

ヒデキ感激!

新年早々、日本の自然からお年玉をもらった3人は冷たい雨の中をほっくほくの気分で帰路についたのであった。

お疲れさまでした。 >お二人

 

ということで、ぶゆ〜〜〜んと採集記をお届けしました...。

2006年のスローガンは「全力虫年」、はてさてどんな年になるのでしょうか。

改めて今年も甲虫採遊記をよろしくお願いいたします。

★★★ 採集成績 ★★★

キイロホソゴミムシ、アカオサムシ。

その他、ビミョーなムシなど。

記載日:2006.01.05

 
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