クスベニカミキリ  Pyrestes nipponicus HAYASHI, 1987
カミキリムシ科
カミキリ亜科
クスベニカミキリ族
クスベニカミキリ属

同定奮闘記の第2弾として、今回は「クスベニカミキリ」に挑戦する。

これは群馬県にて採集したもので、採集時の同定はクスベニカミキリである。

体長は16.5 ミリであった。

山間の林道沿いに咲くノリウツギやリョウブに訪花するところを採集されることが多いようだ。私はクリの花のスイーピングにて偶然得た。普通種の反面、一度に多数得られることはないらしい。

ほぼ日本全国に分布しているが、奄美諸島(奄美大島)、先島諸島(石垣島、西表島)に産するものは、それぞれアマミクスベニ、マツダクスベニという別種として記載されている。

活動期は5〜8月で、寄主植物はクスノキ、タブノキ、ヤブニッケイ、カゴノキとのことだ。いずれも生木の枝に侵入し、蛹化前に枝を切り落とし落下させるという特異な生態をもつそうである。

【採集データ】
群馬県 2001.07.20 クリの花(スイーピング)

 → 採集記

それでは図説を元に各部をみていこう。


触角

図説の「カミキリ亜科」の項から始める。

最初の枝分かれは「上翅が長いか?、短いか?(=ヒゲナガコバネ、ネキダリス)」であるが、本個体は前者である。

まず触角を観察する。

触角は扁平であり、第5−10節にかけて「強く鋸歯状」という点が、クスベニカミキリ族の特徴らしい。

この個体は、それに該当すると言っても良いだろう。

というわけで、クスベニカミキリ族に決定する。


前胸背板

次は前胸背板のチェックだ。

前胸背板側縁に沿って「長毛が密生」しているか否かが大きな分かれ目となるようだ。

早速、白円で囲んだところをアップしてみよう。


前胸背板アップ

32倍に拡大した写真。

比較的長い黒色毛の密生を確認できる。

これにより、マツダクスベニではないことが判明した。

もっとも、採れた場所がぜんぜん違う(先島諸島ではない)ので調べるまでもないが...。


再度、前胸背板

早くも、これで最終チェック項目となる。

もう一度、前胸背板に着目する。

前胸背板に小隆起が存在すればアマミクスベニらしいが、この個体には見られず「のっぺり」としている。

まあ、これも調べる必要はないかもしれないが、道筋上はそういうことらしい。

というわけで、クスベニカミキリに決定することとなり、採集時の同定と一致した。

う〜〜ん、楽勝パターン。


エピローグ

今回は、かなりあっけなく終わってしまった。

今後も週1〜2種の割合でやっていけたらと思う。

記載日:2001.08.13

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