南の島の風に吹かれて... 特別編
へなちょこカミキリロード 2008 
 

 
2008.06.07 (Sat) 〜 2008.06.10 (Tue)
 
とりあえずは、島内で夜間灯をつけている場所を探してみようか...。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 

夜というのに気温はまだ30℃もあり、湿度も高く熱帯夜の状態...、車の窓やメガネが曇ってしょうがない...。

で、海沿い、国の施設、集落の中などでは、外灯がそれなりに灯っているが、ちょっと外れると途端に真っ暗となってしまう...。

事前情報では林道の施設にもライトがあるような話も聞いていたが、ここも故障しているのか灯っていなかった...。

ぬ〜〜〜ん、これは予想外...。

こういう場合もあるかと思って、非常用のハンディ蛍光灯は持ってきているので、どこか場所を見付けて簡易灯火をやってみるか...。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 

夜なので周囲の状況がよく分らないが、日中の記憶を元に とある場所にライトを置いてみる...。

で、15分ぐらいして、何かが飛んできた...。


ヨナグニヒメクロコガネ
[ Sophrops konishii yonaguniensis Nomura,1970 ]


リュウキュウスジコガネ(原名亜種)
[ Anomala cpustulata cpustulata Matsumura in Hirayama,1940 ]

で、後は待てど暮せど蛾が飛んでくるだけで、甲虫はX...。

月が若干明るいのもあったが、やはり相応の準備はするべきであった...。

まあ、いいか...。

ということで、帰りがけに伐採枝でワモンサビ、ケルシウム、ブーメ、ゴミダマを摘んで宿へ...。

 

・・・ ド寝.com ・・・

 

おはようございます...。

昨晩、アミノ酸をしっかり補給したお陰か、疲労感はほとんどない。

昨日買っておいたパンを食べながら車に乗り込み、気分も新たに本日もフィールドへ...。

まずは近場なポイントからチェックしていこう...。

朝もやが残る中、昨日目をつけておいたポイントを目指す...。

で、朝というのに気温は25℃ぐらいあり湿度も高い、この朝からむわっとした空気が南の島にいることを否が応にも感じさせてくれる...。

何かしらムシは採れそうな雰囲気だ。

ぶい〜〜ん...。

アクセルベタ踏みで緩い坂を登っていく...。

日陰に車を停め、2日目のフェイス・オフ...。


朝露が蒸発してモヤモヤする中、林道を進んでいく...

おお!

クワズイモの葉上に何かとまっている...。


おはようございます...


オオタニワタリ?


こりゃまたすごい折れ方...

タン・タン・タタタン...。


サキシマトゲムネカミキリ
[ Sciades sakishimanus sakishimanus (Gressitt,1951) ]


ヨナグニジュウジクロカミキリ
[ Euryclytosemia nomurai Hayashi,1963 ]


威厳ある巨木...


オオギンヤンマ
[ Anax guttatus (Burmeister,1839) ]


花も咲いている...


ご苦労様です...


ヨナグニゴマダラカミキリ
[ Anoplophora ryukyuensis Breuing et Ohbayashi,1964 ]


ホソヒョウタンゾウムシ
[ Sympiezomias cribricollis Kono,1930 ]


ヒゲナガヒメカミキリ
[ Ceresium longicorne Pic,1926 ]


サキシマヒラタクワガタ
[ Dorcus titanus sakishimanus (Nomura,1964) ]

その他モロモロは下に...。


アラメズビロキマワリモドキ
[ Gnesis magnipunctatus (M.T.Chujo,1966) ]


チャイロコナガコメツキ
[ Mulsanteus rubiginosus Ohira,1966 ]


ズアカツヤコメツキ
[ Chiagosinus okinawaensis (Miwa,1928) ]


ヒラヤマカバイロコメツキ
[ Agriotes hirayamai Miwa,1934 ]


キオビナガカッコウムシ
[ Opilo carinatus Lewis,1892 ]


リュウキュウダンダラカッコウムシ
[ Stigmatium ryukyuense Miyatake,1985 ]


ホソカッコウムシ
[ Cladiscus obeliscus Lewis,1892 ]


オキナワイモサルハムシ
[ Colasposoma auripenne (Motschulsky,1860) ]


ヨナグニアカアシカタゾウムシ
[ Metapocyrtus yonagunianus (Sharp, 1889) ]


クチカクシゾウムシの一種


クチカクシゾウムシの一種

途中、鬱蒼とした場所もかなりあったが、ハブがいない島はそれによる行動制限がないため、精神衛生的には本当に楽である...。

まあ、ホンハブのいる森を徘徊する緊張感もなかなか他では味わえないものではあるのだが...。

 

ということで、別のポイントに移動...。


視界良好...

でも、馬力ナシ...。

毎度、ぶい〜〜んというエンジンの悲鳴とともに坂を登りきる...。

下り坂はもちろん楽勝だが、ちょっとした段差で下をこすりそうになるので、これまたヒヤヒヤなんだよね...。

次回はハマーでも借りるか...。


すこぶる天気が良い...

で、ポン、ポンと有名どころのポイントを、既採集種をゲットしながら回っていく...。

そう言えば、この島名物の「延夫的大蒼米虫」と思われる大型甲虫が1頭だけ飛んでいたような気もするが、速くてとてもネットインなどできなかった...。

この種はいずれまたの機会に挑戦しよう。

 

う〜〜ん、時間軸的にこの辺りから未採集種が採れなくなってきた...。

ということは、狙い所を変える必要があるということかもしれない...。

ふと、頭上を見上げると、ガジュマルの葉に食痕がたくさんついているではないか...。


カミキリムシのようだ...

そうか、いつもの島で似たようなのを見たことがあるぞ。


イツホシシロだな...

で、食痕の主を探すべく、一枚一枚の葉をルッキングしていく...。

食痕自体は至る所に見られ、めちゃくちゃたくさんいそうな雰囲気なのであるが、どうにもムシが見つからない...。

ということで、上の方の葉をスイープしてみる。

しかしながら、これもまたなかなか入らない...。

もう時期が遅いのか...、と諦めかけた矢先、ネットの底に細長い陰影が見えた。


イツホシシロカミキリ
[ Olenecamptus bilobus nipponensis Dillon et Dillon,1948 ]

う〜〜ん、種類は正解だったけど、随分と触角が短かいなぁ...。

しばらく追加を求めて木を変え場所を変えルック&スイープを繰り返してみたが、これ以上見つかることはなかった...。

ヘンなの...。

ということで、昼食を挟んで、またまた移動...。


県道...

ふえ〜〜、何だか猛烈に暑くなってきた...。

気温は30℃ちょいなんだろうけど、舗装道路の路面近くは50℃近くあるに違いない...。


暑いよね...

で、途中、面白そうな小道があったので、入ってみることにした。


おおお、涼しい...、日陰はやはり全然温度が違う...

しばらく大した物件はないが、奥へ奥へ入っていくと、ちょっと開けた場所に出た...。

おおお、あれなんかイイんじゃないかな。


出ていますよね、オーラが...、見えますか? 右側ですよ!

ソフトタッチで優しくビート...。

!!!!

 

うおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!


っしゃ〜〜!


ウスイロフトカミキリ
[ Peblephaeus yonagunii (Breuning et Ohbayashi,1964) ]

やっと、この島らしいムシが落ちてくれた...。

今回の採集行では、特定のムシに固執することは極力やめようと思っていたのであるが、いざそういうムシが採れるとそれはそれで素直に嬉しいものである...。

さらに近くで追加をゲットしペアとなった。

へなちょこカミキリ屋としては、これで大満足...。

また島のどこかで出会えたら、そんな感じで移動をかける...。

 

またまた開けた場所に出て、よ〜〜く見てみると花が咲いているようである...。


ボタンボウフウというらしい...

ふ〜〜ん、何か飛来していないかな...。

セリ科だろうし、るどの守備範囲だと集虫力は抜けているはず。


うむむ...


うむむ...

とりあえず、訪花しているムシの数は多いが、目ぼしいのはいないようである...。

しかし、優良物件の可能性が高いので、明日また時間を変えて来てみよう...。


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約29.8MB (53 sec.)

 

ということで、本日の日中の採集は、あまりの暑さにギブアップ...。

一回宿に帰って、一休みすることとした...。

このまま続けていたら確実に「熱中症」となってしまうだろう...。

 

・・・ 笑休.com ・・・

 

ふぅ〜〜〜、体力ゲージ回復...。

もう一度、アミノ酸をぐぐ〜〜っと補給しておく。

昨日もやや多めに飲んでいるので、これで今日明日発生しそうな筋肉痛はまず大丈夫だろう...。

さて、今晩も美味い夕食をいただいた後、ある種類を探して簡易灯火をやってみる予定だ。

場所は概ね分っているので、もうすぐ日没という時間に出発...。

 

・・・ 笑灯.com ・・・

 

う〜〜ん...。

この晩は昨日に負けるとも劣らない貧果であったため、詳細は省略させていただく...。

ここでの灯火採集はいずれまたリベンジしよう...。

標本整理、携帯でネットのやり取りを終えた後、再び深い睡眠の沼底へ...。

 

・・・ 笑眠.com ・・・

 

おはようございます...。

昨日と同様、朝から蒸し暑い...。

最終日となる本日も天気が良いようで、厳しい暑さが予想される...。

ぶっ倒れないように注意しよう。

さあ、今日でお別れとなる かりそめの相棒のエンジンをかけ、いざフィールドへ...。

ぶい〜〜んと緩い坂を登り、ががが〜〜と下る...。

まずは、初日にトラップをかけておいた場所を回るとしよう。

トラップが良い状態となるのに本来はもう少し日数が欲しいところであるが、こればかりは仕方がない。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 


うむむ...

とりあえず、林道へ到着。

早速、トラップを含め、目ぼしい場所をチェックしていく...。

基本的には、シブロッピ〜、ケルシウムの「南国御三家」、ブ〜メ、ヨツスジ、ワモンサビ、ヨナグニジュウジクロ、サキシマトゲムネ、ヨナグニアカアシカタゾウ、ここでの普通種がフルキャストで登場...。

今まで写真を貼っていない種は、ここで紹介しておこう...。


オオクビカクシゴミムシダマシ
[ Dicraeosis carinatus carinatus Gebien,1913 ]


サキシマオオニジゴミムシダマシ
[ Hemicera sakishimensis M.T.Chujo,1978 ]


ワモンサビカミキリ
[ Pterolophia annulata (Chevrolat,1845) ]


アリモドキゾウムシ
[ Cylas formicarius (Fabricius, 1798) ]

で、何箇所目かで...。


ウスイロフトカミキリ
[ Peblephaeus yonagunii (Breuning et Ohbayashi,1964) ]

いていただき、ありがとうございます...。

まあ、やはりトラップが若いのか、予想以上にムシは少なかった...。

 

で、今日は昨日以上に風が強い...。

一応、島での作法として吹き上げポイントも見に行ってみようと思うが、この強風じゃダメだろうなぁ...。

でも、吹き上げられて吹きだまっているムシがいるかもしれないので、チェックだけはしておこう...。

 

またまた、ぶい〜〜んと悲鳴、黒煙を痛快にあげながらポイントに到着...。

う〜〜ん、思った通り「激風」が吹いている...。

 

うああああああ〜〜〜〜!!!!!!!  

何が起こったか説明しよう...。

あまりの強風に麦わら帽子が思いっきり後ろに飛ばされそうになったのだが、ちょうど首にかけているヒモが首にぐ〜〜〜っと食い込み、一瞬呼吸ができなくなってしまった、というわけである...。

ああ、恐ろしや...。

基本的な風の強さはこんな感じ(↓)。


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約39.9MB (55 sec.)

で、ムシは既採集種がポツポツいた程度で、総じて芳しくなかった...。

何より、強風で叩き網をちゃんとできないのがイタイ...。

このままでは埒が開かないので、場所を変えて風の弱いところで探索するとしよう...。


この辺りはチョウのパラダイス...

直射日光が降り注ぐ中、林縁の観察を開始する...。


暑いのにご苦労様です...

が、目新しいムシはまったく見ることができない...。

ここは思った以上に乾燥がキツイようである...。


ただ、どんなに暑くても、ヨツスジだけは涼しく気持ちよく落ちる...

他はセンダングサのタネがたくさんこびりついただけで、徒労に終わってしまった...。

記念にチョウを少し採集して移動する...。


移動するね...

 

 

昼食を食べて、午後の部、フェイス・オフ...。


移動...


移動...


移動...


移動...


移動...


おや...?


ふ〜〜む...


おおお!


裏には洗濯機が...


チョービン???

港の潮位計は分りませんでした...。

プチ観光はおしまい...。

 

で、昨日見つけたボタンボウフウの花を見に行かねば...。

途中でウスイロフトを追加し、ようやく花の所までやってきた...。

おおお、今日もムシが来ているぞ!

一番手前にはめちゃくちゃキレイな蛾がいるではないか。


オキナワルリチラシ(八重山亜種)
[ Eterusia aedea okinawana Matsumura,1931 ]

感動的な美しさ...。

おや!

あれはなんだろう?


うおおお、ハナノミだ...


キラホシハナノミ
[ Hoshihananomia kirai Nakane et Nomura,1950 ]

Hoshihananomia属のハナノミは大好きなので、これは嬉しい...。

何頭か訪花していたので、ありがたく採集させていただいた。

ああああ、再度ここに来て良かった...。




キラホシハナノミ
[ Hoshihananomia kirai Nakane et Nomura,1950 ]

あと、ここに来る入り口近くでハンミョウも採れた...。


コハンミョウ(female)
[ Myriochile speculifera Chaudoir,1865 ]

エリトラに一対の鏡紋があるので、この個体は♀ということになる。

 

ふ〜〜む、ということで、変則2泊3日の遠征採集行も、そろそろタイムアップの時間が近づいてきたようだ...。

徐々に片づけをして、レンタカー屋さんの所まで戻るとしよう...。


小さな島だが、そこそこ走ったかも...

 

さあ、行こうか...。


ひょ〜〜〜、北海道に負けないぐらい壮大なスケールで広がる南国的風景...


↑ 動画 ↑
QuickTime version : 約7.4MB (31 sec.)

風が強いのでよく回ってます...

それにしても、楽しいことはあっという間に過ぎていく...。

ガソリンを満タンにし、レンタカー屋さんにお返しし、いよいよ島とお別れする時がやってきた...。


あああ、帰りたくない...

空港に着いてみると、どうやらストは決着がついたようで、フライトは全て順調に運行されているようだ...。

若干の未練を残しつつも搭乗手続きのカウンターへ...。


何となくレトロな感じが良い...

ちなみに、マイル登録は後日郵送してくれとのこと...。

時は容赦なく進み、搭乗時間となった...。

アナウンスに促され、小さなコミューター便に乗り込む...。


お世話になりました...


さようなら...

ということで、相変わらず大した成果ではないものの、この夏第一弾の遠征を無事になんとか終えることができた...。

小さくて狭い島なので、当初はそもそも一度行けばそれで十分だろうとタカをくくっていたが、実際に行ってみると、とても一度や二度行っただけでは見切れない(もったいない)懐の深さを持った島であることが分った...。

そして、絶海の孤島としての景色はどこもダイナミックで素晴らしいものであった。

「小さい島ながら、壮大なスケール」、なかなかこんな島はないだろう。

出会ったすべての人、すべての生物、すべての自然に感謝したいと思う...。

ありがとうございました。

ではでは、また次回、どこかのフィールドで...。

おしまい...。

 

 

今回の採集行にあたりましては、諸先輩方、同好の友人、航空会社など、大勢の方々のお世話になりました。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

本当にありがとうございました。

 

★★★ 成 果 ★★★

ヒゲナガヒメカミキリ、サキシマヒメカミキリ、ヨツスジトラカミキリ、イリオモテトラカミキリ、ヨナグニゴマフカミキリ(*)、ヨナグニウスアヤカミキリ(*)、ヨツスジカミキリ(*)、ヤエヤマカノコサビカミキリ(*)、ヨスジシラホシサビカミキリ、サキシマアトモンチビカミキリ、ヤエヤマアヤモンチビカミキリ、ススキハネナシチビカミキリ(*)、フタホシサビカミキリ、ハヤシサビカミキリ、ワモンサビカミキリ、ヨナグニゴマダラカミキリ(*)、ヨナグニキボシカミキリ(*)、ウスイロフトカミキリ(*)、イツホシシロカミキリ、ヨナグニジュウジクロカミキリ(*)、サキシマトゲムネカミキリ(*)。

コハンミョウ、アオアトキリゴミムシ、リュウキュウスジコガネ(原名亜種)、ヨナグニヒメクロコガネ、アオヒメハナムグリ(与那国島亜種)、エサキアオドウガネ、アオムネスジタマムシ、タイワンナカボソタマムシ、チャイロコナガコメツキ、ズアカツヤコメツキ、ヒラヤマカバイロコメツキ、キオビナガカッコウムシ、リュウキュウダンダラカッコウムシ、ホソカッコウムシ、キラホシハナノミ、アラメズビロキマワリモドキ、オオクビカクシゴミムシダマシ、サキシマオオニジゴミムシダマシ、セスジナガキマワリ、ヒゲブトハムシダマシ、キムネカミキリモドキ、オオミドリサルハムシ、オキナワイモサルハムシ、タテスジヒメジンガサハムシ、イトヒゲナガゾウムシ、アリモドキゾウムシ、オキナワクワゾウムシ、ヨナグニアカアシカタゾウムシ、ホソヒョウタンゾウムシ、カレキゾウムシsp.、クチカクシゾウムシsp.、アシナガコクゾウムシ、カギモンヒメゾウムシなど。

*コメツキムシの同定には、今回もコメツキ屋の皆さまより助言をいただきました。ありがとうございました。

その他、ビミョーなムシなど。

*:生涯初採集...。

記載日:2008.06.16

 
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