南の島の風に吹かれて 01...
へなちょこカミキリロード 2008 
 

 
2008.04.12 (Sat) 〜 2008.04.13 (Sun)
 
さて、この冬は連日のように慌ただしい日々が続き、正月以外はほとんど採集へ行けなかった...。

もちろん、例年ならば、これが大いなるストレスになっていたのだが、最近は耐性ができたのか、ムシへの興味が薄らいだのか、もしくはもうムシをやめてもいいと思っているのか、何故かムシ屋にとっての「負」の状況に違和感なく馴染んでしまっている...。

このまま採集意欲の減退、消失へと繋がっていくのであろうか...、いつもの年と明らかに異なる感覚に、正直、一抹の不安を感じてしまう時もあった...。

 

ところが、いざ春が訪れブログや掲示板などでムシ屋さん達の採集報告がなされるようになると、前頭葉にちょっとだけ生えている普段は見えない小さなアンテナがピキピキ@プルプル...。

やはり実際は単なる「冬眠」で、時期が来ると少々アナログながらも体内スイッチが自動的にオンへ向かってくれることが判った...。

まあ、それ以前に、本に「ムシ採りは一生楽しめる」なんて書いちゃったし...、その張本人が今更やめるわけにはいかないか...。

 

人として ムシと出会い

人として ムシに迷い

人として ムシに傷つき

人として ムシと別れて

それでも ムシしか 愛せない...

 

最後の一行は賛否の別れるところだが、海援隊の歌をお借りするなら、結局のところ、こんな感じなのかも...。

 

ということで、意味不明@支離滅裂になりつつ、今季の採集、こっそりとスタートでございます...。

 

 

・・・ ド寝.com ・・・

 

う〜〜ん...、うむむ、うむ〜〜、はっ...。

危うく寝坊するかと思ったが、ちゃんと起きることができた...。

実は昨晩は所用で上京されている .みゅんさんと都内で盛り上がり、けっこう酔ってしまったのであった...。

もちろん、.みゅんさんとのムシ談議が楽しかったのは言うまでもないが、行った飲み屋が東京では珍しく「鶏飯」を出す店であり、それが良かったのと、たまたま注文した「海」という鹿児島の芋焼酎がとても美味く、私好みの味に出あえたことも重なって、かなり酔いが進んでしまったというわけだ...。


海...

ということで、羽田へ...。

セキュリティゲートを越えて何気なく外を眺めていると、今日はやけにB747機が目に付く。

まあ、たまたまかも知れないが、これもあといつまでだろうか。

おそらく、来年までかな...。


B747型機は燃費が悪いため、近い将来すべて退役予定とのこと...

子供の頃から慣れ親しんだ機体であるため、見られなくなるのは寂しい気もするが、経済的には仕方のないことなのだろう...。

そのうち、海外へ行く用事があれば、話題のA380(日本の航空会社は発注していないようである...)にも乗ってみたいな。

 

・・・ 笑飛.com ・・・

 

ちなみに、機内では、ある有名人が隣の座席で驚いた...。

で、無事に着陸。

いつもの通りレンタカーを借り、FMトランスミッタで iPodを繋いで、いざスタート。

現地の天気は曇り。

具体的にはちょっと前まで雨が降っていたが、すでに止んで路面が乾き始めているような状況である。

気温は体感で20度は超えていて、非常に暖かい。

窓を全開にしてアクセルを踏み続ける。

窓から渦を巻いて吹き込む風が心地よい。

で、ある山道にさしかかった際、シイの花の香りが穏やかな風に乗って漂ってきた。

おおお、もうシイの開花時期なんだな。

車を停めて周囲を見渡すと、真黄色になっているシイの樹冠部があちこちに見えた。

ちょっとだけ掬ってみるか。

ここでフェイス・オフ。

孫悟空の如意棒のごとくシャキっとシャフトを伸ばし、黄色いたわわな花房へネットをかけていく。

おおおお!

ネットが枝を揺らした瞬間、様々なムシが四方八方へ飛散する。

虫影は濃い。

何だか、一気にシーズンインした感覚だ。

ネットの中がそれなりに黒くなった時点で回収...。

シイの花の独特な香りが充満したネットを覗いてみると...。


リュウキュウアメイロカミキリ [ Stenodryas clavigera insularis Yokoyama,1966 ]

っしゃ〜!

今季初のカミキリムシだ。

さらには小型のハナムグリも多数入っていたので、少し確保しておく。


アオヒメハナムグリ(原名亜種)
[ Gametis forticula forticula (Janson,1881) ]

で、スイープをさらに続ける...。

数スイープした後、ネットの中を確認すると、再び長い触角のムシを発見。

わ〜〜お、アイツかな。


リュウキュウクリイロシラホシカミキリ
[ Nanohammus oshimanus Breuning et Ohbayashi,1964 ]

っしゃ〜!

昨年は黒化した個体を採集したが、このような栗色の個体は初なので嬉しい。

以前はタイワンクリイロシラホシと呼ばれていたが、台湾産とは形態差があるためリュウキュウ〜という独立種になったようである。

一応、上記2種のカミキリムシの標本写真も撮影したので、載せておく。


リュウキュウアメイロカミキリ
[ Stenodryas clavigera insularis Yokoyama,1966 ]


リュウキュウクリイロシラホシカミキリ
[ Nanohammus oshimanus Breuning et Ohbayashi,1964 ]

時間もあまりないので、花掬いは適当なところでやめて、付近を偵察してみる。

すると、少し歩いたところにそこそこの物件を発見した。


こりゃいるっしょ!

叩き網を取りに車へ往復ダッシュ...。

痛快に息が切れるなか、まずは表面に何かいないかをルッキング...。

ふ〜〜む、何もいないようだ...。

ということで、各枝のビートを開始...。

メン、タン、ピン、メン、タン、ピン...。

あれ?

もう一回、メン、タン、ピン、メン、タン、ピン...。

あれれ?

何も落ちないぞ...。


こっちは?

メン、タン、ピン、メン、タン、ピン...。

うっへ〜〜〜、何もいない...。

あちゃ〜〜、ここでプチタイムリミット...。

第一ピリオドの終了である。

 

・・・ いろいろ.com ・・・

 

さてさて、第2ピリオドの開始だ...。

今晩は今季初の灯火採集をやる予定である。

ということで、海沿いに車を走らせる。


重たそうな空...

空は一面の雲に覆われており、どんよりとしているが、その分湿度は十分保たれており良い感じだ。

気温も日中より幾分下がってはいるが、辛うじて半袖でも過ごせる程度で、条件的には総じて何かしらのムシは飛来しそうな予感がする。

ばびゅ〜〜んと林道を越えたところで車を停めた。

日没が間近に迫っているため、「一人流れ作業」で首尾よく灯火セットを設営していく。

瞬く間にセッティングが完了、まさに黄昏時、山間に威勢の良いエンジン音がコダマした。


ライト・オン...

バラストレス球のため、妖艶な青い光ではないものの、ぼや〜〜っと周囲の斜面が照らされていく光景はいつもながら幻想的である...。

点灯して15分ぐらい経ったところで、どっぷりと日が暮れた...。

ぎりぎりセーフ...。

さらにその15分後ぐらいから、水銀灯周辺にムシが増え始めた。


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約4.1MB (12 sec.)

基本的にはガ、ガガンボ、ハチがほとんどであるが、甲虫も数分おきぐらいに飛来している。

ゴミムシ、シデムシ、コガネ、コメツキ、ホタル、ハムシ、ゾウムシなど、メンバー的にはオーソドックスな種類ばかりであるが、何しろ今季初なので、何が飛来しても嬉しい。

甲虫が飛んでくるたびに、 さかなクンのような声を上げながら捕獲していく...。

さかなクンは「ギョギョ!(魚・魚)」なので、差し詰め「チュチュ!(虫・虫)」って感じかな...。

まあ、とにかく楽しい。


クビアカモリヒラタゴミムシ
[ Colpodes rubriolus Bates,1883 ]


カンショコガネ sp.
[ Apogonia sp. ]


オオダンダラチビタマムシ
[ Trachys dilaticeps Gebhardt,1928 ]


アマミヒゲコメツキ
[ Pectocera amamiinsulana Nakane,1957 ]


アマミオオクシコメツキ
[ Melanotus amamiensis amamiensis Ohira,1967 ]


アカミナミボタル
[ Drilaster bicolor M.Sato,1968 ]


アマミアオハムシダマシ
[ Arthromacra amamiana (Nakane,1963) ]


ヒゲブトハムシダマシ
[ Luprops orientalis (Motschulsky,1868) ]


アザミナガツツハムシ
[ Smaragdina quadratomaculata (Jacoby,1896) ]


オキナワトビサルハムシ
[ Trichochrysea japana okinawana Nakane,1956 ]


オオカシワクチブトゾウムシ
[ Myllocerus neglectus Voss,1971 ]


シロアナアキゾウムシ
[ Hesychobius vossi (Chujo,1959) ]

甲虫は以上のような感じである...。

この中では、シロアナアキゾウにちょっと萌えかな...。

ちなみに、ちゃんとカミキリムシも飛来した。


リュウキュウアメイロカミキリ [ Stenodryas clavigera insularis Yokoyama,1966 ]

先ほど採集した種類だが、記念すべき今季の初灯火、初採集種ということになる...。

飛来してくれてありがとう...。

 

それはそうと、先ほどから直ぐ目の前のリュウキュウマツの枝先に「リュウキュウコノハズク」がとまっていて、何かのタイミングで反対側のリュウキュウマツの枝に飛び移る、という行動を繰り返しているのが気になっている。

私が「ホホ、ホホ、ホホ」と口笛を吹いても、まったくのノーリアクションである...。

こっちも山の中で独りぼっちなのだから、相手をしてくれてもイイだろうに...。

ともあれ、ヤツは2本のリュウキュウマツの間を行ったり来たりしながら、ず〜〜っと私から目を離さず、まるで監視しているかのようなのである...。

そんな中、白幕の前を1頭の黄色い美しいガがハタハタと舞っているのが見えた。

おお、これはハグルマヤママユではないか!

原則、チョウやガは苦手なのだが、これは滅多にないチャンスなので、誰かに差し上げるためにも捕獲しておかねば...。

ということで、ネットを取りに行こうと数歩 歩いた瞬間...。

バサっという小さな音が聴こえたと同時に、私の目の前を何かがものすごいスピードでかすめ飛び、足下を飛んでいたハグルマヤママユを一撃でかっさらっていってしまった...。

うひ〜〜〜。

対面のリュウキュウマツでは、美味そうにハグルマヤママユをくわえたリュウキュウコノハズクがこっちを向いて止っているのが確認できた...。

そうか、ヤツは灯火に飛んでくるエサを狙っていたんだな...。

頭いいなぁ...。

というか、止っていたリュウキュウマツからガの位置までは水平距離、高低差ともに 15メートルほどで、そこから急降下した後、地面スレスレの水平飛行をしつつ獲物をゲットし、さらにそこから急上昇して対側のリュウキュウマツに止るというのだから、鳥、おそるべし...。

オレはできない...。

ということで、ムシの飛来も一段落したと判断。

セットを撤収して宿へ戻ることに...。

宿の部屋に入った瞬間、強烈な睡魔に襲われ、急いでシャワーを浴び、そのまま爆睡へ...。

 

・・・ ド寝.com ・・・

 

う〜〜む、何だか外がうるさいぞ...。

窓の外を見てみると、なんと雨...。

あちゃ〜。

昨晩の天気予報では、午前中は曇りだったのに...。


うひ〜〜...


まあ、天気ばかりはしょうがない...

ということで、空港までひたすらドライブし、また次回...。

 

なんだかんだと、なし崩し的に口火を切ってしまった今シーズン。

果たしてムシ達との素晴らしい出会いがどれだけあるのだろうか...。

しばし夢を見ながらその時を待つとしよう...。

 

★★★ 成 果 ★★★

リュウキュウアメイロカミキリ、リュウキュウクリイロシラホシカミキリ。

クビアカモリヒラタゴミムシ、アオヒメハナムグリ、オオダンダラチビタマムシ、アマミヒゲコメツキ、アマミオオクシコメツキ、アカミナミボタル、ヒゲブトハムシダマシ、アマミアオハムシダマシ、アザミナガツツハムシ、オキナワトビサルハムシ、オオカシワクチブトゾウムシ、シロアナアキゾウムシなど。

*コメツキムシの同定には、コメツキ屋の皆さまより助言をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

その他、ビミョーなムシなど。

記載日:2008.04.15

 
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