ジュウニキボシカミキリ  Paramenesia theaphia (BATES, 1884)
カミキリムシ科
フトカミキリ亜科
トホシカミキリ族

ジュウニキボシカミキリ属
時間の許すかぎり、どんどん採集したカミキリムシを観察していこう。

今回はジュウニキボシカミキリだ。

これは青森県にて灯火採集した個体で、採集時の同定はジュウニキボシカミキリである。

採集記にも書いたが、F1マシンのようなカラーリングが美しい。

本種はセンノキやシナノキが主なホストであり、通常は生葉のスイーピングにて得られることが多い。図鑑上は「まれに灯火にも飛来する」とあるが、私は灯火でしか採集したことがない。

ほぼ日本全国に分布し、活動期は6−8月とのことだ。

【採集データ】
青森県 2001.07.24 灯火

体長は9.6ミリ

 → 採集記


後肢腿節

カミキリムシ科→フトカミキリ亜科は省略する。

ジュウニキボシカミキリは「トホシカミキリ族」に属し、最初の分岐点では、リンゴカミキリ属との鑑別を行なう。

まず、腹側から観察し後肢腿節の遠位端が、腹部第2節の後端を超えるかどうかを確認する。

超えていなければリンゴカミキリ属であるが、この個体では矢印のごとくちゃんと「越えている」。
というわけで、リンゴカミキリ属を除外して次へ。


触角

触角の長さから、ヒメルリカミキリ属との鑑別を行なう。

ヒメルリカミキリ属の場合、触角は長く♀でも体長の1.5 倍を超えるそうだ。

一応、緑(体長)と赤(触角長)の線分を引いてみたが、とてもそんな悠長な長さを有する触角ではない。
よって、ヒメルリカミキリ属でもないことが分かった。


上翅側面

さて、この次が問題だ...。

検索図説ではこの図のように、「上翅に背面と側面を分ける明瞭な陵が1本ある(矢印)」となっているが...。

図説のシェーマをもとに自作した図 →


実際の個体では、よく分からない...。

クローズアップしてみる。


「陵」があると言われれば、あるようにも見えるが...。

「ある」としておこう...。


上翅尾側端

さらに上翅尾側端の形態から、「外角が尖る」「内角が尖る」「丸いか、わずかに裁断状」の3パターンに分ける。

本個体では、緑線でトレースしたごとく「丸いか、わずかに裁断状」である。

少なくとも、尖った部位はみられない。


上翅の紋様

上翅に「黄色紋(ジュウニキボシカミキリ属)」「黒色紋(ヤツメカミキリ)」「紋なし(クロキクスイカミキリ)」で絞り込む。

見ての通り、上翅には黄色紋が認められる。

従って、ジュウニキボシカミキリ属ということが決定。

本属には、「ジュウニキボシカミキリ」と「カスガキモンカミキリ」の2種が属している。

前胸背の中央部が黒色(矢印)で、上翅中央の黄色紋は「逆八の字(矢印)」という特徴から、本個体はジュウニキボシカミキリとなる。


エピローグ

う〜〜ん、今回はちょっと強引なところもあったが、今後似た種類を同定する際に、その都度振り返って復習したいと思う。

記載日:2001.08.29

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