大隅で髭長な旅...
へなちょこカミキリロード 2011 
 

 
2011.08.06 (Sat) 〜 2010.08.08 (Mon)
 
ということで、久しぶりの採集記...。

すでに書き方を忘れてしまっている...、というか「採集記って何よ?」というのが正直なところ...。

お狐様に憑依されたかのように毎回採集記を書いていた頃のことが夢幻のように思える...。  

というのも、今季もこれまで定期的に遠征採集へは出掛けていたものの、ほぼ毎回台風や悪天候で採集行為そのものが制限される事態が続き、ムシ関連へのモチベーションがどん底まで落ちてしまっていた...。

 

島(その1):台風5号直撃
島(その2):常時の強風+強烈なスコール
島(その3):台風6号直撃
近場:目的の種類ヌル...

まあこんな感じである...。

 

ということで、早くも今季最後の遠征を迎える訳だが、はっきり言って、もうどうでもいい...。

とりあえず、予定通りに行って、なんとなくその辺にいるムシを採って、適当に日記に載せてお終い!

いやいや、採集すらしなくたっていい、鰹節掻いて、流しそうめん食べて、温泉入って帰ってくればいいじゃないか...。

そんなレベルまで気持ちが荒んでいたのは事実である。

 

まあでも、一応天気予報は見ておこうか...。

 

ふむふむ...、台風9号の影響により「雨」と...。

 

やはりな...。

それも、狙ったように私が滞在する間だけ天気が崩れるようであった。

南西諸島を除くその他の地域は軒並み好天なのにな...。

 

ぬ〜〜ん...。

 

ここまでツイていないと、もう笑うしかない。

 

へへへへっへへ...。

 

・・・ 当日.com ・・・

 

いざ、南下...。


このまま羽田の天気ごと持って行きたい...

 

フライトについては、当然のごとく条件付き運行で、着陸できない場合は、羽田空港 or 福岡空港 or 宮崎空港へダイバートするとのことであった...。

いつも思うが、着陸直前まで行って羽田に戻るのだけはイヤだな...。


・・・ 機上.com ・・・

 

ということで、何の問題もなく着陸...。


久し振りの光景...

 

荷物を受け取り、レンタカー屋のピックアップ場所へ...。

で、この空港でレンタカーを借りるのは初めてだが、某社はちょっとサービスが悪い気がした。

同じ系列会社でも店舗によってばらつきがあるので困る...。

一応、明記しておく。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 

気温は28度と蒸し暑いが、予報通りに天気が悪い...。

遠くにある台風の影響なので、常時豪雨@強風と言う訳ではないものの、ムシを採るには厳しいものがある。

 

さて、今回の目的地はかなりアクセスの悪い所で、最寄りの市街地からはどこも1時間〜2時間はかかる辺鄙な場所である。

ルートのほとんどが下道であり、空港からは直行でも3〜4時間はかかるのではないだろうか...。

ムシのためとは言え、よく行くねぇ...。

行き方は幾つかある様だが、往路は競馬で言うところの「内埒」沿いを走っていくこととした。

最近、新たな位置ゲーを始めたこともあり、そのためでもある。


ねっとりとした低い雲...

 


雨量は少ないながら、風で横殴り気味に降るイヤな雨...

 

今回の採集は灯火がメインである。

もちろん、その気になれば昼間も採集できるが、この天気ではどうにもこうにも...。

また、いくらアクセスが悪いとは言え、このまま採集エリアへ直行すると下見の時間を含めてもかなりヒマになってしまう...。

結局、まずは宿にチェックイン → 食料調達など → 温泉など → 長丁場の夜間採集に備えて昼寝、ということにした。

 

・・・ 昼寝.com ・・・

 

では、出発...。

宿からポイントまでは1時間ぐらいだろうか、けっこうな距離がある...。


途中から濃霧...

 

ずびゅ〜んと濃霧の峠を越え、ようやく採集エリアに到着した。

エリアに入ってみると分るが、照葉樹林、匂い、道路、海など、先ほどとは全く様相が異なっている。

何だか南西諸島のような雰囲気だ...。

携帯電話の電波は微弱、位置ゲーのアプリで測位してみると、お隣の離島からの電波のようである。

試しに びおすけさんに電話をかけてみたが、繋がらなかった...。


幸い雨は降っていないが、風は強い...

 

知人から事前情報は頂いているため、エリア内をざっと見て、本日灯火する場所を決めたいと思う。

しばらくウネウネと海沿いを走り各地をチェック、最終的に樹林が近いが多少開けている場所を選び灯火セットを設置した。

風が強いのであまり開けた場所は採集にならないのである。

 

日没まではしばらく時間があるため、車内にて待機する。


19:20、ライト・オン...

 

薄暮帯の彗星、ルフェを期待したが、強風のためか何も飛来しなかった...。

その後、山の稜線が微かに見えるぐらいの暗さになって、やっとアオドウガネやコフキコガネなどのコガネムシが飛来し始めた。

時折飛来するコメツキを摘みながら、ふと前を見てみると、樹幹をのっそり動く甲虫を発見...。

も、もしや...。


ウスバカミキリ/薄翅天牛 [ Megopis sinica sinica White,1853 ]

 

うむむむ、残念ながらトゲは無かった...。

ということで、この地での初天牛はウスバとなった。

その後、予想外にカミキリムシが飛来する。


カタジロゴマフカミキリ/肩白胡麻斑天牛 [ Mesosa hirsuta hirsuta Bates,1884 ]

 


クワカミキリ/桑天牛 [ Apriona japonica Thomson,1878 ]

 


キマダラミヤマカミキリ/黄斑深山天牛 [ Aeolesthes chrysothrix chrysothrix (Bates,1873) ]

 

他は、ウスイロトラ、フタオビミドリトラ、トガリシロオビサビ、クロオビトゲムネなどなど...。

 

しかしながら、本命はまだ飛来しない。

基本的に遅く飛来する種のようなので、まだゴールデンタイムまでは遥かな時間があるが、どうにもヤキモキしてしまう...。

そもそも、こんな強風でも飛んでくるのだろうか、まあ、これまで多少は天牛が飛来しているのだから1頭ぐらいは来るだろう、いいやダメかも...、などと一人で堂々巡り。

ここに来る前は、採集などどうでも良かったはずなのに...。

 

溜息とともに車の窓に映った自分を見てみると、いつもはほぼ真ん中で分けている前髪が、強風の影響で7・3分けになっているのが可笑しい。

 

さて、そろそろ20:00、運が良ければ最初の一波があってもいい頃合いだ。

 

 

うむ!  

 

うむむむ!!  

 

それは HIDランプの光軸を斜めに切るように落ちた...。  

 

〜 ゆっくりスクロール 〜  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


オオスミヒゲナガカミキリ/大隅髭長天牛 [ Dolichoprosopus sameshimai N.Ohbayashi,2001 ]

っしゃ〜〜!!

 

その5分後...。


ぬおおおおおおおお〜〜!!!

 

なんとラッキーなことに、その一波が来たのであった...。

こんな風の強い中、来てくれてありがとう...。

 

生体を実際に手にして、このオオスミヒゲナガカミキリはヨコヤマヒゲナガカミキリに似てはいるが、大いに質感を異にするムシであることを実感した。

それまで、図鑑、雑誌、ネットなどの写真、あるいはインセクトフェアでチラ見した限りでは、正直「白毛が剥げ落ちたヨコヤマに限りなく近い種、あるいはヨコヤマそのもの」程度の認識しかなかったのであるが、そんな邪な見解を持った自分がちょっと恥ずかしかった...。

 

この後は若干のクワガタが飛んできたくらいで、目新しい種類が途切れてしまった...。


デカイね...

 


小さいね...

 

で、強風が止めば深夜帯のオオスミ飛来を期待して、深夜〜明け方まで粘っても良かったが、一向に止む気配がないため、日付が変る頃合いで本日は撤収、宿に引き返すこととした。

ちなみに、今回、私のセットでは3時間しか点灯できない構成(HID本体+外付けバッテリー1個)だったため、3時間以降は車のシガーソケットから電気を引いてきた。

これによるガソリンの消費はほとんどみられず、ずっと明るい光量を保ったまま灯火採集を続けることが出来た。

ということで、撤収...。

 

 

・・・ ド寝.com ・・・

 

 

朝...。

本日も朝からスコールが降るなど天気が悪い...。

まあ、夜までは延々と時間があるので、日中はゆっくりと過ごそうと思う。

とりあえず、買い出しついでに近所を観光...。

地元の名所を回り、名物を食し、温泉に浸かり、宿に帰って昨晩のムシを展足、昼寝、そんな感じで過ごした。

 

・・・ 昼寝.com ・・・

 

ということで、2回目の灯火へ出発...。

 

・・・ 笑走.com ・・・

 


了解!

 


本日も、ここからは濃霧...

 


まだ昼間なのに...

 


怖え〜よ...

 

濃霧の中、ストレスフルな運転が30分ぐらい続き、標高が随分下がったところでようやく視界が開けてきた。

ふう〜、一安心...。

 


あの濃霧、というか雲の中を抜けてきたことになる...、山頂が全く見えない...

 

実は昨晩、宿に帰る際の峠越えは「暗黒+濃霧」でもっと怖かった...。

 

さて、今晩はいいポイントでやろうとその場所へ行ってみたが、なんと本日も先客がいた...。

まあ、すでにオオスミをゲットしているという心の余裕はあるため、敢えてベーツさんやコゲチャさんなどの未採集種を狙って、別の場所でやってみることとした。


2晩目はほぼ林内というようなシチュエーションで点灯...

 

本日の条件は、昨晩と一転して蒸し暑く、ほぼ無風状態。

予想外に良い条件であり、かなりの期待が持てる。

が、薄暮帯の彗星、ルフェは今回も飛来せず...。

のっけからアオドウガネ、コフキコガネのマシンガン攻撃を受けることとなった...。


点灯してから10分足らずで...

 

しばらくすると、大きな羽音とともに、多数のカブトムシ、ミヤマカミキリが飛来...。


今晩はクワガタも多い...

 

甲虫や蛾の飛来数は昨晩の比にならないほど多く、灯火自体はとても賑やかなのだが、肝腎のベーツさん、コゲチャさん、ノルティアさんは1頭も飛来しない...。

 

今は詳細を書かないが、実は今回とある光景を生々しく目撃して、HIDのセットにコガネムシ科甲虫の飛来が多いのは、このセットの影響かも...、という点に気がついた。

今後、ちょっとした工夫が必要かも知れない。

 

で、昨晩オオスミが飛来した20:00を過ぎても、オオスミの第1波は来なかった。

あれだけ飛来していたコガネムシの波状攻撃も落ち着き、新規で飛来するムシもぐっと減ってきた。

狙いの天牛が1頭も来ないのは、場所の選定を間違えたかも知れないな...。

あと30分待って状況が変らなければ、少し場所を変えるとしよう。

と思った矢先、幕の端にゴキさんのような茶色いムシがついているのを発見...。

 

うおおお、ベーツさんだ。

っしゃ〜、初採集!

いつも通り指掴み写真を撮ったのだが、何故かこの写真だけデータが壊れて復元できなかった、残念...。

その後2匹目のドジョウを得るべく、しばらく経過を見たがその1頭キリで追加は来なかった...。

 

よし、移動しよう。

ぴゃっぴゃっぴゃっとセットを荷台に放り込み、もう一ヶ所の目をつけているポイントへ行ってみた。

 

・・・ 移動.com ・・・

 

ポイントへは直ぐに到着...。

暗いので周囲の状況は把握できないが、とりあえずライトを設置、直ちに点灯させた。

 

点灯してから10分ほど過ぎたところで、コガネムシや蛾が集まってくる。

あわよくばオオスミにも飛来して欲しいところである。

 

ムシは幕に直接飛んでくるとは限らず、周囲の木々や道路などにも付いたり落ちたりしていることが多いため、定期的にネットを掛けたり、揺すって落としたりしてみる。

また、オオスミの♀を狙って、積極的に林内の見回りも敢行する...。

 

何回目だっただろうか、灯火周囲の見回りで、地面を歩く比較的大きな黒いムシを見付けた。

 

 

ん!

 

 

 

 

こ、これは...。

 

 

 

 

急いでライトの当たる明るい所で確認してみる。

 

〜 急いでるけど ゆっくりスクロール 〜  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


オニユミアシゴミムシダマシ/鬼弓足芥虫騙 [ Promethis amanoi Masumoto,1987 ]

っしゃ〜〜!!

 

うおおおおおお、オニユミアシじゃないか!!

これは予想外、本当に嬉しい1頭であった。

う〜〜ん、この前脚脛節のやや非常識な曲がり具合が何とも言えない。

あああ、来てくれてありがとう。

これが採れただけでも、ここまで来た甲斐があったというものだ。

 

・・・ 翌日.com ・・・

 

さて、日程の最終日は特に採集予定を入れず、別件→観光→温泉というゆったりペース...。


ここは一度観てみたかった...

 


全ての汗を洗い流す...

 

 

ということで、総じて貧果ではあるかも知れないが、事前の悪天候予報を跳ね除け、与えられた状況下ではなんとか成果を得ることが出来たと言えよう。

本当に行って良かった...。


南国ムード満載の希有なフィールドに空から感謝...(る♂

 

※今回の遠征採集にあたり、種々のアドバイスや情報をご提供いただいた方々に御礼申し上げます。

 

★★★ 成 果 ★★★


上段左:オオスミヒゲナガカミキリミ [ Dolichoprosopus sameshimai N.Ohbayashi,2001 ]
上段中:ベーツヒラタカミキリミ [ Eurypoda batesi Gahan,1894 ]
上段右:キマダラミヤマカミキリ [ Aeolesthes chrysothrix chrysothrix (Bates,1873) ]

下段左:ウスバカミキリ [ Megopis sinica sinica White,1853 ]
下段中:クワカミキリ [ Apriona japonica Thomson,1878 ]
下段右:カタジロゴマフカミキリ [ Mesosa hirsuta hirsuta Bates,1884 ]

 


上段左:ウスイロトラカミキリ [ Chlorophorus signaticollis (Castelnau et, Gory,1841) ]
上段中:フタオビミドリトラカミキリ [ Chlorophorus muscosus (Bates,1873) ]
上段右:クロオビトゲムネカミキリ [ Sciades fasciatus fasciatus (Matsushita,1943) ]

下段左:トガリシロオビサビカミキリ [ Pterolophia caudata caudata (Bates,1873) ]
下段右:クロコガネ [ Holotrichia kiotoensis Brenske,1894 ]

 


上段左から:
アオドウガネ(原名亜種) [ Anomala albopilosa albopilosa (Hope,1839) ]
サツマコフキコガネ male [ Melolontha satsumaensis satsumaensis Niijima et Kinoshita,1923 ]
サツマコフキコガネ female [ Melolontha satsumaensis satsumaensis Niijima et Kinoshita,1923 ]
ビロウドコガネ [ Maladera japonica japonica (Motschulsky,1860) ]

下段左から:
オオフタモンウバタマコメツキ [ Paracalais larvatus larvatus (Candéze,1874) ]
オオナガコメツキ [ Elater sieboldi sieboldi (Candéze,1873) ]
アカハラクロコメツキ [ Ampedus hypogastricus hypogastricus (Candéze,1873) ]
アカアシアシブトコメツキ?

 


上段左から:
カラカネナカボソタマムシ [ Coroebus ignotus ignotus E.Saunders,1873 ]
アヤムネスジタマムシ [ Chrysodema lewisii E.Saunders,1873 ]
オニユミアシゴミムシダマシ [ Promethis amanoi Masumoto,1987 ]
コマルキマワリ [ Elixota curva (Marseul,1866) ]
ツマグロキゲンセイ [ Zonitis cothurnata cothurnata Marseul,1873 ]

下段左から:
アミダテントウ [ Amida tricolor (Harold,1878) ]
イガラシカッコウムシ [ Tillus igarashii Kono,1930 ]
エグリフトヒゲナガゾウムシ [ Stiboderes impressus stibinus (Jordan,1912) ]
ウスモンツツヒゲナガゾウムシ [ Ozotomerus japonicuss Sharp,1891 ]
ウスモントゲミツギリゾウムシ [ Caenorychodes planicollis (Walker,1859) ]

 

記載日:2011.08.14

 
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