南の島の風に吹かれて 02...
へなちょこカミキリロード 2008 
 

 
2008.05.10 (Sat) 〜 2008.05.11 (Sun)
 
「燃え尽きて灰になる...」

昨年はまさに気合いばかりが先行して空回りし、最終的には本当に「灰」のようになってしまった...。

今季はそのようなことがないよう、精神衛生的に気をつけていこうと思う...。

「萌え過ぎて high になる...」

まあ、こんな感じになればいいかな...。

 

ということで、今月も島を訪問する週がやってきた...。

が、現地はそろそろ梅雨の走りに入り、さらにはフィリピン近くを台風が北上しているそうである...。

今回もダメかなぁ...。

この時期は例年雨に見舞われることが多いので、あまり良い思い出もない...。

過度な期待はやめておこう...。

そもそも、台風との関係で、行けはすれど予定通り帰ってこれないこともあり得るのだ...。

帰ってこれないのはイヤだなぁ...、魔琴さんの言う「ダークゾーン」だよね...。

「ダークゾーン」、これまでそういう類いのトラブルに巻き込まれた経験があまり無く(路肩に車を落としたことぐらい? →  )、何とな〜〜くサラっとここまで来てしまっているので、実は私も書いてみたかったりする...。

まあ、当事者はそれどころじゃないんだろうけど...。

ただ、のっぺり何事も無いよりは、起伏に富んだ波乱万丈なケースの方が、後から振り返ると面白かったりするのかなぁとは常々思う...。

というわけで、天気予報をもう一度しっかり見てみる...。

天気図的には確かに台風は来ているものの「そんなに大騒ぎすんなよ!」的なニュアンスしか感じられず、航空会社のHPでも特にアナウンスがされていなかったため、とりあえず飛行機に飛び乗ってしまった...。

翌日急転する可能性もないわけではないが、最悪「ダークゾーン」も来るなら来い...。

 

・・・ 笑飛.com ・・・

 

で、島に着いてみると、雨は降っておらず、というか今さっきまで降っていたようで、どんよりとした曇り...。

正確な気温は覚えていないが、けっこう蒸し暑い...。

ただ、うかつに叩き網を出せないほど、びゅーびゅーと強い風が吹き、あまりムシ採りには向いていない条件である...。

まあ、道すがら良さそうな物件があればチョイ見していくとしよう...。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 

途中、所々で雨が降ったり止んだり...。

これは離島によくあるパターンで、低空を小規模な雨雲が速い速度で次々に通過するため、こんな感じの天気となる...。

極端な場合は「100m先はピーカンで、こちらは大雨...」または「100m先は大雨で、こちらはピーカン...」、これが短い時間で繰り返されることもある。

通常、雨は採集に向かないが、このようなパターンは逆にメリハリがあって、ムシ採りにはプラスの影響を及ぼすことが多いので、もし良好なポイントに陣取っている場合は粘ると良いかもしれない。

さて、何も良い物件を見つけられないまま、かなりの距離を走ってしまった...。

ここまで走って得られた情報としては、先月は掬い頃であったシイの花は終わり、アカメガシワが美味しそう...、こんな程度だ...。

「別件タイム」も近づいてきたので、前回見つけた見掛け倒しの物件をチョイ見だけしておこうか...。

ということで、そのポイントに到着。

前回は青々としていた粗朶が、今回はちょうど良い感じに枯れてきていて、実はムシがいそうな雰囲気が漂っている。

早速、多々気にかかる、じゃなくて叩きにかかる...。

置いてある材の樹種は、分る範囲でリュウキュウマツ、シイ、タブなどである。

しかし、材はしっかり湿っており、雨が降る前からそこに留まっている種類ぐらいしか狙えない感じだ...。

ボロボロのシイの枯れ葉を叩いた際、何かが転がり落ちた...。


オオシマヤハズカミキリ [ Uraecha oshimana Breuning,1954 ]

お久しぶりでございます...。

これはイケるかな、と残りの材を次々叩いていくも、なんと、この1頭で打ち止めであった...。

ショボ...。

やはり、見掛け倒しの物件であった...。

というか、この島、ムシ少ないよね...。

 

・・・ いろいろ.com ・・・

 

ということで、第2ピリオドの開始である。

幸い雨も降っておらず、予報では快方へ向かうとのことだ。

今晩のポイントへ向かう途中、適宜寄り道をして、新たな物件を探していこうと思う。


てれ〜〜っと、海岸沿いを車で流す...

しばらく行くと小伐採地があり、近所に材が小高く積み上げられているのを発見。


まあまあ?

海の近くであまり期待はできそうにないが、とりあえずチェックしておく。

先ほど「そう言えば、昨日ハブに咬まれた人がいた」という話を聞いて若干ビビリつつも、奥の方までズンズン入っていく...。


ぬ〜〜ん...

ふわ〜〜と、針葉樹独特のフィトンチッド様の香りが周囲に充満している。

刈って間もない材のようだ。

中腰になりながら、材の隅々まで入念に視線を配っていると、右下の方でカリカリっという小さな音がする...。


うおお、デカっ...


オオゾウムシ
[ Sipalinus gigas (Fabricius,1775) ]

島では初めて採集するが、図鑑の分布が「日本全土」っていう表現になっているところがスゴイ...。

まあ、確かにあちこちで見かけるし、どこにでも生息しているということなのだろう...。

で、追加のムシを探してぐる〜〜っと10週ぐらいしてみるも、結局、オオゾウ1頭のみであった...。

あまり期待しないでいたが、正解であった...。

ということで、次へ...。

おや、あれはどう?


量は少ないが、そこそこ新しそう...

いきなり叩かず、まずはルッキング...。

おおお!


いた...


いた...


ウスフタモンサビカミキリ [ Ropica nobuoi Breuning et Ohbayashi,1964 ]

ということで、ビート...。

タン、タン、タタタン...。


フタホシサビカミキリ [ Ropica honesta Pascoe,1865 ]


ワモンサビカミキリ [ Pterolophia annulata (Chevrolat,1845) ]


アトモンチビカミキリ [ Sybra oshimana Breuning,1958 ]

ふむむ〜〜、いつものロピカ、シブラ、プテロの御三家だが、こんなちょびっとの粗朶にこれだけいるなんて...。

この島のムシ事情は奥が深いかも...。

よし次に行こう、と車へ戻る途中、シャツに何かが止っているのに気がついた...。


シマトゲバカミキリ [ Rondibilis insularis (Hayashi,1963) ]

おおお、ラッキ〜。

総じてムシが少ないものの、先月よりは明らかに増えており、いよいよ島も本格的なシーズンに向かいつつあるようだ。

さてさて、さらに先へ行こう...。

またしばらく走っていると、とある建物の隣に美味しそうな花を付けたアカメガシワの群落を見つけた。

ムシの飛影も見え、これは掬っておきたいところである。

早速、ネットを取り出し、順次スイープしていく...。

おおお、何か入っているぞ。


うむ...


うむむ...


アオヒメハナムグリ(原名亜種)
[ Gametis forticula forticula (Janson,1881) ]


オオシマヒラタハナムグリ
[ Charitovalgus laetus (Arrow,1913) ]

以上...。

これまたショボ...。

ということで、寄り道採集はここまで...。

灯火セットを設営しに行く...。

日没まではまだしばらくあるので、灯火ポイント周囲を探索してみる。

見たいところを見、掬いたいところを掬い、叩きたいところを叩く。


アマミヒメヒゲナガカミキリ [ Monochamus masaoi Kusama et Takakuwa,1984 ]


???


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約13.4MB (25 sec.)


アマミアカハネムシ
[ Pseudopyrochroa amamiana Nakane,1988 ]

で、あっという間に日没を迎え、ライトオン...。


さて、何が来るか...

今日は雨が降ったり止んだりで、湿度が保たれている分、ムシの出だしは好調のようだ。

次から次へとムシが飛んでくる...。

コガネムシ、コメツキムシなどを摘みながら、幕の裏面へ回ってみる。

すると、普段お目にかからない独特のシルエットが視界に入った...。


おおお、初採集...

なんと、アマミネブトクワガタであった...。

この島はクワガタでも有名なようだが、灯火にあまり飛来することはないので、小さい個体ながら新鮮であった。

これまでを振り返っても、ヒラタ、ノコ(いずれも極小サイズ)ぐらいしか見たことがない。

以下にこの晩に飛来したムシの一部を列挙する...。

ひたすらスクロール...。


ムナビロアトボシアオゴミムシ
[ Chlaenius tetragonoderus Chaudoir,1876 ]


シラキマメゴモクムシ
[ Stenolophus shirakiia Habu,1973 ]


アマミネブトクワガタ
[ Aegus laevicollis taurulus Didier,1928 ]


オオシマビロウドコガネ
[ Maladera oshimana oshimana Nomura,1962 ]


カンショコガネ sp.
[ Apogonia sp. ]


カンショコガネ sp.
[ Apogonia sp. ]


ミゾムネヒメサビキコリ
[ Agrypnus yuppe (Kishii,1964) ]


サメハダキコメツキ
[ Xanthopenthes granulipennis (Miwa,1929) ]


オオフタモンウバタマコメツキ
[ Paracalais larvatus larvatus (Candeze,1874) ]


アマミクシコメツキ
[ Melanotus legatus takahashii Kishii,1974 ]


イカリハナボタル
[ Plateros ikarianus Nakane,1961 ]


アマミクロミナミボタル
[ Drilaster shibatai M.Sato,1968 ]


フタイロカミキリモドキ
[ Oedemeronia sexualis (Marseul,1876) ]


オキナワイチモンジハムシ
[ Morphosphaera coerulea perelegans Schonfeldt,1890 ]

他にはダイミョウツブゴミムシ、アマミヒゲコメツキ、アマミアオハムシダマシぐらいか...。

先月より、バリエーションは豊富となったが、まあこの時期のいつもメンバーが中心という感じである...。

ちなみにカミキリムシは、リュウキュウヒメクロトラカミキリ1頭のみであった...。

ということで、この晩は早めに撤退することとした。

で、セットを撤収した直後から雨足が強まり、ベストのタイミングだったかも...。

 

・・・ 笑眠.com ・・・

 

おはようございます...。

まずは、朝食をとりながら、本日の天気予報を確認。

ふ〜〜む、お日様のマークが並んでいるではないか。

今日は楽しい思いができるかな...、ということで出発...。

適当なところで山に入り、徐々に標高を上げる。

途中、感じの良い物件があれば、適宜叩き、適宜掬うという、いつも通りのやり方で行く予定だ。


この辺りは雰囲気が良さそう...


道路沿いのアカメガシワの花は八分咲き程度...

林縁の小伐採などもあり、何らかのムシはいそうだ。

まずは、ハブ様が怖いが、小伐採地の斜面を下っていく...。

とりあえず、無事に一番下まで到着...。


川沿いのシマオオタニワタリ...

川沿いとはいえ、伐採されて開かれているので、明るく良い感じである。

ハブ様に気をつけながら無造作に置かれている粗朶を叩いていく。

おお、カミキリだ...。


多分、シマトゲバカミキリ [ Rondibilis insularis (Hayashi,1963) ]

この1頭を皮切りに、甲虫類がポロポロ落ちてきた...。


オオシマハネナシサビカミキリ [ Pterolophia oshimana Breuning,1955 ]


オオシマウスアヤカミキリ [ Bumetopia oshimana ohshimana Breuning,1939 ]


オオシマヤハズカミキリ [ Uraecha oshimana Breuning,1954 ]


名前は後ほど...

その他モロモロは下に...。

一層のスクロールを...。


アマミヒメサビキコリ
[ Agrypnus amamianus (Kishii,1974) ]


タイワンツヤコメツキモドキ
[ Caenolanguria insularis Miwa et Chujo,1937 ]


トカラダンダラカッコウムシ
[ Stigmatium igai Nakane,1963 ]


ケブカクロハムシダマシ
[ Lagria notabilis Lewis,1896 ]


ウスイロクチキムシ
[ Allecula simiola Lewis,189 ]


ムラサキズビロキマワリモドキ
[ Gnesis helopioides purpurascens (Nakane,1968) ]


アマミアオジョウカイ
[ Themus kazuois N.Ohbayashi et M.Sato,1968 ]


アマミエダヒゲナガハナノミ
[ Epilichas flabellatus amamianus Nakane,1963 ]


リュウキュウヒメカミキリ
[ Ceresium fuscum fuscum Matsumura et Matsushita,1932 ]


アマミアヤモンチビカミキリ
[ Sybra ordinata subtesselata Breuning,1960 ]


オオシマハネナシサビカミキリ
[ Pterolophia oshimana Breuning,1955 ]


オキナワトビサルハムシ
[ Trichochrysea japana okinawana Nakane,1956 ]


セアカケブカサルハムシ
[ Lypesthes fulvus (Baly,1878) ]


ドウイロムナゲサルハムシ
[ Basilepta uenoi Nakane,1958 ]

ということで、一通り叩いたので、一端、車に戻り水分補給...。

気分を換えて花を掬う...。

で、採れたムシは下に...。


オオシマオオトラフハナムグリ
[ Paratrichius duplicatus duplicatus (Lewis,1895) ]


キイロアシナガコガネ
[ Ectinohoplia gracilipes (Lewis,1895) ]


アマミムネアカコメツキ
[ Ampedus amamiensis Ohira,1968 ]


ヤマザキヒラアシハナコメツキ
[ Cardiotarsus pallidipes yamazakii Ohira,1968 ]


サカグチクチブトゾウムシ
[ Oedophrys sakaguchii (Kono,1930) ]

さらに、足下のホウロクイチゴには...。


美しい...


ルリナカボソタマムシ
[ Coroebus niponicus niponicus Lewis,1894 ]

ちなみに、もう少し時期をずらすと、アカメガシワにミドリナカボソが出てくる。

他、リュウキュウアメイロカミキリ、リュウキュウヒメクロトラカミキリ、極小ゾウムシ数種という感じである...。

さてさて、そろそろタイムアップの時間が近づいてきたので、名残惜しいが、一路、空港を目指すこととした...。


申し合わせたかのように雨が...

ふえ〜〜、やめやめ、帰ろう...。

しかし、海沿いに出たら晴れに...。


島の天気は変わりやすい...


ふぅ〜〜、間に合った...

 

上記のように、今回はあまり成果を期待しなかったが、実際にはバリエーションに富んだ採集ができ、充実した採集行であったと思う...。

島の自然に感謝したい。

ということで、また次回...。

 

今回もお世話になった皆さまには、この場を借りて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

★★★ 成 果 ★★★

リュウキュウヒメカミキリ、リュウキュウアメイロカミキリ、リュウキュウヒメクロトラカミキリ、オオシマヤハズカミキリ、アマミヒメヒゲナガカミキリ、シマトゲバカミキリ、オオシマウスアヤカミキリ、ワモンサビカミキリ、オオシマハネナシサビカミキリ、フタホシサビカミキリ、ウスフタモンサビカミキリ、アマミアヤモンチビカミキリ、アトモンチビカミキリ。

ムナビロアトボシアオゴミムシ、シラキマメゴモクムシ、ダイミョウツブゴミムシ、オオシマオオトラフハナムグリ、アオヒメハナムグリ、キイロアシナガコガネ、オオシマヒラタハナムグリ、カンショコガネ sp.、オオシマビロウドコガネ、ルリナカボソタマムシ、アマミヒメサビキコリ、ミゾムネヒメサビキコリ、アマミヒゲコメツキ、アマミムネアカコメツキ 、サメハダキコメツキ、オオフタモンウバタマコメツキ、ヤマザキヒラアシハナコメツキ、アマミクシコメツキ、タイワンツヤコメツキモドキ、トカラダンダラカッコウムシ、イカリハナボタル、アマミクロミナミボタル、アマミアカハネムシ、ケブカクロハムシダマシ、アマミアオハムシダマシ、シワハムシダマシ、ウスイロクチキムシ、アマミアオジョウカイ、フタイロカミキリモドキ、アマミエダヒゲナガハナノミ、オキナワトビサルハムシ、セアカケブカサルハムシ、ドウイロムナゲサルハムシ、オキナワイチモンジハムシ、サカグチクチブトゾウムシ、オオゾウムシなど。

*コメツキムシの同定には、今回もコメツキ屋の皆さまより助言をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

その他、ビミョーなムシなど。

記載日:2008.05.13

 
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