灼熱の亜熱帯・るど&びお全力虫年の島旅...
へなちょこカミキリロード 2006
 

 
2006.06.23 (Fri) 〜 2006.06.25 (Sun)
 
痛快な熱風に後押しされ、車も豪快に走る。

町並みは隣県のリゾートアイランドの派手さとは比べ物にならないほど長閑な雰囲気で、生えている樹木についても特に南国を感じる印象はない...。

これでサトウキビ畑がなければ、普段徘徊している茨城県の郊外とほぼ変わらない風景である。

中心街には24時間コンビニ(内部はオシャレで都会的)があったり、流しのタクシーがたくさん行き交っていたり、いろんな場所で携帯の電波が入ったり、なかなか想像していたイメージとは違っていて街をルッキングしているだけでも楽しい気分になる。

で、まずは最初にネキのポイントへ行ってみることにした。

通常、ここのネキは午前中が勝負で、午後に行ったところでまず採れないと言われているのだが、飛行機が到着する時間の都合上、初日はどうしようもない。

まあ、何しろ初めての島なのだから、事前情報の確認を含め、現地の下見を十分にしておくべきであろう。

幸いにも詳細な事前情報により、とても初めて来た場所とは思えないほど、迷わずスムーズにポイントへ着くことができた。

適当な場所に車を停め、付近を彷徨いながら状況を確認していこう。


初めてで全く勝手が分らないため、一応、ハブ様には細心の注意をば...

とりあえず、何はなくとも「イジュ」の花だ...。

う〜〜〜ん、どれがイジュだろうか。

来る前に散々写真は見ておいたのだが、実際の現場ではなかなかそのイメージがつかめない...。

しばらく歩いていると、地面に花びらが落ちているのを発見した。


これがイジュ?

上を見上げると、そのような花が咲いているが、高い樹冠部にポツポツとあるだけで、何だかとても寂しい状況である...。

比較的下の方には、「実」のような膨らみがいくつか見えるし...。

もしかして終わってしまっているの??

以前、四国にて「ヤマシャクヤクの花が終わっている...」と凍りついた瞬間のように、炎天下にもかかわらず、鳥肌が立ち、冷や汗がどっと噴き出してきた...。

いや〜〜〜、もしかすると、こりゃマズイかもよ。 >アヒル隊長

と、目の前を横切る黒い影が...。

シュピナシュピピン! 飛天・牛斬り(ひてん・うしぎり)!

ゼツミョーなタイミングでネットイン!


オオシマミドリカミキリ [ Chloridolum loochooanum Gressitt,1934 ]

っしゃ〜〜!

初ゲットは憧れのオオシマミドリであった。

当然、生涯初採集種。

実物もめちゃくちゃ良いムシであることに感動至極...。

そして、脳内モルヒネ様物質の分泌をストレートに刺激するこの甘い香り...。

その香りに脳が半分マヒし、うっとりしているところ、またまた黒い飛翔陰影が目の前の斜面に消えた。

その斜面に生える葉をガサゴソやってみると、何やらムシが落ちてきた。


ヨツスジトラカミキリ [ Chlorophorus quiquefasciatus (Castelnau et Gory,1841) ]

おおお!、やはりカミキリムシだったか...。

生涯初ではないものの、ここのは逞しい体格をしていて嬉しいぞ。

まあ、活動していることはしているのね。 >カミキリムシ

で、右往左往した結果、やはり先ほど地面に落ちていた花がイジュのようで、実は林道沿いにイジュがそこそこ生えていることが判明した。

ダメ元で各所のイジュの花をスイープしてみる。

しかしながら、ネットに入るのはハナムグリばかりであり、ネキはおろか、カミキリムシ自体が皆無であった...。

クスベニは採れるって聞いていたのだが、どうもそのような雰囲気は微塵も感じられない。

この炎天下では、ムシも動かないということかもしれない。

向うから歩いてきた びおさんもほぼ私と同じ状況とのことで、仕方なく車まで戻ることにした。

次の方針を考えながら、適当にその辺をビート&ビート...。

何か落ちてこないかなぁ...。


バシュイ〜〜ン...、必落天・牛叩き(ひつらくてん・うしたたき)...


オオシマビロウドカミキリ [ Acalolepta oshimana oshimana (Breuning,1945) ]

うおおおお、びっくりした〜。

本土ではいつものやつ的なカミキリムシだが、この島のはベルベット地がきめ細かく、体色も明るいよね。

図鑑で見る以上にとても良いカミキリムシだ。

やはりどんなムシであっても、その生息地で生きた実物を見ないと何も始まらないし、何も語れないと思った...。

さて、これからどうしようか。

この島はとても広いので、行動計画は重要である。

う〜〜ん、とりあえずは、距離感と時間感覚を身に付けるため、事前に聞いていたムフフなポイントを見に行くことにして、その後、灯火ポイントの下見などをしていこうかと大まかに決まった。

で、ここに来る手前にヤンバルアワブキが咲いていたので、それも掬っていこうかな...。

それにしても暑い...。

悪路でシャーシを擦りつつ、ヤンバルアワブキまで到着。


ヤンバルアワブキ [ Meliosma rhoifolia Maxim ]

早速、びおさんとお揃いのネットで思い思いの花房を掬っていく。

この木は下の方にも花が多いため、さっきのイジュに比べたらまだ掬いやすい。

で、10ヶ所ほどネットをかけたところで、たぐり寄せる。

おや、何かカミキリムシが入っているぞ。


アマミトビイロカミキリ [ Allotraeus insularis amamiensis Hayashi,1961 ]

うひょひょ!

これまた意外な種類が入った。

この写真では分かりにくいが、上翅端に一対のトゲがあるのが特徴である。

ちなみに、鳶色(とびいろ)とはこんな色らしい...。 →          
 #95483F

う〜〜む、似ているといえば似ているかな...。

びおさんもヒメカミキリの一種が採れたようである。

いずれにしても、カミキリムシの個体数は限りなく少なく、なかでもハナカミキリはこの時間帯にほとんど訪花していないことが確かめられた。

ということで、一旦、移動をかけることにした。

さてさて、今度は少々平地をチェックしてみようと思う。

聞いた話では、道沿いの伐採された箇所を叩けば、けっこう様々な種類が落ちてくるとのことである。

適当に枝道へ入り、左右を見ながらカミキリムシのオーラを幽かに感じたところで車を停めた。

少し前に伐採が入ったような感じで、所々に枝が捨てられている。

びおさんの目の色もみるみる変わってきたぞ。


こういうブッシュってイイよね...

一ヶ所を思いっきり叩くと、他の部位のムシも落ちてしまうため、ソフトかつマイルドに、それでいてそこそこハードに各部位を叩いていく(この感覚、分る人には分るはず...)。

パシパシ、パシパシ、さらに地道に、ペシペシ、ペシペシ...。

ドサっ!


げげげ...

キノボリトカゲが落ちてきた...。

びおさんは似たようなブッシュでオオシマヤハズなどを落としているようだが、私の方は一向にカミキリムシが落ちてこない...。

で、横へ横へカニさん歩きをしながら叩き続け、かろうじてアマミウスフタモンサビをゲットしたにとどまった...。

大汗をかいた割には今一つだった...。

ふぅ〜〜〜、グビグビ、ゴクゴクと水分補給をしつつ上を見上げると...。

おや!


クワの葉裏に何かいますね...

う〜〜〜ん、何がいるのかだいたい予想は付くが、これでは分りづらいので、「るどスコープ」で見てみようかな...。


アマミキボシカミキリ [ Psacothea hilaris maculata Breuning,1954 ]

らっき〜〜〜!

これ、何気に狙っていたんだよね〜。

ここのキボシは紋が薄くてけっこう特徴的なのだ...。

ということで、この近辺での成果は以上のような感じで、想像していた以上にカミキリムシの姿は少なかった...。

そんなに乾燥している印象はないし、どうしてなのだろうか?

今季は全国的にカミキリムシの発生状況が低調であるが、離島においても同様なのかもしれないな。

時間もあまり残されていないため、今晩行う灯火ポイントの下見をしておくことにした。

・・・ 移動.com ・・・

とりあえず、目印となる交差点に到着。


周辺にはハイビスカスが咲いており、南国にいることを実感...

おおおお、ハイビスカスの葉の上に何かいるぞ!


ミドリナカボソタマムシ [ Coroebus hastanus oberthueri Lewis,1896 ]

うおおおお、綺麗だ〜。

でも、フツーはアカメガシワの葉にいるもんだけどな...。

少々休憩した後、ここからさらに枝道へそれていく。

しばらく走っていくと、それらしいターニングポイントがいくつかあるのだが、どうもどれも違うようだ...。

念のため、2〜3往復して念入りにチェックしてみるもやはり曲がるべき交差点が見つからない...。

う〜〜〜ん、八方塞がり...。

二進も三進もいかなくなったため、友人らに泣きのTELを入れる(私は声が出ず、ケイタイの電池も切れたため、びおさんサンクス)...。

な〜〜〜る、基本的に間違っていないようだが、最後の詰めが甘かったようだ。

ということで、最終的に現地へ着くことができたが、残念ながら、2張り分の先客がすでに来ており、一番良いロケーションに陣取ることはできなかった...。

これまで迷ってしまったタイムロスがあり、今日はアマミモンキのポイントまでは足を伸ばせそうにないと判断し、このままちょっと離れた場所に灯火の設営をすることに決めた。


あまりベストの場所とは言えないが、贅沢も言えない...

設営自体は順調に終了、日没まで周辺の散策をして時間を潰すことに...。

で、期待していたススキからは何も落ちず...。

薄暮帯となっても、上空を飛翔するムシはほとんどいないし...、

アマミハンミョウも採り逃がしてしまった...。

がくっ...。


う〜〜〜ん、南国の黄昏だ...


↑ サウンド ↑
.wav format: 約0.2MB ( 22 sec. full version )


ヒグラシとリュウキュウアカショウビンの鳴き声がこだまする中、発電機をスタートさせた。

水銀灯がぼんやり蒼い光を周囲に放ち、その輝度が最高潮に達した頃合いに、多数のアマミアオドウガネがマシンガンのように飛来し始めた。

おおお、これは今後も甲虫の飛来が期待できそうだ。


これは亜種ではないようだ(相変わらずのダニライダー)...

で、しばらくの間は甲虫の飛来が途絶えたが、シーツが入り組んで影になっている部分をのぞき込んでいた びおさんが一声を発した!

『るどちん、いた〜〜〜〜!』

ん!? どうしたの? まさか、ハブに咬まれたの??

『ちがうよ〜、カミキリだよ』

まぢ?


キイロミヤマカミキリ [ Margites fulvidus (Pascoe, 1858) ]

おおおお、自前灯火に飛来した記念すべき初天牛だ。

う〜〜〜ん、とりあえずはこれで一安心。

またしばらく待ってみるが、どういうわけか、この後は一向にカミキリムシが飛来しなくなってしまった...。

そんな中、向うで2張りされている方々が我々の灯火に訪問され、いろいろお話をさせていただいた。

その方は地元の有名なベテランのムシ屋さんであり、事前情報でもお名前を聞いていた方であった。

そんなすごい方とお会いできたことにビックリだが、ご親切にも向うの灯火に遊びにおいでとお誘いまで受けてしまった。

こういうチャンスもそうそうないだろうから、勉強を兼ねて見させていただくことにした。


おおおお、のっけからスケールが違う...


↑ 動画 ↑
QuickTime: 約1.7MB ( 46 sec. full version )


びおさんと二人で興奮しながら膜面を見ていくと、カミキリムシは目に付かないながらも、コメツキ、ゴミダマ、コガネムシ、ナガクチキ、ゴミムシ、シンクイ、ゾウムシ、ミツギリゾウ、コカブト、クワガタなどなどビミョーなムシのオンパレードであった。

でも、数分してキイロミヤマ、アマミコブヒゲ、トカラオキナワゴマフなどのカミキリムシがポツポツ飛来しているのが確認できた。

期待していた、ベーツヒラタ、スピニ、パランドラなどは飛来しなかったが、それはさすがに贅沢というものだろう。

ふと落ち着いて周囲を眺めてみると、なるほどここはやはりムシが飛来しやすい条件が多くそろっているようである。

とにもかくにも、ここのメンバーの方々にはムシを採らせていただいたうえに、いろいろ現地の状況を教えてくださったり、大変親切にしていただいた。

この場を借りて、心より感謝申し上げます。

で、この後はムシの飛来も低調になってきたことから、11時には撤収し、ホテルへ戻ることとなった。

帰りの道中、自動販売機などの街灯回りにて、ヒメカミキリの仲間、リュウキュウムナクボカミキリ、スジブトヒラタの♀などをゲット。

なんだかんだで、ホテルに着いたのは深夜の1時を過ぎてしまった...。

日付が変わった段階でホテルにチェックインし、さあ、あとは風呂に入って寝よう...、疲れ切った体でそう考えていたのだが、ここで信じられないトラブルが発生することになった...。

つづく...。 → 

記載日:2006.07.03

 
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