島でアイランドな旅 03...
へなちょこカミキリロード 2007 
 

 
2007.04.28 (Sat) 〜 2007.04.29 (Sun)
 
なんと、土・日・月と雨が降るのか...。

ひえ〜〜、最悪...。

これはもう採集できない、ぐらいの気持ちで行ってくるしかないな...。

金曜日の夕方、そう覚悟を決めた。

明けて土曜日。

世の中はGWの初日、おそらく高速や空港の駐車場も混雑するだろう、という予測の元、いつもよりかなり早めに自宅を出発した。

まだ薄暗い中、快調に首都高をドライブする。

電光掲示板にも走行予定路線が渋滞しているという情報はないようである。

順調、快調、絶好調で首都高を走破し、結局、まったくの渋滞知らずで羽田空港へ到着した。

いつもの場所に車を停め、いつものごとく搭乗手続きを済ませ、いつもの通りに荷物を預ける。

ただ、今回は早く家を出ただけ時間が空いてしまったので、雑誌を買い込んでヒマを潰す...。

で、ようやく時間となり、ラウンジを出てみるが、予想に反してそんなに混んでいない...。

こんなことならもう少し遅く出れば良かった...。


東京はどんより...

はてさて、一番の重要関心事、島の天気はどうだろうか...。

携帯で確認してみる。

うをををを、今日は雨のち曇り、明日は曇りになっているじゃないか...。

う〜〜ん、これはちょっと期待が持てるかも。

あ〜れも採りたい、こ〜れも採りたい、う〜〜ん、夢が広がる。

が...、これまで「雨は降らない」と期待させておいて、実際は大雨の往復ビンタというパターンが頻発しているため、ここはやはり「滞在中は連日の大雨で採集は無理...」という気持ちを維持しておきたいと思う。

ということで、いざ島へ...。


今日はかなり前の席...

 

・・・ 爆睡.com ・・・

 

うあああああああ、崖から落ちる夢で目が覚めた...。

なるほど、そろそろ着陸のようだ。

ということで、いつもの段取りの後、一路、ナノ採集できそうなエリアへ直行。


若干降っているが、ほぼ止む寸前...

気温も20℃はキープしている感じで、条件的には悪くない。

女神様のご機嫌はまあまあといったところだ。

一応、例の優良物件だったポイントも道すがら見ていくが、今回もゴーストポイント化したままであった...。

前回アマミズマルトラを見つけたポイントもソダ関係が濡れておりイマイチ...。

仕方なく、下見しておいたプチ林道へ入ってみる。


路面が舗装されておらず悪くはなさそう...

時間があまりないため、早々に林縁の叩き網を開始。

うっぷ...。

叩くたびに葉についた水滴がスプラッシュ...。

こういう時、メガネの不便さを感じる。

でも、怯まずにビシ@バシ...。

うおおおお!


リュウキュウルリボシカミキリ [ Glenea chlorospila chlorospila Gahan,1897 ]

っしゃ〜〜!

島に着いて最初の1頭目がカミキリムシ、それも生涯初採集種とは幸先が良い。

それにしても美しいカミキリムシである。

図鑑で見るより、遙かにハイグレードな色合いだ。

メタリック部分の色が、前胸背とエリトラで違うのだから恐れ入る...。

叩いたのは写真のような植物。


サキシマフヨウ

ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。(←ご教示いただきました、ありがとうございます)

林縁の両サイドを交互に叩きながら林道をさらに進むと、ホウロクイチゴの葉上にこれまた非常に美しい甲虫がちょこんととまっていた。


ルリナカボソタマムシ [ Coroebus niponicus niponicus Lewis,1894 ]

以前、本種と似ているミドリナカボソタマムシ(ホストはアカメガシワ)を何頭か採集したことがあるが、そのグリーンとは色合いが異なり、吸い込まれるような深いブルーをしている。

ルリ(瑠璃)という形容詞が相応しい一種と言えるだろう。

何頭か採ることができた。

ちなみに、このホウロクイチゴ、なかなか優れものの植物で、各種の甲虫から好かれているようである。

熟した実も美味とのことだ。

で、もう少しだけ先へ進んでみる。

この林道は林縁をマメにプチ伐採しているようで、ソダ関係はまあまあ落ちている。

基本的にはパリパリ系であまり良い状態ではなさそうだが、選り好みしている場合ではないため、片っ端から8ビートのテンポで、時にボサノバのリズムでビートしていく...。

少し古めのソダを叩いてみると...、


リュウキュウクリイロシラホシカミキリ [ Nanohammus oshimanus (Breuning et Ohbayashi,1964) ]

っしゃ〜!

本種も生涯初採集...。

う〜〜ん、でも随分と体色が黒っぽい。

最初はジュウジクロカミキリかと思ったほどだが、こういう黒化した個体もいるのかもしれないな。

で、近所のソダからもう一丁...。


オオシマハネナシサビカミキリ [ Pterolophia oshimana Breuning,1955 ]

う〜〜ん、これも初採集。

なんだか信じられないペースでカミキリムシが採れている...。

どうしちゃったの? >女神様

今回はやけに「お手柔らか」な待遇だ。


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約0.2MB (6 sec.)

最近はReptile系もよく見るようになった。


キガシラハサミムシ [ Paratimomenus flavocapitatus (Shiraki,1906) ]

うっひ〜...。

この何とも言えないハサミムシが落ちてきたところでタイムアップ...。

ひとまず所用を済ませることにする。

 

・・・ 所用.com ・・・

 

さて、今回もMさんから灯火セットを貸していただけることになった。

セットを車に積み込んで、灯火場所の探索へ出発する。

探索とは言っても、日没までそんなに時間があるわけではなく、大まかなエリアを決めて、そのエリア内でなんとかそれらしい場所を見つけなければならない。

まずはカーナビを頼りにそのエリア周辺をざっと流す。

う〜〜ん、絶好のポイントというのは無い感じ...。

途中、2人組のムシ屋さんと遭遇したが、やはり今晩の灯火ポイントをどうするかということであった。

そのお二人と別れた後、しばらく走ったところにやや見晴らしの良い場所があったため、そこに張ることとした。

首尾よくセットを設営し、あとは待つのみ。

リュウキュウアカショウビンの鳴き声が山々に木霊する中、徐々に日が暮れていく...。

さあ、今晩はどうだろうか?

 

・・・ 灯火.com ・・・

 

ということで、撤収...。

この日は風が強いのと、ライトがいらないほど明るい月の光により、甲虫はおろか、蛾すらほとんど飛来しないという寂しい結果に...。

せっかく飛んできた蛾もあっという間に風に流され、常時幕面には何もいないという悲惨な状況であった...。

1時間程度で見切りをつけ、とっととホテルへ帰ることにした...。

で、ホテルへ戻る途中...。


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約0.5MB (15 sec.)

多分、アマミヤマシギだと思うが、なんとも動きが鈍い鳥である...。

ネットで調べたところ、ネコやマングースに捕食されたり、車に轢かれたりして数が激減しているそうだ。

環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧IB類となっている。

そんな貴重な鳥を目撃できたとはラッキーかもしれない。

前回はクロウサギを目撃できたし、島の夜はある意味とても楽しい。

ということで、おやすみなさい...。

 

・・・ 爆睡.com ・・・

 

う〜〜〜ん、おはようございます...。

カーテンの隙間を一筋の光がこじ開け、対面の真っ白な壁が眩しく光を反射している。

うを、もしかして...。

ひょ〜〜、晴れている。

これは予報大外れ!

もううかうかしてられない、さっさと着替えて、外へ飛び出した。

灯火セットをMさんに返却し(今回もありがとうございました!)、いざ未知の林道へ...。

今回はいわゆる有名ポイントではなく、自分で当たりを付けた林道へ入り、デカのように地道な探索をしたいと思っている。

これまで何回かいろいろ試してみたが、島のポイントと言うものは非常にその寿命が短いようで、あっという間に廃れてしまう気がする。

まあ、梅雨が明けてからの連日の酷暑を考えれば当然かも知れない。

したがって、自分で歩き回って探したほうが良いポイントに出くわす可能性が結局高いのではないかと思っている。

アテが外れれば貧果(最悪ヌル)に終わるリスクもあるが、それが本来の採集活動と言うものだろう。

一発勝負の採集旅行なら情報に頼らざるを得ない面もあるが、定期的に行く場所であれば、なるべく自分でポイントを探すようにしていきたい。

さて、適当に道を折れ、山の方へ車を走らせる。


ひょ〜! いい天気!

日向では朝というのに汗ばむほど暖かい。

こういう状況を何度待ち焦がれたことか...。

っしゃ〜〜、行くぞ〜〜。

しばらく行くと林道の入り口が見つかったので、入ってみようと思う。


シワハムシダマシ [ Anisostira rugipennis (Lewis,1896) ]

車の窓にハムシダマシが...、私を歓迎してくれているのか...。

採集準備を整え、やや緩い傾斜の林道へ突入...。

すぐにブヨが飛んできたため、ムシ除けを体に振り撒く。

蚊はそれでも刺してくることがあるが、ブヨは案外軟弱モノで、ムシ除けに含まれるディート程度で大抵は忌避可能だ。

まあ、ブヨが飛んでくるということはそれなりに湿度もあるということだろう。

良い徴候かも知れない。

で、何回目かのカーブに差しかかった際、独特の香りが漂ってきた。

少し行くと、予想通りシイの花が満開であった。


シイ@満開@ほぼピーカン@ムシがブンブン@それを見上げる るどるふは男泣き...

ああああ、生きていて良かった...。

やっとこのようなシチュエーションの場に立つことができた...。

早速スイープしてみよう。

久しぶりのスイーピングで手がブルブル震える...。

シャキっと全部の段を伸ばし、日当たりの良い場所から掬いにかかる。

花房にネットをかける瞬間にたくさんのムシが飛散していく。

おおおお、これは期待が持てそうだ。

ネットの中が程よく真っ黒になった段階でたぐり寄せてみる。

さあ、何が入っているのだろうか...。

どっへ〜〜〜。

ネットの中はムシだらけ...。

もうどれから採っていいかわからない...。

大半はハチ、アブ、クモ、コガネムシだが、カミキリムシも入っているようだ。

まずは一番最初に目に入った赤いやつ...。


カサハラツヤケシハナカミキリ [ Anastrangalia kasaharai Makihara,2002 ]


オオシマトラフコガネ [ Paratrichius duplicatus duplicatus (Lewis,1895) ]

以下、列挙する。


アマミアオハムシダマシ [ Arthromacra amamiana Nakane,1963 ]


アマミミドリカッコウムシ [ Stenocallimerus prasinatusa (Lewis,1896) ]


ウメノカミキリモドキ [ Xanthochroa umenoi umenoi Kono,1937 ]

他にも何種か採集できたが、後ほど紹介する種と重なるため、後ほど...。

うおおおおおおお!

こんなにムシの姿を見たのは一体何ヶ月ぶりだろうか...。

もう感動の涙で前を見ることができない。

「そんな、何を大げさな」

そう思われる方も多いかと思うが、これまでの悲惨な状況を考えると、男泣きを禁じ得ないのである。

さて、じっくり林縁を攻めていくぞ。

樹種にかかわらず、とにかく手を出して島での採集感覚を自分の血と肉にしていかねば...。

ゆっくり歩きながら両サイドを叩いていく。


林道...


オオシマコメツキモドキ [ Tetralanguria oshimana (Miwa,1936) ]


タイワンツヤコメツキモドキ [ Caenolanguria insularis Miwa et Chujo,1937 ]


シワハムシダマシ [ Anisostira rugipennis (Lewis,1896) ]


ヒョウタンキマワリ [ Eucrossoscelis broscosomoides Nakane, 1963 ]


オキナワトビサルハムシ [ Trichochrysea japana okinawana Nakane,1956 ]


セアカケブカサルハムシ [ Lypesthes fulvus (Baly,1878) ]


オキナワクワゾウムシ [ Episomus mori Kono,1928 ]

カミキリムシは落ちてこなかったが、小さな甲虫類はそれなりに採集することができた。

入り口からかなり入り込んでしまったため、適当な場所でUターン。

一度車へ戻り、他の林道を探してみる。

しばらく走っていると、再び林道の入り口を発見。

今度はここを攻めてみる。


林縁にはヘゴ類が多く、気分は亜熱帯...

少し歩いたところで、地面を飛び交う甲虫が視界に入る。

おおお、ハンミョウだな。


アマミハンミョウ [ Cicindela ferriei Fleutiaux,1894 ]

相変わらずキレイなハンミョウである。

かなりすばしっこいが、地面に着地した際に上からネットを被せると採りやすい。

で、ホウロクイチゴには比較的多数のルリナカボソタマムシがついており、これはラッキーであった。

そして...、


オオシマウスアヤカミキリ [ Bumetopia oshimana oshiamana Breuning,1939 ]

ダニにやられてげんなりしている...。

初めてススキの叩き網で採ることができた。

さらに先へ行くと...、


あちゃ〜〜、行き止まり...

ということで、敢え無くUターン...。


クロウサギの落とし物...

ふ〜〜ん、こんな場所にも出現するのね。

糞の量からはけっこう長い時間いたように思える。

アスファルト上のためか、糞虫などの姿はなかった。

ということで、車で移動。

おや、アカメガシワが咲いているのかな?


うお〜〜、咲いている...


ムシもいる...

林道のアカメガシワはまだつぼみであったが、平地では開花が進んでいるようだ。

これはチェックしておかねば...。

ネットを取り出し、スイープを開始。

う〜〜む、何か入っているぞ!


リュウキュウアメイロカミキリ [ Stenodryas clavigera insularis Yokoyama,1966 ]

っしゃ〜〜!

初採集種!

これ採りたかったんだ。

その後のスイープでもそこそこ採ることができ、大満足。


この方たちも...

ビミョーに斑紋の違いがあって興味深い。

♀は少ないのか、1頭も採れなかったのが残念。

で、近くに咲いていたセリ科の花にはカミキリモドキが群れていた。


オキナワキムネカミキリモドキ [ Oedemeronia testaceithorax okinawana (Kono,1937) ]

腿節のモモブト感、私が写り込むほどのメタリック感が強烈で、とてもナイス。

そして、ソダ関係を発見。


シイかな...

比較的時間の経過したパリパリ系だが、念のため叩いてみる。

ダメかなぁ?


シマトゲバカミキリ [ Rondibilis insularis (Hayashi,1963) ]


オオシマヤハズカミキリ [ Uraecha oshimana Breuning,1954 ]


サメハダキコメツキ [ Xanthopenthes granulipennis (Miwa,1929) ]


アカモンカクケシキスイ [ Pocadites chujoi Hisamatsu,1959 ]

シマトゲバはとても嬉しいし、オオシマヤハズなどの大型フトカミキリの登場も心が踊る。

他、ヒメサビキコリ、既採集のコメツキ数種。

あと、下の写真のような白い花を掬ってみたが、甲虫はまったく採れなかった...。


ヤマビワ(←ご教示いただきました、ありがとうございます)

美味しそうなんだけどねぇ...。

ということで、タイムアップ。

う〜〜ん、時間が足りない...。

まあでも、この短い時間の中ではベストに近い結果だと思う。

天候の威力を心底実感した採集であった。

清々しい気持ちで空港へ向かう。


さようなら...

今回は予想外に採集らしい採集をすることができ、本当に嬉しかった。

そして、いろいろ勉強になった。

女神様もGWでどこかへ行っていたのかな...。


島の自然に感謝しつつ、また次回...

★★★ 採集成績 ★★★

カサハラツヤケシハナカミキリ、リュウキュウアメイロカミキリ(*)、オオシマウスアヤカミキリ、リュウキュウクリイロシラホシカミキリ(*)、オオシマヤハズカミキリ、シマトゲバカミキリ(*)、リュウキュウルリボシカミキリ(*)。

*:生涯初採集...。

その他、ビミョーなムシなど。

記載日:2007.05.01

 
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