南の島の風に吹かれて... 特別編
へなちょこカミキリロード 2008 
 

 
2008.06.07 (Sat) 〜 2008.06.10 (Tue)
 
ということで、続き...。

いつもながらシロート全開のへなちょこでショボイ内容ですが、興味のある方はどうぞご覧ください...。

 


 

まずは島内の様子を確認するため、主立ったポイントを順に回っていくこととしよう...。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 

それにしても暑い...。

このままローストされてしまいそうだ...。

メーターに表示されている外気温は、なんと34℃...。

車内にいて冷房をガンガンかけていても、突き刺さるような陽射しがジリジリと肌を痛めつけ、ちっとも涼しくない...。

念のため、天気予報をチェックしてみると、この数日間は「梅雨の晴れ間」が続くようで、傘マークが1つもないうえに、最高気温は軒並み30℃以上...。

もちろん、梅雨時のムシ採りでこれだけの好条件はないわけで、大いに喜ぶべきことなのだとは思うが、島に着いてほんの10分程度で、この猛暑にメマイがしてきた...。

一応、島仕様として野球帽は持ってきているものの、まったく役に立っていないようである...。

まさに灼熱、逆に採集に向いていないのではないかと不安になるほどだ...。

今後のことも考え、スーパーに行ってツバの大きな麦わら帽子でも売っていないか聞いてみることにした...。

すると、あるある、やはりこの島では必需品と思われ、いくつかのタイプがちゃんと置いてあった。

一番ツバの大きな麦わら帽子と2Lサイズのお茶などを数本まとめ買いしてリスタート...。

試しに帽子をちょっとかぶってみたところ、車の乗り降りに多少邪魔になる程度で、本来の用途である日よけには絶大な効果を発揮しそうである...。

ちなみに700円とかなり安い。

途中、サトウキビ農家の方にもインタビューしてみたが、やはり麦わら帽子が一番良いとのことであった。


今日から数日間はこのスタイルで通します...

しばらく車を流していると、道路脇にソダが少し置いてあるのが目に入った。

とりあえずは、ここから始めようか...。


枯れ方はちょうど良い感じ...

荷物から叩き網を取り出し、ゆっくり、でも何が落ちるかドキドキしながら組み立てて、そ〜〜〜っとソダの下にあてがう。

で、恐る恐る叩いてみると...。


うわ〜〜

とりあえず、ぱっと見は「シブロッピ〜」がメインかな...。

「ダニライド」なヤツもいるな...。


ハヤシサビカミキリ
[ Ropica loochooana hayashii Breuning,1958 ]

ん!

これはヤエヤマアヤモンチビかな?


ちょっと違う?


多分、そうだと思うのだが...


ススキハネナシチビカミキリ
[ Sybra miscanthivola Makihara,1977 ]

後の同定にて、本種と判明...。

遅まきながら、っしゃ〜〜!

なんとラッキーなことに、ファーストコンタクトで採れてしまった...。

で...。


ヨナグニウスアヤカミキリ
[ Bumetopia sakishimana yonaguni Hayashi,1966 ]

うい〜〜、幸先良いぞ〜〜、ということで、先へ行く...。

比較的急な坂にさしかかると、いきなり車のスピードが鈍りだした...。

マズイ、止る...。

アクセルはベタ踏み@全開、ギヤを落として、さらに「登れ!」と念じる...。

突然、ぶい〜〜んと大きな音を上げて、なんとか登りだした...。

ひえ〜〜、この程度の坂も登れないのか...。

この先が思いやられるが、予想以上にこの島は起伏に富んでおり、坂が多い...。

ということで、若干の不安要素を抱えながら、とある林道に到着...。

車の外へ出た途端、容赦ない「激夏」の陽射しが降り注ぐ...。

「ぅあっちぃ〜〜〜〜!」

ネットと叩き網を持って、林縁をチェックしてみることにした。

どこもかしこも猛烈な暑さとなっており、成果はあまり期待できそうにないが、ちょとした日陰やブッシュの絡まったところにはムシが隠れているかもしれない。

すると、目の前を横切るオレンジ色の甲虫が....。

叩き網でキャッチ...。

おおおお!


ヨナグニキボシカミキリ
[ Psacothea hilaris yonaguniana Ohbayashi et N.Ohbayashi,1956 ]

この島では年がら年中いる「いつものやつ筆頭与力」らしいが、初採集なのでちょっと感動...。

エリトラの下が綺麗なオレンジ色なので、飛ぶととても目立つ...。

 

林縁の叩き網を開始...。

炎天下ではあるが、場所を選べばポツポツとムシが落ちてくるので嬉しい....。


サキシマアトモンチビカミキリ
[ Sybra mimogeminata Breuning et Ohbayashi,1964 ]


タテスジヒメジンガサハムシ
[ Cassida circumdata Herbst,1799 ]


オオミドリサルハムシ
[ Platycorynus japonicus japonicus Jacoby,1896 ]


アオムネスジタマムシ
[ Cassida circumdata Herbst,1799 ]


ナナフシ様

時折行き交うチョウ屋さんにいろいろ情報をお聞きしながら、さらにアチコチを叩いていく...。


景色が良い...

それにしても、この島はチョウが本当に多い、チョウ屋さんの話だと、その辺にいるのは普通種ばかりで、もはや採る気にもならないとのことであったが、多数のチョウが林縁をハタハタと乱舞する光景は本当に素晴らしく、パラダイスの1シーンにすら見えてしまう...。

どんなチョウを狙っているのか聞いてみると、いわゆる「迷蝶」で、外国から飛来するチョウがたまにいるので、それを探しているとのことであった。

話している最中も、右、左、上などチョウが近くを横切ると、眼球が追視運動しているのが分る...。

最終日あたり、私も余力ができるような状況になれば、記念にチョウも少し採って帰ろう...。


イシガケチョウ
[ Cyrestis thyodamas mabella Fruhstorfer,1898 ]


イワサキクサゼミ
[ Mogannia minuta Matsumura,1907 ]


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約9.7MB (25 sec.)

おやおや、何だか小さな花が咲いているぞ!


カミキリムシもいる!


ヨツスジトラカミキリ
[ Chlorophorus quiquefasciatus (Castelnau et, Gory,1841) ]

ハナムグリなどもそこそこ来ている。

うむむ!

これはヨツスジトラじゃないな。


イリオモテトラカミキリ
[ Chlorophorus aritai (Ohbayashi,1964) ]

エリトラの「C字紋」がヨツスジトラとは異なるのが分る...。

採集したハナムグリやカミキリモドキも載せておく。


アオヒメハナムグリ(与那国島亜種)
[ Gametis forticula yonaguniana (Nomura,1959) ]


オキナワキムネカミキリモドキ(male)
[ Oedemera testaceithorax okinawana (Kono,1937) ]

で、ここは良い感じの吹き上げとなっていて、立ち止まってじっと待っていると、様々なムシが吹き上げられてくるのが見える。

ハチ、チョウ、鳥が大半であるが、甲虫も飛んでいるようである。

ネットの届く範囲で、それらのネットインに挑戦。


タイワンナカボソタマムシ
[ Coroebus formosanus nishiyamai Akiyama,1987 ]


セスジナガキマワリ
[ Strongylium cultellatum Maklin,1864 ]


アシナガコクゾウムシ
[ Laogenia formosana Heller,1926 ]

他、アオムネスジタマムシ、ヨツスジトラ、イリオモテトラなどの既採集種もそれなりに採れた。

さて、そろそろ移動しようかと思った際、目の前のススキに不思議な生物がとまっているのを発見。

なんと、瑠璃色に輝くゴキブリのようであった。

写真に撮っておこうかと一瞬躊躇ったが、とりあえず手が出てしまった...。


ルリゴキブリの一種(未記載種)
[ Eucorydia sp. ]

普段は採集対象とはしていないが、あまりの美しさに採らずにはいられなくなる...。

十数年前にこの島で見つかったとのことであるが、今までメスは1頭も採集されていないとか(オスもそもそも少ない)、神秘的な生態を持っていそうなムシである。

ということで、移動...。

とぼとぼと車まで戻る...。

すると、来るときには何もいなかった立枯れの枝に何やらムシの影が...。


ヨナグニゴマフカミキリ
[ Mesosa yonaguni kashiwai Kusama et Takakuwa,1984 ]

一瞬、体色からサビアヤカミキリかと思ったが、ここのゴマフであった...。

これも、この後たくさん見ることになる「いつものやつ」であるが、なかなか良いゴマフである。

南の島のゴマフはどれをとっても味のある種類ばかりだ。

標本だけでなく、ぜひ生きた実物を見に行っていただきたい。

 

・・・ 移動.com ・・・

 

何となく記憶にある地名を頼りに道を折れてみる。


カメ...


ウシ@ウシ...


どこまで行ってもひたすら南国...

ざ〜〜っと見た後、適当なところまで戻って林縁の探索を開始...。

この島で採れると聞くヨツスジカミキリというのを見てみたいので、クロツグ(ヤシ)の枯れ葉を探す。


どうだろうか...

タン・タン・タタタン...。


ヨツスジカミキリ
[ Notomulciber quadrisignatus Schwarzer,1925 ]

なんと、あっけない...。

一発で落ちてきた...。

ちょうどブーメを二回りぐらい大きくしたような印象であるが、ムシ自体は名前の通り白いスジがあってカッコイイ。

落ち方も「硬直不動型」で、ブーメと同じある。

 

ルック&ビートを続ける...。

ここは生まれて初めて訪れる離島であるため、一応、来る前に「このムシはこの植物」「このムシはこの場所に多い」などの情報は一通り頭に入れてくるのであるが、この信じられない暑さ、滝のように流れる汗、メマイ感などによって、もうどうでもよくなってくる...。

ひたすら「ここは!?」と思う場所を反射的にチェックしていく。


ヨナグニゴマダラカミキリ
[ Anoplophora ryukyuensis Breuing et Ohbayashi,1964 ]


ヨナグニアカアシカタゾウムシ
[ Metapocyrtus yonagunianus (Sharp, 1889) ]


ヨスジシラホシサビカミキリ
[ Apomecyna histrio (Fabricius,1792) ]


アオアトキリゴミムシ
[ Calleida onoha Bates,1873 ]


エサキアオドウガネ
[ Anomala esakii Sawada,1950 ]

他、この島にはアオドウガネ(与那国島亜種)という似た種類がいるそうだが、エサキの方が胸板が厚いこと、ホログラム様の輝きがあることで見分けられるという...。

その後、下見を兼ねて一通り島内のポイントを回り、既採集種をかなり追加して、本日からお世話になる宿へ一度チェックインしに行く。

それにしても、この暑さ...、予想通りムシが少なくなってしまっている印象である...。

明日以降も同じ天候が続くようなら、日中の猛暑以外の時間帯が勝負となるだろう。

まあ、島に着いて直後の全てが「初」となる状況下では、そこそこ採れたと思う...。

ということで、チェックインの後、シャワーを浴びて体の芯までクールダウン...。

麦わら帽子のお陰で、顔から首にかけてはほとんど赤くなっていない...。

やはり効果は絶大だ...。

夕飯を食べて、買い物がてらちょっとその辺を散歩して、夜の採集に備えることにした。

そうそう、ここの食事はご主人が元板前さんとのことで、大変美味しい。

これぞ地元の郷土料理、そんな感じである。


もう6時を回っているが、まだまだ明るい...


目が合ったので、思わず一枚...


日没寸前...


一応、我が国で一番遅い日の入りとのこと...

南から吹いてくるちょっと涼しくなった風が風呂上がりの体に心地よい...。

 

で、こういう場所ってカップルとかが多いのかと思ったが、私を含めて、みな男一人で、各々が一定の距離を空け、イチモツある薄ら笑みを浮かべながらまったりと夕日を眺めているんだよね...。

我が国の最西端では人知れず不思議なことが起こっているようだ...。

 

さて、行ってみようか...。

 

続く...。 → 

記載日:2008.06.15

 
back | home